田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

古の道を往く旅を振り返る 4

2016-04-09 12:03:00 | ロングトレイルフットパス
第二日(近露王子~熊野本宮大社)写真集 

 四日間のトレッキングで最大の試練となった近露王子~熊野本宮大社間の27.5キロの記録である。合せて四つの山坂を上り下りするルートは体力のない私の身体を苛め抜いた。それだけに思いも一段と深い。

 まずはこの日出会ったさまざまな形状の熊野古道を羅列する。いろいろな貌をもった古道は、時には優しく、時には苛烈に私を迎えてくれた。

          
 この道は熊野古道の典型の一つかもしれない。古道はこうした木立ちの中を縫うように造られていた。この道は近露王子からぐんぐんと高度を増していったところである。

          
 古道沿いには、こうした民家が点在しているところもある。そうしたところは写真のように舗装されているのだが、この細い舗装道路が生活道路である。車が交差するのは困難と思わるのだが…。

           
 古道の一部は平成23年の豪雨で決壊し、迂回路が用意されていた。その迂回路の一つの山道である。私の体力はこのあたりでピークを迎えていた。     
         
          
 この写真も熊野古道の典型である。ともかく杉林が多かった。杉林は植林されていると思われ、あるいは昔の情景とは違っているのかもしれないが、古道一帯は杉林がとにかく目立った。

          
 ちょっと急登になると、こうした階段が設けられていたが、これも近現代になってから設けられたものと考えられる。古の人々は足を滑らせながら急登を登ったのではと想像される。

          
 山中に造られた古道は、ときとして山の斜面に造られることもある。そうしたときには写真のように石積みをして道を確保したようだ。しかし、これもまた近現代になってからの造作ではないのだろうか?

          
 写真ではその雰囲気がいま一つ出ていないが、午後3時過ぎの映像である。杉林の中はすでに夕闇の様相を呈し始め、私はかなり心細くなり始めたころの写真である。

          
 熊野本宮大社が近くなってからの古道の様子です。道幅がかなり広くなっています。大きな石が敷かれてあるが、けっして歩き易い道ではありませんでした。

 
 続いて、道中で印象残った光景を。

          
 この日(3月31日)朝、近露集落からぐんぐん高度を増して、ふっと振り返った時に出会った光景です。熊野の山並みの深さがうかがえる一枚です。

           
 道中のいたるところにこうした標識が設置されていて、迷う心配は皆無と云って良いくらい完備され、心強いかぎりだった。ただし、三日目・四日目の小雲取越・大雲取越の方は枝道もないことから、あまり目立たなかったが…。

                  
 「野中の一方杉」と称されて、杉の木の枝が一方だけにしか伸びていません。地元の人の話では、日光のせいではないか、ということでした。この辺りにはこうした一方杉がたくさん繁茂していたようです。ところが明治政府が伐採を命じたとき、地元の博物学者として著名な南方熊楠が猛反対をしてかろうじて数本(確か9本と聞いたが)が伐採を逃れたということだが、写真の杉もその一本である。


          
 この写真はライブレポでも紹介したが、この日ルートがいかに険しいものだったかを表す一枚である。写真中央に見える山を上り下りして、谷底に下り、さらにそこを登り返したところから撮ったものである。(このルートは迂回ルートの一部である)
          
          
 写真はおそらく平成23年の暴風雨の際に削られた斜面を修復したところだと思われる。そうした説明表示がないかと辺りを探したが見当たらなかった。

               
 ある集落を通りかかったところ、掲示板があった。良く見てみると、2週間後に熊野本宮大社の本宮祭が行われることが告知されていた。

          
 狭い山間で何を生産しているのか不思議でしたが、その一つはこうして茶畑を造り、お茶の生産をされていることが分かった。

          
 熊野古道から熊野本宮大社に至る道は、大鳥居から入るのではなく、裏門のようなところから境内に入る道が続いていた。境内に入ってまず目についたのが、満開の枝垂桜だった。
          
          
 この日の目的の熊野本宮大社には拝殿の奥に四つの社殿が並んでいた。後から気付くのだが、熊野三山の他の二つの大社が朱塗りの鮮やかな社殿なのに比べ、熊野本宮大社のそれは自然の木の色を生かした古色蒼然とした落ち着きある雰囲気を醸し出していた。

 長々と第二日目を振り返ってきたが、熊野古道のさまざまな道を写真を通して振り返るだけで、山道で悪戦苦闘している私が蘇ってくる。私にとっては貴重な体験だった…。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。