メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Flower Kings の The Sun Of No Evil

2009-10-25 11:01:22 | メロディック・ハード
スウェーデンのシンフォニックなプログレバンドの11作目。
2007年作品。
5:00から24:28まで、さまざまな長さの曲がある。

まず、1曲目の“One More Time”がいい。
少しひねって洒落たオープニングからして、これぞFlower Kings!!
ハッセの温かくて、包み込むような優しい歌声を聴くと安心する。
サウンドは、シンフォニックで穏やかでオシャレ。変リズムで高度なことやっているのに、あまりにも自然ですんなり入ってくる。
いやが応にも気分が高揚し、じわじわと幸せが満ちてくる。
私の求めるFlower Kingsの全てがここにある。

2曲目の“Love Is The Only Answer”で特筆すべきは、サンタナ風のロイネのギターとトマスのキーボードの掛け合い。
ジャムセッションのように自由で開放的。
が、それを支えるヨナスのベースの技術が高いこと!
リズミカルでいて、高速メロディアス。ベースランニングだけでも聴ける。

4曲目の“The Sun Of No Reason”は、彼らの暗くてヘヴィーな面が強調されている。
まるで、Dream Theater等のプログレ的なメタルバンドからのアプローチみたいだ。
場面によっては、ロイネの重低音のリフが響き渡る。
ギターソロもヘヴィーだ。歪んでいる。
ヘヴィーでも、トマス・ボディーンのキーボードと融合して、シンフォニック・ヘヴィーとも言うべき、彼ら独特の音になる。
プログレでありながら、メタルもやっちゃうという柔軟性が、Flower Kingsの魅力だ。

5曲目の“flight 999 Brimstorm Air”になると、前衛的過ぎて、ついていけない。

6曲目の“Life In Motion”は、このアルバムを全体的に凝縮したように、なんでもアリだが、最後は幸せな空間に包まれて終わる。
ロイネのギターばかり聴いてしまう私だが、今回はドラムスを含めてバランス良く聴けた。


Flower Kingsの魅力満載の、素晴らしいアルバムだ。
プログレの質が古臭くなく、輝いている。
(限定盤は2枚組ですが、今回は通常盤のみの感想です)

Agents of Mercy の The Fading Ghosts of Twilight

2009-10-18 16:32:54 | メロディック・ハード
Flower Kingsのギタリスト、Roine Stoltのソロ・プロジェクト。
従って、プログレ的な作品。
Flower Kingsからは、
  Jonas Reingold(B)
  Zoltan Csorsz(Dr) 
も参加している。

サウンドは、キーボードのTomas Bodinを抜いたFlower Kingsかというと、そうでもない。
なんせ、曲が短い(笑)
11分、9分、8分といった長い曲はあるにせよ、4分台の曲が4曲もある。

それほどシンフォニックでない分、曲が堅めに聴こえる。よりシンプルだ。
一聴した感じだと、地味め。
Flower Kingsの包み込まれる優しさと、幸せの高揚感はない。
それは、ハッセのソフトで温かい歌声と、渋く暗くだけど癒されるロイネの声質の違いにもよる。
多分、明るめのFlower Kingsでは表現しきれない、ロイネの暗さが蓄積したので、ソロ・プロジェクトで表現したのだと勝手に思う。

とは言え、4曲目のスローな“Heroes And Beacons”は、Flower Kingsそのもの。
温かさと、ざっくりした手触りと、洒落た曲調、変化のあるロイネのギターフレーズは、私がロイネに求めてるものを具象化してくれてて、訳もなくうれしい。
そう、既に確立化されてるロイネのギターを聴きたいのだ。

6曲目の“Wait For The Sun”もいい。
曲の展開が穏やかにも関わらず、感動的だ。
ロイネの泣きのギターと、感動を押し上げる才能に感服。

ヨナスのジャジーなベースは、テクニカルで、本当にロイネのギターと合う。
すごいことやってるのに、決してロイネの前には出ないバランスが素晴らしい。

ギターソロに関しては、概ね満足。
プラス、ロイネの歌が満載だ。
どうしても明るめの曲を好んでしまうのは、私の趣向によるのだろう。

Leaves' Eyes の Njord

2009-10-04 14:10:10 | メロディック・ハード
オランダのシンフォニックなゴシック・メタルバンドの3作目。
今回は、北欧神話の『Njord』をテーマにしている。

1曲目はタイトル・ナンバー“Njord”
Njordは海の神。嵐を鎮めてくれる。
イントロの、ひたひたと押し寄せてくる波に乗って、歌姫リヴ・クリスティンが北欧神話の世界へ誘う。
それは、めくりめく堂々たる絵物語。
壮大にして崇高。懐かしさもある。
リフは重厚で、オーケストレーションは広がりをもたらす。
リヴの、すべてを包み込むような寛容な歌声と、儚さ、気高い高音が素晴らしい。

2曲目は、シングルにもなった“My Destiny”
彼らにしてはキャッチーでシンプルでわかりやすい。
アレクサンダー・クルルのデス声との絡みがいい。
わずかに流れるピアノの可憐さが、いいアクセントになっている。

5曲目の“Scarborough Fair”は、あのSimon&Garfunkelのカバー。
何だかBlackmore's Nightみたいであまり良くない。


サウンドは、単調になっているきらいがある。
全部シンフォニックに処理されてて、飽きてしまうのだ。
例えば7曲目の“Irish Rain”辺り、アコギと生ピアノだけで演奏されてたら、完全なる「静」が出現し、頭がリセットされる結果、次の曲から再び新鮮な気分で聴けるのに。

歌詞は、北欧神話『Njord』に基づいたのは、タイトル・ナンバーだけだが、全体的に幽玄で、過酷な自然に立ち向かい、共存を果たそうという決意が感じられる。
リヴの力強くも儚い歌声は、よく合っていると思う。
ブックレットの暗く厳しい大自然と、メンバーの民族調の衣裳が、さらにイメージを深める。

シンフォニックでありながら、トラッド志向で、わずかにヴァイキング。
ゴシック・メタルとは言え、メタル色は薄い。
1,2曲目のヘヴィーさがもっとあっても良かった。
悪くはないが、惜しい。