メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

ZenoのRunway To The Gods

2006-10-30 20:54:37 | メロディック・ハード
びっくりした!
ものすごく心地良く聴ける。
それも、初めて聴くと思えないくらいになじむ。

Zenoの3作目は、私にとって、デジャブではと思わせるくらい懐かしい。
それもそのはず、フォリナーとブライアン・アダムスとRainbowを足したサウンドだからだ。
リフと歌メロがフォリナー、ボーカルがブライアン、隠し味がRainbowなのだ。
80年代初期が蘇る。
ボン・ジョビにも似ている。

Fair Warning再結成のため、当初予定していたトミー・ハートをあきらめ、Zenoはオーディションでマイケル・ボーマンを選んだ。
さっきも書いたように、彼の歌声は、まるでブライアン・アダムスだ。ハスキーでありながら伸びがある。
甘さも秘めている。
楽曲主義で、哀愁を込めたサウンドは聴きやすい。キャッチーだ。
最近、軽いキャッチーさに飢えていたので、なおさら気分良く聴ける。

6曲目のインストナンバー“Sogno Di Angelo(天使の夢)”は、クラシックをRainbowの後期風に調理といった風情も窺え、楽しくなる。

さて、肝心のZenoのギターだが、これがまた天に昇る高揚感と、流れるような軽快さを与えてくれる。
滑らかでヴィヴラートがあって、少し歪みもある。
低音の厚みはないが、この楽曲にはよく合っている。
何より、哀愁あるメロディと、明るい突き抜けるようなメロディの両方がいい。

他にも似たバンドを知っていたはずだけど、今はちょっと思い出せない。
どこかで聴いたサウンドだが、今求められている音でもあると思う。
清涼剤になり得る、素晴らしい作品だ。

Rhapsody Of FireのTriumph or Agony

2006-10-28 22:33:34 | メロディック・ハード
Rhapsody Of Fireと改名した、イタリアの元祖シンフォメタルバンドの7枚目のフルアルバム。

エメラルド・ソードの物語だった5作目までは、ドラマティック+パワーメタル+スピード+シンフォニックがうまく融合して、私は一生Rhapsodyについて行こうと決意したものだが、6作目からちょっとぐらついている。

6作目からの新シリーズは、相も変わらずモンスター達との格闘物語だが、スピードやメタル度が減退していた。
代わりにファーストにもあったトラッドっぽさが復活し、緊迫感が薄れていった。
この7作目は、それがさらに顕著になった。
全体的におとなしく、地味だ。
血湧き肉踊るような高揚感がなくなった。
これは後退でしかない。

よくよく聴くと、生オーケストラを使ったり、静かなギターの調べはそれなりに魅力的だ。
だが、Rhapsodyを好きになったのは、アキレスのスピーディなドラムに乗って、ルカの高速ギターがうなり、アレックスのオーケストレーションの美しさと、ファビオの美しい高音の見事なボーカルとシャウトだろう。
さらにやりすぎとも思える、展開の多い、泣き所満載のメロディと、装飾過多のこってり感、涙を誘う哀愁も彩を添えて、1枚聴き終わる頃にはぐったりするほどの音の洪水であったはずだ。

それらのサクセスパターンを追いやって、ミディアムテンポが多く、起伏のない同じようなサウンドを聴かされるのはツラい。
実際、このところ寝不足気味の私は、7~9曲目くらいではいつも寝てた。
もしかしたら、音楽的に芸術作品になれるように、普遍的なサウンドを目指したのかも知れないけど、クラシックなんてどうでもいいから、もっとメタルをやってほしい!
メタルをやってこそのRhapsodyなのだ!!

個別には、いい曲もあるんだけど、全体的にまとまった時に、ワッと迫り来るものがない。
“Son Of Pain”は、“Lamento Eroico”に匹敵するバラードなんだけどなぁ~。ファビオのボーカルはまさに円熟の境地に達してるだけに、もったいない。

多分、サウンドの変化は、Rhapsodyが成功したことによって生オーケストラを使えるようになり、オーケストラを前に出した結果、彼らのサウンドが引きずられたんだと思う。
いっそのこと失敗して、生オーケストラをシンセやギターに戻しちゃえ!
(なんつ~感想だ)
日本盤ボーナストラックは、なかなかメタルちっくでいい。

AngraのAurora Consurrgens

2006-10-25 23:55:53 | メロディック・ハード
Angraの2年ぶりとなる6作目。
今回は、トータルアルバムではなく、各曲が独立している。

またしても、一聴しただけじゃよくわからない、内容凝縮な作りだ。
前作の「Temple Of Shadows」のように、聴き込みをしないとよくわからないだろう。
よって、本館のCDレビューに、ロングレビューを書くことにした。

