Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ヨルダンの食

2008-06-30 02:04:18 | 中近東/北アフリカ
この間のヨルダン旅行記、なんだか食べ物の話が少なかったな、とお考えの皆様、お待たせいたしました。今回はヨルダンのお食事特集。

まずはホテルのビュッフェのアラブ式朝食。
 豆のスープ、フールはイエメンでおいしかったので食べてみたが、アンマンのもペトラのも味がなくていまいちだった。ザータルとオリーブオイルをかけてみたが、まだ何か足りない。
 裂きイカのように見えるのは塩辛いチーズ、その隣は濃いヨーグルトのラブネ。これにオリーブと紅茶がアラブの定番。

お昼の定番はファラフェル・サンド。
 豆のコロッケが中に挟まっていて、これがほくほくとおいしい。ただしペトラで食べたこれはパンが洋風で、お値段も2.5ディナールと観光客値段。

アンマンの旧市街で食べたお昼。
 ヨーグルトスープに入った肉団子と、隣はブルグル(挽き割り小麦)。すっぱくて塩味のスープはなじみがないが、これは嫌いではない。
 こちらはパイの中にピラフと羊肉の入った凝ったお料理。
偶然入ったお菓子屋さんの上のレストランは、おいしくてサービスも良くて大満足。

アンマンの安ーい食堂の夕食。
 アラブ式の薄いパンの間にひき肉を挟んで焼いたもの。ちょっと油っぽいが、スナック感覚でどんどんいける。
 なすとケバブはアラブ・パンにはさんで食べる。

アンマンの高級レストラン、「タヌーリーン」
 
外国人駐在員とお金持ちヨルダン人ばかりの店はさすがにきれいでサービスも上等。
たくさん頼んだ前菜も写真を撮る前に取り分けられてしまった。
 大好きなタブーリ(パセリのサラダ)、ファトゥーシュ(ピタパン入りサラダ)、ムタバル(なすのペースト)、ブドウの葉の詰め物、チーズなど、どれもさすがに上品な味でおいしい。
 このフムス(ヒヨコ豆のペースト)などいくらでもパンを食べてしまってやばい。
 メインはミックスグリル。ふだんは羊肉を食べない友人も絶賛したほどのおいしさ。
アンマンの高級店はさすがに違う。

ペトラの夕食はホテルの並びの小さなレストラン。でもここが大当たり。
 前菜の奥の緑色の飲み物はミント入りレモンジュース。フレッシュな葉がたっぷり入ったこの飲み物はヨルダンで最大の収穫。むちゃくちゃうまい!
 ベドゥイン料理というマンサフ。ゆでた羊肉とそのスープで炊いたご飯にヨーグルトソースをかけていただく。肉も柔らかくておいしいが、ご飯がおいしくてこれは気に入った。
 こちらは死海リゾートのマンサフ。プレゼンテーションは派手だが、味はペトラの方がずっとよかった。
 これもベドゥインの料理という鶏のシチュー。卵が入っていて優しい味。
 もう一つベドゥイン料理、鶏と玉ねぎをスマックで炒めたもの。スマックというのは日本の「ゆかり」にそっくりなハーブ。トルコ料理でも使うが、ドバイのスーパーには「ヨルダン・スマック」と「シリア・スマック」というのが別々に売られていて、色が微妙に違っていた。使い方も違うのだろうか。

死海リゾートのビュッフェではおばさんがパン焼きを実演。
 この薄ーいパンは料理の上にふきんのようにかけて保温の役目をする。
  
ホテルのビュッフェは見た目華やかだが、お味はなんだかいまいち。死海ではモーベンピックよりも隣のマリオットの方がおいしいのでおすすめ。

そして食事の最後はコーヒーでしめる。アラブのコーヒーはトルコ式と同じで粉を直接煮出す方式だが、トルコと違っているのはカルダモンが入っていること。
 アンマンに店内でコーヒーを焙煎している本格的なコーヒー屋さんがあったので買ってみると、普通にコーヒーを挽いた所であとから大きなスプーンに一杯カルダモンを挽いた粉を入れて混ぜ、さらに袋をとじる前にもう一杯カルダモンを入れていた。このコーヒーは普通のコーヒーメーカーでいれても香り高くておいしい。お土産に最適。

行く前には毎日ケバブばかりで飽きてしまうのではないかと心配していたヨルダンの食事。思った以上にバラエティがあって、とうとう一度もアラブ以外に逃げなかった。

ヨルダンはおいしい!


