Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

オマーンの旅 16 スール

2017-03-26 12:29:45 | 中近東/北アフリカ
2月8日

これまた久しぶりのホテルの朝食。
 普通。

ラス・アル・ハッドを出てすぐに立ち寄ったのはこのあたりでは一番大きなスールの町。
昔からダウ船の製作場として有名なところで、今朝もその工場を見学すると言うことだったのだが、車を降りたリーダーはどんどん山の上へ。こんなところに造船所があるわけないと思ったら
 
案内してくれたのは町の見張り塔。


入り江の口にあるスールの町が一望できてすばらしい眺め。
橋の向こうには見張り塔がさらに2つあるし、その先には灯台が見える。
 
眼下に浮かぶダウ船の前にあるのが造船所。ということで次はそこに向かう。

 着いてみると入口はなんともそっけない門。
中も材木が雑然と積み上げられている感じだが、奥では3艘のダウ船を製作中。
  
 
伝統的な構造を踏襲しているとのことだが、昔は使われなかったはずの釘やボルトが使われているし
 
働いている職人はみな南インドから来ているとのこと。

昔は交易に使われていた帆船も今は船外機をつけられて初日に乗ったような観光クルーズに使われることが多く、大きくて豪華な船の注文はUAEあたりから来るそうだ。

真っ白な建物の並ぶスールの町を通り抜けて、また海岸沿いを走り
 
ほどなくやって来たのはティウィという小さな村。
 
ここは今回のドライバーたち4人の地元ということで、村を通りながら「ここが誰それの家」「あちらは誰それのおじさんの家」と、まあ村中が親戚のようなものだろう。
 
そんなわけで車を停めたレストランの前でも、「あのおじさんの写真を撮れ」「俺を撮れ」とフレンドリー。

ここでランチを仕入れたら、この後はまたハイキングが待っている。


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オマーンの旅 15 ラス・アル・ハッド

2017-03-25 16:34:39 | 中近東/北アフリカ
2月7日

 海からの日の出を眺めて健康な一日の始まり。
 昨晩の残りの蟹味噌汁は一晩おいて濃厚な出汁が出て、インスタントだけれどおいしい!

 
テントを片付けたらまたカモメやラクダを蹴散らしながらホワイト・デザートを後にする。

昨日イカやカニを買ったカールーフの漁村に今日もちょっと寄り道。
 
エイやナマズのような魚がいたが、他に獲物はなくて静か。

今日はアラビア海沿いの道をひたすら北上する。
途中、道路脇に車を停めて砂丘をちょっと歩くことに。

 
ここもまた白くて細かい砂。車のそばにサンダルを脱ぎ捨てて海の方に向かうが、思いのほか遠くて大変。

しかし崖の上からのこの見事な眺め。
歩いてきた価値はある、と満足して車に戻ると、車道のそばは熱くて足の裏がヤケドしそうになった。

道はきれいに舗装されて快適なドライブだが、周りの景色はひたすら砂。
 
海沿いにポツポツと現れる漁村も質素な感じだ。

行程のちょうど中間あたりで、今日もまたカレーのお昼。
 
まるでインドを旅行しているようだが、不思議と飽きないのはどこも結構おいしいから。

北へ行くにしたがって漁港も少し港らしくなってきて
  
 
モスクや学校も見えてきた。

 やがて見えてきた町はラス・アル・ハッド。
5日ぶりに泊まるホテルは町はずれの海辺にあるHoliday Resort。
 
部屋は広いし、なによりシャワーがある。
砂まみれになったテント泊のあとではとにかく髪を洗いたい、とすぐにバスルームに入ってシャンプーを泡立てる。
日向水のようだがそのうちお湯になるだろう、と待てど暮らせど熱くならなくて、結局水で体を洗う羽目になった。熱いシャワーを楽しみにしていたのに

