Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

奥鬼怒 女夫淵温泉

2009-05-31 02:52:22 | 国内旅行
八丁の湯を出て、今朝は女夫淵まで歩くことにする。

道は鬼怒川に沿ったハイキング・コース。
 
新緑がそれはきれいで、シリアの砂漠を見た後では水のありがたさが一層身にしみる。

 
 
花を愛で
 
瀧を眺めたり、つり橋を渡ったり、のんびり歩いて75分。
 この鉄橋を渡れば女夫淵のバス停。
 橋の上からは川べりに建った女夫淵温泉ホテルとその露天風呂が見える。

ハイキングの汗を流すべく、向かうのはこのホテルの立ち寄り湯。
立派なホテルの前を過ぎ、駐車場の横にその入り口はある。
  
入り口脇の券売機にお金を入れると出てくるのはテレフォンカードのような入場券。この写真が微妙~。

駅の改札のような入り口を入り、階段を下りるとそこには露天風呂が11もある。そのほとんどは混浴で、ここはタオルを巻いて入ることも出来るが、やっぱり裸で入った方が気持ちいいので女湯へ。
 この仕切りの中にもお風呂が2つあり
  
天女の湯は湯の花がたくさん浮くぬるめのお湯。
 布袋の湯は透明な熱めのお湯。
 どちらも眼下には川が流れ、向かいの崖には燕がたくさん巣を作っている。

昨日バスに乗っていた大勢のにぎやかなおばちゃんたちはどこに行ったのだろう、女湯には他に入ってくる人もなく、はあ、いつまでも入っていたい。

とは言えいい加減体もふやけてきた。そろそろお昼を食べましょう。

ホテルに隣接したレストハウスできのこ丼を食べていると連れが
「あっ、下見て。でも食事時に見るものでもないかも」

このレストハウスの眼下にも露天風呂でくつろぐ開放的なお姿が丸見えなのだった。


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奥鬼怒温泉 八丁の湯

2009-05-30 03:55:19 | 国内旅行
いつもの温泉旅仲間、今回は栃木県の奥鬼怒を手配。

ところが前日になって1名は家族の病気でキャンセル、もう1名はなんと、会社の人が新型インフルエンザの可能性があるので外出禁止令が出たとか。新型インフルエンザ、こんな所にまで影響するとは思いもよらなかった。

と言うわけで今回はおとなしい(?)二人旅。
新宿まで乗り入れた東武スペーシアに乗って、新宿弁当を食べつつ鬼怒川へ向かう。
 
新宿駅限定発売というこのお弁当、見た目は地味だが中央線沿線の素材を使っているとやらでとてもおいしい。

2時間の列車の旅で鬼怒川駅到着。
 
ここはどうも鬼のキャラクターを売り出そうとしているようだが、いまいちかわいくない。

駅前からは市営バスに乗って夫婦渕まで1時間45分。
 山奥へ入っていくと途中にはダムが3つもある。

終点の夫婦渕まで行くと、今度は宿のバスが迎えに来てくれる。
 日光国立公園内を行く林道、宿の車以外は通行禁止なのだ。

緑の中を走ること25分、やっと今夜のお宿に到着。
栃木県奥鬼怒温泉郷ー八丁湯公式サイト

 
入り口と本館はいかにも昔ながらの山の宿。
 しかしその手前には思いがけずきれい(失礼!)なログハウスが並んでいてびっくり。
 
我々の部屋はバルコニーも付いたこちら。16畳もあり、ウォシュレットと洗面台も付いている。テーブル一つとテレビ以外には何もないけど。

お茶を一杯いただいたら早速お風呂へ。夕食が5時半からなので忙しいのだ。

 本館から伸びる廊下の先にはレストハウスがあり、向こう側には露天風呂が並んでいる。
  
昭和4年に造られたという浴槽の下にもう一つ岩風呂があり、その正面には瀧が見える。さらに瀧の脇の小高い所にも小さなお風呂があって
 入っている人は皆猿のように縁にぶら下がる。

さて上の写真、これは人の入っていない朝に写したもの。夕方には殿方が一杯で、その開放的なお姿は外から丸見え。でこれらの露天風呂、実は混浴なのだが、明るい時分にここに裸で入るのは女性としては相当勇気がいる。

