
しとしと雨の降る底冷えの日。わさびの収穫を終えて山を降りる途中、気配を感じました。葉を落として、色のない世界に茶色い塊。木の枝に留まる小さなモフモフ。耳だろうか、上部に小さくとがったもの。しっかり保護色。
相手はこちらに気づいていないようで、道なりに下り、ぐっと近づいてみたら、飛び立った。ミミズクでした!

山仕事をしているとひょんなタイミングで野生の動物に遭遇することがあります。至近距離のイノシシは恐怖を感じる鋭さ、牡鹿は火花を散らすほどの激しく角をぶつけ合って喧嘩をする。ノウサギは逃げ足早くてすばしっこい。
同じ時を生き、同じ山で生きる生き物。出会う度に、凛とした強さを感じ、その深い眼差しが脳裏に刻まれます。速い逃げ足も、鋭い爪や牙も、強靭な嗅覚や筋力も、蜂のような針も、何も持たない私たち人間。人って最弱かも…。

私の気配に気づかず姿を見せてくれたミミズク。ほんの少し野性の仲間入りをさせてもらったようで嬉しかったり。でもすぐさま飛び立ち、手の届かない木の上から見下ろされた。やっぱり私は最弱だ。
母ちゃん
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます