メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Mind's Eye の Walking On H2O

2011-09-25 17:04:58 | メロディック・ハード
スウェーデンのプログレ・メタル・バンドの4作目。
2006年作品。

あまり期待せずに聴いてみたが、これがいい!
私の好きなXsaviorやCircus Maximusに似ている。
3つとも、スウェーデンのバンドだという他に、変リズム、メロディの変化が多い。
プログレがかっているとしても、サウンドがヘヴィーだ。
こむずかしく、洒落たことやっているのに、キャッチーだしコーラスがあるため、聴きやすい。

メタルというより、ハード・ポップと言った方が近いかも知れない。
何より、音圧をそれほど上げてないため、サウンドが整理されてて疲れないのだ。
曲によっては、ACTにも聴こえる。

中心人物は、Dr&KeyのDamiel Flores。
ソングライティングの他に、アレンジ、プロデュースやミックス、エンジニアを務めている。
何ともマルチだ。

スピード重視ではないので、気づきにくいが、やってることは高度だ。
ドラムスだけ追っても、シンプルではないので退屈しない。
ボーカルはやや高音で、ACTをちょっと太くした感じ。
ギターは、リフを弾かせればヘヴィーだけど、常にリフを弾いているわけじゃないから、トータルすると軽めになってしまう。

そして、キーボード。
ペラペラと薄っぽい。チープな作りだ。
これが、シンフォニックになると、芸術的になるのに、敢えてしない。
あくまでも聴きやすさを追求しているかのようだ。
これが計算づくなら、おそるべし!!

Dream Theater の a dramatic turn of events

2011-09-19 16:07:38 | メロディック・ハード
アメリカのプログレ・メタル・バンドの11作目。

なんと、ドラムスのMike Portnoyが脱退してしまった。
後任に、エクストリーム、スティーブ・ヴァイと活動したマイク・マンジーニをオーディションで選出した。

それがどのように影響されるかだが…。
ポートノイのダイナミックでドラマティックなドラミングはなくなり、大人しくなっていた。
が、決してパワーダウンした訳じゃなく、派手でなくなっただけだ。
マンジーニのドラミングは、確実で安定しているし、よく聞くと、転がすような洒落た連打が聴ける。
ポートノイのヘヴィネスと派手さは、Dream Theaterの個性の一つになっていたので、今はまだ物足りないが、連打ならポートノイの上を行くマンジーニだから、次作は個性が出てくるだろう。
なんせ、今作はジョン・ペトルーシがSuperior Drummerというソフトで打ち込んだものを、マンジーニに送っていたのだから。


曲を聴いた印象では、前作『Black Clouds & Silver Linings』の延長にあるが、多少ジャズがかったかなって感じだ。
そして、いつになくジョーダン・ルーデスのKeyやピアノが聴こえてくる。

変リズムは当たり前の相変わらず高度なことをやっているし、楽曲の質も高い。
だけど…。高度すぎてついていけない部分もある。
もっと印象的な歌メロ、ギターソロもやってくれないと、疲れてしまう。
聴き込まないと、なかなか理解できないからだ。
その点、前作はキャッチーな“A Nightmare To Remember”があって良かったなと思ったり…。


今現在だと、バラードがすごく心地いい。(スカスカだから?)
4曲目の“This Is The Life”と、7曲目の“Far From Heaven”だ。
ジェームズ・ラブリエの優しい柔らかな声がいい。
ジョン・ペトルーシが、ジェームズに合うように、高めの音域にしたのが成功している。

バラードだと、テクニカルというよりも、叙情的なギターソロを聴かせてくれる。
ジョンは、これでもかというスピーディな演奏と、叙情的な演奏が使い分けられる。

8曲目は、ジョン・マイヤングによる“Breaking All Illusions”
プログレがかっていて、私には聴きやすい。


そして、全体を通して聴いていくと、高密度なのも受け付けられるようになる。
ヘヴィーとバラードとプログレ。
これらが混在して、独特の色付けがなされるのこそ、Dream Theater!
聴き込むほど、新たな発見があるのも同じ。
これから先も、変わることなく高度な作品を生み出すのだろう。

Die Energie 5.2☆11.8

2011-09-12 23:34:14 | Weblog
82年に三原順さんが描いたマンガ。
(ライナーでは81年になっている)
原発のことを題材にしていたのを思い出して、読み返してみた。

今から実に30年前の作品。
あらすじは、wikiに任せるとして。。(手抜き[m:206]&確実)

http://ja.wikipedia.org/wiki/Die_Energie_5.2%E2%98%8611.8


主人公のルドルフは、電力会社に勤務している。
物語の主となるのは、原発爆破テロとの攻防だが、電力の抱える問題も同時にあぶり出している。
ずばり、原発問題だ。
抜粋してみると。。