夕食はこれまた久しぶりのビュッフェ。
 
普通。

が今夜はゆっくり食事を楽しんでいる暇はない。
8時に出発して向かった先は車で15分ほど行ったラス・アル・ジンズのウミガメ保護センター。
 
石のカメに迎えられて、結構大きな建物の中へ。
 受付で予約をして
 
後は大勢の欧米人たちとひたすら待つ。

この辺りの砂浜はアオウミガメの産卵場所ということで、ガイドに先導されたグループでのみその様子を観察できる。
カメの産卵は夜間のみ、一グループは25名まで、最大8グループしか入れない決まり。
しかし産卵のピークは夏、今はシーズンオフなのでカメがいるかどうかわからない。そこで係員が浜辺を見回って、カメがいたらツアー催行、確認が取れるまでお待ちください、というわけだ。

しかしこのセンター、2階にウミガメ博物館の表示があるもののなぜかクローズ、小さなギフトショップもあるがろくなものはなくて、なんとももったいない。
オマーン人はまだまだ商売が下手。

やがて9時になってツアーの催行が決まり、オマーン人ガイドに先導されてぞろぞろと外へ。
センターから海辺まで15分ほど歩くが、今夜は半月で懐中電灯なしでも足元が見える。
ウミガメが好むのは暗闇なので、今夜は一匹しか浜辺にはいないとのこと。

その一匹が穴を掘っているところは他のグループが取り囲んでいるので、皆さんはこちらへ、とちょっと離れた所へ。
するとガイド、「皆さんはラッキーです。今日は生まれたばかりの赤ちゃんがいました」と、なんとポケットから子亀を2匹出してポイと砂の上へ。
 
おそらくこういう時のために子亀をストックしているのだろう。ちょこまか動く子亀はかわいいけれど、う~ん、これはいいのだろうか。
ちなみに一度に100個ほど孵る子亀の内、成人できるのは1,2匹とのこと。この子たちはどうなるのか。

やがて穴を掘っていた母亀が今夜は産卵をあきらめて動き出したというのでそちらへ移動。
 
こんな人数に囲まれていたら、それはカメもいやだろう。

 
体長1.5mほどだろうか、思ったより大きな体がずるずると砂浜を移動して、やがて海に入ってしまった。

ちなみにウミガメの産卵は2,3年ごとだけれど1シーズンに何度かは卵を産むそう。
ただし産卵の時以外は陸に上がることはなく、だからオスは一度海に入ったら一生陸には上がってこないのだそうだ。

と、ウミガメのことはいろいろ教わったし
 まさかこんな姿が見られるとは期待していなかったが、この見学ツアーはいろいろ考えさせられてしまった。


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オマーンの旅 14 ホワイト・デザート

2017-03-22 19:44:53 | 中近東/北アフリカ
2月6日 続き

カールーフの漁村を出てちょっと行くと道端にラクダがいた。
 

 さらに進むと砂浜に出て、車は海辺を疾走。
 
車の行く手にいる大量のカモメたちが次々に飛び立つのが壮観。

 今いるのはアラビア海のマシーラ湾。
このあたりは砂が真っ白で、この砂浜で今夜は4泊目のキャンプ。
 
テントの設営も3回目となれば慣れたもの、今日は食堂テントも張られた。

眼の前はアラビア海。
 
波もほとんどないほど穏やかなので、気温はあまり高くないがものすごく久しぶりに海の中へ。
細かい砂が舞って期待したほどの透明度ではないが、入ってしまえば水温は高め、プカプカ浮かぶと気持ちいい~。
 
砂浜のいろいろな足あとを見るのも楽しい。

しばらく水遊びをして、日が傾いてきたところでみんなで砂丘のお散歩。
 テントの裏の砂山をよじ登ると
 
白い砂が見渡す限り続いている。

この白い砂は海辺から2,3キロも内陸まで続いているそうで

名付けて「ホワイト・デザート」って、そのままじゃん。

ここはローカルやツーリストにもキャンプ地として知られているようで
 隣が見えるか見えないかのあたりにポツポツとテントが張られている。
そのためこれまでのキャンプ地のようにゴミ一つない、という環境ではないのがちょっと残念。

 夕日が沈むのを見届けて、我らがキャンプに戻るとドライバーたちが今夜のバーベキューを準備中。
 
大きなモンゴウイカを丁寧に小さく切って串に刺してくれているのだが、なぜか3杯も買ってしまったので時間のかかること。もっと大雑把でもいいのに。
 
でこれを炭火で焼くともちろんおいしいのだが、なぜかオマーン人、同じものをすべて焼いてからでなければ他の物を焼こうとしないので、イカの串ばかり「食べろ、食べろ」と3本も4本も渡される。
もう1年分のイカをいっぺんに食べた気分。