なのでメタボ腹からは目をそらしつつ、脇をすり抜けて女性専用露天風呂へ。
 こちらも十分広いし、ちゃんと瀧も見える。
お湯はやや熱めで、透明だが湯口に近づくと硫黄のにおいがし、湯の花がたくさん舞っている。まわりの新緑がきれいで、気持ちいいなあ。

 こちらは内湯。と言っても正面には壁がないので半露天。こちらの方が硫黄のにおいが強くして温泉らしいかもしれない。

そうこうしているうちにすぐ5時半。
食堂に行って名前の書かれたお膳の前に座る。
 
おしぼりやごはん、お茶はセルフサービス、焼きたての魚とお味噌汁だけ持ってきてくれる。焼きたてのヤマメだかイワナだかはおいしかったが、他はあまり特徴がなくて可もなく不可もなし。

お風呂に入り、お腹がいっぱいになってテレビを見ていたらうとうとしてしまう。
寝る前にもう一風呂行こうかとバルコニーに出てみると星がとてもきれいに見える。天の川まで見えそうな星空は久しぶり、バルコニーの電気を消せばもっとよく見えるはず、と思うがどこを探してもスイッチがない。

実はこの部屋、調節の効かないものがもう一つあって、それは到着した時からついていた暖房。標高1400メートルなので今の時期でも朝晩は必要なのだろうが、これがまた温度調節のつまみはおろか、切るためのスイッチも見当たらない。
どうも全館一括管理のようで、あまりにも暑いので宿の人に言ったら、「扇風機ならお貸しできます」だって。

とにかくもう一風呂、と真夜中に露天に行くと幸い他に人はいない。
 だれも来ないうちに、と瀧の脇のお風呂に入ってみたが、残念ながら頭上に木の枝が張り出していて星空がよく見えない。泉質にも違いはなさそうなので、結局落ち着く女風呂に移動した。

自分達で布団を敷き、暑さで寝苦しい夜を過ごした翌朝の朝食。
 なんとなく手をかけられた気がしないのが寂しい。

もともとここは電気も何もない、山を歩く人のための宿だったところ。今も温泉に入りに来るというよりはハイキングのために泊まるのが本来の使い方なのだろう。だからサービスや食事で贅沢を言ってはいけないのかもしれないが、前回の鉛温泉の1万円に比べてここが11,700円というのはねえ。

まあとにかく温泉は楽しんだし、あとは新緑を楽しもうと9時に宿をチェックアウトした。


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品川で薬膳鍋 「10zen」

2009-05-27 20:06:48 | 食べ歩き
最近どうもハーブ系とか薬膳ものに弱い。

一説によると年をとると味覚も嗅覚も衰えてくるので、それで香りの強い食べ物でも平気で食べられるようになるのだとか。健康を気にする所といい、要するに年取ったって証明。

そんなわけで同年齢の友人達と品川へ薬膳鍋を食べにでかけた。
薬膳・漢方料理 10-ZEN (品川):Vegetable Esthetic Restaurant 10ZEN

品川の駅から線路沿いに5分ほどの所に漢方薬屋さん、日本堂の「漢方ミュージアム」というアンテナショップがある。
 
ハーブショップのようにおしゃれな作りで若いお客を呼び寄せようという戦略。店員さんも若い人ばかりで、確かに入りやすく、おもしろい。
目指す食事処はその店の一角なので広くないが
 オープンキッチンにカウンター席もあってカジュアルな雰囲気。

本日のお目当てはその名もすごい「毒素排出鍋」。

 まずはサービスで真珠粉入りのグレープフルーツジュース。
真珠粉って中国でも人気があるが、要するにカルシウムよね。

そしてすぐにお鍋登場。
 
スープは2種類あり、どちらもウコッケイがベース。右の辛くないスープにはナツメやクコ、蓮の実など、漢方でおなじみの食材が入っている。左のピリ辛スープにはニンニクや八角が入り、さらに生薬入りの袋と紅花が目の前で入れられる。プ~ンと薬くさい香りがして、いい感じだ。

