Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

郡山の「海苔のりべん」

2017-08-27 10:01:03 | 雑談
今年はまったく国内の温泉に行っていないもので駅弁のお世話になる機会がなく、所用で東京駅を通った機会に久しぶりに駅弁売場を覗いてみた。

駅弁屋祭はいつものごとく大盛況だったけれど、やっぱりここでいろいろ物色するのが楽しくて、一通り経巡った末に選んだのはこちら。

 郡山駅の「海苔のりべん」、950円。

のり弁にしてはずいぶんお高いが、海苔の下にはたっぷりのおかか、ご飯の中段には塩昆布も入っていて、おかずも卵焼きや鮭、ごぼうなど定番の地味なものだが、どれも大ぶりで味付けもとてもいい。
やっぱりお弁当はのり弁、最高。

と典型的日本のお弁当をいただいたのはまた明日から国外脱出するから。
スペイン旅行記はもうあと一息、インド旅行記はまだ飛行機に乗っただけだが、酷暑の東京を逃れて涼しい(あるいはもう寒い)所へ。

またかい、とか、いいかげんにしろ、というお声は聞こえません。


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アンダルシアの旅 19 セビリアの修道院

2017-08-25 18:36:52 | ヨーロッパ
5月12日

 アルカサルの門前は今朝も長蛇の列。

昨日とは打って変わった青空にヒラルダの塔が映えるが
  
修復作業は大変そうだ。

今日はまずタクシーを拾って旧市街の北の端へ。
 
黄色い門の向こうに建っているのはマカレナ教会。
 
セマナ・サンタのお祭りの時に御輿に乗せられるのはここの「希望の聖母」だそうだが
  
マリア様だらけのこの教会は全体にとても女性的。
スペインの皆さんはこういうわかりやすいマリア様がお好きなようだ。

 
教会の脇の石畳の道を行くと、この辺りは下町の雰囲気。
 
途中にはこんな華やかな教会も見える。

やがて地図を頼りにやって来たのはサンタ・パウラ女子修道院。
 
白い壁に目立たない小さな入口があるが、最初は閉まっていたこの門、どうしたらいいのかとウロウロしていたらスペイン人の団体さんがやって来てベルを鳴らしてくれたので、これ幸いと一緒に入らせていただく。
 
門の内には小さな中庭があり、英語を話す事務員らしき女性が「見学はあちらよ」と指差すので、団体さんの後から階段の上へ。
 この修道院の名前になっている聖パウラに迎えられて入口を入ると、この絵と同じ姿のシスターが入場料3ユーロを徴収している。
このシスター、年の頃は60代だろうか、背が低くころころと太って、我々が早速写真を撮り始めると「ここから撮るのがいい」とか調度品の説明とか、ニコニコしながら盛んに話しかけてくれる。ただしすべてスペイン語、こちらは90%わからないのだが、10%を何とか理解してうんうんとうなづくとさらにうれしそうにおしゃべりする。その様子があまりにもかわいくて、このシスターに会えただけでもここまで来た甲斐があったと思う。

団体さんをやり過ごしつつ見学させていただくと
 
当然のことながら中は宗教絵画でいっぱい。

この修道院の創設は1475年だそうで、この建物も16世紀のものとか。
 
天井や壁、床のタイルにムデハル様式が見られてうれしく
 
まわりのこてこてクリスチャンとの調和が面白い。

 
一番大きな部屋の片側は格子窓になっていて、その隙間から向こうを覗くと
 眼下に教会の礼拝堂が見える。
一般信者たちから姿が見られないよう、修道女たちはここからミサに参列するのだろう。

 回廊の向こうは僧坊だろうが、この先にはもちろん入れない。

一通り拝見したところでチャーミングなシスターにお礼を言い、さて、これからがここまで来た本来の目的。
この修道院は実はジャムやお菓子作りで有名なので、それを買いたいと事務員の女性に言うと売店の部屋に通してくれた。
 
壁にはずらりとジャム瓶が並び、さらにお菓子を次々に出してくれる。
ジャムは何があるのかと尋ねると5ヶ国語併記のリストを出してくれたが、そこにはなんと30種類がずらり。
 ←クリックすると大きくなります。

 悩んだ末に購入したのはシトロン・クリーム、オレンジ・マーマレード、そしてトマト・マーマレード、各300g入り3.25ユーロ。
珍しいトマト・マーマレードは甘いけれどしっかりトマト風味で、チーズに乗せると合う!

