メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Whitesnake の Good To Be Bad

2008-04-26 20:54:35 | メロディック・ハード
デビッド・カバーディル率いる英国HR/HMバンドの10作目。
11年ぶりらしい。

まともにWhitesnakeを聴いたのは、87年のサーペンス・アルバスくらいのものだが、あまり変わらない印象を受けた。
リフやリズムが、あまりにも80年代調だからだ。
ブルースっぽい曲は、70年代にさえ聴こえてくる。
それが悪いかというと、そんなことはない。
デビカバの変わらないソウルフルな声は、その時代が最も似合ってるからだ。

ギタリストは、ダグ・アルドリッチとレブ・ビーチのツインギター。
ダグの速弾きは、音を回してる感じでジョン・サイクスの速弾きみたいだ。
キャッチーでキーボードの利いていたサーペンス・アルバスと違って、結構ストレートなHR/HMなので、ブルース・ロックの苦手な私は、ずっと聴いてるのはツラい。。

なので、4曲目のバラード“All I Want All I Need”が心に染みる。
“Is This Love”系のマイナーなコード進行と、ダグのゆったりしたメロディアスなギターソロが心地いい。
ゴスペルっぽさのあるコーラスもいい。

笑ってしまうのが、今回もあります、ZEP調!
Black Dogな曲とRock'n Rollな曲がありました。
なじみがあるせいか、曲が追えて聴きやすいのよね。質も高いし。

手抜きな曲はないし、デビカバの声はよく出ていて衰えを全然感じさせないし、リスナーの求めるものはきっちりクリアしていると思う。
が、みんなどこかで聴いたような曲ばかりで、サプライズがないのがちょっと残念かな。
ミディアムテンポな曲の他に、疾走曲があっても良かったのでは。

All Ends の All Ends

2008-04-21 23:04:38 | メロディック・ハード
スウェーデンのHR/HMバンドのデビュー作。
女性ボーカル2人を擁する、イキのいいバンドだ。

Emma GelotteとTinna Karlsdotterの2人のパワフルなボーカルを前面に押し出してるのを、まず感じる。
声がストレートなのがEmmaで、やや声が太くてよりパワフルなのがTinaだ。
他でHeartと比較されていたが、言うなればEmmaがAnnで、TinaがNancyって感じか。
この2人が交互にボーカルを取ったり、ハモったりするのがいい。
小細工なんかせず、ひたすら声を張り上げ、一生懸命にひたむきに歌うのがいい。
コーラスパートだと、かなり高音を出すが、全然声のブレがないのが素晴らしい。

楽曲は、In FlamesのBjorn GelotteとJesper Strombladが担当している。
元々はIN FLAMES のサイド・プロジェクトだったが、Im Flamesの活動が多忙になったため、楽曲の提供のみになったらしい。
Bjorn GelotteとEmma Gelotteが兄妹である。

サウンドは、In Flames譲りのリフの美しさと、攻撃的なギターソロがあるが、それ以上にはっきりした歌メロが表面に出ている。
その手法は、あくまでもストレートなHR/HMである。ゴシック色は薄い。
9曲目のバラード“Just My Friend”は、2人の声の特性を生かし、高音をTinaに歌わせたのが成功している。強弱のある歌い方で、奥行きを与えている。

むずかしいリフがあるわけでも、むずかしいギターソロがあるわけでもない。
が、3人の男性はしっかりと2人の女性を支えている。
ただ、押してばっかりでなく、引くような抑えた曲もあると引き立ったのに。
甘いキャッチーな曲があっても良かった。。かな。

SPL レンジャーズ戦

2008-04-18 21:56:33 | 中村 俊輔
俊輔が輝いた!!

SPLの上位2チームによる、4/16のグラスゴーのオールド・ファーム・ダービーで、
俊輔の所属するセルティックは、残り2分で劇的な勝利を挙げた!!(2-1)

この試合は、本当に素晴らしかった。
それは、これまでの試合とは内容が異なっていたからだ。


このところ、戦術の合わないセルティックは、攻撃して押してるものの、決勝点が奪えず、ストレスの溜まる試合を繰り返していた。
パスでつなぐのか、パワープレーでねじ込むのか、中途半端だった。

私としては、俊輔の類稀なパスセンスを生かしてスペースに走り込み、ダイレクトでボールを運び、最後裏を取ってシュートを決めるというパターンが見たかった。
が、やってることは、変わらぬサイドからのクロス入れと、FWの誰かに当たってという、狙いの見えない単純な攻撃。
中央を厚く人員を割いて守りさえすれば、どのチームだって点を与えずにすむ。
優位に立っていても、楽しくなかった。