 具材はレンコン、山芋、かぼちゃなどの野菜に
 肉は1人前一品づつ選択。我々は鯛と豚、ダチョウにしたが、他に軍鶏、牛モツのチョイスがある。

先に野菜を投入し、肉や魚をしゃぶしゃぶすると、お肉にちょっと漢方くさい癖がついておいし~。さらにスープにおだしが良く出て、スープの方もゴクゴク。

それにしても写真の肉、野菜で3人前はちと少ない。特にお肉なんて、他の国なら1人前だ。というわけで野菜と肉を追加注文。

これを食べつくすとレンコンを練りこんだという稲庭のようなうどんが来て、最後の〆はデザート。
 パワフル美肌ゼリーは「すっぽんの生き血入り」とすごいが、食べれば普通においしいクランベリー・ゼリー。もちろんこういうのがお嫌いな方には普通の杏仁アイスやマンゴープリンの選択肢もある。

スープも具材も飲み物もおいしくて、気持ちだけでも体にいいものを食べた気がして満足度は高い。サービスの女性もちゃんと食材の効果、効能を説明してくれて非常に好印象。

これでお値段さえ台湾のきのこ鍋なみだったらもっと頻繁に通えるんだけどね。コース4800円+αは東京値段。

また毒素がたまったら行きましょう。


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馬喰町で南インド料理 「ダクシン」

2009-05-26 23:54:30 | 食べ歩き
久しぶりに南インドのカレーを食べようと、近頃カレー・ブロガーさんたちの間で人気らしい「ダクシン」へ。
DAKSHIN Truly South Indian

場所は馬喰町、というか浅草橋の問屋街の中。
夜行くと問屋街に人通りはなく、ほんとにこっちでいいんだろうか、と思いつつ地図を頼りに角を曲がると、明らかに他とは異質のオレンジ色に輝くビルが。

中に入ると右手にはオープン・キッチン、インド人のコックさんに「上」といきなり指差されて階段を登る。

インド人家族も食事する空間に腰を落ち着け、とても礼儀正しいけれどどこか抜けているようなウェイターさんに注文。間違いがあっても「インドだから」と笑って許しちゃう我々はインド好き。

スパイスのいい香りが漂う中いただいたのは
 マサラ・ドーサのハーフサイズ。
あまりにおいしそうで、思わず写真を撮る前に切ってしまった。
皮はパリパリ、サンバルもココナッツチャツネも南インドで食べた味。

 チキン65という不思議な名前の鶏から揚げ。添えられたミントソースもおいしい。

 マトン・ビリヤニ。
この写真では見えないが、中にはかなり大きなマトンの塊がごろごろ。そのお肉が柔らかくて、おいし~。

 ケララ風魚のカレー。
使われているのは鯛のような白身の魚。南インドで食べたものよりもとろみが強いのは日本ではナンを注文する人が多いからだろうか。

 アヴィヤル。
南インドで食べたものは野菜をココナッツの実とあえたようなものだったが、ここのはココナッツミルクのたくさん入った野菜カレー。優しい味で食べやすい。

料理の辛さは本場よりもだいぶ抑え目で、言えばいくらでも辛くしてもらえるそうだが、あまり辛すぎるのは苦手なので、素材の味がちゃんと分かるこれぐらいがちょうどいい。

だいぶお腹がいっぱいになったが、デザートもチェックということで
 ケサリ・バットはセモリナ粉でできた蒸しパンのようなもの。サフランの入ったこの香りは実はあまり得意ではない。
 ポロタというパイの上にリンゴとマンゴーアイスの乗ったダクシン・オリジナルデザート。これはおいしいけど、どーんとお腹にたまる。

最後はマドラス・コーヒー
 ここではコーヒーもチャイもこうしてインド風に泡だ立てくれる。

食事をしているとこの店の女性オーナー、バンガロール出身のラターさんが挨拶に来てくれる。
旅行の写真を見ているとウェイターのお兄さんは「インドの写真も見てください」と南インドの写真集を持ってくるし、初めて来た店なのに人懐っこい接客が心地いい。

妙な場所にある店だけれど、ここは通ってしまいそうな予感。


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シリア周遊 4 ダマスカスのスーク

2009-05-22 01:53:17 | 中近東/北アフリカ
4月30日 続き

アーケードに覆われたダマスカスのスークをさ迷い歩く。

たくさんあるのは華やかな服や布地の店。
 
写真の服屋などはまったく地味な方。シリア女性はみんなベリーダンサーなのかと思うほどド派手でセクスィーな衣装が並んでいて、笑っているうちに写真を撮り忘れてしまった。