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白金台 松岡美術館

2008-06-28 18:12:48 | 機内食・映画・美術展
ルーヴルのイスラム陶器が物足りなかったので、パンフレットをもらった松岡美術館へ行ってみた。
Matsuoka Museum of Art 松岡美術館公式サイト


白金台の駅から6分、名前は知っていたし、家の近所なのに入るのは初めて。
入り口で「イスラム陶器のコレクションはどこですか」と聞いたら、美術館の方は申し訳なさそうに「ほんのちょっとなんですよ」とおっしゃる。
 
明るいホールを通って2階に上がると、展示室前のスペースにイスラム陶器が並んでいた。
 唐三彩に影響を受けたと思しきペルシャ三彩
 
 
 瑠璃色がとてもきれいな器
 
  
ラスター彩はもう2点あって、どちらも人物紋がおもしろい。

6点とは言えどれも質が高くて、ルーヴルの展示品よりこちらの方が断然いい。

ほくほくしながら、せっかくなので他の展示も見てまわる。

この美術館のメインコレクションはパンフレットによると中国陶器らしい。収蔵品が多いので展示換えがあるらしく、現在は唐三彩を展示中。
  
  
中国陶器の中でもぼってりした肌の唐三彩はあまり好みではないのだが、このコレクションは騎馬像や人形が中心で趣味がいい。
  
こっちのもっと土っぽい肌の方が好きだけど。

隣の展示室ではフランス近代絵画の特別展。印象派からピカソまでのコレクションはありがちで、こちらではどうも収集家の趣味が感じられない。

階下へ降りてガンダーラ・インド彫刻の部屋。
  
 男前が一杯で嬉しい♪

隣の部屋はエジプトを中心にした古代オリエント美術


さらに隣はヘンリー・ムーアを中心にした現代彫刻。
収集の方向をいささか広げすぎた感じがしないでもないが、松岡さんの好みは見えるようで、個人コレクションはこれがおもしろい。
そういえば同じ個人コレクションの、リスボンのグルベンキアン美術館にちょっと内容が似ているかもしれない。

9月からは古伊万里を出すようだし、ここはまた来よう。


ブログランキング・にほんブログ村へ ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミシュラン二つ星 「青山 えさき」

2008-06-26 01:20:49 | 食べ歩き
久しぶりにちゃんとした和食をいただきに、外苑前の「えさき」へ。
日本料理 青山 えさき:トップページ

 キラー通りから脇に入り、さらに地下に降りた所。こじんまりしたお店の中は意外なほど明るい。

窓際のテーブル席に落ち着いて、さあ、いただきましょう。
 まずはイカ、ホッキ貝、アスパラガスにオレンジを合わせた料理。フルーツを使っているので、和食と言うよりイタリアンみたい。
 鮎2尾を使ったと言うスープは中に切り身も隠れている。わたの苦味もあって濃厚でおいし~。こちらは生クリームも使っているようで、やはり和食と言うよりフレンチみたい。
 お造りはシマアジとカレイ。こりこり。
 4品目は野菜尽くし。蒸した月山筍、たまねぎにカブ。皮のままのヤングコーンは中のひげも食べてください、と言う。これがちょっと噛み切りづらいけど甘い。とうもろこしのひげなんて初めて食べた。
 肉厚のウニの中に野菜のジュレと黒米の入った一品。青森産というウニは馬糞ウニに比べるとあっさりしているが、ジュレとお米と一緒に食べるとすごくおいしい。ウニじゃなくて「料理」をいただく。
 お食事はとうもろこしご飯。ご飯にかなりしっかり味がついていて、連れと同時に「おにぎりにして食べたい!」お味噌汁がキャベツというのもなんだかいい。
  
最近の和食はデザートにも凝った所が多くてうれしい。この日のチョイスは小豆の乗ったカスタードか、十一穀入りブラマンジェ。特別に両方いただいちゃったが、どちらも甘さ控えめでおいしい。

メニューを見たときはメインが野菜だけなので物足りなそうと思ったが、食べ終えてみれば一番印象に残ったのは野菜だった。
純和食ではなく、イタリアンやフレンチ入ったところもミシュランに受けたのだろうと思うが、日本人にもちゃんとおいしい。

とても満足して店を出たが、惜しむらくは例えば京都の店などに比べるとコストパフォーマンスの点でやや劣るような気がする。場所柄、仕方がないのだろうか。

なにはともあれ、ご馳走様でした。


にほんブログ村 グルメブログへ ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨルダン縦断14 トランジットでドバイ