前作同様、ワールド・ミュージックを随所に取り入れ、奥の深い味わいがある。
「Temple Of Shadows」よりは暗め&重めでストレートな作風か。
傑作の後の作品。。例えばJourneyで言えば「Escape」の後の「Frontiers」のように、前作で高いレベルに達して名声を得たのに、まだ先を求めているかのような作品だ。
決して手を抜かない、飽くなき探究心にただただ圧倒される。
ただ、Journeyでもそうだったように、作品のレベルは高いが、ちょっとマニアックに走りすぎ、キャッチーさに欠けるきらいがあるのが欠点と言えば欠点。
とはいえ、このアルバムの質で文句をつけるのは酷だろう。

ちなみに、「Temple Of Shadows」の私のロングレビューは、
http://sound.jp/massh/angra-tample.htm

Iron MaidenのA Matter Of Life And Death

2006-10-19 23:08:21 | メロディック・ハード
私のIron Maidenとの出会いは、彼らのデビュー時にまで遡る。
パンク全盛期に現れたヘヴィーロッカー、救世主。
が、その後のMTVの隆盛によって、興味が移ってしまい、それっきりになってしまった。
ということで、「鋼鉄の処女」を基準にしてしまう。

さて、「A Matter Of Life And Death」だが、なかなかシンフォニック。
スピード感や緊迫感はさほど感じられない。
歌メロは何だか間延びしてるようだが、ギターソロはいい。

プログレ的と言われるが、プログレ好きな私は全然苦にならない。
むしろ、空間の隙間をリフで埋めるのではなく、シンセで埋める箇所が気になる。
シンセで効果的な異空間を創り出すのではなく、とりあえずシンセで雰囲気を盛り上げてみました的な使い方が中途半端に思えるのだ。
もしもプログレ的に曲作りするなら、変リズム多用でもっと複雑な曲を書くべきだ。
ファーストではできていたのに!

Sentensedの悪い使い方をしているようで、思い切りも悪い。
抑え気味のリズムとギターだが、ギターソロになると突然水を得た魚のようにイキイキと感じるのは私だけじゃないだろう。
だったら、ギターをもっと前面に出すべきなのでは?

いずれにせよ、聴き込まないことには、悪い面ばかりが目立ってしまう。
しばらくしたら、書き直し。。かも♪

Dream TheaterのImages&Words

2006-10-09 21:13:18 | メロディック・ハード
Dream Theaterは、私がHR/HMに復活するきっかけとなったバンドである。
このバンドに出会わなかったら、今の私はいなかっただろう。
私の中で最重要な位置を占めるバンドである。
ブログのメロディック・ハードが100回目となったので、原点であるDream Theaterを書いてみる。

元々Rushが好きだったので、RushのレビューにDream Theaterのことが書かれていたので、それならと軽い気持ちで聴いてみた。
すると、高度なテクニック、テクニックに溺れずにしっかりとメロディラインを作り、キャッチーさも忘れないサウンドに驚いた。
完璧じゃないか!!

「Images&Words」は、「Metropolis Pt.2」の次に聴いたアルバムである。
1曲ずつ独立しているので、他のアルバムと比較しやすい。以降、HR/HMを聞く上での礎石となっている。
他のアルバムと比べると、断然聴きやすい。
それは、キーボーディストのケヴィン・ムーアの存在によるのだろう。
彼は、テクニックよりもメロディ志向だ。
4曲目の“Surrounded”は全アルバム中1番POPで、しかも私の好きな曲だ。
内容を押し込めすぎずに、オーケストレーションをフューチャーし、曲の展開で聴かせる。
私は“Surrounded”があるために、ふっと力を抜くことができ、次の緊迫感のあるプログレ的な“Metropolis-Part1”がじっくり聴けると思う。
この、強弱、静と動の対比が絶妙なアルバムなのだ。

ヘヴィーとされる1曲目の“Pull Me Under”や“Take The Time”にしても、印象的なサビやキャッチーさは失われていない。
スピードやヘヴィネスに頼らなくても、ガーッと盛り上がるHR/HMがあるという、良いお手本だ。

後半は、その後のDream Theaterの方向性を示している。
以前はあまり好きでなかったが、Octavariumを経て聴いてみると、本当の魅力は“Under A Glass Moon”にあると思う。
「Score」に選ばれるわけだ。
ヘヴィーなリフの上に乗る、なめらかなギターソロ。高度なテクニックをいともあっけなくこなしてしまう。

