田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

先生、どうか皆の前でほめないで下さい

2024-09-08 20:00:21 | 講演・講義・フォーラム等
  1.  現代の若者論としては頷けることは多々あったが、はてして「北海道青少年育成大会」の講演として相応しかったのか、否か?いささか疑問が残った講演会でもあった…。

     
 9月6日(金)、かでるホールにおいて「北海道青少年育成大会」が開催され、午前中はすでに投稿したように「少年の主張」全道大会があったが、午後は講演会が行われた。その講演は、金沢大学の近間大介教授「先生が求める答えを提供する若者たち~いい子症候群の実像」題して講演された。今回のタイトル名はその近間教授の著書の題名でもある。
 近間教授はまず、次のようなエピソードを披露した。最近の若者は、高校や大学の授業において「皆の前でほめないでほしい」と言うそうだ。それは今の若者が周りから目立つこと、ひいては仲間内から特別な目で見られることを極端に嫌うという性向だという。

      
        ※ 講演をする近間大介金沢大教授です。

 そうしてリクルート社就職みらい研究所が大学生や大学院生に対して調査したある調査結果を示した。それによると、現代の若者の就職先志向が見事に現れていたという。それは、若者が望む就職先は「歴史や伝統がある企業」、「安定し、確実な事業成長が見込める企業」、「意思決定の際は、迅速性より正確性を重視する企業」等々、若者の安定志向が顕著だったそうだ。
 このことから今の若者の志向は、親の教えに従って一生懸命勉強し、失敗の恐れがあるような冒険はせずに、良い大学に入り、一流と言われる企業に就職して、周りと協調して皆と同じようにそこそこ出世すればそれで良い、的な考えの若者が多いということか?
 「拒否回避欲求」という言葉があるそうである。「拒否回避欲求」とは、他者から「嫌われたくない」、「変な人だと思われたくない」といった否定的な評価を回避しようとする欲求のことだという。つまり今の若者は、どんなに弱い拒否でもされることが怖い、あるいは拒否されそうなことは最初からしない、「ちょっと変わってる」「何それ」って思われるのが怖い、という傾向が強いそうだ。
 ここからは会社の上司論になるのだが、「拒否回避欲求」が強い現代の若者に対して、叱責したり、失敗を指摘したりすることは厳禁であるという。それよりは良いところを見つけて「ほめる」ことを心がけるべきと強調する。その「ほめ方」も留意する必要があるという。ダメなほめ方は「みんなの前ほめ」、「比較ほめ」、「デモグラほめ」、「裏があるほめ」だという。(それぞれがどのようなほめ方なのかはお調べください)反対に良いほめ方は「ラフほめ」、「最中ほめ」、「引用ほめ」などだそうだ。
 いやいや、ここまで私は聴いていて、もうお手上げだった。時代と共に価値観が流動していることは私でも肌で感ずるところがある。しかし、人生の先輩である会社の上司がここまで若者におもねなければならないのか?確かに組織を上手く回転させていくためには、過去の価値観だけにとらわれていては拙いことは分かる。しかし、だからといって「本当の人間の価値はどこに」、「組織人として在り方は?」等々、人生の先輩として教え諭すことも時には必要ではないのか?
 青少年の健全育成に携わっている方々への講演として果たして適切だったのか?私の中では???が頭の中で渦巻きながら会場を後にしたのだった。
(私の論旨が適切だったか否か、自信はないが本日の投稿とします)