これまたバケツ一杯買ってきたワタリガニはカニご飯にしたらどうだろう、と提案したがオマーン人はそんなことしたことがない、と不審そう。
そこでいつものように米の水加減をしてもらい、そこに適当に切ったカニと醤油を少々加えて炊いてもらった。
 
出来上がりは水加減がちょっと多すぎ、思ったほどカニの出汁も出なくて日本人にはいまいちだったが、なぜかオマーン人には大好評。
残ったご飯は朝食の雑炊にしよう、と話していたが、夜のうちに4人のドライバーたちに平らげられてしまった。

そして期待のロブスター。なかなか焼いてくれないので待ちくたびれたが、やっと登場すると
 
思った以上に身が詰まり、味噌もおいしくて、これなら一人で一匹食べられる。
10人で分けたら一口づつになってしまったけれど、思わぬご馳走に満足。

 海辺のテントもよく眠れる。 


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オマーンの旅 13 ジュベル・コブラ~カールーフ村

2017-03-20 15:43:55 | 中近東/北アフリカ
2月6日

 本日もまた快晴。

テントを片付け、朝食をいただいたらジュベル・コブラと呼ばれるこの周辺をお散歩。
 
 足元に生える草は葉が袋のようになって中に水を蓄えている。

周りにそびえる岩は根元が白い石灰岩。
  
根元が削れてコブラのような岩があるのでジュベル・コブラという地名だと言うが、どれがコブラやら。

 
ここでもまたラクダのなれの果てを見ながら岩の上へ。
 

荒涼とした景色だけれど、広々と胸が広がる心地がする。

ここを離れた後はまた東に向かい
 
幹線道路を走ってしばらく、ようやく少しは町らしい所に出た。

本日のお昼も道路脇のローカル・レストラン。
  
 
ここもまたインド人経営の店でビリヤニ・ランチだが、どこもはずれがなくておいしい。

食後は南に向かって少し行くと
 海が見えた!

浜辺に出ると小さな漁村がある。

ここはカールーフ村。

 
 
よく見ると小さな貝殻で覆われた浜は遠浅。
 
沖に見えるのは魚を獲るダウ船。獲物は小さなボートに移して陸揚げするのだが、そのボートも浜には上がれないので途中から車で引っ張ってくる。
 
この錆だらけになってもけなげに働く車はトヨタだそうな。 

 午後もだいぶまわった時間なので浜は静かだが、作業をしているボートに近づいてみると
 
腕を真っ黒にしたお兄さんたちが水槽に移しているのはすごく立派なモンゴウイカ。
これは一杯約2000円とお高いが、今夜の夕食に、とこれを買っていると
 ロブスターを持ったおじさんが登場。こちらは1匹600円とお安くて、ツアー一同大興奮。ただ残念ながらこれは一匹しかなくて
 
別のボートで網から外す作業をしていたのはワタリガニ。でもこちらも卵を抱えていたりしておいしそう。
 
自分で外した分はタダで持って行っていいと言われたらしく、我らがドライバーたちも熱心に網外し(笑)。

このカニの網にもロブスターが一匹かかっていたのだが、こちらは船のオーナーが不在ということでどうしても売ってもらえなかった。
浜辺で働いているのはほとんどバングラデシュからの出稼ぎとか。
同じ南アジアからの出稼ぎでも、インド、パキスタン、バングラデシュでは働き場所の棲み分けができているらしい。

イカ、エビ、カニをゲットして、今夜の宿泊地へ向かう。


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オマーンの旅 12 カーン・キブリット~ジュベル・コブラ

2017-03-16 19:17:31 | 中近東/北アフリカ
2月5日

今朝も朝焼けに染まる砂山を見ながら起床。
 
 テントを撤収して、砂の上の朝食。
 初日の風で砂まみれになったのにはまいったけれど、風が治まればやっぱり砂漠は素敵で、この美しい砂山の眺めと別れるのは名残惜しい。