重い荷物を抱えて帰ろうとすると、事務員の女性が「隣の教会も見て行ってね」と門の鍵を開けてくれた。
 修道院入口の左の、これが教会入り口。
 
中庭の猫に迎えられて礼拝堂に向かうが、入口の上にはネットが掛かっている。
 
このネットのおかげでしかと見えないが、ポスターによると入口の上には美しいタイルが並んでいるらしい。
修復中とは残念、と思ったが、今この写真を見直してみると、もしかしたら階段を上って間近でタイルを見られたのかも?だとしたらものすごく残念なことをした。

入口を入れば先ほど格子窓の向こうから覗いた礼拝堂。
  
 
 
ムデハル様式の屋根の下にバロック様式の祭壇が迫力で、ここは本当に来てよかった。

 アパートに戻る途中、おいしそうなパン屋さんで軽くお昼を食べて、複雑なセビリア旧市街にもなんとか慣れた所でこの町を離れた。


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アンダルシアの旅 18 アルコス・デ・ラ・フロンテーラ

2017-08-23 19:54:25 | ヨーロッパ
5月11日 続き

ロンダからは1時間半で次のアルコス・デ・ラ・フロンテーラに到着。

 新市街で車を降りるとまるでKKKのような姿の石像が迎えてくれるが、これはこの町のお祭りの様子だろう。

 石畳の道をダラダラと上って行くと観光案内所があったので地図をもらいに入ると
 
町の模型で、ここもまた崖の上に旧市街が築かれたことがよくわかる。

 
そんなわけでひたすら坂道を上がって行くとカピルド広場に出るが

ここの展望台からの眺めがまたすばらしい。天気はいささか残念だけれど。

 左手には崖の上に建つサン・ペドロ教会が見え
 その手前に建つ白い建物は元行政長官の館だったというパラドール。

展望台の向かい側にはサンタ・マリア教会。
 18世紀に作られたという中央の塔がいささか大きすぎるように思うが、アラブのモスク跡に建てられたというこの教会の歴史は13世紀まで遡るそう。
  
  
内部の装飾も立派だ。

教会を出て狭い道を歩いて行くと
 
じきに展望台から見えたサン・ペドロ教会の前へ。

  
通りにはあちこちに由緒ありげな建物が並ぶが、扉は固く閉ざされているので町は静か。
 
聖人像のタイルもたくさん見えて、この町はよほど信仰心が強いのだろうか。

そんな中、こちらはサンタ・マリア教会のすぐちかくにある尼僧院。
 最初に通った時は入口が閉まっていたが、しばらくしてまた通るとうれしや、今度は開いている。
それと言うのもこの修道院では修道女が作ったお菓子を売っていて
  
入口を入った先にある小さな窓の脇の呼び鈴を押すとしばらくしてパタパタと足音が聞こえる。
あちらこら声が聞こえたら欲しいお菓子を告げると、窓の中は回転台になっていて注文したお菓子が出てくるので、代わりに代金を支払うというわけ。
修道女の姿はまったく見ることなく修道院菓子が買えるこの仕組み、経験してみたかったのでうれしい!
 買ったのはレーズンの入ったクッキー、500gとたっぷり入って6.5ユーロ。素朴な、いかにも手作りのクッキーだ。

 この買い物に気をよくしていると、また雨が激しくなってきたのであわてて待っていてくれる運転手氏の元へ。

 またひまわり畑の中を通って、セビリアには19時前に到着。
時間管理もしっかりしてくれる運転手氏のおかげで効率よく白い村巡りができて、ちょっと贅沢だったけれど車のチャーターは大正解。

セビリアの街に戻ってからは、昨日はダウンしていた友人にぜひ食べさせたくて、また同じアイスクリーム屋へ。
 今度はレモンミントを試してみたが、これも激うま。
ここ、自分的アイスクリーム屋ランキングのトップ5には入る。

その後は夕食とお土産の買い出しにエル・コルテ・イングレスへ。
 
地下のスーパーを物色していたらスシ飯のレトルトパックを発見。これ、日本にもあってよさそうなのに意外にないよね。

我々の夕食にはスペインらしくパエリアとトルティーヤのレトルトを選んでみたが、トルティーヤは大きいのから小さいのまで種類もいろいろ、ジモティーも買っていたのはやっぱり自分で焼くのは大変なのだろうか。
 
パエリアは期待以上においしくて、これ全部で7ユーロ、2人で大満足。 


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アンダルシアの旅 17 セテニル&ロンダ

2017-08-21 17:46:57 | ヨーロッパ
5月11日

昨日は完全にダウンしていた友人、ずっと寝ていた甲斐あって今日は何とか復活してくれた。
おかげで予定通り、手配してあった車で本日も「白い村巡り」へでかけられる。

約束した時間には運転手と共にお願いした現地旅行会社、「旅するアンダルシア」の日本人スタッフ女史も確認のためとアパートまで来てくださった。
こちら日本語で相談に乗ってもらえるだけでなく、車のチャーター代も他の現地旅行会社よりもリーズナブルで助かったのだ。

そんなわけで、今日も二人には大きすぎるほどのワゴン車で悠々と出発。

 
セビリアの市街を出るとすぐに広大なひまわり畑や金色に輝く麦畑になって
 
東に向かうにつれて平地に起伏が出てきた。

2時間半ほどでやってきたのはセテニルと言う村。
村に入る前に運転手氏は小高い見晴らしのいい所で車を停めてくれる。
 ここもアンダルシアらしく、丘に沿って真っ白な家が立ち並んでいるが
 
良く見ると大きな岩の崖下に家が押しつぶされたように並んでいる。

村のはずれに車を停めて、徒歩で中に入ってみれば
 
バルの並ぶ一角は岩がまるで屋根のように張り出し
 岩に押しつぶされたような店もある。

小さな村をどんどん歩いて行くと普通の民家になるが
 
これらも崖の下にめり込んだような姿。張り出した崖の表側にだけ壁を作って家にしているわけで、合理的と言えば合理的。

岩がトンネルの屋根のようになっているこの一角にはちょっと気の利いた店が何軒か並んでいて
  
中を覗かせてもらえば、屋根や奥の壁は岩のまま。

向かいの家に手が届きそうな狭い路地も
 
上を見上げればやっぱり岩で、静かなこの村をふらふら歩き回るのは実に面白い。

2時間ほどセテニルを散策したら
 またパッチワークの中を30分ほど走って、次のロンダへ。

ロンダは村ではなく、新市街などはかなり大きくて観光客もいっぱい。
お目当ては新市街と旧市街を結ぶ高さ100mのヌエボ橋で
  
欄干から下を見れば確かにかなりの高さ。町が崖の上に乗っているのがよくわかり、
 
川の上流にはビエホ橋というイスラム時代17世紀に作られたもう一つの橋も見える。
(イスラム時代の橋はビエホ橋の奥にもう一つあるとご指摘あり。una様、ありがとうございました。)

旧市街に入った所で、友人もやっと何か食べられるようになったというので目についたレストランでお昼。
 
タパスの盛り合わせはいかにもツーリスト向けの内容だが 
 
段々日が陰って涼しくなってきたので、温かくてお腹にやさしいスープがうれしい。

食後はヌエボ橋の全景を見ようと旧市街の崖の上へ。

眼下に見える畑の広がる景色がきれい。

 
ここから下に降りる道をしばらく行くと、橋を見上げる形になる。

ところが橋の写真を撮っているうちに空がどんどん暗くなってきて、あっという間にどしゃ降りになった。
 せっかくの景色もこのありさまで、傘を車に置いてきてしまったので、降っていたのは10分ほどだが全身ずぶぬれになってしまった。

そこで旧市街の中心に戻ると、おいしそうなお菓子屋さんを発見。
 
いかにもローカルな感じの、これはポルボロンという菓子だろう。翌朝の朝食にしたが、まるで甘いきな粉を固めたような味と食感。

その後は着替えと休憩のためにロンダのパラドールへ。
  
 
ヌエボ橋を眺めながらコーヒーで一息入れて、次の目的地に向かった。


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アンダルシアの旅 16 セビリア一人歩き

2017-08-18 19:54:05 | ヨーロッパ
5月10日 続き

アパートに戻った所で友人はリタイア。
セビリアには以前にも一度来ているので、午後は部屋で寝ていることになった。

結構な雨が降る中、一人でグアダルキビル河畔へ。

 お目当てはもちろん「黄金の塔」。
イスラム時代に川の防衛のために建てられ、後の時代には牢獄にも使われたという名前とは裏腹、地味な塔だが、ここにドン・ペドロが愛人のアルドンサを住まわせたのは史実らしい。
現在内部は海洋博物館になっているとのことなので、外観だけ眺める。

 
遊覧船が多く停泊する川沿いを歩いて行くと闘牛場があり
 
かっこいいイサベル2世橋がある。
この川沿いや街の至る所にジャカランダの木が植えられていて、紫の花がちょうど満開で美しい。

橋を過ぎた所にあるのはロンハ・デル・バランコ市場。
 
マドリッド、コルドバに続いて3つ目のフードコート型市場だが、一人のランチには一段と都合がいい。
 
と言うわけで、各種揚げ物やら寿司やらもある中、さっぱりとタコのサラダを選択。青い水のボトルがおしゃれ。

軽くお腹を満たしたら、地図を見ながらサルバドール教会へ。
 
旧市街の真ん中にあり、カテドラルに次ぐ大きさのバロック教会だが、ここではカテドラルとの共通入場券が並ばずに買え、しかも9ユーロはカテドラルのみの入場料と変わらないとの耳より情報をアパートのお兄さんからもらっていたのだ。
せっかくなのでこちらの中も覗かせていただけば、いかにもバロックらしいキンキラ金の祭壇がいっぱい。
 
