masumiノート

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「法律の力を持ってしてでも内々格差を解消しなければ」 

2017年03月07日 | ガソリンスタンド2

業転問題は現在の混乱(卸格差)の始まりであり、現在進行形の問題です。

安い業転玉で商売をするPB-SSに対抗するための他社買い(系列店が正規ルートではない業転玉を仕入れること)が始まり、
そして系列マークを下ろしてPBになるSSが増加しました。
即ち、業転市場の増大=系列市場の縮小です。



そもそも系列店とは“元売の精製した燃料油を売るための”店です。
元売の精製コスト以外にも品質保証料や安定供給保証料が含まれた「ブランド料」を課された価格で仕入れを行っているのが系列店です。


その元売の製品を売るための系列店(特に他社買いをせず100%正規ルートでの仕入れを続ける系列店)が、
その元売が放出する(継続的に供給を約束されていないがために安価な)業転玉によって苦境に立たされたのです。

世間ではマークを付けている店(系列店)は、そのマークの元売の庇護を受けていると思っている方が多いのですが、
規制緩和以降、大手特約店を除いては真逆の扱いを受けてきたのです。




問題は業転との格差だけではありませんでした。
より深い闇は、系列内格差の存在です。

規制緩和以前から何店舗も運営しているような大手にはリッター10円以上の安値仕切りがあったようですが、当時は販売価格には差がありませんでした。

規制緩和以降の価格競争の始まりによってPBに対抗できる系列店の存在(系列内格差)が明らかになりました。


しかし、例え高値仕切り組の小規模系列店であっても価格競争に参加する術がありました。
それが他社買いです。
元売のマークを掲げながら、ブランド料というコスト負担から逃れて安価な業転玉を仕入れることです。

また、他社買いすることによって、系列仕入れの値引きを実現させることも出来たようです。


>「実力行使で、業転を取ることです。そうすれば数量を減らしたくない特約店は次の月から安くしてくれるから」

仕入れ努力(つづき)、より





安値量販で販売数量を伸ばせば、更に値引き交渉で優位に立てる。
反対に、系列仕入れを貫いた販売店は販売数量を激減させ、値引き交渉でも不利な立場。

格差は拡大するしかありません。


2014年頃には全量を安値業転玉仕入れをしているPBであっても、1SS運営の小規模店では真似のできない安値看板を掲げる大手系列店の出現が顕著に。

PB天国の終わりの始まりです。
とはいえ、系列と業転との格差は今でも5-6円、3者店では10円近くになることもありPB優位に変わりはありません。


しかし結局、その業転が元売の首を絞めることにもなりました。

2月27日のエネ庁第6回目石油精製・流通研究会会合で、外部委員からこのような提言がありました。

業転価格問題が30年以上にわたって続いている。日本では業転価格を含めた内々価格差が大き過ぎる。法律の力を持ってしてでも、この内々価格差を解消しなければ、日本の石油産業の継続的な発展にはつながらない」





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