が、“Under A Glass Moon”にしても、ケヴィンのキーボードソロが入ると、がらっと雰囲気を変え、とっつきにくい曲が親しみを持って近寄ってくる。
ここでも、ケヴィンの存在が聴く者を離さない。
ともすれば、技巧集団に走ってしまうDream Theaterが、広い層にアピールし、誰もを満足させる素晴らしい作品に仕上げている。絶妙なバランスがある。

音質があまり良くないため、マイク・ポートノイのドラムス魅力が薄れているし、ジョン・マイヤングのベースもあまり聴き取れないのが残念。
が、ジェームズ・ラブリエのボーカルが、時に甘く、時に激しく歌い上げているのがいい。
ジョン・ペトルーシのギターはやや抑え目かな。本当はもっとソロがほしい。

個人の資質よりも作品の出来を選んだためにできた、奇跡的なアルバムだ。
全曲素晴らしい。その中でも“Another Day”は真っ先に好きになった。
プログレがかったHR/HMの入門として最適だろう。

DivinfireのInto A New Dimension

2006-10-07 13:08:16 | メロディック・ハード
スウェーデンのシンフォニック・メロディック・スピードバンドの3作目。
今回も、こってり感盛りだくさんの、重たくもスピーディで美しい世界観を紡ぎだしている。
Adagioにメタル度を2割増量した感じか?
よくここまで詰め込みましたと感心するような完成度!
素晴らしいが、ちと疲れる。

3人編成だ。
Jani Stefanovic(ヤニ・ステファノヴィック)がマルチプレーヤーで、ドラムス、ギター、キーボードプログラミングまでしちゃう。
あとGrowlsって、うなり声か?コワいぞ!
さらに、ソングライティングとプロデュースまでしちゃう(Christian Rivelと)。驚く才能だ。

ボーカルのChristian Rivelは、ナルニアのボーカリストを兼ねる。
スウェーデンのミュージシャンには、兼任する人が多い。ひとつのバンドだけじゃ食べていけないのか??
彼の声は高音でやや太く、存在感がある。ついでにルックスもスキンヘッドにずんぐり目で、多大なる存在感だ。
あっ、歌詞担当です。

サウンドは、スピードのあるバスドラをベースに、シンフォニックなキーボードが縦横無尽に走り、ギターはリフをかき鳴らすという、この手のサウンドのお決まりのパターン。
2曲目の“Passion&Fire”は、必殺チューンだが、ヴァイオリンが主張し過ぎてちょっと耳に障るかな。
シンフォニックは好きだが、ギターを殺してまでのシンフォニックさはいただけない。

そうは言っても、このバンドが素晴らしいのは、ギターソロがクラシカルでメロディ志向なこと。
一抹の清涼感を与えてくれる。
それと、大仰なシンフォニックさは変化に富み、1曲ごとの構築性が高度なことだ。
微妙に強弱や静と動の差異をつけている。
6曲目の“Live or Die”のサビは印象的で、ライブでも映えると思う。
が、それはすべて曲単位でのこと。アルバム単位では、似通った曲が続いて疲れるし、終盤になると飽きる。
スローなバラードを入れて、脳内リセットしてくれればまた違ったのだが。

LunaticaのThe Edge Of Infinity

2006-10-01 16:56:19 | メロディック・ハード
スイスのシンフォニックなメロディック・ハードの3作目。
RhapsodyやAngra、Edguyなどを手掛けたサシャ・ピートのプロデュースだ。
なので、聴いてみた。

のっけから、男性の低音な語りから始まる。
その間、シンフォニックなサウンドが流れている。う。。ラプソディだ。
サントラみたい~。

が、曲が始まるなり、アンドレア・ダドヴィーラル嬢の高音の可憐なボーカルが、他と違うことを表す。
まず、キャッチーだ。
声質は、ベリンダ・カーライルや、エヴァネッセンスのねちっこさを取った感じだ。
スイスでありながら、アメリカン・ミュージックのように元気なのだ。
この、アンドレア嬢の存在が最大のチャームポイントだ。
1曲、男性がリードを取った曲があるが、フツーの感じだし、AORだった。
(実は元Asiaのジョン・ペイン。AORとしては優れているが。。)
あと、元At Vanceのオリバー・ハートマンも参加している。
彼らは引き立て役に回っているような。。

サウンドは、あくまでもシンフォニック。
ゴシックやネオクラシカルの要素は見当たらない。むしろPOPだ。
サシャ・ピートらしい、壮大で広がりのある音空間になっている。
緩急のつけ方も申し分ない。
心地いい、癒しさえ感じる。

ツインギターの割にギターソロは少なく、何も考えずに聴ける。
物足りなさはあるものの、疲れた時に、最適だ!
(このアルバムが、ヘヴィーローテーションにならないことを望む)