学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

それは本当に学校教育のせい?

2009-12-13 | 教育
子どもに起こるさまざまな問題の原因が,
学校教育にあるかのように語られることが多いが,
本当にそうだろうか。

単純に考えてみよう。

よい学校教師にめぐり合えなかった人が,
みんな,悪い大人になっているであろうか。

よい学校教師にめぐり合った人が,
みんな,よい大人になっているであろうか。

よい学校教師にめぐり合えなかった人が,
優れた成果をあげることはないだろうか。

よい学校教師にめぐり合った人が,
凡庸な一生を送ることはないのだろうか。

学校教育が,
その人の生涯に重大な影響を及ぼすほどの力をもっていると,
果たして言えるのだろうか。
せいぜい,そういう場合もあるという程度のことではないか。

学校や教師の影響を過大評価しすぎてはいないか。

好影響も悪影響も,
振り返って冷静に考えてみれば,
実はそれほど大きなものではない場合が多いのではないか。

学校教育の成果や失敗をことさらに強調する議論には,
いつも危うさがつきまとう。

自信満々の教師は,子どもの成長を
己の教育の成果と誇らしげに語る。

学校に好印象を持てなかった者は,
己のふがいなさの原因を
学校や教師のせいにする。

もしかしたら,
子どもの成長に及ぼす学校教育の影響を
もっと小さく考えてみる必要があるのではないか。

本当に,それは学校教育のせいなのか?
振り返って,冷静に判断してみると,
新しい視野が開けてくることもあるような気がしてならない。