この夏、島根県隠岐諸島の中ノ島(海士町)に行って来ました。
数年前にテレビで紹介されてたのを見て、いつか行ってみたいと思っていました。
日本海の小さな島。
人口約2500人、過疎化が進み産業も衰退。
合併もしないで財政も危機的状況。
日本の地方が抱えている共通の問題です。
今、その島に働き盛りの若者のIターンが急増しているというのです。
その数、この5年間で236人と人口の1割にもなるとのこと。
若者達を惹きつける魅力は何なんだろうと興味津々でした。
わが家から夜行列車と鬼太郎電車、フェリーを乗り継いで片道約20時間の旅。
ほぼ一日かけての移動です。
島に着く前からちょっと空気が違うのを感じ、ワクワクしながら上陸しました。
小さな島ですが透明度抜群の海に囲まれ、
港の近くまで青々とした田んぼが広がります。
「日本で最も美しい村」にも登録され、
また「日本名水百選」にも登場するくらい豊富な湧き水もあります。
島の暮らしはシンプル。
海で魚を獲り、田畑を耕し、ニワトリを飼う。
私たちの泊まった民宿「但馬屋」では、魚や野菜はもちろんのこと、
味噌、納豆、鶏肉まで、食卓に上がるもの全てが自給には驚きました。
そして移住してきた都会育ちの若者達が島に溶け込み、暮らしています。
島生まれ、島育ちのブランド牛
「隠岐牛」、
豊かな海域で育てる
岩牡蠣「春香」、
海水を天日干しして作る塩
「海士御塩司所 海士乃塩」など、
島の魅力を活かす新しい産業を生み出し、島の活性化に一役かっています。
「ないものはない」
島のあちらこちらで見かけたポスターです。
コンビ二もファミレスもファーストフード店も娯楽施設もない。
でもあらゆる自然の恵みが満ちていて-「ないものはない」。
その言葉に込められた強さ、誇り、潔さ…。
人を惹きつける魅力の一端に触れられた気がしました。
島内で出会う人は老人から子どもまで皆活き活きして元気をいただきました。
カリスマ町長を始めとして、役場職員、観光協会、教育関係者、
島民が皆一丸となって町を盛り上げている姿。
経済的なものでなく本当の豊かさを感じました。
日本はどこに行っても景色は美しく、美味しいものもたくさんあります。
でも一番の観光資源は「人」だという事を改めて感じた旅でした。
父ちゃん
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