~わさび農家の山しごと、山暮らし通信~

伊豆、下田のわさび農家です。
緑の山々と田畑の広がる、のどかな山里での暮らしを父ちゃんと母ちゃんが語ります。

昔の硝子

2006年08月11日 03時47分24秒 | 田舎暮らし


わが家は築70年。古民家と言えるかわかりませんが
夏は風がよくとおり涼しいです。
おじぃが子どもの頃、亡くなった大じぃさんが建てました。
カイコを飼っていたので座敷の天井は高く、床下には
部屋を暖めるため炭を置くところもあります。
昔はカイコが家計を支える収入源。一番大事にされたそうです。
天井まで積み上がったカイコ棚の下に家族は寝たそうです。



普段は感じていなかったのですが、家のあちこち見ると
なかなか趣のあるものを発見します。
その一つが玄関戸や障子の中にはめられたガラスです。
葉の模様がついた味わいのあるガラス。
でも何枚かは割れてしまい、違った味気ない模様のガラスが
はめられています。
同じガラスで統一しようと、あちこちガラス屋さんをまわりましたが
どこに行っても要領を得ませんでした。
いろいろ調べてみたら”結霜ガラス”だと判明しました。
大正や昭和初期の建物に多く使われてたものらしいです。
葉のように見える模様は摺りガラスを作る行程でニカワを塗り
それが乾くとき表面がはじけ霜の結晶のような模様になるそうです。
乾く速さによって模様が変わるため同じものは2つとないそうです。
現在では需要がない為どこも作ってないとの事、諦めました。



古き良き日本の文化は確実に少なくなっています。
物だけでなく、食も、いろんな教えやモラルも、、、
日本らしさをもっともっと大切にしていきたいです。

                    父ちゃん

コメント (4)
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