・80年代初めの時点でさえ、アメリカでは原発の安全性が疑問視されているにかかわらず、
エネルギー予算の半分以上を原発に費やしている。
一方で原発建設のキャンセルが相次ぎ、利益は生み出さず、
省エネが進んで需要も進まないでいた。
このことで、ベトナム戦争と原発は、官僚的な化け物となり下がったと
10年前から叫ばれていた。(ってことは71年に!)
各国も原子力開発を進め、それは国の威信をかけたレースとなっていた。

・電気は、扱いやすく、安全性も高く、臭いも煙も出さず、
邪魔者扱いされるほどスペースを食いもしない。
それでいて、他の燃料と比べて、特別高価なわけじゃない。

・けれど、5.2の電気を生み出すために、発電用エネルギーや送電ロスで11.8が廃棄される。
(燃料をたき、蒸気を作り、タービンを回し、発電機を動かして電気を発生させるため)
石油ストーブなら、60~70%の熱効率なのに。
(タイトルの意味)

・誰ががエアコンのスイッチを入れる時には、他の多くの人々もスイッチを入れたがる。
電力会社は順番待ちして下さいとは言えない。
ピーク時の需要を賄えるだけの発電所を建てなければならない。

・需要の減る時間帯でも、原発は燃料棒を保護するため、
全出力の60%しか出力を絞る事ができない。


これら問題点が、30年以上前から、現在と何ら変わらないことに愕然とした。
私は、電力のことを、知りはしなかったのだ。
30年前は、題材が重過ぎて半分しか理解していなかった。
また、電力のメリットばかり知らされていたのだ。
打開策はないのだろうか?

このマンガでは、ルドルフの口を通して、問題の解決策が語られた。

・蓄電池システム
・揚水発電所

が、揚水発電所建設は、住民の反対にあって、9年寝かされているという。
そして今でも、電力は作り置きできないものとされている。
余った分は、貯めることができずに消えてしまうのが、もったいなくて仕方ない。


私は、安全性が認められなければ、原発は反対だ。
が、石油やLNG枯渇の心配を抱えているので、電力の安定供給ができるか不安だ。
便利な生活に慣れてしまったから、今さら電気のない生活は考えられない。
今ある水準は、少し落とした程度で守りたい。
けれど原発はイヤ、というのは、傲慢な気がする。
快適な生活を我慢するか、原発を容認するしかないのだろうか?
画期的な方法が登場してほしいが。。

今は、事故処理をきちんとし、被害に遭われた方々が少しでも気持ち良く過ごせるようにと願うばかりだ。
そして、今ある平和な時間を大切にしたい。

Symphony X の Iconoclast

2011-09-03 23:44:20 | メロディック・ハード
Symphony Xの7作目。2枚組。
この作品もトータルアルバムになっている。
これまで、古代、太古の昔-創世記と、過去の文明(?)をテーマにしてきた彼らが選んだ新たなテーマは、『未来』だった。
人類が機械に操られている世界観だ。

そのせいか、重低音を利かし、リフ重視の無機質なサウンドになっている。
そのせいで、単調に成り下がってしまって、おもしろくない。
もちろん、やってることは高度だ。
変リズムを使い、リフは複雑だし、マイケル・ロメオのギターソロは、テクニカルな速弾きだ。
これでもかと、攻撃的に襲ってくるのだが、どうも感情に訴えかけて来ないのだ。

この感覚は、Dream Theaterが余りにもメタルに走ってしまったのと似ている。


私はSymphony Xの魅力は、メタルの中に、抒情的なメロディ、印象的な場面展開、
そしてラッセル・アレンのアツいハートのこもった魂の熱唱だと思っている。

その反動なのかに、1枚目のラストのロッカ・バラード“When All Is Lost”は、素晴らしく感情に訴えかける。
スローなピアノで始まる。
まるで静寂のぴんと張りつめた空気の中の、一筋の光のようだ。

コード進行も、バックに流れるピアノのアルペジオも、マイケルのギターソロも、まさにこれぞSymphony X!!
この曲だけで、満足する。

他に気に入った曲は、1曲目のタイトルナ1まいバー“Iconoclast”
サビの ♪We are strong, We will stand and fight~が印象的だ。


ラッセル・アレンが、ロニー・ジェイムズ・ディオへのトリビュートの意味で、曲によって彼そっくりの歌い方をしている。
高音の喉の絞り方、唸り方なんて本当によく似ている。
これまでも似てると思っていたけれど、物真似ではなく、なりきっているのがすごい。
サバス的な中に、バビロンの城ちっくな曲があるのは楽しい。

1枚のにまとめたダイジェスト盤の選外の方に、気に入った曲がある私は、天邪鬼なのだろうか?
いや、彼らはこれまでのスタイルを排除し、意図的に硬質な作品を作り上げたのだろう。