「敏感さ」というと、
私自身、以前はネガティブよりに捉えてばかりでした。
そんな中、「敏感さ」について、
「目から鱗」のパラダイムシフトを体験したのが、
ポーランドの精神科医で心理学者Kazimierz Dąbrowski氏 (1902–1980)が唱える、
「積極的分離(Positive Disintegration)」という考え方に出合った時でした。
Dąbrowski氏は、
『虹色教室通信』でも奈緒美さんが紹介してくださってますが、
(子どもが思い通りに育たないのは、育て方を失敗したため?3)
「過度激動(overexcitability)」という特性を提唱しています。
「過度激動」とは、精神運動、知覚、感情、知性、想像面での、
「過度」なマインドの働きのこと。
Dabrowski氏は、内面的な葛藤や苦痛こそが人を成長させると考えます。
内面的苦痛こそが、一般的で受身の人生から離れようと対象から主体的に分離し、
そうして物理的精神的に対象からの距離をおくことで、
より広い視野や俯瞰する視点、物事に対するより深い理解、
より高いレベルの認識を求め続ける『積極的分離』を促すとするんです。
そして『過度激動』という、より強い葛藤や苦痛を起こさせる激しい感情作用を持っていることは、
成長を可能とする「積極的分離」をより促進することになるというんですね。
つまり、
外からの刺激を過敏に強烈に感じてしまうことで起こる内面的な苦しみや苦痛が、
その人をより高度に成長させる契機にもなり得る、ということです。
こうして、へー、やっかいなだけと思っていた「敏感さ」にも、
こんなポジティブ面があるんだーと、
それまでの子供に対する見方ががらりと変わったんです。
この強烈に感じてしまうからこそ、
成長の機会も大きくなり得るという考え方、
HSCについても、覚えておきたいですね!
私自身そうだったんですが、
「過敏さ」を前に、
ああ、この渦巻く感情の嵐が、
この子の成長を促しもするんだなあと思ってみると、
ちょっと気持ち的な余裕も出てくるかもしれません。