キャンプ地から離れて20分、ドライバーが立ち寄ってくれたのは
 サウジアラビアとの国境。
 
日が当たる東側がオマーン、西側がサウジアラビア。
現在サウジは観光ビザを一切発行していないそうなので、この裏側に回り込んだ一歩は貴重。
サウジ、オマーン、UAE国民は陸路に限りパスポートのチェックもなくそれぞれの国境を越えられるのだそうで、だからこそ標識以外には塀も何もない無防備な国境なのだろうが、それ以上にこんな砂漠をわざわざ越える人間もいないと言うことだろう。

ここから進路を東に取ってまた砂漠の中の道を行くと
 さすがに国境近くと言うことで軍のキャンプがあった。
 あとは道端にラクダの屍骸が転がっているぐらい。

 そのうちにタンクローリーの姿を見かけるようになり
 
 
また石油関連施設が見えてきた。

途中、車一台のパンクなどありつつ、お昼過ぎにやって来たのはカーン・キブリットという岩山。
 
ここもまた平地に唐突な感じで岩が突き出ているのだが、その一つに10人入ればいっぱいの小さな洞窟があり、
 
中は塩の結晶で覆われている。この辺りの地下水は塩分濃度が濃く、それが長い時間をかけて結晶化したものなのだそうだ。

ここを出て、ようやく幹線道路上のドライブインのような所にたどり着いたのは午後3時。
 
野菜満載のトラックも停まる、素敵なレストランでやっとお昼。
 
中は4,5人でいっぱいになる小部屋に分かれていて、絨毯に座っていただいたのはカレー。
 
 
こういう所はほとんどがインドやパキスタン人がやっていて、味もいいのはお腹が空いていたからだけではない。
 入口で見かけたアイスキャンディーをおねだりしたら、これがちょっとびっくりのおいしさ。UAE製で確か30円ぐらい。

 ここからまた幹線を離れ、今夜の宿泊地は地図上の星印、ジュベル・コブラ。

あたりは石灰岩がごつごつと続く景色なのだが、到着した時にはもう夕暮れなので急いで岩陰にテント設営。
 

今夜は風がないので食堂テントもなし。

 
野天で食べるチキン・バーベキュー、おいしかった。

 
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オマーンの旅 11 砂漠の一日

2017-03-13 14:57:11 | 中近東/北アフリカ
2月4日

昨日のひどい風も夜中過ぎにはようやく収まり、6時前に目を覚ますと辺りは静かだった。

 
きれいな風紋を踏んでテントの奥の砂山に上がり、日が登るのを待つ。
気温はテントの中で15℃ほどだったので、外は10℃以下だろう。日出は結構遅くて6時50分ごろ。

 今日は昨日とは打って変わった快晴。

テントの前の景色もきれいに見える。

 ちなみに現在いるのはこの地図の星のあたり。
サウジアラビアとの国境から数キロの地点とのこと。

こちらは朝の光の中で改めて見る我が宿舎。
 
厚いマットを敷き、寝袋を広げるとそれだけでいっぱいになってしまう大きさだが、砂漠のテントは不思議なほどよく眠れる。
しかし昨晩の強風のおかげで、朝起きてみると寝袋から荷物から、すべて細かい砂に覆われていた。

冷たい水で顔を洗ったら食堂テントで朝ご飯。
 お鍋の中には焼いたトースト、オマーン製ヨーグルトが濃くておいしい。

本日の予定はこの場所に一日滞在。
砂漠を満喫しよう、ということで陽が高くなって温かくなってきたところでハイキングに出発。


平らなところをしばらく歩いてから
 
砂山に登る。

足元の砂は本当に細かいので裸足で登ると気持ちがいい。
 
しかし斜面ではまるで水のように流れて、上るのは一苦労。

 
あたりにはほんのわずかに灌木が見えるぐらい。
 
でも風紋を見ているだけでも飽きない。

2時間ほど歩きまわって、テントに帰り着くとフルーツとお茶が用意されている。
 
お昼は軽くツナ・サラダ。しかしこれも材料豊富でおいし~。

午後は日差しが強くなるのでテントで休憩。
「個室」の中は蒸し風呂のように暑くなるので食堂テントの中でゴロゴロ。
普通なら1泊するだけで移動してしまうところ、こんなにのんびりしたツアーも珍しい。

