~わさび農家の山しごと、山暮らし通信~

伊豆、下田のわさび農家です。
緑の山々と田畑の広がる、のどかな山里での暮らしを父ちゃんと母ちゃんが語ります。

日常を噛みしめ

2024年05月19日 01時20分07秒 | 日常


今春、夫が入院し、怒涛の日々を過ごしていたわが家ですが、
5月の連休前に無事退院して、自宅に戻りました。
まだまだ感覚が戻らなかったり、運転もまだだったり完全ではありませんが、
連休は子どもたちも帰ってきて穏やかに過ごすことができました。
ご心配をお掛けしましたm(_ _)m





ゆっくりぼちぼち始動と思いつつ、採らなきゃならんわさびがあり、
採らなきゃ弾ける種子があり、植えなきゃダメになる苗があり、
どう無理せずやりきるか…。
農業、キビシー!



生命を削るように懸命に継いできたわさびは、その結晶のように美しくて、種子は儚くて輝いて見える。
この先のわさびを見たい。けれど生命あってこそ…。





ありがたい気づき、転機をいただけたと捉えて、これからは少しゆっくりめを心がけていこうと思います。
昨晩は黒船祭の花火でした。爽やかな5月の空に打ち上がる花火。
体の芯まで響く振動、脳裏に留まり続ける残像。
最高に綺麗でした。

母ちゃん
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桜満開の入学式

2024年04月11日 01時13分18秒 | 子育て


週末は次男の入寮・入学式でした。
先月半ばの夫の入院、長女の引越し、義父母の介護、
怒涛の日々を越えて何とかたどり着けました。
子どもたちに手の込んだ料理も作ってあげたかったし、
外食もしたかったし、旅行も行きたかった…。
何もしてあげられないまま、いや逆に山盛りの家事をこなす春休みが申し訳なく…。





長女の大学の入学式に駆けつけようと試みるも、
「来ないでいいよ。私は大丈夫だから、母ちゃんが倒れないように」と言われ、
次男も「わが家、こんなもんっしょ」と。
長男に至ってはフル稼働でアッシー君(きゃー死語ですね😆) 
動揺する素振り微塵もなく普段通り、その姿にどれだけ救われたことか…。



入寮当日、寮に着くなりたくさんの先輩に歓迎を受け、
翌日にはサッカー部の入部も決め、「色々やりたいことあるから行くね」と別れ際もあっさり。
涼しい顔して巣立って行きました。
とにかく明るくてやんちゃで天然で、そして優しくて…。
彼の作るパスタはもう母を越えていて、しばらく作ってもらえないのだなぁと悲しくはあるけれど、
自分で決めた道、とことんやりきってほしい。
伊豆とはまた違う豊かな自然の中で過ごす四季はどんなだろう…。
寂しいとか、切ないという感情を越えて、ただただほっとしています…。



そして巣立ちの日は結婚記念日でした。
杖ついても、話できなくても来てほしい、との次男の願いに男泣きの父ちゃん。
外泊の許可をいただき、一緒に見届けることができました。
夫婦2人で再出発の春のはずが、まだしばらく離れ離れ、
家族5人、それぞれの場所で暮らすこととなりそうです。
生命力溢れる春の景色が美しく、儚くて切ない。
こんな春も夫婦の1ページ、家族の大切な思い出として心に刻もうと思います。





母ちゃん
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花盛りの里山

2024年04月04日 01時11分10秒 | 里山


今まさに須郷の里は花盛り。
雨に濡れてまた一層美しい。
何度経験しても、生命芽吹く春はドラマティック🌸





母ちゃん
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まさかの春

2024年03月31日 01時06分02秒 | 日常


山里に春がやってきました。
頬を撫でる風は柔らかく、山のあちらこちらに淡く優しげな山桜が開いています。
夫が救急搬送されて10日が経ちました。
そう、実は夫、現在入院しております。



次男、卒業式の日、式に出席するため、その日は朝3時から仕事を始めました。
午後からの式には無事に出席。時折り居眠りしたり、
式終了後はサクッと再び仕事にいなくなったり、いつも通りだったのですが…。
その晩に寝られない、何かおかしいとブツブツ不安そうな姿。
私は卒業式の余韻に浸っていて、そんな声もうわの空で…。
翌日、色々あったのち、救急搬送され、脳梗塞と診断を受けました。



入院当初は、右手右足と発語が怪しく、悪化する恐れもある深刻な状況でしたが、
今は急性期を越えリハビリも始まり、体も徐々に回復しているようです。
少しほっとしています。



今春は長女と次男、2人の卒業、引越しそして入学を控え、
とにかく健康に乗り切ろうと思っていたところのまさかの事態…。
義父母の介護、子どもたちの新生活の準備、仕事も…
とにかくワンオペではキャパオーバー。
周りの方々の支えが心底ありがたく、存分に甘えさせてもらっています。
日常生活にサポートが必要で、徐々に衰えも見える義父母。
それでも必死にわさびの手間を買って出てくれるふたり。
懸命に家族のために…、とても助かっています。
またいつの間にか生活力をつけた子どもたちも、家事全般こなしてくれる強力な助っ人です。
今晩は男ふたりが作った素敵な晩ごはんでした。美味しかった。ありがとう。



