Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(166)

2016-05-12 00:10:00 | コラム
じゃーなりす「と」→「と」きをかけるしょうじょ(時をかける少女)

好きな日本の小説家を挙げていくと・・・
筒井康隆は、8番目くらいにくる。

すべての作品を読んでいるわけではないけれど、個人的な3傑を挙げると・・・

『大いなる助走』
『家族八景』
『虚人たち』

・・・になるだろうか。

とくに文芸賞の内幕をブラックユーモアたっぷりに描いた『大いなる助走』は、かつてシナリオのコンクールに応募をつづけた身として、「あるあるネタ」が多いし、ラストは痛快だし、何遍も読み返したものである。


代表作のひとつは、まちがいなく『時をかける少女』だが、読むタイミングが悪かったのか、あまりピンとこなかった。
(でもタイトルは抜群のセンスだと思う。これ以外、考えられないし!)


中学3年のヒロインが時間旅行(タイムリープ)を繰り広げる、SF青春物語。

当然、原田知世が主演し、大林宣彦が監督した映画版(83)も観ている。

もっといえば、ほとんど話題にならなかった、中本奈奈が主演したバージョン(97)も観ている。
可哀相なくらい「なかったこと」にされているが、ナレーション担当は原田知世なんだよね。

さて原田・大林版のファンも多いと思われるが、大林監督とは相性が悪く、この映画もあんまりピンときていない。
(『転校生』(82)と『ふたり』(91)は好きだけど)




原田知世がどうにも野暮ったく、なんだかイライラしてしまうのだ。
そして、敢えて安っぽくしているであろう特撮シーンが気に入らなかったのだ。


ところで最近の原田知世(トップ画像)はどうしたことだろう。

とっても素敵じゃないか。

自分は若いアイドルが好きなはずなのだけれども、このひととキョンキョンに関しては、若いころより現在のほうが「ずっと」いい。


ただこの小説が少年少女のハートを鷲掴みにするのはたしかなようで、さらにいえば映像化に最も適した筒井作品であることを証明するかのように、2006年にはアニメーション版も制作された。
(ナンノさん、内田有紀によるテレビドラマ版も多数あり)

ポスト宮崎駿と称される細田守が注目されるきっかけにもなった本作は、2006年を舞台とした続編という形を取っている。

原作、そして80年代の実写版に乗れなかった自分だが、この映画には「おおいに」感心した。

次世代の登場人物たちが繰り広げる物語―『GONINサーガ』(2015)もそうであったが、この設定が嘘っぽくならないように練られていて、巧いな、しかも面白いし!! と身を乗り出して観てしまった。

事実、小規模上映からスタートした本作は口コミにより徐々に拡大上映されていき、ロングラン興行を記録することになる。

もういちど、細田監督の才能を―と思って2度目に観にいったとき、テアトル新宿は満員御礼で、異様に盛り上がっていたことが記憶に残っている。


配給の関係により、細田監督による『時をかける少女』と次作『サマーウォーズ』(2009)は、しょっちゅう日テレさんが放送してくれるのだけれども、この際だから「時かけフェスティバル」として、実写を含めた色んなバージョンを一気に放送してくれないかしら?

そこそこの視聴率を期待出来るのでは?






次回のしりとりは・・・
ときをかけるしょう「じょ」→「じょ」ーず。

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明日のコラムは・・・

『土浦に潜伏』
コメント (1)
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