やがて日も傾いてきて、今度は夕陽を見に行きましょう、とみんなで出発。


午前中とは違う方角の砂山に登って好きなところで日の入りを待つ。

 
傾いた日の中で砂の表情が一段と美しい。

日没は午後6時過ぎ。

あの山の向こうはたぶんサウジアラビア。


日が沈むと急激に寒くなるので
 テントに戻って夕食。

 今夜のメニューはパスタ。
でもやっぱり缶詰のソースなんて使わずに一から手造り。

 食後はみなさんすぐに個室に引き上げて、夜のテントはこんな感じ。

今夜は快晴だが半月が結構明るい。
そこで夜中の2時ごろ、トイレに起きるついでにカメラと三脚を担いで外へ。
実はこの旅に出る前、カメラ・メーカーの教室で星空撮影の講習など受けてきた。
以前行ったリビアやアルジェリアの砂漠の星空がすごかったからなのだが、今回は月が沈んでも細かい砂が舞っているのか、天の川が見えるほどではない。

それでもモニターで見ながら空一杯の星を撮ったつもりだったのに、帰ってからPCで確認すると画面が暗すぎて大失敗。
 ソフトで修正してやっとこの程度。

これはまたどこかでリベンジせねば。

 
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オマーンの旅 10 ルブ・アル・ハーリー砂漠へ

2017-03-12 00:44:29 | 中近東/北アフリカ
2月3日 続き

ニズワの見学を終え、車は町を出て西へ向かう。

しばらく行くと広大な土地が長い塀に囲まれている所があり、運転手が「王様の住まいだ」と教えてくれる。
 
なんでも国中にいくつかこのような住まいがあるそうだが、長い塀の向こうの建物はまったく見えず、少なくとも外から見る限りは贅沢そうな暮らしぶりには見えない。

そのまたちょっと先の路傍にラクダを発見。
 
と、この辺りまではまだわずかに緑が見えたのだが
 進むにつれて平らな周辺の景色は砂色一色になって行く。
しかもこの日はどんよりとした曇天の上に風が強くて、道路上を砂が吹き流されて行く。
 
わずかにある防砂林も何の役にも立たない。

これから向かうのはルブ・アル・ハーリー砂漠。
英語では Empty Quarter (空白の一角)と訳されるこの砂漠はオマーン、UAE、サウジ、イエメンの4カ国にまたがり、長さは1000キロ、幅500キロでアラビア半島の3分の1を占めると言う広大さ。
完全な砂砂漠としては世界最大だそうで、ラクダなども住めないほど過酷な環境だと言う。

そんなところなので、これまで行ったリビアやアルジェリアのように道もない砂の中を行くものと思っていたが、幹線道路を外れても簡易舗装道路が続く。

そのわけはやがて道路脇に見えてくるものでわかる。
 
延々と続く石油や天然ガスのためのパイプライン。
 ずいぶん華奢なパイプで無防備なようにも見えるが、ところどころに工場も見えて、工場労働者のための集落もある。

そんな集落の一つでランチ・ストップ。
 
コンテナ村の前に小さなモスクがあるが、ちょうど金曜日のお昼ということで、我々が着いたと同時にモスクから出てきた人たちが唯一のレストランにぞろぞろと入ってしまった。
 そこで我々のお昼はここからテイクアウト。
 
練り物のようなお肉とオムレツのハンバーガー。外は強風なので車の中でいただいたが、食べるものがもらえるだけありがたい。

それにしてもレストランに出入りする労働者はほとんどインドやパキスタンからと思しき人々。
こんなところでの生活はさぞ過酷だろうと思うが、どれだけの稼ぎになるやら。


周りの景色はいよいよ荒涼としてきて
 やがて車は簡易舗装の道からもはずれた。
 
するとそれまでまっ平らだった砂地に突然と言った感じで砂山が現れ出した。

そんな中、停まった所には小さな水たまり。
 
これが太古の海水が湧き出ているものだそうで、確かに舐めると塩辛いし、まわりには塩の結晶が見える。
 この周りもいつもは真っ白なのだが、今日は砂が吹き付けるので茶色い景色になっちゃったらしい。