服に限らず、こちらの人はおしゃれに熱心だと見える。
 ヘチマや垢すりタオル、脱毛ワックスをあちらこちらで売っているし、香水屋さんもたくさんあって、男女を問わずコロンの香りのする人が大勢いる。

 
左の渋い店は薬用オイル屋さん。カラフルなハーブもいろいろ効能があるのだろう。
 
スパイスはもちろん豊富に売られ、東トルコでも見た乾燥オクラが店先にぶら下がっている。
 
さらに怪しげなものがぶら下がっている店もあるが、これは漢方のように薬になるのか。

 
コーヒー屋さんの前を通るとカルダモンの香りがするのはアラブならでは。
チーズもいろんな種類があるが、こちらのはみんな豆腐のように白い。

 
ナッツ屋さんもたくさんあるが、ここは陶器の丼を使ったおしゃれな老舗。皆さん、大量のナッツをお買い上げになる。

様々な店が居並ぶ間にはところどころ古めかしく立派な門が出現する。
 くぐるとそこは隊商宿の跡だったり 
 
 
モスクやギャラリーだったり。

そこはかとなくアラビアンナイトの残り香を嗅ぐ。


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シリア周遊 3 アゼム宮殿

2009-05-21 00:20:26 | 中近東/北アフリカ
4月30日 続き

ウマイヤド・モスクを出た後は城壁に沿ってシタデルを廻ってみる。
 11世紀に建てられ、その後代々の統治者によって改修され、フランス統治以降、最近まで刑務所だったという城砦は現在内部を工事中。ロンプラによるとビジターセンターなど旅行者向けの施設ができる予定だそうだ。

ぐるっと回って城壁の西に出てみると、大通りに面してサラディーンのかっこいい銅像がある。
 
日本製だという古~いポラロイドを持った写真屋のおじちゃんが話しかけてきた。
「君たち日本人を我々は大好きだよ。嫌いなのは君たちと同じ、アメリカ人とイスラエル人だけだ。この国ではイスラム教徒もキリスト教徒も仲良く暮らしている。攻撃してくるものを憎むだけだ。」別にアメリカ人を憎んじゃいないけど、おっしゃりたいことはよ~くわかりますよ。

この銅像のすぐ脇を入ればアーケードの連なるスーク・ハミディーエ。

ここでは重要な任務がある。
それはブログのおともらち、Kmala KMARさんのお言いつけどおりこの店↓へ行くこと。
 アイスクリーム・ショップ、「バクダッシュ」
ここはロンプラにも「絶対行くべし」と書かれるほどの有名店。とにかく人気があって、このあたりを歩いている人はみんなここのアイスクリームを持っているほど。
それでは、とテイクアウトで混雑する店頭をすり抜けて奥に入ると中は細長く、たくさんのテーブルにたくさんのお客が座っている。
 
 
メニューは二つ、アイスクリームとムハラビーヤだけ。ムハラビーヤはバラ水で香りをつけたぽってりしたミルク・プディング。上にアーモンドとピスタチオがたっぷりかかっている。
これまたピスタチオがたくさんまぶされたアイスクリームはトルコのドンドルマと同じくサーレップが入っているので粘りがある。これを重い木の杵でついて、手で取り分ける。
どちらもあっさりした甘さで食べやすく、でもたっぷりの量とナッツで満腹になる。ふう、もうお昼は入らない。
老若男女、楽しそうなジモティーと一緒に食べるおやつはおいしい。

ミッションを一つ達成した後はスークの中を歩き、アゼム宮殿へ。
 
あまり目立たない入り口だが、チケットを買って中に入ると広い中庭の周りをぐるっと低層の建物が囲む。
 
18世紀、ダマスカスの統治者によって建てられたという白、黒、黄色の縞模様の建物はディテールまで凝っていて美しい。
 
なんてセンスがいいんだろう。

宮殿のたくさんの部屋は今は民族博物館になっていて、楽器や陶器、調度品などがとても素朴に並べられている。
 本当は撮影禁止なのだけれど、知らずにこれだけ撮っちゃった。すみません、あまり見事だったもので。