2008-06-24 01:22:37 | 中近東/北アフリカ
5月11日 

朝、死海のリゾートを離れ、アンマン市外をかすめて空港へ。
場内に入ると大変な人の列、そんな中「こっちに来て」とやけににこやかなお姉さんのそばへ寄ってみると、待ち時間を短縮できるVIPサービスだという。20ディナール(約3000円)は高いと思ったが、ディナールはあまっているし、延々並ぶのはいやだと連れが言うので使ってみることにする。

と、若い兄ちゃんが荷物をつかみ、「どいてどいて」と並んでいる人の脇からどんどん横入り。荷物検査も、チェックインも、出国審査もこの調子で入って、確かに早く済んだけど、う~ん、これでいいのか。高い割に現地の人も結構使っていたりして、最後にアラブらしさを満喫。

アンマンからドバイまでは3時間のフライト。午後3時に着いたが、関空行きの出発は午前2時半で、時間はたっぷりある。そこで半日のドバイ観光に出る。

と言っても外気温は42度。外をふらふらするわけにも行かないので、まずはドバイ博物館へ。
 
18世紀に作られた要塞を利用したこの博物館、小さいがなかなか良く工夫されていて、ドバイの歴史を紹介したビデオもうまくまとまっている。

奥に入ると昔の生活を人形を使って再現しているのだが、この人形が良くできていて人間と間違えそう。
  
 ダウ船の模型は半分だけ作って、残り半分は鏡になっている。頭いい!

予想外に楽しめた涼しい博物館を出て、夕方の町へ出る。
 
博物館の向かいはグランド・モスク、その裏にはヒンドゥー教寺院があって、いきなりインドの香り。

この狭い道を通り抜けると布地屋の並ぶオールド・スーク。
 ここは今や中国人の縄張りのようだ。

ここからモスクの前を引き返して、今度はバスタキヤ地区という一角に行って見る。この地域の古い住居が残されていると言うので行ってみたのだが、
 人の姿がまったくなく、まるでクノップフの死の町みたい。

 
この一角、ウィンドタワーという自然の換気システムを備えた住居を確かに保存しているのだが、修復しすぎてどの家も真新しく見え、しかも内部はオフィスやギャラリーになっていて一般の家族は住んでいない。生活の匂いのしない住居は映画のセットと同じで、まったく魅力がないのだ。

がっかりしつつ、クリークを渡るアブラ乗り場へ。
  
いまだ猫もへばる暑さだが
 船の上は気持ちいい~。
あっという間に対岸についてしまうのがまったくもったいない。

船の着いた先は東京の新宿か秋葉原のような所。
 インパキ系、中国系、東南アジア系、といろいろな人種が行きかい、どこの国にいるのか分からなくなる。
 しかしクリークの向こうを望めば世界一高いビルを建設中。巨大なロケットの打ち上げ台のように見える。

再びクリークを渡って、次はこの国自慢のショッピングモールの一つに行く。
カフェのフィリピン人のお姉さんにすすめられたので、モール・オブ・ザ・エミレーツへ。
 
巨大なモールの屋根の下ではメキシコ人バンドがマリヤッチを演奏中だし、
  
屋内ゲレンデでは子ども達がダウンを着てスキーをしている。
シュールだ。

ここで食事を終え、空港に戻ってもまだ時間がたんまりある。
最後は空港ホテルのサウナで汗を流してゆっくり。
 
トランジットでも使えるこのホテルのプールとサウナはいつも空いていて穴場なのだ。

半日でも結構遊べるドバイだが、やっぱりヨルダンがよかった。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アフガニスタン写真展@東中野

2008-06-22 13:33:04 | 国内旅行
先日ご紹介したアフガニスタンの子ども達の写真展に行ってきた。

場所は東中野、東口の商店街をしばらく行った所に小さなギャラリー兼Tシャツ屋さんがある。


入って左手がギャラリースペース
 
右手ではギャラリーの作品をTシャツやエコバッグにプリントした商品を販売している。
 

写真は北部同盟の指導者、マスード将軍を20年にわたって追いかけていた長倉洋海氏の作品。もともとマスードが支援していた山の中の学校を引き継いだ形で日本から援助しているとのこと。