 ここからさらに進んで、前方に高い砂山が見えた所が今夜の宿泊地となった。

しかしここからが大変。
寝るためには自分たちのテントを張らなければならないのだが、すごい強風なので布があおられて思うようにならない。最近のテントはとてもよく出来ているので本来は簡単なのだが、ドライバーたちにも手伝ってもらってなんとか暗くなる前に設置。

 
周りにはもちろん誰もいない。

我々のテントが出来上がると、ドライバーたちはさらに食堂用大型テントを張り、中で夕食の準備を始めた。

普通こういったテント泊の場合、ドライバーやガイドの他にキッチン・スタッフが付いてくるのだが、今回はガイドもコックもなし、すべて4人のドライバーが用意する。

そんなわけで事前の案内で「とても簡単な食事になります」と言われていたので、缶詰を開けるぐらいかと思っていたのだが
 見ているとちゃんと肉や野菜を切り、本格的に煮込んでいる。おかげで結構時間がかかり、すっかりお腹が空いたが
 出来上がった野菜のトマト煮込みも羊のシチューもおいしくて、しっかりおかわりさせていただいた。

食後は星も見えない夜なのですぐに寝袋に入って寝てしまったが、夜中過ぎまでテントの周りを風が吹きまくっていた。


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オマーンの旅 9 ニズワ

2017-03-10 18:34:32 | 中近東/北アフリカ
2月3日

 なかなか充実した朝食ビュッフェをいただいて、7時半にはホテルを出発。

向かったのはニズワで一番の見どころであるスーク。
本日金曜日には早朝から家畜市があるということで、同じホテルに泊まっていた西洋人たちもこぞってここに来ている。

 車でいっぱいの駐車場からこの小さな入口を入ると

ぞろぞろを着たローカルと山羊たちで大盛況。
 屋根の下は特に人でぎっしりで、なんとか中を覗きこんでみると
 
人垣の真ん中を売り物の家畜が引き廻され、買いたい人は呼び止めて値段の交渉をする。皆さん真剣で緊張感がビリビリ。
 
でも無事に買えればこの笑顔。

周りには順番を待つ山羊たち。
 
それが終われば次は牛が待機中。

 
たくさんいる仔山羊がかわいくて、子供たちも遊んでいる。

意外だったのは他ではあまり見かけない女性たちをこの家畜市ではちらほら見かけたことで
  
伝統的なマスク姿は近隣の村から家畜を売りに来ているのだろう。

 この家畜市の外には野菜や魚、肉などのスークが入るまだ新しい建物が並ぶ。

こちらでまず案内されたのはハルワというスイーツの店。オマーンでも有名な店だそうで、大きなカウンターに人がいっぱい。
  
 
大きな銅鍋でナッツやカルダモン、サフランなどを入れたスターチと砂糖を煮詰めるハルワはういろうかわらび餅のような食感。思いのほか甘すぎず、中東の香りがしておいしい。

その先は八百屋さんエリア。
  
 
最近日本のスーパーでも見かけるオマーン産インゲンももちろんある。

肉と魚は野菜とは別の建物に入っていて
 
白いタイル張りの小部屋に別れた肉売り場はかなり清潔そう。
 
魚売り場の方はオープン・スペースの台の上に売り手がいて魚をさばいているが、なぜかマグロばかり。焼いたものも売られているが、オマーン人はどうやって食べるのだろう。

食材売り場からさらに進むと他にもいろいろな店があって
 
渋い工房で銀のハンジャルが作られていたり
 
人だかりの中心では狩り用なのか、銃が売られていたりする。

スークを抜けたところにあるのが17世紀に作られたニズワ要塞。
 大きな見張り塔は高さ34メートル、直径が45メートルあるのだそうだ。

 
建物内部はちょっとした博物館になっていて、模型で要塞の周りに広がるスークの様子がよくわかる。
 
展示は古い装飾品や道具類など。
 要塞と言えばお決まりの牢獄ももちろんある。

この後はもちろん塔の上へ。

高い壁のへりを歩くのは自己責任で。

周りにはヤシの畑が広がり、その向こうにハジャール山脈が見えていい景色だが、残念ながら本日は天気が悪い。
 
塔の窓からは要塞のすぐ隣の大きなモスクや、スークに続く土産物屋などが見える。

そこで塔を降りて土産物屋が並ぶ一角へ。
 
仕立て屋さんの店頭に飾られた小さなディスターシャがかわいくて、店内のおにいちゃんは真剣に試着中。

銀細工の店では気に入ったピアスを見つけたのだが、値段を聞いてみると思いのほか高くて手持ちのリヤルがない。クレジットカードも使えなくて泣く泣く断念。あれ、ほしかった。