室内のこれまた凝った装飾を楽しみ、中庭の木陰で涼むとゆったりと実に気持ちいい。
センスのいい暮らしっていいなあ。


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シリア周遊 2 ウマイヤド・モスク

2009-05-20 02:58:03 | 中近東/北アフリカ
4月30日

朝、ホテルの中庭で朝食をいただく。
 
物静かなお兄さんにサーブされつつ、オムレツや果物もいただいて、優雅な一日の始まり。

ダマスカスの観光のスタートはやっぱりウマイヤド・モスクから、と昨晩も通った道を歩く。
 店もまだ開かない朝の道は静かで、夜とはまた違った顔。

とは言えパン屋やお菓子屋さんはもう開いているもので
 
つい寄り道、つまみ食い。

モスクの裏側を通って、今朝はちゃんと外人用入り口から入る。ここで入場料の50ポンドを払い、フードつきコートを着て、まずはすぐ裏側にあるサラディーン廟へ。
  
 
サラディーンは12世紀のアラブの英雄。十字軍からエルサレム以外のほとんどの土地を取り返し、なおかつ敵にも騎士らしい寛大さを示し、心あるヨーロッパ人からも尊敬されたという。そんな騎士崇拝からだろうか、現在のこの廟は1898年にドイツのカイザー・ヴィルヘルム2世が再建したもの、2つ並ぶ棺の白い方もヴィルヘルム2世の寄進だそうだ(実際の棺は緑の布がかかった方)。

そもそもサラディーンのことを知ったのは子どもの頃に買ってもらった子供のための百科事典のような本だった。その1ページにサラディーンとイギリスのリチャード獅子心王が対決している絵があり、イギリスの王様よりアラブの王様がずっとかっこよく見えたのだ。

実際サラディーンとリチャードが直接対決した事実はないそうだが、サラディーンは知れば知るほど高潔で素晴らしい統治者。一武将からスルタンまでのぼりつめながら、自分のための贅沢などは一切しなかったという。そのためか再建されたこの廟もアラブ一の英雄のものとはとても思えないほどの簡素さ。他にお参りする人もいない静けさもこの場にはふさわしく、ここに来られて良かった!

なおサラディーンについてはこちら↓のブログにとても詳しい特集がある。
写真でイスラーム
サラディーンのこと、もっと多くの人に知ってもらいたい。

英雄へのお参りが済んだ所で昨日も入った西門に回る。
 ここから明るい日の差す中庭に入ると
 
参拝者がいっぱい。
そして入ってきた方の壁や天井を見上げれば
  
 
金色のモザイクが美しすぎる。今はほとんど西側の壁にしか残っていないこのモザイク、8世紀の創建時にはすべての壁を覆っていたというのだからすごい。
 有名な正面のファサードも
 
見れば見るほど細かい装飾にうっとり。

中庭を堪能した所でやっと礼拝堂の中に入る。
 
 
内部は驚くほど広く、ステンドグラスやアーチを多用した柱のせいでどこかキリスト教会の香りもする。

 礼拝堂の中でも人気を集めているのはこちらの聖ヨハネ廟。中にはヘロデ王に切られた聖ヨハネの首が収められていると信じられていて、聖ヨハネはイスラム教徒にとっても大切な預言者なので祈る人が多いのだそうだ。
キリスト教とイスラム教の近さがよくわかる。

ウマイヤド・モスクはここを訪れるためだけでもダマスカスに来る価値がある。


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シリア周遊 1 ダマスカス到着

2009-05-17 03:13:58 | 中近東/北アフリカ
2009年4月28日から5月10日まで シリア周遊の旅

4月29日

28日の晩に羽田から関空、ドバイを経由して朝9時半にダマスカス空港到着。
入国審査の列に並んでいると旅行会社のガイドさんに声をかけられ、パスポートを集められてあっさり入国。税関もノーチェックで、出口のところでこれから10日間お世話になるドライバー氏の出迎えを受ける。

 ダマスカス空港は中も外も日本の地方空港並みの謙虚さ

乾燥した茶色い風景の中を30分、市内に入ると車はやがて旧市街へ。乗用車の幅がギリギリの細い道を右に左に入って小さな駐車エリアでストップ。ここから先は車が入れないようで、荷物をゴロゴロさせながらさらに細い道をしばらく行く。
 そしてたどり着いた、これが今夜の宿、Shahbandar Palace。
そっけない小さな入り口を入ると
   
思わず声を上げてしまう美しい中庭。ここは17世紀の家を改装した全8部屋の小さなホテルなのだ。
部屋の準備が出来るまで開閉式の屋根のついたこの空間でジュースをいただく。小さな噴水の水音がして、これは気持ちいい~。

やがて案内された部屋は2階のツインルーム。
  
中庭側にしか窓のない小さな部屋だがバスルームも清潔で不足なし。

一息入れた所でまずは両替のため銀行へ。ホテルの姉ちゃんにはすぐよ、と地図を示されたがなにしろわかりずらい旧市街、歩き始めを間違えて思い切り方向違いの方へ出てしまう。ぐるっと遠回りをしてやっと門を出、これまたわかりずらい建物2階の小さな銀行で無事両替。1シリアポンドは約2円だ。

一仕事済んだらお腹がすいた。
  
次々お客の入るピザ屋を見つけたのでここでピザを買い、隣のジュース屋に腰を落ち着ける。
 左はニンジンジュース、右はアボカドとミルクのジュース。どちらもたっぷり入って、ふ~、お腹いっぱいになった。

今回の旅は日本から1人同行、遅れてアメリカからもう1人やってくる。それを待つ間、我々はお風呂で汗を流そうとホテル近くのハマム・バクリへ。
  
敷物をめくり、ドアを開けると真ん中に噴水のあるドーム天井の広い部屋。番台のお姉さんはほとんど英語が通じないが、壁に料金表が貼ってあるので「とにかく全部」と頼み380ポンドを払う。貴重品を預けると布、たわし、石鹸を渡されるので
 部屋をぐるりと囲むベンチで服を脱ぎ、布を体に巻きつける。この時パンツを脱いではいけない。ジモティーはみんなはいている。

いざ出陣、と奥に入るとそれほど広くない洗い場が2部屋続き、そのまた奥がスチームサウナ。ここが熱々で、気持ちいい~~。ゆっくり汗を流しているとマッサージ係のおばさんが呼びに来て、まずは床の上に寝かされてあかすり、それが終わると横の小部屋のベッドでマッサージ。がどちらもあっさり、5~10分で終わってしまう。どちらも100円程度なので、まあこんなもんか。

サウナを満喫したら外の部屋でゆっくり涼み、お茶をもらう。普段は黒いぞろぞろに隠れた中身を拝見したり、蜜蝋のようなものでする毛抜きの様子を観察させてもらったり、やっぱりハマムは楽しい。

  
オスマントルコ時代の家が並ぶ道を地図を見ながらウロウロするうち、やっと方向感覚がつかめてきた。

ここでホテルに戻り、もう1人の友人と合流。暗くなってからまた外に出る。
  
ダマスカスの旧市街は夜でも安心、ウマイヤド・モスクの上にはきれいな月が出ている。

モスクの正門まで来ると人がどんどん中に入っていく。我々も入れるのだろうかとうろうろしていると係りのお兄さんにフードつきのコートを渡された。それでは、と靴を脱いで中に入ると
 うわー、なんてきれいなんだ。
  
中庭に人がいないので一層神秘的。うっとりしているうちにお祈りの時間になり、中には信者が集まりだした。それでは我々はまた明日出直そう。

初日なので今夜の夕食は近場で軽く、とホテルの近所のカフェレストランに入る。
 と、ここも古い家を改装した中庭だが、カジュアルな雰囲気で大賑わい。
 頼んだ前菜のどれもが大盛りでびっくりしたが、盛り付けのセンスの良さ、味の良さ、値段の安さにも感激。