パネルの写真もたくさん入った写真集を購入。

Amazon.co.jp: アフガニスタン 山の学校の子どもたち: 長倉 洋海: 本


こんなきらきらした真剣な目で学校に行っている子が日本にはいるだろうか。

この会場でこの写真展を紹介してくださったブロガーのMestさんと初めてお会いした。ゆったりした話し方がかわいいMestさん、短時間だけどお話できて本当に良かった。
アフガニスタンで撮られた写真のお土産までいただいちゃって
 Mestさん、ありがとう!
機会があったらまたお会いしましょうね。

さて、学校を支援しているこの会の活動が10年をメドにしていて、その後は政府がちゃんと運営することを期待している、と聞いたのには深く賛同。お金をあげ続けることよりも自立を助けるのが真の援助だ。


山間の峡谷の村にあるというこの学校、いつかはこの目で見てみたい。
一日も早くアフガニスタンが安全に旅行できるようになりますように。

アフガニスタン山の学校支援の会


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルーヴルDNPラボ 「都市スーサとその陶器 イスラム時代の創成記」

2008-06-21 19:49:54 | 機内食・映画・美術展
ルーヴル-DNPミュージアムラボの第4回展、「都市スーサとその陶器 イスラム時代の創成記」を見に行ってきた。
Louvre - DNP Museum Lab



前回の「うさぎの聖母」展のときと同様、ネットで事前予約をして受付に行くと、どうやら観覧者は自分一人のよう。平日の早い時間とは言え、ティツィアーノの時はたくさん来ていたから、やはりイスラムの工芸品はマイナーなのか。

前回はまず予備知識なしで作品を見て、それからラボを見る形になっていたが、今回はまず知識を仕入れてから実物を見る経路になっている。別にこれを守る義務もないが、素直に順路に従うことにする。

初めにあるのは中東のイスラム諸国家の歴史パネル。この間行ったばかりのエリアなので、分かりやすいし興味津々。複雑だけれど日本の学校じゃ教えてくれないことだし、もっと詳しく知りたいと思う。

次にはイランの都市スーサの説明。ペルシャのダレイオス大王の時代から拓かれた都市ということだが、ここはちょっとあっさり。

シアターではスーサの発掘の歴史のビデオを鑑賞。これが結構面白くて、19世紀末のフランスの発掘隊はまず現地に要塞を建てることから始めたという。つまり現地人の襲撃があったということで、でも実際にフランス人がやったことは掘り出したお宝をかっぱらっていたわけだし、ここいらへんはどちらの側から見るかで見え方も変わる。ただし考古学的なものに価値を見出したのもヨーロッパ人なわけだから、一概に彼らを泥棒呼ばわりするのもいかがかと思うのだ。

スーサの発掘で一番重視されたのは一番古いペルシャ時代のダレイオス大王の宮殿跡。ここからフランスに持ち帰った彩色タイルの壁がルーヴルのコレクションの目玉の一つになっていて、そういえば昔行った時に感動したことを思い出した。
  

そのペルシャ時代の上に重なっていた7~9世紀のイスラム遺跡に目が行ったのは1960年代になってからのことなのだそうだ。

とここまでお勉強してからやっと実物の陶器とご対面。


今回来ているのは型押文の器が2つ、白釉の器が2つ、それにラスター彩の皿が一つ。どれも小さなもので、かわいらしいがいかにも地味だ。

それぞれの作り方についてのビデオもあったが、ちょっと中途半端。特にイスラム独特のラスター彩についてはもっと詳しく知りたい。

ということで、全体を見終わった感想は「中途半端」。スーサの歴史が長すぎるのでイスラム時代に絞りきれず、展示は陶器なのにそれについての説明は少ない。展示品も考古学的には貴重なのかもしれないがこれという目玉がなくて地味だし、前回に比べると単なるビデオ展示が多くてインタラクティブと呼べるものは少ない。期待していたのでちょっと残念。

一番印象に残ったのは2010年に完成するというルーヴルの新しいイスラム展示室の紹介で、しかし博物館の宣伝という意味では「もっと見たい」と思わせたところで成功なのかもしれない。

不完全燃焼だなあ、と思っていたら帰り際にもらった資料の中に松岡美術館の「イスラム陶器名品展」の案内を発見。6月25日までというこの特別展、行かなきゃ。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨルダン縦断13 死海でエステ

2008-06-20 02:43:39 | 中近東/北アフリカ
5月10日

ヨルダン滞在最終日、今日は一日死海リゾートでのんびりする。
 まずはアラブ風の朝食をしっかりいただく。左奥のラブネという濃いヨーグルトがおいしくて、ヨルダン滞在中は毎日食べた。アメリカでも流行中というこれ、日本でもはやらんかな。