何が起きても頑丈でやり切ってしまう夫に、本人も、私たち家族も過信していました。
「ひとり」の存在はとても大きくて、日常生活であんなこともこんなこともやってくれていたんだ…と
気づかされることばかり。
まさかの試練にもがく姿はとても切ない。
けれど10日ぶりに握った右手にはしっかり力が宿っていた。
やりたいことがまだ山盛りある方。きっときっと大丈夫。



今、起きていることの意味は分からなくて、ただただ必死に歩むしかできません。
巣立ちの春。家族はそれぞれ離れてしまうけれど、生命があれば大丈夫。
こんなに穏やかで心地よくて、わさびは生き生きと育っていて、
そんな春を家族7人で迎えられたのだから…。

母ちゃん
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W卒業式

2024年03月21日 00時56分53秒 | 子育て


今月はじめに長女が高校を卒業、昨日次男が中学を卒業、
W卒業式が終わりました。
コロナ禍真っ只中に始まった学校生活でしたが、
2人とも素敵な仲間と先生に囲まれて、充実した日々を重ねることができました。



全国から集まり、また全国&海外に散らばっていく高校3年の仲間たち。
とことんもがいて、ぶつかって、時にはぐちゃぐちゃになって、
でもそんな荒波を乗り越えた仲間たちはたくましく輝いていた。
多感な時期に深く深く人と関わる経験は何にも変え難い宝物だね。
ありがとう、家族同然の最高の仲間たち💚



中学3年みんなで歌った「正解」。
最後のさいごまで笑いと涙に溢れたホームルーム。
たくさんやんちゃして、羽目外して、怒られることも度々。
それでも大きな大きな愛に包まれて今があること。感謝しかありません。
合併して大人数になって、日に日に絆が深まっていく仲間たちが尊すぎました。
大好きです、ありがとう🩵

ほっとしたのも束の間。
昨晩は鹿が車に衝突してドアが凹み、今朝は車が脱輪して心が凹み、
そして諸々の事情により家族旅行も吹き飛び…💦
満身創痍ながら、なんとか子どもたちの巣立ちまで駆け抜けます🌸

母ちゃん
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新しい家族

2024年03月18日 00時53分07秒 | 日常


わが家の家族が増えました。
ネコのチロです🐱

お隣のネコ。
ツンデレで毛並みが美しく、子どもたちも集落の人も大好きで、
みんなから可愛がられているネコです。
昨秋、おばあが亡くなり、先月には息子さんも亡くなり、身寄りがなくなってしまい…。
周りの人が代わる代わるエサをあげたり、様子を見守っていましたが、
日に日に目つきも様子も険しくなってきて、親戚の方に了承を得て、
わが家で引き取らせていただくこととなりました。







わが家初日の昨日は落ち着かない様子でしたが、
1日経って、しっかり食べて飲んで出すようになりひと安心。
こたつが気に入った様で、安心しきった様に夜もぐっすり熟睡。
ほろ酔いの父ちゃんに寄り添う姿、溺愛しかない♡

誰もいない冷えきった家にいたひと月、チロには長く寂しい時だったんだろうなぁ…、
と切なくなります。
新しい家族。賑やかに温かい時を一緒に刻んでいきたいと思います😊

にしても父ちゃんのラメ腹巻、いつ見てもキョーレツだわ😂

母ちゃん
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春の光景、きっと忘れない

2024年02月10日 00時44分01秒 | 子育て


今朝も冷え込みました。
バリバリに凍えた山から海のそばの中学まで約40分。
自転車通学の次男、朝早く出ていきました。
1時間後、ようやく山間の集落に日が差しはじめ、
更にその30分後、長女、ご出勤。
家から最寄りの駅まで自転車で約20分。
「寒いよ~、遠いよ~」と吠えつつ、出掛けました…😂
家~中学校 約12km―約40分
家~駅 約3km―約20分
あれ、おかしくない❓





何はともあれ、子どもたち、無事に出動完了です😊
2人とも、ちらり振り返るところ、可愛い。
春休み真っ只中の長女は隣町でアルバイトをさせていただいております。
桜祭りで賑わう隣町・河津町の素敵なカフェで初バイト。
先輩方からたくさん学び、インバウンドのお客様に揉まれ、
初給料を大事に持ち帰り…、全てありがたい経験🌸
桜もそろそろ見頃かな。



春には高校生&大学生。
しばしのわちゃわちゃ同居生活が、母は楽しくて愛しくて仕方ありません♡

母ちゃん
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昔の村の日常風景

2024年02月06日 00時36分52秒 | 里山


ふとPCを見ていたら出てきた村のお年寄りの写真。
古いものは約20年前のもの。





あのころは幼子の散歩に必ず重たい一眼レフ抱えていた!
集落の日常、農作業、おばあたちの会話、見るもの聞くもの全てが新鮮で!
いつもどこかしらで開かれている井戸端会議に参加しちゃったりして。