これは幸先が良い、とベッドで目を閉じたとたんに寝入ってしまった。


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ごはんCafe@有楽町

2009-05-15 00:59:26 | 食べ歩き
シリアではおいしい、おいしいとアラブ料理の毎日だったが、日本に帰ってくれば当然日本食が恋しい。

関空に到着早々さぬきうどんに走り、仕事の帰り道にはこちらへ。

ぐるなび - ごはん Cafe

場所は有楽町駅前、国際フォーラムの1階。
ガラス張りの広々とした店内は窓際がすべてカウンター席になっているので1人で入りやすい。

こちらで「究極のごはん御膳」というのを注文すると
 まずは土鍋が運ばれてきて下の小さなガスボンベに着火。「20分お待ちください」と目の前でご飯が炊き上がるのを待つ仕組み。しばらく待つうちに蓋から湯気が上がってきて、頃合になるとちゃんと火が消える。なんてよくできているんだ。

炊き上がったところで店員さんが粒の立ったつやつやご飯をひと混ぜしにやってきて、蒸らしを待つ間におかずが登場。
 納豆に生卵、アサリの佃煮、明太子、梅干に塩鮭、お漬物。これぞまさにご飯をおいしく食べるためのおかずたち。

卵をかけ、納豆をのせ、としているうちに1合炊きと思われるごはん全部食べちゃったよ。一度にこんなにお米を食べるなんて、本当に久しぶり。

日本の食事に感謝、の一食だったが、これに1600円払わなければならないところが日本の問題だよなあ。


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エミレーツで「グラン・トリノ」&「ワルキューレ」

2009-05-12 01:29:26 | 機内食・映画・美術展
無事シリアから戻りました。

ヨルダンに続いて大満喫したシリア旅行についてはおいおい記録するとして、まずは行き帰りに利用したエミレーツのこと。

関空からドバイへの座席、今回は座り心地の悪い大型ではなく普通のエコノミー・シートでまずは一安心。

 機内食の牛肉ソテーも悪くなかったけど
 ドバイ-ダマスカス間の朝食の方がおいしいのはホームベース製だからだろうか。

しかしエミレーツで感心するのは食事よりエンターテインメント・システム。すべてオン・デマンドでとにかく選択肢が多い。行き帰り共夜行便なので1本づつしか見られなかったのが残念。

悩みつつ選んだ1本目は 「グラン・トリノ」
クリント・イーストウッド監督・主演、アメリカに住むモン族を取り上げているのが珍しい。

モン族については年初のラオス旅行の時にほんのちょっと勉強した。ベトナム戦争の際、山岳民族の彼らの一部がアメリカ軍に協力し、そのため戦後国にいられなくなった者が大勢アメリカに移住したとのこと。

映画の中でもそれに触れたセリフがちょっとあるが、主題は異文化というよりは世代間のギャップと、理不尽な暴力にどう対処するかということ。
はじめはダーティー・ハリーのような対処をする主人公が最後は別の対処法を見せる。

正直モン族も、タイトルになっているグラン・トリノも設定の中で活かされているとは思えず、イーストウッドは大好きだが役者としてはすごくうまいわけではない。映画の出来としてはアンジェリーナ・ジョリーががんばった「チェンジリング」の方が良かったと思う。

しかしイーストウッドがこの映画で言いたかったことはよく分かる。
最近矢継ぎ早に映画を作っているイーストウッドの、これらは遺書だろうか。
晩年になって言いたいことを映画の形で残す。やはりイーストウッドはかっこいい。

2本目 「ワルキューレ」
有名なヒットラー暗殺未遂事件を描いた映画で興味があった。結末は既に分かっているのでどうサスペンスを盛り上げるのかと。
が何しろ主演がトム・クルーズ。ナルシスト演技満開で、う~ん、本人は気持ちよかっただろうけどねー。

ケネス・ブラナーとかビル・ナイ、テレンス・スタンプなどなど、いい曲者役者が揃っているのにみんな単なる脇役でもったいない。シュタウフェンベルク以外の登場人物の役割や心理ももっと描けば面白くなっただろうに。

制服フェチとしてドイツ軍の制服を堪能できたのだけが収穫。

とまあ、今回のエミレーツは悪くなかった、と関空に戻った所で裏切られた。
バゲッジ・クレームのベルトをなんと自分の名前を書いた看板が回っている。聞けばどうも荷物はドバイから飛行機に乗せられなかったらしい、とのこと。
エミレーツでのロスバゲはリビアに続いて2度目。他の航空会社では経験がないのに。

エミレーツとは相性が悪いのだろうか。


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