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オマーンの旅 8 ワディ・グルのハイキング

2017-03-08 19:27:47 | 中近東/北アフリカ
2月2日

 宿でしっかり朝食をいただいて、8時には出発。

 ヤシ畑の中を通り、
   
石造りの家の間を縫う石段を上がって行くと
 10分もかからずに車道に出てしまった。往路の苦労は案内するドライバーのサービスだった?


この村、もうちょっとゆっくり楽しみたかった。

 村を出た後はスーパーにちょっと寄ってからまた山の中へ。

途中、景色のいい所はあるのだがどんどん先に進んでしまって(笑)、やっと停車したのはオマーン最高峰、3009mのジュベル・シャムス山が見える所。

ダラダラと緩やかな稜線なのであまり高く見えないが
 良く見ると頂上には建物があって、これは軍の施設らしい。

次に向かったのはオマーンのグランド・キャニオンと呼ばれる所。
旅行社にはアル・キタイムと紹介されたが、地図やロンプラにはワディ・グルと記載されている。

まずは展望台から下を覗き込むと
 谷の底は見えず、崖の途中に細い道が続いているのが見える。

その道を歩くべく、駐車場のある小さな村へ。
 
山羊のうろつく中、村人が露天を出しているが、冷たい飲み物はともかく、ただの石を買う人がいるのだろうか。

用意を整えたら早速出発。この村の標高が約1900m。
 
道は岩の間を縫って、多少のアップダウンを繰り返しながら谷を下って行く。

思ったよりも崖っぷちを歩くわけではないので怖さはないけれど
 
谷底を流れる川はまっすぐな崖の遥か下。500mほどだそうなので本家グランド・キャニオンの半分ほどの高さだろうが、十分に雄大な景色は写真には納まらない。

 
進むにつれて周りの崖が高くなる。まったく日陰はないけれど、思ったほどの暑さではないのは助かった。

途中、写真を撮りながらマイペースで歩いて、着いたのは岩が屋根のように張り出している所。
 ここまで1時間45分、ちょうどお昼ということでここでピクニックをすることに。
 
4人のドライバーたちがスーパーで仕入れた野菜類を切ってくれて、ホムスや魚の缶詰と一緒にピタサンド。

こんな景色を眺めながら食べるお昼はもちろんおいしい。

ここで休んでいるとさらに先まで行って戻ってきた他のハイカー達が時々通る。
オーストリアやドイツからのゲルマン系が多く、彼らは帽子もかぶらずすごい軽装。さすがタフな民族だ。