20年振りに嫁が来た! と言われるほど子どもの少ない年代で、
わが家の子どもたち、集落のお年寄りにたくさん可愛がっていただきました。
それが今や子育てストリート❓ と思うほど子育て世帯が増え、
移住者も増え、お店までできちゃったりして😊





美容院 @luana_a521 さん、お世話になっています😊
縁側ビュッフェ @engawa.buffet.oco さん、楽しみにしています♡
里山再生 https://www.facebook.com/share/p/wCL5xqzRZqQKU8wi/ 応援しています。
炭焼きや養蚕、稲作や畑仕事、この里山で自然と共に暮らしてきた方々がいて、今がある。
写真が記憶を呼び起こし、大切なものを心に留めてくれる。
写真、撮っておいて良かった。





久しぶりに一眼レフ持って出掛けたくなりました。
が、まずはレンズ メンテナンスしなくては💦
スマホも良いが「撮ってる」感あるカメラもやはり好き。
撮りっぱなしじゃない。大切にたいせつにです😊

母ちゃん
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縁側カフェ、しばらくお休みいたします

2024年01月20日 00時33分29秒 | 縁側カフェ




毎月第4日曜Openの縁側カフェですが、春までお休みさせていただきます。
お知らせが遅れて、申し訳ありません。

年末の投稿にリアクション、コメント、メッセージ、お電話などいただき、
気にかけて下さりありがとうございます。
義母ですが、以前のような働き者に返ることはありませんが、
よく食べ、よく眠り、話もし、時々働き、リズムを保ちつつ生活できています。
時間や場所の認識がズレていたり、突発的にひやりっとすることはありますが、
家族の会話に大笑いしたり、孫の心配をしたり穏やかな日々です。



ですが、ケアや変化に対応するのに消耗するのは確かなこと。
カフェは月一度ではありますが、今は最大限を尽くせない。
細々ながらも続けてこられたこと、様々な方に出会えたことは感謝しかありません。
今まで義母、夫、子どもたちの助けもあってやりきれていたカフェ。
少し形を変えつつも続けられたら…とは思いますが…。
春までしばし、冬眠させていただきます😊



2024年が明けました。震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
28年前、阪神・淡路大震災が起きた後、ボランティアに参加した事、鮮明に思い出します。
今、体は駆けつけられませんが、できる形で思いと祈りを捧げたいと思います。

母ちゃん
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突然のアルツハイマー認知症発症

2023年12月27日 00時27分57秒 | 介護


本年も推し迫りました。
年の瀬の長文、失礼しますm(_ _)m

それは突然のことでした…。
忘れもしない、1ヶ月前のカニ祭りの前日。
義母が朝、起きてこなかった。
前日まで一緒に仕事をして、会話して、生活していた義母が突然、
仕事もできない、台所にも立てない、時間の感覚も記憶もおぼろげ、
視線も合わない、排泄のコントロールもうまくいかない…。
感染症? 脳障害? マダニ? と様々な原因を探り、検査をしたものの異状はなく、
出た診断はアルツハイマーでした…。
あまりの突然のことに、家族の日常が激変しました。





朝昼晩の三度の食事や着替え、入浴のケアは初めてのことで戸惑う。
仕事も滞り、気持ちが焦る。家族にツンツン、ギスギス当たる自分に感じる憤り…。
こんな日がいつか来るかもしれないと覚悟していたはずなのに、いざとなるともろい。
ちょうど義父も歩行がおぼつかなくなってきた頃でもあり、なぜ今、なぜ今、なぜ今…。
うろたえた。
実は夏頃から少し”おかしさ”は感じていました。
ふっとした日常のある一部分が義母の記憶から抜け落ちている事があり、気になっていました。
検査をしたものの特に問題はなく、介護認定も受けられず。
今になって、やっぱりという気持ちもあるが、どうしようもない。
何かのせいでも、誰かのせいでもなく、向き合わなければならない現実。
でもガクッと落ちたその後、一緒に過ごす中で分かったのは、全てが滅茶苦茶でなく波があり、
リハビリと思って手先を動かすわさびの手間は今まで以上に手早く、仕上げも美しい。
洗濯物を畳んだり、縫物をしたり、会話がかみ合う時、笑顔で穏やかな時間もあったり…。
と同時に、突発的にひやっとする行動があったり、”元に戻る”のは難しいだろうという現実を突きつけられたりもする。





「早さの違う時計」。
93歳と88歳の義父母は今、そんな時を刻んでいるのかな、
と思う。老い、終末と向き合うのは難しいことではあるけれど、できるならば家、家族で最後の時を迎えたい。
折しも年末年始、家族が揃う時。
子どもたちの帰省が今までになく待ち遠しくて、嬉しい。
手探りながらも大切な「家族の時間」。わが家なりに普通に穏やかにに過ごしたいと思っています。

2023年に感謝を込めて…。
皆様、どうぞ良い年をお迎えください。
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