田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

NHKカジュアルクラシックコンサート

2013-08-11 23:36:59 | ステージ & エンターテイメント
 Casual…、「格式ばらず、くつろいでいるさま」を表す形容動詞であるが、文字どおり演奏者も聴衆もくつろいだ雰囲気の中でクラシック音楽を楽しんだ。

                         

 8月10日(土)午後、札幌市民ホールで「NHKカジュアルクラシックコンサート」が行われた。友人H氏のはからいで入場券を手配していただき、楽しむことができた。

 演奏者は、ピアノ高橋希、オーボエ小林裕、ビオラ松田拓之、ヴァイオリン松田麻実、チェロ山内俊輔、ヴァイオリン大宮臨太郎、の6人編成によるものだった。
 6人はNHK交響楽団の団員をはじめ、それぞれが日本の一線で活躍されているプレイヤーである。略歴を見ると、小林氏以外は桐朋学園大学の同窓生だった。(ちなみに小林氏はスイスのバーゼル市立音楽院を卒業している)

                
          ピアノの高橋希さん      オーボエの小林裕さん   ビオラの松田拓之さん                                                

                
          ヴァイオリンの松田麻実さん  チェロの山内俊輔さん     ヴァイオリンの大宮臨太郎さん

 演奏された曲目は、
 ①チャイコフスキーの組曲「くるみ割り人形」から「花のワルツ」、②ラヴェルの「ハバネラ風小品」、③スペイン・カタルーニャ民謡「鳥の歌」、④エルガーの「愛の挨拶」、⑤ベートーベンのピアノ三重奏曲「街の歌」から第3楽章、⑥アイルランド民謡「ボニー・ジーン・オブ・アバディーン」、⑦映画音楽「星に願いを」、⑧映画音楽「ホール・ニューワールド」、⑨モンティの「チャールダーシュ」、⑩唱歌「赤とんぼ」、⑪フランセの「イングリッシュホルンとヴァイオリン、ビオラ、チェロのための四重奏曲」から第1楽章、⑫シューマンの「ピアノ五重奏曲変ホ長調」から第1楽章
 以上12曲と、アンコールで唱歌「ふるさと」と東日本大震災復興ソング「花は咲く」が演奏された。

 演奏者はそれぞれが一線級の実力者ということもあり、円熟した演奏が心地良く耳に届いた。
 その中で、特に私の心に残ったのはチェロの山内俊輔氏のソロによるカタルーニャ民謡の「鳥の歌」である。チェロの紡ぎだす低音がカタルーニャ民衆の哀しみを表すような哀愁を帯びた音が印象的だった。
 また、モンティの「チャールダーシュ」ではヴァイオリンの見事な超絶技巧を見ることができたのも印象的だった。

 オーボエの小林氏は中学校・高校時代を札幌で過ごしたということもあったのだろうか、コンサートの狂言回しのような役割を担い、聴衆の笑いを誘い、雰囲気を和らげていた。
 また、演奏者もその仕草からリラックスしてコンサートに臨んでいることがうかがえた。

 残念だったのはおばさんの存在である。私の席の後ろに陣取ったおばさん連が演奏が始まって数曲は静かに聴いていたのだが、我慢できなくなったようだ。「いい男だねぇ~」という声が聞こえてきた。それが合図かのように演奏中にも関わらず二人が会話を始めた。直ぐに止めるだろうと思っていたのだが、なかなか止めない。たまらず振り返って無言の注意をすると、ようやく止まった。
 今回のコンサートは無料招待のコンサートである。こうしたマナーをわきまえない人が混じってしまうのは避けられないことなのかもしれないが、せっかくの良い気分を壊されるのは何とも残念なことだ。