食事に30分ほどかけて、我々はここで引き返す。
 今度は登りなので来た時よりもちょっとしんどい。

でも光が変わって朝よりも遠くの景色が良く見える。
 とガシガシ歩いていたらゴールの村が見えてきた。

到着してみたら帰路は1時間ちょっとで戻ってきてしまった。
標高差は200m、歩いた距離は約10キロ。いい運動。

 こんな景色を見ながら山を下りると

麓にきれいな畑の広がるいい雰囲気の村があった。ここもイエメン系の村だそうだが
 
畑の奥に見える土色の家々は廃墟、今はワディの向こうに新しい家が作られている。そちらにはちゃんと電線が通じているし、仕方ないよね。

 車はこれでハジャール山脈を離れ、夕方ニズワの町に到着。

町の中は素通りして、今夜の宿は町はずれにあるこちら、Al Diyar。
 
ホテルの前には見事に何もないが
 今回のオマーン旅行では一番いいホテル。
特にレストランの食事が良くて、
 
定番中東料理がどれもとてもおいしい。
 
しかし添乗員女史、ちょっと頼みすぎでしょ。


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オマーンの旅 7 アル・ハムラ~ミスファット

2017-03-05 12:25:40 | 中近東/北アフリカ
2月1日 続き

昼食を摂ったのはアル・ハムラの新市街だが、次は旧市街へ向かう。


緑のヤシ畑の向こうに見える茶色い家並みが旧市街。
この町は1950年代の反乱の際、国王を支援する英国軍によって破壊されたのだとか。

そんな一角に入ると周りの家々は閑散として確かにあまり人が住んでいないようだが、建物は結構残っている。
 
土壁に小さな窓が並ぶさまはイエメンに似ている、と思ったらこのあたりの住民は昔イエメンから移住してきたのだそうで、だから昼食のレストランもイエメン料理だったわけ。

 入って行ったのはこの中の一軒、「ベイト・アス・サファー」という民俗資料館。
階段を上った2階が居住空間で、本来はガイドがこの家の説明をするはずだが先客がいて忙しい。


そこでまずは雰囲気のいい客間でオマニ・コーヒーとデーツをいただく。 

ヒョッコリ顔を出したおじいちゃんも味がある。

ガイドがまだ空かないので、次は勝手に台所へ。
 
階段を降りた土間にはむしろが敷かれ、女性が二人待ち構えている。

ここで見せてくれるのは最近日本でも有名になったモリンガ・オイルの作り方。
  
まずはモリンガの種を炒って外皮を剥き、中の種を石ですりつぶしてこれをぎゅうぎゅう押す。するとオイルが抽出されると言うわけでなかなかの重労働。一本いくらだったか、グループのおばさんが一人、在庫をすべてお買い上げになった。

 
もう一人のおばさんは生地をぺたぺたと鉄板に押し付けて薄焼きパンを作ったり、組紐を作ったりと愛想がいいが、腕に巻いてくれる組紐は「1リヤル」。オマーン・リヤルは約300円なので、気を付けないととても高い。

そうこうしているうちに時間がなくなり、結局ガイドの話は10分も聞かずに退散。
こうした家に家族2、30人も暮らしていたこと、今でもオマーンは大家族で住むのが一般的であることだけはわかった。

次に向かったのはアル・ハムラの上に見えていたミスファット・アル・アブリーンという村。
 山の中腹、標高約1000メートルにある。

近づくと道路沿いに新しい家は建っているものの、古くからある村の中心部へは車は入れないということで、一泊分の荷物を持って徒歩で今夜の宿へ向かう。
10分もかからない、と言う話だったのだが
 
岩のゴロゴロする斜面をヤシ畑の向こうに見える家々に向かってひたすら下り。
 
途中からはファラージと呼ばれる灌漑システムの水路のへりを歩いて20分強。やっと宿の看板が見えて
 Misfah Old House に到着。名前通り、伝統的な村の家がホテルになっている。

ここに到着したのが17時。
本来はこの昔ながらの村を2~3時間歩くはずだったのだが、民俗資料館で時間を喰ってしまったのでもう日暮れが近い。

と言うことで荷物だけ置いてすぐに出発。

  
ファラージをたどって岩場まで。この奥に水源の泉があって、各畑への水の供給は村人によって厳格に管理されているのだそうだ。

 
村の周りには岩壁がそそりたち、畑にはバナナやパパイヤの木も見えるがほとんどはデーツ。
宿の近くに戻ると紐一本でヤシの木に登る様子を見せてくれたが、見ると別の人が面白いものを持っている。
  
1メートルもある大きな莢のようなもので、中にびっしり見えるのがヤシの花だとか。初めて見たが、この花一つ一つが実になるとしたら、そりゃいっぱいできるはずだ。

その後ようやく宿の部屋に入って一息。
 
建物は2つに分かれ、各フロア3部屋ごとにお湯の出るバスルーム付き。
部屋にはエアコンも完備、お布団もタオルもきれいで、ロビーにはWiFiも飛んでいる。

 
夕食は階段を上がった屋上で。
 
やさしい味付けのグリルチキンや野菜の煮物。デザートにはこの村で採れたデーツ、これがおいしい。

 村の夜は静かで良く眠れた。


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コメント (6)
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