そして、カウンターを仕掛けられ、事故みたいな得点を奪われ、負けてしまう。。

攻撃に、同じビジョンが見えていなかったのだろう。
なんせ、パスをつなぐタイプと、ガツガツ当たりに行くタイプの2通りがフィールドにいるのだから。


それがだ、16日のレンジャーズ戦では、激しい当たりの中に、サイドチェンジやダイレクトパスで、速い攻撃を仕掛ける意識が見えた。
守備も、中盤が間延びしてて、ずるずるとゴール前まで下がっていたのが改善され、中盤でのチェックが効果的になった。
その基盤になっているのは、足を止めずに走り回ることだ。
これで、自分達のペースに持ち込むことができた。
俊輔はボールを落ち着かせる必要を感じなかったため、即座にパスを出していた。

問題は、この日も得点力だった。
俊輔は「どんどん狙っていく」と話していたので、期待して見ていた。
そして、その時は来た。

前半20分、センターバックのコールドウェルの低くて速いパスを左足でトラップして前方へ落とすと、素早く3回歩を進め、左足を思い切り振り抜くと、ボールは魔球のように美しい弧を描いて、ゴールネットに突き刺さった。
その球筋は、右へ蹴ったかと思うとその後急速に進路を変え、大きく左にカーブし、飛びつくGKマクレガーの右手からどんどん離れて行った。
まるで、プレイスキックのような、正確な弾道。完璧だ。
30mも距離があったのに、回転をかけて蹴れるのが信じられない。
スピードがあんなにあったのに!
それも、どうしても落とせないレンジャーズとの大一番になのだ。

私は俊輔が得点したことに喜び、
ナイスシュートだったことに喜び、
勝利に直結するであろうことに喜んだ。
なんてカッコいいんだ!!
なんて誇らしいんだ!!

印象に残るゴールとは、このことを言うのだろう。
俊輔の生涯のベストは、CLのマンUでのFKだと思うが、このゴールはコンフェデのブラジル戦と並んで、その次に位置すると思う。
この先、俊輔を語る上で欠かせないだろう。
また、俊輔の歴史の場面に立ち会った。
これがうれしくなくて、何なんだろう??

試合はその後、レンジャーズのクエジャルの、ハンドによる俊輔のゴール阻止、
それで得たPKを、同僚のマクドナルドにかっさらわれてのゴール阻止(しかも失敗やん)と、
頭に来ることもあったが、最後にヤン・フェネホール・オフ・ヘッセリンクが決め、勝てて良かった。


ワタシ的には、出場停止のブラウンがいないことで、パワーと走力のガツガツサッカーをあきらめ、俊輔主体のパスサッカーを選択したことが、セルティックのまとまりを引き出したように思えてならない。
ヒンケルとのコンビネーションも良く、動きの連動性ができていた。

ブラウンは当たりが強く、運動量もあってタフな良い選手なのだが、タテへの突破が魅力なだけに、自分で行って、回りを使う(ワンツーとかで)のが少ない。
その辺が、俊輔と、チームとして、微妙にズレてしまったのではないかと思ってる。
もしも俊輔とブラウンとでコンビネーションができれば、恐ろしく強いチームになれると思うのだが。
かつて俊輔とペトロフがそうであったように。


とはいえ、この日の勝利は大きい。
セルティックが立て直しができたと信じている。
何よりも、最後まで集中が途切れなかった。
俊輔がシュートの意識を高く持っていた。

ちょっとでも打てるのなら、迷わずシュートしてほしい。
シュートすることによって、DFはシュートコースを抑えなければならず、同時にそれはパスコースが開くことになるのだから。
FWにゴールを決めさせるのもいいけど、ゴールはもっと気持ちいいぞ!

Midnattsol の Where Twilight Dwells

2008-04-13 21:30:59 | メロディック・ハード
ノルウェーのフォークトラッド・メタルのデビュー作。
女性ボーカルを配してるから、ゴシック・メタル寄りか。

ボーカルのCarmen Elise Espensaesの声が美しい。
それもそのはず、実姉はLeaves EyesのLiv Kristine Espanaes 嬢なのである。
高音は姉と同じように可憐であるが、低音はやや太めかな。
歌も姉ほどはうまくはない(少しダレる)が、うまい方だ。
顔は妹の方が化粧が濃い(笑)
このバンドは、ベースのBlight Ollbrunnerも女性で、二人してブロンドの髪をなびかせて、ビジュアル的に優れている。

サウンドも姉譲りで、フォークトラッドを基調とした曲や、ゴシック・メタルをやっている。
それなりに疾走曲もあるが、Carmenの声はどう聴いてもフォークトラッドが似合っているので、スローテンポやミディアムテンポの曲でいいと思う。

