メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Moon Safari の Lover's End

2011-02-28 23:32:42 | メロディック・ハード
スウェーデンのMoon Safariの音楽は、どう表現したらいいんだろう?
とっても懐かしく温かい。
そして、何と言っても爽やかだ。
プログレと80年代初期ウエストコーストサウンド、それに上質なPOP、AOR、それらをビーチボーイズのコーラスワークでくるんだというか。。
今まで聴いたことがないというより、今までよく聴いてきた音楽のいろんな要素をMIXさせた感じだ。

演奏はさりげなく、ボーカルの声質が軽いため、軽く聴けるけど、やってることは高度だ。
変リズムを多用し、場面展開も多いのに、素早い流れ根底にあって、ものすごく聴きやすい。
いろんな要素があっても、欲張らずにサウンドを軽めにしているので疲れない。
次にどんなサウンドが飛び出すのかと楽しみになる。

具体的に言うと、エアサプライであり、キャメルであり、ビーチボーイズであり、スニーカーであり、総合的にACTなのだ。
それでいて、ギターはメロディアスで泣いている。
手練も多く、曲によって表情が変わる。
スライドを多用して、マイルドな音を創り出している。
まるでロイネ・ストルトだ。

ロイネと言えば、Flower Kingsにも似ている。
Flower Kingsの明るい部分、ひねくれずに素直な部分だ。
曲で言うと、“One More Time”の前半の辺り。
Moon Safariは、Flower Kingsのキーボード奏者のトマス・ボディーンに見出されたバンドなので、多少影響はあるのだろう。

また書いてしまうが、コーラスはビーチボーイズ。
だけどボーカルはラッセル・ヒッチコックじゃない方のエアサプライだ。甘く優しい。
他にもボーカリストがいるのだろうか、声が変わる。

すべて捨て曲なし。
そして、どこかで聴いたようなその時代へのトリップを与えてくれる。
例えば、1曲目の“Lover's End p.1”は、ピアノとハーモニカで始まるから、それだけでビリー・ジョエルの“ピアノマン”を思い出すし、空気感がランディ・ヴァンウォーマーの“アメリカン・モーニング”を思い起こさせる。
2曲目の“A Kid Called Panic”は、キャメルのアルバム『Snowgoose』辺り。
6曲目の“Heartland”ギターソロは、Flower Kingsのロイネ・ストルト。
7曲目のエンディングのたっぷりと聴けるギターソロもロイネですね。
とこんな調子で、キリがない。


聴く人が持ってるバックグラウンドによって、思い出す曲も違ってくるだろう。
私は80年代初期を強く意識したけれどね。
だから音楽は楽しいし、素晴らしい。
ただ、このジャケはやめてほしい(汗)

音楽の楽しさを気づかせてくれるMoon Safari、一度聴いてみることをお勧めする。

Stratovarius の Elysium

2011-02-13 11:32:05 | メロディック・ハード
フィンランドのメロディック・パワー・メタル・バンドの13作目。

前々作で、バンドの屋台骨を支えてきたギターのティモ・トルキが脱退し、
彼が作ったレボリューション・ルネッサンスも、これまでと変わらなくてつまらなかった。
そのため、ストラトヴァリウスはもう終わったと思っていたのだが。。

この『Elysium』はいい!
シンフォニックでプログレ的になり、メロディが1本調子でなく、バラエティに富んできたからだ。
何より、ティモ・トルキのバックバンド然としていたイェンス・ヨハンソンが元気なのがいい。
クワイアも使い、崇高さや壮大さが出てきた。
ある意味、AngraやKamelotに近づいたが、この方が私の趣味なのだ!
ストラトヴァリウスはこうあるべきという“縛り”から解放されたような。。

ティモ・コッティペルトのボーカルは、いつになく気持ちが込められていると思う。
3曲目の“Infernal Maze”の出だしなんか、滲み出る色気にKamelotのロイ・カーンかと思った。

そして、何よりも貢献したのが、ギタリストのマティアス・クピアイネンだろう。
まず、ギターの音色が違う。
重低音のリフ重視のティモと違い、重低音リフは半減した。
代わりに、イェンスのシンフォニックなオーケストレーションが加わり、イエンスのKeyソロとマティアスのギターソロが交差する。
これが実に心地いい。
ギターソロは、時折ネオクラシカルを思わせる程度で、泣きのギターに変化していた。
これは私の好みに近づいて、大歓迎なんだなぁ。


シングルカットされた1曲目の“Darkest Hours”は、キャッチーでサビはハードポップのような広がりある展開でいい。
一緒に歌いたくなる。
今までが重厚さがストラトヴァリウスの特徴だとしたら、今作は鋭さが特徴なのだろう。

3曲目の“Infermnal Maze”は、ヘヴィーさとプログレが融合して、スケールが大きい。
それでもストラトヴァリウスっぽいのは、ヨルグ・マイケルの骨太なドラミングのせいだろう。

4曲目の“Fairness Justified”の泣きのギターは本当に心地いい。

エンディングを飾る18分もの大曲“Elysium”は、ちょっと長過ぎ。。
聴き込めば曲を覚えて良くなるのかも知れないが、今のところは3~5分台の短い曲がいい。

見事に復活を果たした。