インディオ通信

古代アメリカの共感した者の備忘録8年。

6月12日 …ニーチェは交霊術師か

2007-06-12 04:11:11 | ニーチェ
インディオが十代の終わりにハマッタ本。
 
『ツアラトゥストラはこう言った』
 ニーチェ著 氷上英廣訳
岩波文庫 上 ¥350 下 ¥520

ツアラトゥストラ=ゾロアスター教の教祖

ニーチェはゾロアスターではない(生まれ変わりか?)。

たとえるなら、高校野球の監督が『イチローはこう言った』と大勢の球児に指導しているようなものである。

イチローが知れば「俺はそんなこと言った覚えねーぞ!」と激怒するに違いない。

だからこれは…「私は狂いました」と宣言した本である。

しかし当時の大学教授の社会的地位は凄かったので、少しは売れた(死んでからは爆発的?に売れた)。

先日、『コンセント』で発狂者がシャーマン(呪術師)になる例が出たが、
正にこれこそシャーマンの書いた本である。

そもそもニーチェの念頭には古代ギリシア世界があった。

どうもディオニュソス(酒と踊りの神)崇拝をしていたような節がある。

それは深い身体性に沈んでいく世界であり、
本書にも、

「自我、それは、身体について語っている。・・・・・」
「この自我はますます誠実率直に語ることを、学ぶだろう。そしてそれが学べば学ぶほど、ますますそれは身体と大地を讃え、敬うようになるだろう・・・」
「あなたの身体の中に、より多くの理性があるのだ。・・・・」
「身体は、知識によって、自らを浄化する。知識を持って試みつつ、身体は自らを高める。・・・・」

パラパラ捲って読み返すと(昔読んだとき、沢山マーカーや傍線を引いている!)、
古代アメリカ世界のことを言っているように思われて仕方ない。

「愛することと破滅すること、これは永遠の昔から相伴うものだ。愛しようとする意志,それは、喜んで死のうとすることだ。あなたがた臆病者に、わたしはこれを言う!・・・」

「あなたは奪ってはならない! あなたは殺してはならない!」――そのような言葉を、人々はかつて神聖と考えた。その前に跪き、頭を垂れ、靴を脱いだ。
しかし、私はあなた方に尋ねる。そうした神聖な言葉以上の略奪者や殺害者が、かつてこの世にあったろうか?
 およそ生きること自体が――略奪と殺害を含んでいるのではなかろうか? そして、あのような言葉が神聖とされた時、〝真理〟そのものが――打ち殺されたのではなかろうか? ・・・・・

動物が、あなた(ツアラトゥストラ)はこう言うだろうと、語る言葉)
「あなたはこう言うでしょう『今、私は死んで行く。消滅する。一瞬のうちに無に帰する。魂も、身体と同じように、死をまぬかれない。
 だが、多くの原因を結びつけて私というものをつくり出している結び目――その結び目は、また私をつくり出すだろう! 私自身も永遠回帰の中のもろもろの原因の一つとなっている。
 私は再び来る。この太陽、この大地、この鷲、この蛇とともに。・・・・・・・・」

 鷲と蛇? これはもはやインディオの世界だ。
生け贄がどうの、大地を賛歌せよ、踊ることを学べとか…。

 この世には普通ではありえないことが起こることがある。

ニーチェは古代メキシコの呪術師と交信して、書いたのかもしれない。
でないとキーワードの共通がこれほど多いはずがない!?

危険なことばかり書いてあるがゆえに、この書物はナチスに悪用されたのであった。
ニーチェ参照。

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