ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

群馬県伊勢崎市の赤堀花しょうぶ園では、ハナショウブが一面に咲いています

2015年06月13日 | 旅行
 群馬県伊勢崎市下触町にある赤堀花しょうぶ園は、約2万4000株のハナショウブ(花菖蒲)の花が咲き誇っています。

 赤堀花しょうぶ園は、国指定史跡「女堀」という史跡を保存する目的で、その水路跡に水を入れ、ハナショウブを多数植えて、ハナショウブ園にしたものです。

 いろいろな色のハナショウブの花が長い水路一面に咲いています。







 白い花、薄い赤紫の花、濃い紫の花などが咲き誇っています。









 伊勢崎市の観光協会は、ハナショウブの数は“関東一”いや“日本一”だと自称しています。

 ハナショウブの株が一面に植えられ、6月中はハナショウブの花が一面に咲きます。この時期以外は国指定の「女堀」の堤防は、どうも単なる堀跡の空堀になっている様子です。

 国指定史跡「女堀」は、天仁元年(1108年)に浅間山(標高2568メートル)が大噴火して、灰などを大量に降らせたために、群馬県の現在伊勢崎市辺りの水田や畑などが壊滅的な被害を受けた時につくられました。この結果、この地域を当時治めていた渕名氏が、大間々(おおまま)扇状地末端地区の水田を再生させるために、大規模な土木工事によって、「女堀」を造成したそうです。不思議なことに、苦労して造成した「女堀」には水が入れられたことがないそうです。

 でも、今では毎年6月には大規模なハナショウブ園として、多くの方を楽しませています。

埼玉県川越市の伊佐沼では、カイツブリの幼鳥が元気に泳いでいます

2015年06月12日 | 季節の移ろい
 埼玉県川越市大字伊佐沼にある農業用溜池の伊佐沼は、現在は、満杯の水をためています。周囲の水田などに農業用水を豊富に供給するためです。

 伊佐沼の北側に設けられたハス田では、ハスが葉を茂らせています。だいぶ成長していますが、ハスの花の蕾は、まだ水面には出てきていません。



 このハス田の近くの水面では、カイツブリの産まれたばかりの幼鳥が数羽、水面を泳いでいます。





 身体がまだ小さいカイツブリの幼鳥は、数分ごとに水中に潜って、エサを必死に探しています。



 潜っていて、水面に浮上したところです。時々、鳴き声を上げます。

 ハス田の茂みの中に、カイツブリの巣(浮き巣)がないかを探しましたが、見つかりませんでした。

 伊佐沼の東側の岸辺には、水辺に草などが生えています。その中に、キショウブ(黄菖蒲)が点々と育っていて、花を咲かせています。



 このキショウブが育っている岸辺の近くでは、野鳥愛好家の方々が数人、チドリ目カモメ科のコアジサシの登場をひたすら待っています。早朝に1回、飛来したそうです。

 伊佐沼の岸辺近くには、トンボが飛んでいます。水辺近くのあちこちの植物の上に、トンボが留まっています。



 ヤマサナエかルリボシヤンマ、オニヤンマではないかと推定しています(トンボの種類の同定は難しいのです。実は種類をよく同定できません。オニヤンマにしては、やや小さい気がします)。
 
 どのトンボも、尾が巻いています。これは生殖のためなのでしょうか?

 伊佐沼の周辺にあるムギ畑では、麦秋になったムギ(コムギかオオムギか不明です)を刈り取ったところに、ヒバリが降り立ちました。



 伊佐沼では、これからハス田のハスが育って、ハスが大きな見事な花を咲かせ始めると、多くの方が観賞に集まります。そのころになると、伊佐沼の水位が下がり、水鳥がいくらか増えます。

三浦しをんさんの文庫本「舟を編む」を読み終えた話の続きです

2015年06月12日 | 
 人気作家の三浦しをんさんの大ベストセラーの文庫版として発行された文庫本「舟を編む」を読み終えた話の続きです。

 その文庫本「舟を編む」は、2015年3月12日に光文社から発行されました。



 この「舟を編む」を読んで感心した点は、作者の三浦しをんが辞書編集作業について、丹念に取材して書いていることです。小説家の城山三郎さん風にいえば「足で書いている」ことです。あちこちに足を運び、丹念に取材して書いていることです。

 大手総合出版社の玄武書房(げんぶしょぼう)の辞書編集部のベテラン編集者の荒木公平さんが、自分の後継者として社内から、主人公となる馬締光也(まじめみつや)さんとの出会いの場で、右という言葉の説明を質問すると、馬締さんは「体を北に向けたとき、東にあたる方」と答えます。

 さらに、島という言葉を質問すると、馬締さんは「まわりを水に囲まれ、あるいは水に隔てられた、比較的小さな陸地」と答えながら、これでは「ヤクザの縄張りを含んでいない」からと反省して、言い方をあれこれと工夫します。

 荒木さんは、「島」の語義を紡ぎ出していく馬締さんの言葉に対する姿勢に好感を持ちます。辞書に収蔵する各言葉を簡潔かついろいろな意味までを含めて説明することの難しさを、具体的に物語ります。

 小説の半ば過ぎで、平安末期・鎌倉初期の歌人・僧である「西行」という言葉には、人物の説明以外に、例えば「不死身」という意味を持っていたことを説明します。たぶん現在では“死語”になっていることでしょう。この意味は、西行が「富士山を見た」という物語から“富士見”となり、これが“不死身”という意味に発展します。昔の方々の洒落のようです。これ以外にも、大歌人の「西行」という人物をもじった、いくつかの意味があるそうです。こうした言葉遊びも、辞書の言葉の説明に含めるのかどうか、辞書編集者は悩み抜きます。

 女性向けファッション誌の編集記者だった岸辺みどりさんが辞書編集部に異動し、馬締さんから辞書編集のイロハを教えてもらうシーンでは、辞書の表記文字として「正字を使う」といわれて、戸惑います。「正字」とは「康煕字典」(こうきじてん)に基づいた正規の字体です。
 
 最近は、ワープロ・ソフトウエアで記事を書き、制作部員が誌面の文章部分に配置します。この時にほとんどが「正字」として文章が並べられます。しかし、たまに変換ソフトウエアの不備によって、正字でない文字が紛れ込みます。一般的には、文章を書いた記者本人ではなく、校正担当のデスク(あるいは外部のスタッフ)が正字に直します。
 
 これに対して、辞書編集部ではその言葉を担当した編集者自身が正字かどうかを調べて校正します。この「舟を編む」では、校正を“5校”まで実施しています。普通の雑誌ではあり得ない回数です。これでは校正コストがかかり過ぎます。その一方で、辞書編集では、編集担当者自身が念には念を入れる校正を担当するようです。
 
 辞書編集では、辞書をできるだけ軽くし、多くの文字をできるだけ収容できるように、特別の薄い紙を、製紙メーカーに注文します。製紙メーカーの担当者が、開発した薄い紙を評価用に持参すると、馬締さんは、辞書のページをしっくりめくれる“ぬめり感”が少ないと注文をつけます。製紙メーカーの担当者はこの注文に応えようと、あれこれ開発部門と工夫します。辞書の編集では、利用する紙まで究極の選択をしていることを学びました。
 
 この「舟を編む」は、辞書編集時の作業内容・工夫などについて、いろいろなことを教えてくれました。これは、三浦さんが丹念に微に入り細に入りと取材して書いた小説だと、再確認しました。


人気作家の三浦しをんさんの文庫本「舟を編む」を読み終えました

2015年06月11日 | 
 人気作家の三浦しをんさんの大ベストセラー作品の文庫版として発行された文庫本「舟を編む」を読み終えました。

 この親本となった単行本「舟を編む」は、2011年9月17日に光文社から発行され、2012年の本屋大賞を受賞するなど、ベストセラーになりました(文庫本の帯には“100万部突破”と書かれています)。

 その文庫本が2015年3月12日に光文社から発行されました。



 この文庫本の表紙は、明るい色調の“オトメチック”な雰囲気になっていて、驚きました。単行本では、一見、辞書風のかなり地味なものでした。

 今回、何となく再読してみようと、文庫本版を購入しました。自宅の中から、その単行本を見つけ出す自信がないからです。
 
 この「舟を編む」は、“言語”という大海を渡っていく「大渡海」(だいとかい)という舟に相当する辞書を編纂する話です。その主人公は、馬締光也(まじめみつや)です。作者の三浦さんは主人公を務める堅物のイメージの若手編集者の名前を“まじめ”とつけました。辞書編集というあまり派手ではない、地道な仕事をこつこつと真面目にするからでしょう。
 
 出版界“冬の時代”に入り始めたころに、大手総合出版社の玄武書房(げんぶしょぼう)には、「大渡海」という辞書を“良心的な出版社の辞書編集部”の使命として、出したいと考える辞書編集部員がいました。そのベテラン編集部員は、地味な根気がいる辞書編集作業に適した人材を社内で探し回り、見つけます。それが馬締さんでした。

 出版界“冬の時代”に、時間と手間がかなりかかる辞書編集は本当に事業回収できるかどうか読めないプロジェクトです。この事業投資は実際に時間がかかるので、話題の流行分野の雑誌の方が事業投資は早く回収できるので、出版社経営陣は好みがちです。

 実際に、この小説では、「大渡海」の編集作業に15年もかかりました。辞書編集部のベテラン編集者(辞書づくり37年?)の後釜として、入社3年目の馬締さんが人事異動で辞書編集部に異動し、その中心編集者を務めます。同編集部の別の中堅社員も別の部に異動し、その穴埋めとして辞書編集は初めての編集者が異動してきます。

 この「大渡海」の改訂作業中に、経営陣は事業収益性が読めないとして、同辞書編集部にアニメキャラクターの“辞典”編集などを課します。ただでさえ、編集部員が足りない中で、辞書編集部はいろいろと課される難題をなんとかこなします。このあたりは、三浦さんは実際に起こりそうなことを物語に組み込んでいます。

 この小説は、主人公の馬締が天性を生かせる仕事に偶然就き、その仕事が楽しくてたまらないことを自覚せずに続ける、好きな仕事をする夢のような話です。仕事に真面目に取り組む先にある“楽園”を感じさせる小説です。

 15年かかって、辞書「大渡海」が完成した時には、その監修者として編集作業の要を務めた松本先生は直前に亡くなります。こうした“犠牲”を乗り越えて、言語の海を渡る辞書「大渡海」が発行されます。編集者冥利(みょうり)に尽きる話です。

 長くなったので続きは次回に。

長野県佐久市の佐久荒船高原では、レンゲツツジの花が満開です

2015年06月10日 | 佐久荒船高原便り
 長野県佐久市の東側に位置する佐久荒船高原では、レンゲツツジの花が満開です。

 佐久荒船高原は、標高が約1100メートルから約1200メートルあるため、6月中旬ごろになると、草原部に点在するレンゲツツジがいっせいに開花します。


 
 レンゲツツジは淡い緑色の葉に対して、少し濃いオレンジ色の花をたくさん咲かせています。



 草原に生えているマツの枝に、ホオジロが一羽出てきて、さえずっています。


 
 レンゲツツジの花が咲き誇るころは、モズが梢によく留まるのですが、この時はモズが出てきませんでした。遠くでは、ホトトギスも鳴いています。
 
 佐久荒船高原の水場近くでは、サクラソウ科のクリンソウ(九輪草)が濃い桃色の花を咲かせています。




 
 よく見ると、クリンソウの花の下側には、最初に咲いた花が細かい種をつくり、その多数の種を内包する丸い球をつけています。
 
 佐久荒船高原の真南にそびえている荒船山(標高1423メートル)は、もう夏山の雰囲気になっています。

 
 
 薄曇りの空の下の荒船山です。

 群馬県甘楽郡下仁田町側の国道側から見上げた荒船山の艫岩(ともいわ)です。



 荒船山の艫岩は、独特の風情を感じさせます。荒船山は中高年に人気がある、比較的簡単に登ることができる名山です。