シンフォニックな中に、中世っぽい歌メロが映え、重低音のリフが側面を支える。
声に儚さがあるため、メタルサウンドが幽玄に聴こえるのがいい。
Carmenのボーカルは、軽やかに時代を交差している。
フォークトラッドな面が多い3曲目の“Unpayable Silence”や5曲目の“Desolation”は、メタルがかったBlackmore's Nightのようだ。

そして7曲目の“Rarefall”は、BもドラムスもエレクトリックGもなく、アコギと歌で、まさしくブラナイになっている。
これが哀愁たっぷりで、土着の匂いもなくてなかなかいい。
ビヨ~ンな音は余計だが。
11曲目の“Tapt Av Hap”もメタルがかったブラナイ。これが一番いいかな。

10曲の“Dancing With The Midnight Sun”はヘヴィーだ。
シンフォニックさを重低音でぐいぐい引っ張ってて、ノリがいい。

この4月に発売されたセカンドがバイキング調になってしまったため、余計1stの繊細で可憐な音楽性が身に染みる。
私には、フォークトラッドであれば、この程度のメタルさでいいのだ。
アコギがあって叙情的な曲が、半分を占める。

サウンド的にこなれきれない面があるので、完成度はLeaves Eyesが上だ。
が、未熟な分、化ける可能性があるのが魅力だ。
部分的には素晴らしいのだから。

Breed77 の In My Blood

2008-04-12 22:59:10 | メロディック・ハード
英領ジブラルタル出身フラメンコ・メタルの、え~と3枚目なのか。

英国のバンドでありながら、哀愁を漂わすメロディアスなスパニッシュ・ギターを随所に配し、地中海のエキゾチックさを漂わせている。

同じ分野としては、Flametalがいるが、それよりは聴きやすい。
それは、ボーカルがクリアな声で普通のポピュラー・ミュージックを歌ってるようにクセがないし、コーラスが爽やかだからだろう。
フラメンコな部分を取り去ると、ソフトロックにも聴こえたりする。

サウンドは、まずアコギのフラメンコっぽい哀愁が耳に心地いい。
1曲目の“Petroled(You Will Be King)”は、フラメンコ調のアコギから手拍子に移り、その後にDr,B,Gのリフが入るという、変化をつけたイントロ。
これが、緩めのリフとディストーションのあるギターソロを混じり合って、極上のフラメンコ・メタルを生み出している。

2曲目の“Empty Words”は、サビにうねりがあって、印象的だ。
3曲目の“Blind”は、重低音とスカスカっぽいドラムスで、クセになりそうな中毒性がある。

6曲目のバラード“Look At Me Now”は、イントロがピアノとボーカルの声によって、まるでQueenの“Jealousy”みたいで、うっとりした。
ビブラートの多いギターソロも美しい。

けれど5曲目の“Remember That Day”は、サビが“悲しき街角”に聴こえる~。
それまでが素晴らしい曲だっただけに、がくっとした。
また、前半が重低音を利かせたメタルなのに対し、後半がおとなし目になってしまうのが残念だ。

まぁ、2面性のあるバンドだと思えば良いのだろう。
泣きのギターソロが魅力だ。

Eluveitie の slania

2008-04-05 21:27:34 | メロディック・ハード
スイスのNew Wave Of Folk Metal Bandの2作目。

フィドルやティン&ロウ・ホイッスル、ハーディ・ガーディ、イーリアン・パイプ、マンドラやアコギなどを取り入れたHMは、今回もふんだんに聴かれる。
土台が重低音のしっかりしたHMだから、実に安定している。
そこに、民族楽器が踊るように、羽ばたくように舞っている。

デス声ボーカルがちょっと残念ではあるが、Eluveitieだと気にならないのはなぜか。
声を絞ったり、唸ったり、デスなりに変化をもたせているからだろうか。
ただがなりたてるのではなく、デス声で歌ってるのが凄いと思う。
それと、クリアな女性ボーカルがしっかりと地面に根ざしており、見事な対比となっている。

前作『Spirit』では、水の流れの音を配置したりして、自然や戸外をしなやかに表現していたのに、今作では聴かれない。
まるで、土着音楽のはずだったのに、宮廷に呼ばれて演奏させられたかのようで落ち着かない。
変にお行儀良くなってしまったのだ。
『Spirit』での奔放な土着性は、Eluveitie独自のものだったのに、アクが、クセがなくなってつまらない。
他のバンドとの違いが減ってしまった。

攻撃性は増したかも知れないが、叙情性はどこへ消えたのか。
吟遊詩人的な神秘性も激減してしまい、残念だ。

とはいえ、フォーク・トラッドを取り入れたHMとして、水準は高いと思う。
『Spirit』が素晴らしかったため、期待しすぎてしまったようだ。