そして昨日のケーブルカーに乗って死海の湖岸へ。
 今日もピーカン、対岸が良く見える。

ぷかぷか浮いている皆さんを観察しつつ、さあ、自分も浮いてみよう。ひざまで水の中に入ったあたりで腰を落とすと
 おお、浮いたよ。

塩分30%の水の中では確かに海で浮くのとは感覚が違う。大きな浮き輪に乗っているような感じ?とにかくこのぷかぷか浮いているのが気持ちよくて、これは死海まで来た甲斐があると言うもの。
 調子に乗ってこんな写真を撮っていたら、バランスを崩しそうになってあわててカメラを水没させてしまった。しばらくは動いていたがやがて活動停止。オリンパス、死海に死す。溺れさせてごめんよ。

バランスを崩してあわてたのにはわけがある。塩分30%の水がのどや鼻、目に入ると大変なことになると聞いていたから。試しににちょっと水をなめてみると、塩辛いを通り越して苦い。これは塩分の他にもいろいろなミネラルが溶け込んでいるかららしい。

湖岸には温泉のように死海の効果効能書きがある。
 
死海は水だけではなく、湖底の泥もお肌に良いということで
 みんな体に塗りたくる。

その他にも海抜マイナス300メートルなので酸素が濃いとか、紫外線が届きにくいので日焼けしにくいとか、死海はいいことづくめなんだそうな。ただし15分以上水に入っていると脱水症状を起こすらしい。

そんなわけで適当にアヒルのまねは切り上げて、予約を入れてあったホテルのスパへ移動する。
 
中にはスパ利用者だけが使える塩分濃度が違うプールだの

見晴らしのいいジャグジーだの
 
ゆったり使える施設がたくさんあるが、我々はエステのコースを予約してある。
その名も「クイーン・オブ・シーバ・コース」。

バスローブに着替えてラウンジで待っていると、現れたのはなんとアラブ人の若い男。えっ、と一瞬思ったが、向こうはプロだし、こっちはおばさんだ、と開き直って付いていく。

まずはミストサウナで体をふやかして、ソルトスクラブ、つまり粗塩で体中を塩もみ。きゅうりになったような気がするが、これでまたサウナに入るとお肌がつるつるする。

次はマッド・ラップ。死海の泥を体中に塗りたくって、ビニールでパッキングされる。しばらくすると体がぽかぽかしてきて、意識は遠のき、これは気持ちいい。「外の泥は不純物が一杯だけど、ここのはきれいで他にもいい成分が一杯入っている。全然違う」とは兄ちゃんの弁だが、そりゃあそうでしょう、一緒じゃ困る。

ラップの後はオイル・マッサージ。オリエンタル・マッサージと称しているが、まあ普通のマッサージ。マッサージはタイかインドに限る。

そして最後はヒーリング・マッド・フェイシャル。これはロシア人のお姉さんが丁寧にやってくれて、また意識が遠のく。ただし効果の程はよくわからず。

以上、全コース3時間、お値段28000円。安くはないし、設備やサービスはアジアに敵わないが、旅の最後にゆっくりするにはちょうどよかった。

ところでこの死海のリゾート、ヨーロッパ人、特にイギリス人がたくさん来ているが、スパにはなぜかロシア人が多い。しかも彼ら、値段の張る死海コスメをかごにてんこ盛りで買っていく。景気がいいとは聞いていたが、ここでそれを実感するとは。

最後は夕日のさす死海にもう一度浮きに行って、ヨルダン旅行のしめにした。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨルダン縦断12 ペトラから死海へ

2008-06-18 01:26:05 | 中近東/北アフリカ
5月9日

旅も終盤、娑婆への帰還に備えてペースを落とし、午前中はホテルのプールサイドでのんびりする。
 昼間のホテルはみんな遺跡の観光に出てしまっているので閑散。日差しは強いが日陰では肌寒いくらいのここではプールに入る人もいない。

午後になってから手配した車に乗って死海へ向かう。
 高地から海面下300メートルの死海まで、ぐんぐん降りて行く。

下界に下りるとそこはイスラエルとの国境地帯。ヨルダンで初めて、しかも何度も検問に会う。関係の一番いいヨルダンでさえこうなのか、と改めてこのエリアの厳しさを認識。マシンガンまで抱えた警備は厳重だが、日本パスポートは表紙を見せただけでOK。お人よしと言われようがなんだろうが、やっぱり日本人でよかった。

