薄紅葉
芋煮会前日、集まった10人を二つに分け、連句をしました。芭蕉の時代にやっていた方式で、まさに座にいる人たちで一つの「巻」を作るわけです。
最初に575で、その季節の句、その土地への挨拶句を一人(この場合は辻桃子主宰)が作り、次にそれに77をつけていく。(これが2の句。「2の句がつげない」という言葉がここから来ています) 最終的に36句ができ。最後が「挙げ句の果て」「けり」をつける。という形。
一人の人間の自己表現的なものとは全く違う遊びの世界。「次は、春の恋の句を」、「次は季語のない77」と、全て決まった中で作っていく。まさにゲームです。
芭蕉の「五月雨を集めて早し最上川」も、この歌仙の発句でした。
時雨忌のやうやう表六句かな あぶみ (『だだすこ』)
これは、以前にやったときに作った句。最初の6句を表六句。最後の6句を名残の六句といいます。今年は名残の六句で、一句作りました。
場所は、奥武蔵。飯能の奥、もとは名栗村だったところです。紅葉の時期はきっともっとすばらしことでしょう。「大松閣」のおもてなしも、ばっちりでした。元気な若女将、俳句に興味があるようで、連句のコピーを差し上げると喜んでいただきました。「大松閣の巻」と「名栗川の巻」だったしね。