Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(172)

2016-05-14 00:10:00 | コラム
ずいぶんと前の真夏の衆院選、選挙当日の話である。

団地を出てすぐの中学校が投票所になっているので、朝起きると飯も喰わずに投票に出かけた。

この年の夏も酷暑で、Tシャツとハーフパンツで出かけたのに、それにまだ8時というのに、ギラギラしていて汗びっしょりになった。

校門に、出口調査の女の子が立っている。

そう、女性と表現するには若過ぎる、たぶん20歳は過ぎているのだろうが「見た目は17歳くらい」の女の子が汗を拭きながら有権者に声をかけていた。

ものすごく可愛い。

こんな、町田市の端っこの、イナカッペーしか居ないところで出口調査なんて。
まさに、掃き溜めに鶴であった。

久我美子を、現代的にした感じ。




投票を終え、自分は「声をかけられる気」満々で、タイミングをあわせてから校門を通った。

「―すいません、お時間ありますか」
「(大声)ありますとも!!」

彼女は、ちょっと引いちゃった。

質問を終え「ありがとうございました」と礼をする彼女に、

「何時までやるんですか」
「えっ、お昼過ぎまでと聞いています」
「あっ、投票締め切りまでやるわけじゃないのね?」
「いえ、また場所を移動するんです」
「移動すんの!? こんな暑いのに大変だね」
「いえいえ・・・」

「頑張ってね」といって、その場を去る。

団地に戻る道中で、あぁもっとインパクト残したかったな、名前くらい聞けばよかったバカヤロウ、でも不愉快に思われるかなぁ、、、などと考えた。

シャワーを浴び、新聞を読み、飯を喰う。

・・・・・ダメだ、彼女のことが忘れられない。

時計を見ると、まだ11時。
彼女は居るはずだ。

コンビニに行き、「ガリガリ君」を買う。

ハーゲンダッツにしようかとも思ったが、あんまり高過ぎると引かれると思って。

投票所までダッシュし、「暑いでしょう、よかったら食べて」とアイスを渡す。

「えっ」
「非常識かも、、、って思ったんだけど、休憩くらい取れるんでしょ」
「えぇ、まぁ」
「じゃあ休憩してください。自分が指示するのも妙だけど」

・・・・・。

「分かりました、(笑顔)ありがたくいただきます」

よっしゃ!!


「移動先は、遠いの?」
「(アイスを食べながら)いえ、すぐ近くです」
「そこを、締め切りまで?」
「いえ、17時に担当のひとが回収に来て、それで終了です」

「・・・イヤならイヤって、いってくださいね、はっきりと」
「えっ」
「今晩、うちの団地で夏祭りがあるのね。よかったら、一緒に行きません?」
「えっ」
「はっきりいうと、ナンパです」
「えっ」
「・・・イヤならイヤって、いってくださいね、はっきりと。こっちは悲しいけどね」
「・・・」
「こっちは悲しいけど」
「・・・」
「分かった。いま答えなくていいよ、ここから見える、あの団地ね。自分、ウロウロしているから、よかったら来てください」
「あ、あ・・・」
「(笑う)いいよ、来ても来なくても。こっちは悲しいけどね」
「(苦笑)」
「待ってるからね」


夕刻―。

祭り開始前から、外をウロウロと。

17時、祭り開始。

17時30分、ビール3杯目。

18時、桜美林高校の子たちによる「チアダンス」のパフォーマンス。

18時30分、ビール5杯目。

19時、高ヶ坂小学校の子たちによる「ソーラン節」のパフォーマンス。


・・・・・むぅ。

さすがに、来ないか。

・・・と思ったらば、居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た居た!!


マジか!?

イッツ、ミラクル!!

彼女は恥ずかしそうに、少しだけ微笑んでいた。


「なんで来てくれたの?」
「いえ、アイスのお礼を、、、と思って」


うん、なんでも試してみるもんだね!!


それから60分ほど、べつに中身のある話を展開したわけではないが、とっても素敵なヒトトキを過ごしたのである。


結論。
(バットは)振らなきゃ、始まらないということ。


前置きが長くなったが・・・
そんなわけで今回の初体験シリーズは、初めてのナンパ・・・ではなく、「初めての選挙」でいってみる。


字数が尽きた? ので、またあした。
というか、ここまで話を広げられるようなエピソードが「選挙には、ない」ので、あすは軽~い感じになってしまうが。。。


つづく。


※AKBの選挙については、あす触れるとして・・・
このひとたちも、じつは選挙をやっていた。

トップの大川総裁は「総裁」なわけだしね。
若い江頭ちゃんも居ます。




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(173)』
コメント (2)
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