Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(283)

2019-03-11 00:10:00 | コラム
つ「あー」→「あー」めん(アーメン)

♪ ひとこといってもいいかな、くたばっちまえ アーメン ♪

『ウェディング・ベル』(Sugar)歌詞より

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ネットの解説をそのまま借りれば、amenとは「キリスト教で、いのりの後にとなえる語」のこと。

ことばの響きと、それに伴う動作・・・が、異教徒というか日本人には奇異に映るからかな、とくにガキンチョは「アーメン」とかいいがちよね。

自分もガキのころ、意味も分からず(十字を切りながら)ふざけていった記憶があるし。

ガキのことだから問題にならないけれど、いいトシこいた日本人がむやみやたらにコレやっていたら、場所をまちがえれば国際問題になりかねない・・・とまでいったら大袈裟かな、でもシャレでは済まされない場面だって出てくるでしょうね。

妙なことに巻き込まれないようにするためには、日本人は「アーメン」ではなく、お相撲さんの手刀を真似すればいいんです。

プレゼントとかもらった場合にお相撲さんのような所作をすると、贈る側もたいていはニコッとしてくれるのだもの。


米映画では沢山出てくる「アーメン」、以下の3本は、個人的にとくに印象に残るものである。


『アマデウス』(84)

サリエリ「―父親が商売繁盛を祈っている横で、わたしは、一所懸命に、誠意を持って、全身全霊で祈った。わたしを偉大な音楽家にしてください。音楽家になって、あなたの偉大さを称える曲を作ります。そのかわり、わたしは祈ることを忘れず、貞操を守り、謙虚を心がけ、一生を音楽に捧げます」

そうして、父親が急死する。

そこにかぶさる「アーメン」の旋律は、美しく力強く、そしておそろしいものだった。




『フェイス/オフ』(97)

善と悪が、教会で銃撃戦を繰り広げる―という、視覚的な面白さを最優先させた絵作り。

十字架に磔にされたキリストのショットも挿入されるが、深い意味はなく、単に雰囲気とリズムのためだと思われる。

いや、バカにしているんじゃない、そこにこそジョン・ウーのよさがあるのだから。

※吹き替え版でどうぞ




『ツイン・ピークス』(90~2017)

ボビー「アーーーーーーーーーメン!」
一同「…」
ボビー「なにを見てるんだよ? なにを悲しい振りしているんだ!? 滑稽だぜ、やめときな、そんな姿は。ローラはせせら笑うだけだよ。ローラがグレていたのはみんな知ってたじゃんか。だけど、なにもしなかった。お前らいいひとどもはさ、誰がローラを殺したか知りたいか? お前なんだよ! みんなだ!!」



ボビーの大演説を聞いたローラの父リーランドは悲しみを受け止めきれず、棺に抱きつくのだった・・・。




あすのしりとりは・・・
あー「めん」→「めん」るい。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(284)』
コメント (1)
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