 湖岸に達すると、青々とした死海の水際には塩が固まっているのが見える。
 金曜日のこの日はお休みなのでパブリックビーチには地元の人も大勢来ている。

ペトラから3時間弱で死海のほとりのモーベンピック・リゾートに到着。
 
広々としたロビーの本館を出て庭に並ぶ石造り風の部屋へ向かう。

最初に渡された鍵のドアを開けると、そこには下着姿のおっさんがいてお互いびっくり。フロントの手違いだったのだが、マネージャーはともかく、フロント係はあやまらない。ヨルダン人はサービス業にはあまり向いていない。

しかしおかげでちょっぴり広い部屋をもらえたらしい。
 
 死海に面してはいないがベランダも付いている。

一息入れた所で広いホテルの敷地を探索。
  
庭を抜け、プールの脇を通り過ぎて、かわいいケーブルカーで下に下りるとプライベートビーチに出る。
湖面にたくさんの人がアヒルのように浮かんでいるのを確認して、お楽しみは明日にとっておく。

 
ヨルダン川西岸に沈む夕日を眺めて、本日は終了。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

副都心線 渋谷駅

2008-06-16 00:12:38 | 国内旅行
外出のついでに物見高く、開通したばかりの地下鉄副都心線、渋谷駅の見学をしてきた。

東急線の方から階段を下りて行くと、まるでさなぎのようなものが見えてくる。
 
 
これがエスカレーターの入り口で、改札の正面には吹き抜けの空間があって下のホームと線路が見える。

安藤忠雄の設計と言うこの駅、自然換気でエコで地中の宇宙船だか卵だかなんだそうだが、外から見る限りではなんだかよく分からず。
 写真を撮りに来ている人が大勢いて(って人のことは言えないけど)、面倒なのでホームにも下りずに退散。

東武東上線が渋谷まで乗り入れた格好のこの路線、「まず乗ることはないね」とはトルクメニスタン、アルメニア帰りの旅行仲間たち。

東京は広いのだ。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヨルダン縦断11 さらにペトラ

2008-06-15 02:18:51 | 中近東/北アフリカ
5月8日 続き

お昼を食べた後はペトラ遺跡の一番奥、エド・ディルをめざす。
 日の当たる階段をひたすら登る。
横をロバが頻繁に通るので、この道は落し物だらけ。結構くさい。

40分ほどでようやく到着。
  
エル・ハズネよりも幅も高さも大きいエド・ディルはさすがに迫力がある。
 全体の作りはそっくりだが、柱頭などに飾りが少なく、男性的な感じがするのも迫力の一因かもしれない。柱の間には彫像があったのだろうが今は何もない。

さらにちょっと先へ行くと展望台が2つある。

写真では捉えきれない雄大な眺め。エド・ディルもいいが、この景色のためにここまで登る価値がある。

さて、エド・ディルの向かい側にはカフェがあって、登りに疲れた観光客は皆ここで一休みする。
 世界中から人が集まる大観光地だけあって、聞こえる言葉は千差万別。前日ホテルで見かけた日本人ツアー3組ももちろん来ていて、60代と思しきおば様方も元気にこの上まで登ってきている。
さらにはこんなお方も。
 花柄のジャケットに銀(!!)の靴、肩には大きなルイ・ヴィトン、腰には太い銀の鎖。ビデオに向かって何やらつぶやいているのでもしやと思ったらやっぱり日本のお方でした。

そんな世界中からの観光客を迎える地元民。
 眺めの良い所で歌を歌いながらピクニック。これが一番正しいペトラの過ごし方かも。

エド・ディルから下りてきた後はマイナーなビザンチン教会へ行ってみる。
ナバテア人の遺跡とは明らかに時代の異なるこの教会跡、パンフレットにも何も説明がない冷遇振り。


しかしここの動物モザイクは愛嬌があってかわいい。

さらにうろうろ、高い所に登っているうちに夕方になり、雲が多くなってきたのでお客さんも大分引き上げてしまった。
 
再びエル・ハズネまで戻るとここも既に閑散としてロバやラクダも店じまいをしている。観光客だらけだった朝よりも、これぐらい静かな方が遺跡らしくてよろしい。

装飾がなくてつまらないとか言いながら、結局ペトラ遺跡には9時間も滞在してしまった。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする