メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Kamelot の Swilverthorn

2013-01-24 15:12:10 | メロディック・ハード
アメリカのシンフォニック・メタル・バンドの10作目。
 
このところのKamelotは、同じようなミドル・テンポの曲が並び、
マンネリしてたように思う。
もう以前のようなドラマティックな曲は期待できないのかと思っていた矢先の、Roy Khanの脱退だった。
 
新任のボーカリストは、Dream Theater系の、テクニカルなプログ・メタルを演奏していたSeventh WonderのTommy Karevik。
彼が、信じられないくらいRoy Khanに似ている。
知らずに聴いていたら、Roy Khanと信じて疑わなかったことだろう。
声質や歌い回しはもちろん、独特の息づかいまで再現している。
 
Royは、ライブでは非力だったので、Tommyの方がウケが良くなるかも知れない。
過去の曲も、遜色なく歌いこなせるだろう。
けれど、それで良かったのだろうか?
Journyのように、絶えず比較されてしまう。
全く新しい声でやってほしかった。
Nightwishのように。
おそらく、Thomas Youngbloodが、サウンドを変えたくなかったのだろう。
Thomasが求めるボーカリスト像が固まっているのだろう。
それは、ライブで助っ人としてRhapsody Of Fireのファビオ・リローネや、Circus MaximusのMichael Eriksenを起用したことからも明らかである。
だけど、どうしてもルパン=栗田貫一感がぬぐえないのだ。
 
Kamelotというと、必殺のバラードが必須だが、Silverthornでも5曲目の“Song For Jolee”がそれに当たる。
悲しく切なくも美しい。
 
2曲目の“Sacrimony”は、従来通りのキラーチューンである。
6曲目の“Veritus”も王道Kamelotサウンドで、コーラスがゴシックっぽい。
Elize R ydの女性ボーカルがいい。
最後のフォーキーなアコーディオンが余韻を残す。
8曲目のタイトルナンバー“Silverthorn”は、Ghost Operaに似た雰囲気を持つ。
11曲目の“Prodigul Son”は組曲だ。
映画の場面を見るような荘厳さがあり、悲壮感が漂う。
ここでのThomasのギターソロは、スケールが大きくていい。
 
相変わらず、シンフォニックで重いサウンドが続くが、Thomasがメロディアスを心掛けたというだけあって、一本調子ではない。
けれど、名作EpicaやThe Black Haloは超えられてない。
それは、キャッチーさが足りないためと思うのだ。

夢のようなMoon Safari

2013-01-13 11:03:40 | メロディック・ハード
Europian Rock Fes 2013
2013.1.12(土) 川崎クラブチッタ
 
 
Flower Kingsが見たいとの積年の思いが実現したライブでだった。
もちろん、Flower Kingsは素晴らしく、期待通りだった。
 
が、それ以上に私の心を捉えるバンドが出現したのだ。
 
Moon Safari!!
 
Flower Kingsには失礼だが、Moon Safariへの溢れる思いを吐露したい。
 
 
彼らには、以前から注目しており、その高度で爽やかなサウンドと重厚なコーラスワークに驚嘆していたが、
ここまでライブパフォーマンスが高いとは思ってなかった。
というのは、完璧なコーラスは、スタジオで積み重ねてできたものだろうと思っていたからだ。
ところがどうだろう、ステージではCD以上だったのだ!!
 
メイン・ボーカリストは、Simon Akesson(key)とPetter Sandstom(g)の二人。
2人とも歌がうまいし、声がきれい。
これだけでもすごいことなのに、コーラスとなるとさらに凄みを増す。
音と音程と音階とリズムの完璧な融合。
2人だけでなく、もう一人のキーボードとリード・ギタリスト、ついにはベーシストも加わり、軽いのに厚みのあるコーラスで酔わせてくれた。
ビーチ・ボーイズだと思っていたコーラスが、マンハッタン・トランスファーに感じてきた。

目の前で起こっていることが信じられなかった。
圧倒的な完成度の高さに、心から満足し、幸せな気分に浸った。
そう、Moon Safariの素晴らしいところは、高度な演奏が“拝聴”にならず、心底Happyになれることだ。
そのままずっと、何曲だって聴いていたかった。
 
 
Moon Safariは、ビジュアル的にも満足させてくれた。
メイン・ボーカルのSimon Akessonが、とにかくカッコいい!
特に歌っている時が。
高音は一生懸命声を張り上げ、体を揺さぶってシャウトする。
 
Simonのキーボードと歌声、高度なことをやっているにもかかわらず、メンバーの演奏を見た時の微笑みに、ハートを射抜かれた人たちも多いのではなかろうか。
彼ら自身が一番幸せそうで、優しい笑顔だったから。
 
1曲目の“A Kid Called Panic”から、ラストまで、あっという間だった。
特に感動したのが、アンコールが終わり、メンバーが中央に集まって観客の声援に応えた後のアカペラ“Constant Bloom”
不意にSimonがキーボードに戻り、1小節弾いた。
それが合図だった。
Simonがメンバーの元に戻ると、観客に感謝するように、崇高に高らかに歌い上げた。
もう、他の楽器はいらない。
声こそが最高の楽器なのだ。
感動の涙をこぼし、熱いものに体を支配された。
 
また聴きたい。
再来日してほしい。
多分、再来日するだろう。
もしも、彼らの曲がCM等に使われたら、広く知られたら、きっとBIGになるから。
 
 
ステージ終了後、クラブ・チッタのロビーにMoon Safariのメンバーがいて、ファンサービスをしていた。
私も、ライブCDにサインをしてもらい、最年少のSebastian Akessonと握手ができた。
何事も一生懸命なメンバー達だ。
本当に信じられない。夢のような時間だった。
 
 
Moon Safari セットリスト
 
A Kid Called Panic
Heartland
Yasgur's Farm
New York City Summer Girl
Lover's End Pt. III
★Encore:
The Ghost of Flowers Past
Constant Bloom
 

http://youtu.be/R1hzN-RpCYU

(Constant Bloom)観客の頭が気になるけど、コーラスのバランスが絶妙

http://youtu.be/V-fl6IpGeRY

(Heartland) ライブの様子をよく表してます。ヘヴィーな曲。

Les Miserables(映画)

2013-01-09 14:33:47 | メロディック・ハード
映画「レ・ミゼラブル」は、感動の連続だった。
始まって20分で、早くも涙ぐんでしまい、その後もずっと泣きっぱなしだった。
 
何がそんなにも感動させるのか?
死に逝く人や、無情さの悲しみがダイレクトに伝わってくるとかの簡単なものじゃない。
それは、愛だ。
混沌としたフランス革命後の戦乱の世の中で、
『愛に勝る確かなものはない』ってことだ。
一貫しているのは、自分のことよりも、人のことを思いやる気持ちだ。
 
例えば、自分のことはどうなってもいいから、
娘のコゼットを生かせてと神に願うファンテーヌだったり、
コゼットの幸せを願う余り、自分は孤独を選んで身を引くジャン・バルジャンだったり。
死や孤独が身近な世の中で、あえて暗黒な道を選ぶ生き方に、心が揺さぶられたのだ。
その人を愛していればこそ。
愛しているほど、切なくなる。
人は、こんなにも献身的になれるのだろうか??
 
他にも、いろんな形の愛が溢れていて、すべてを満足させる愛はないのだと訴える。
それらが、神のご慈悲というキリスト教の概念に覆われているため、確かな説得力がある。
 
今の自分の状況に不満を持たず、今あるものに感謝し、愛情を分け合う・・・。
口に出すと照れてしまうようなことを、純粋に実行しようって気持ちになった。
 
 
作品は、ミュージカル仕立てで、出演者自身による歌が圧倒的だ。
皆素晴らしかった。特にアン・ハサウェイが。
私は2回ミュージカルを見ていたおかげで、感動が倍加したのだろう。
曲の深い意味を知ったり、ストーリーの細部まで入り込むことができた。
 
悲劇だけで終わらず、前向きにもなれる部分もあることに共感した。
いまだ感動の余韻が続いている。
こんなこと、初めてだ。