学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

授業評価

2006-03-23 | 教育
近頃,生徒による授業評価を
学校単位で一斉に行うことが盛んである。

もともと授業というものは,
人が人を教えるわけであるから
本質的にどのような授業形態にしろ,
インタラクティブな人間関係を
前提にしているのである。

そのため,わざわざ取り立てて
授業評価などを制度化しなくとも,
授業を受けている者からのフィードバックは
授業者の意識如何によって,
随時得ようと思えば,得られるのである。

したがって,意識の高い教師は,
制度化された授業評価がなくとも
自己反省が可能であるし,
逆に意識の低い教師は,
制度化された授業評価があっても
自己反省はしないものである。

ひるがえって,生徒や学生の側からみると,
制度化された授業評価で,
毎年毎年,すべての授業について,
ほとんどかわりばえのしない
質問項目に答えなければならないのであるから
苦痛以外のないものでもない。

したがって,
制度化された授業評価は,
継続的に実施すればするほど,
実効性が失われるというジレンマをもっている。

さらに,匿名での授業評価などになると,
教育的にはデメリットのほうが大きい。
匿名で特定の他者を評価したり批判したりすることは
学校で生徒に行わせるべきことではない。

「生徒による授業評価をやっています」というと
いかにも生徒を大事にしている学校という印象を与えるが,
それは単なる印象にすぎない。
生徒による授業評価をやっているだけでは,
もしかしたら教育的には
デメリットのほうが大きい場合があるのである。

大切なのはむしろ,
日常的に行われる,
個々の教師による自分の授業の分析である。

にほんブログ村 教育ブログへ 人気blogランキングへ
応援してくださる方は,上のふたつのクリックをよろしく!