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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ヘルシーウォーキング㉗ inウォーク肥沃な大地に広がる、のどかな田園風景・石狩沼田ウォーク

2024-05-04 20:45:21 | JRヘルシーウォーキング
 沼田町は空知の中でも米作地帯として名高い町である。市街地を外れると 確かに「のどかな田園風景」が広がっていた。しかし、その米作にも翳りが見えているようだ。そして過疎化も想像以上に深刻のようだった。

     
 昨日5月3日(金)、翌日のJRヘルシーウォーキングの「イベントウォーク」で士別市に向かう途中、「いつでもウォーク」が設定されている沼田町を歩いてみることにした。
 実は沼田町を歩くのは2度目だった。1度目は2013年8月15日に歩いている。その時の経緯については次の一文を参照いただきたい。                
空知支庁10市14町では空知総合振興局の勧め(?)で各市町それぞれ1コースずつのフットパスコースを設定し、それをまとめたルートガイドを発刊した。いずれもが各市町の見どころを満載したルートとなっている。私はこの24のコースを時間をかけて、ゆっくりと完歩したいと思い立った。 
 私は2012~2014年にかけて空知管内24市町村の全てのフットパスコースを巡った体験があった。その際に沼田町も歩いたのだが、歩いたコースは今回とはまったく異なり、沼田町の市街地から大きく離れた温泉とほたるが生息しているところを目ざしたコースだったのだ。その投稿はこちらを参照ください。⇒前編 https://blog.goo.ne.jp/maruo5278/d/20130818 
 後編 https://blog.goo.ne.jp/maruo5278/d/20130819
ということで、今回はJR石狩沼田駅をS & Gとする初めてのコースだった。朝10時20分、スタート地点の沼田駅を覗いてみたら無人駅だった。

    
    ※ 外観は立派な石狩沼田駅ですが、無人駅でした。

 沼田駅のある留萌本線は、JRの経営難によって、2016年に増毛-留萌間が廃止され、続いて昨年3月には留萌-沼田間が廃止となり、残る沼田-深川間も2026年をもって廃止になることが決定しているという。ということはJRヘルシーウォーキングの対象からも外されてしまうということのようだ。
 さっそくウォークを開始した。ところが、駅前はまるで誰もいないかのように、全く人と出会うことがなかった。駅前の商店街もひっそりと静まり返っているように感じた。連休中ということも影響していたのだろうが…。街のあちこちには沼田町の夏の名物行事「夜高あんどう祭」のポスターや看板が目に入ったが、あのように賑やかな祭が行われる街とはとても思えないほど静かだった。

    
    ※ 閑散とした石狩沼田駅前の様子です。
    
    ※ 地元信用金庫のウインドーには「夜高あんどん祭」の鮮やかな写真が掲示されていました。

 市街地を抜けると、広大な田園地帯が広がっていた。大規模化された水田は昔の田んぼのイメージとは様変わりし、広~い一枚田どこまでも広がっていた。まだ水は張っておらず、トラクターによって田起こしの作業が行われていた。

    
    ※ 一枚の田がとても広い現代の水田です。田起こしが終わり水張りを待つだけのようです。
    
    ※ 道路際のビニールハウスを写させてもらいました。水田に植え付けられる苗が順調に(?)に育っていました。

 その中で私が歩いたコース上で3ヵ所ほど田起こしではない作業をしている光景にぶつかった。見ているとショベルカーでもって表土を剥がしているように見えたのだ。そのうちの一か所では煉瓦製(?)の土管のものがたくさん積まれていた。「いったい何の作業をしているのだろう?」と疑問に思い聞いてみたかったが、作業の邪魔をしてはと考え遠慮した。

    
    ※ 一方でこのような作業をしているところに3ヵ所も出会いました。

 沼田町の米作がどれほどのものかと調べてみたら、沼田町の農業の全産出額の約3/4が米作で占められていることが分かった。 
 延々と続く田園地帯の中に北海道指定文化財である「本願寺駅逓」が道路際にしっかりと2階建ての建物が古色蒼然とした姿で保存されていた。この駅逓はかつて札幌や旭川と留萌を結ぶ交通の要衝として旅人を宿し馬を休め、奥地で開拓に当たっていた人々に手紙を集配する役目を負っていたそうである。

    
    ※ いかにも昔の日本家屋といった風情の「本願寺駅逓」の建物です。

 コースは概ね沼田市街と田園地帯を方形に回る形となっていたが、その大部分は水田地帯だった。
 街へ戻ってくると、目立ったのが小・中学校の建物だった。どちらも立派だったが、特に小学校の建物は近未来的な姿に見えた。その建物には大きく「沼田学園 沼田中学校」、「沼田学園 沼田小学校」と大書され掲示されていたのが奇異に映った。「沼田学園」とは何を意味するのだろうか?と…。

    
     ※ 「沼田学園 沼田中学校」の建物です。
    
    ※ こちらは「沼田学園 沼田小学校」です。雪冷房システム、太陽光発電暖房の設備が整っているそうです。

 その建物を見た時、「あゝ、沼田町は財政的には豊かな町なのではないだろうか?」と思った。というのも、これもコース上で目にしたのだが、町営の野球場にナイター照明が設備されていたのだ。また、街の外れにあるスキー場にも照明設備が整えられていた。人口は3千人を切り、3月末現在で2,813人だという。

    
     ※ 夜間照明付きの町営球場です。

 田園地帯を巡り、街に帰ってきても街の中は静まり返っていたのが印象的だった。
 ところで、私がウォーク中で疑問を抱いた点について、ヘルシーウォークの参加証明をいただく「物産サービスセンター」の職員に伺おうとしたら「私は沼田町の人間ではないので、併設する農協ストアの店長に聞いてほしい」と言われた。観光協会に務める人が沼田町のことを聞かれて困るようでは、こちらが困ってしまう。
 結局、親切な農協ストアの店長さんに伺うと、水田での表土を剥がす作業は、転作の準備をしているのではないか、ということだった。日本人の食事の西洋化によって米が余り気味と聞いていたが、生産地にも影響が及んでいるようだ。
 また「沼田学園」について、児童生徒の減少が加速度的に進んでいることから沼田町では近い将来、小学校と中学校を一つの校舎にして「義務教育学校」への移行を見込み、そうした名称を付けているとのことだった。

    
    ※ 町唯一(?)のショッピングセンターのJAや観光協会が入る複合施設です。

 なんだかいつものウォーキングとは少し趣の違ったレポートになってしまったが、いろいろと考えることの多かった石狩沼田町のヘルシーウォーキングだった。 

    
    ※ ヘルシーウォーキングで初めて地元からのサービスをいただきました。
      地元産品を利用したトマトジュースです。

◇ウォーク実施日  2024年5月3日(金)
◇歩いた距離    9km
                                              


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