今年の大晦日の予定は、もう決まっている。
去年と同様、さいたまスーパーアリーナで過ごす。
今年と去年だけじゃない、ここ10年くらいは、きまってそうだ。
でも仕事だよ。
ただ仕事とはいえ、好きなものに触れながら年越しが出来るなんて最高じゃないか。
だって、ギャラまでもらえるんだぜ。
つまりは、格闘技だ。
大晦日―。
1年で最も印象に残る日だと思う。
そう元旦よりも、自分の誕生日よりも。
個人的に大晦日以上に印象に残る日といえば、かーちゃんが死んだ日くらいしかない。
ガキのころの、大晦日の思い出・・・。
庶民的な、ありふれた大晦日だったと思う。
晩飯はなんだったかまでは思い出せない、眠い目をこすりながら『紅白歌合戦』を観て、でもそれが終わって『ゆく年くる年』の退屈さに耐えられず、23時50分ごろ寝てしまい、起きたら翌年になっていた―小学生のころは、たぶんそんな感じである。
民放がなにを放送していたかも知らず、友達と出歩くこともしなかった。
ふつうの、ごくふつうの過ごしかた。
21歳の大晦日が、たぶん最も幸福だったんじゃないかな。
大好きな女子―べつに付き合っていたわけじゃなかった―と渋谷パンテオンで、年越しオールナイト上映を観て過ごす。
大川興業によるカウントダウンがおこなわれ、「おまえら映画オタクども!」と罵られたが、なんかすげーうれしかった。
上映作品は・・・
『未来は今』
『スペシャリスト』
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
・・・だったかと。
春に公開される94年度制作映画を、いち早く鑑賞出来るスペシャルな企画だった。
『未来は今』は、フラフープ誕生秘話(じつはホラ)を描いた、コーエン兄弟の傑作コメディ。
パンテオンの粋な計らいで、入場者プレゼントとしてフラフープが配られた。
うれしいが、でかい!
これ持って渋谷から多摩市まで電車で帰ったんだぜ! なんか新興宗教みたいだったな。
20代の後半からは、ずっと働いていたような気がする。
そうして30代に入ると、常にさいたまスーパーアリーナに居た。
ゆっくりしたいと思わないんだよね、大晦日だからといって。
それは元旦でも黄金週間でも盆休みでも同様で、なーーんもない、ふつうの平日に休みもらったほうがうれしいっていうか。
だからこの先もずっと、大晦日は働いて過ごすことだろう。
そんなわけで今回の初体験は、「上京後の、はじめての大晦日」でいってみたい。
18歳、92年の大晦日である。
この年、どんなことがあったかというと・・・
・岩崎恭子ちゃん、金メダル
・尾崎豊の死去
・松井くんの5打席連続敬遠
・ビル・クリントン大統領、誕生
あー、そうだそうだ、そんな感じ。
最も印象に残るのは尾崎の死で、それはたぶん、歌を知っていたというよりも、自分のアイドルだった斉藤由貴ちゃんとのスキャンダルがあったから、、、なのだろうなと。
まだネット文化が到来する前のこと。
このころ自分は新聞奨学生をやっており、専売所でチラシを組んでいたら、少し酔っているであろう女子大生が駆け込んできて、「あの、尾崎豊って死んだんですか」と尋ねられたのを覚えている。
尾崎の死を伝えるスポーツ紙を渡すと、それを見た途端、彼女たちは号泣した―。
そんな年の大晦日は・・・。
つづく。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(204)』
去年と同様、さいたまスーパーアリーナで過ごす。
今年と去年だけじゃない、ここ10年くらいは、きまってそうだ。
でも仕事だよ。
ただ仕事とはいえ、好きなものに触れながら年越しが出来るなんて最高じゃないか。
だって、ギャラまでもらえるんだぜ。
つまりは、格闘技だ。
大晦日―。
1年で最も印象に残る日だと思う。
そう元旦よりも、自分の誕生日よりも。
個人的に大晦日以上に印象に残る日といえば、かーちゃんが死んだ日くらいしかない。
ガキのころの、大晦日の思い出・・・。
庶民的な、ありふれた大晦日だったと思う。
晩飯はなんだったかまでは思い出せない、眠い目をこすりながら『紅白歌合戦』を観て、でもそれが終わって『ゆく年くる年』の退屈さに耐えられず、23時50分ごろ寝てしまい、起きたら翌年になっていた―小学生のころは、たぶんそんな感じである。
民放がなにを放送していたかも知らず、友達と出歩くこともしなかった。
ふつうの、ごくふつうの過ごしかた。
21歳の大晦日が、たぶん最も幸福だったんじゃないかな。
大好きな女子―べつに付き合っていたわけじゃなかった―と渋谷パンテオンで、年越しオールナイト上映を観て過ごす。
大川興業によるカウントダウンがおこなわれ、「おまえら映画オタクども!」と罵られたが、なんかすげーうれしかった。
上映作品は・・・
『未来は今』
『スペシャリスト』
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
・・・だったかと。
春に公開される94年度制作映画を、いち早く鑑賞出来るスペシャルな企画だった。
『未来は今』は、フラフープ誕生秘話(じつはホラ)を描いた、コーエン兄弟の傑作コメディ。
パンテオンの粋な計らいで、入場者プレゼントとしてフラフープが配られた。
うれしいが、でかい!
これ持って渋谷から多摩市まで電車で帰ったんだぜ! なんか新興宗教みたいだったな。
20代の後半からは、ずっと働いていたような気がする。
そうして30代に入ると、常にさいたまスーパーアリーナに居た。
ゆっくりしたいと思わないんだよね、大晦日だからといって。
それは元旦でも黄金週間でも盆休みでも同様で、なーーんもない、ふつうの平日に休みもらったほうがうれしいっていうか。
だからこの先もずっと、大晦日は働いて過ごすことだろう。
そんなわけで今回の初体験は、「上京後の、はじめての大晦日」でいってみたい。
18歳、92年の大晦日である。
この年、どんなことがあったかというと・・・
・岩崎恭子ちゃん、金メダル
・尾崎豊の死去
・松井くんの5打席連続敬遠
・ビル・クリントン大統領、誕生
あー、そうだそうだ、そんな感じ。
最も印象に残るのは尾崎の死で、それはたぶん、歌を知っていたというよりも、自分のアイドルだった斉藤由貴ちゃんとのスキャンダルがあったから、、、なのだろうなと。
まだネット文化が到来する前のこと。
このころ自分は新聞奨学生をやっており、専売所でチラシを組んでいたら、少し酔っているであろう女子大生が駆け込んできて、「あの、尾崎豊って死んだんですか」と尋ねられたのを覚えている。
尾崎の死を伝えるスポーツ紙を渡すと、それを見た途端、彼女たちは号泣した―。
そんな年の大晦日は・・・。
つづく。
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明日のコラムは・・・
『初体験 リッジモント・ハイ(204)』