彩色のリアルな聖人像が並ぶ中、ヒラルダの塔を挟むのはこの町の守護聖人だろう。
祭りの時に担ぐらしい銀の御輿も見事で、バロック好きにはかなり見ごたえがある教会だろうと思う。

降り続く雨の中、路面電車も通るメイン・ストリートへ。
 
馬車の似合う大通りにはムデハル様式のきれいな建物がいっぱいあって
 
fnacの壁面もかっこいい。

そしてやってきたカテドラル。
 チケット売り場には案の定長い列ができているが、これをスキップできてちょっと優越感。お兄さん、ありがとう!

大聖堂としては世界で3番目、ゴシック様式としては世界一というだけあって、この内部も圧巻。
  
  
巨大な空間に偏執的に細かい彫刻などあって、細かく見る気も失せるほど。

この中で有名なのはもちろんコロンブスの墓。
 
スペインの4人の王に担がれた立派な棺だが、作られたのは1891年、キューバからこのセビリアに移されたのは1902年と最近のこととは意外。中の遺骨はちゃんと本人の物とDNA鑑定されているのだとか。

この大聖堂の地下にはドン・ペドロの遺骨も安置されていて、本来ならコロンブスなんかよりもそちらにお参りしたい所だが、特別な許可がなければ入れないらしいのは残念。

お目当ての方にはお会いできないので、最後はヒラルダの塔へ。
 
礼拝堂の奥に入口があるが、高さ96mの塔へは階段ではなく人もすれ違えるスロープなので上るのはわりと簡単。

 高さ70m、鐘の下から外を見れば

大聖堂の全体像も

周りの景色も良く見える。

 
アルカサルも闘牛場もよくわかるが、例のパラソルは意外に高さがないのでここからはすぐ見つからない。
それよりも川向うに巨大な煙突のように建っているセビリア初の超高層ビルとやらの方がよほど目障りではないだろうか。

 ヒラルダの塔を降りてオレンジの中庭に出ると団体の観光客でいっぱい。
これだけの人を収容していても混み合わないのだから、カテドラルがいかに大きいことか。

運動をしたら小腹が空いてきたので、おやつを食べにまた地図と首っ引きで旧市街歩き。
 やって来たのはこちらのアイスクリーム屋さん。
 
表も中もクラシックな店だが、迷いつつ頼んだ「セビリアなんちゃら」というアイス、コクがありつつさわやかですごくおいしい。
この店、歩いて回るグルメツアーに入っているだけあって、2.6ユーロとちょっとお高めでも許す。

この後は今度はトラムに乗車。
 
歩いている時にTio Pepeの帽子をかぶったかわいい車両も見かけたが、乗ったのは普通のスマートなトラム。
  
ホームの券売機で買うと1回1.4ユーロ、車内もきれいで、停留所の名前もわかりやすい。

大きな公園の前で降りて、なぜか道を間違えてひどく遠回りしつつ、やっとたどり着いたのはスペイン広場。
 
1929年のイベロ・アメリカ博覧会の会場として造られたそうだが、セビリアの建物はなぜどれもこれもこんなにでかいんだ。
 建物の中は使われているのかどうかもわからないが、広場に沿ってスペイン各地を紹介するタイルがあって
 
セビリアの前の地図がめちゃくちゃかわいい。

と、散々歩き回ってアパートに戻ると、友人はいまだ絶不調でとても食事などできそうにない。

そこで川を渡って新市街に入ると
 
観光客は使うことのない地下鉄駅があって、その隣に小さなスーパーがあるので、ここで今夜の夕食を調達。
生ハムなど1パックがたったの1ユーロ、パンやチーズ、果物などもスペインは安い!

こんな時にキッチン付きのアパートは本当に便利だ。


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アンダルシアの旅 15 セビリアのアルカサル

2017-08-16 22:19:47 | ヨーロッパ
5月10日

昨晩のオイリーな食事がたたって、友人は夜中から絶不調。
何も口に入れられないとのことなので、同じ食事をとりながらなんともない自分だけ朝食を摂りに外へ。

 
こぎれいなカフェでトーストを頼んだけれど、期待したトマト付きではなかったのにちょっとがっかり。

ついでに周辺を軽く散歩。
 すぐ近くにある立派な建物は高級ホテル、アルフォンソ13世。

その隣の、これも立派な建物は「カルメン」の舞台になった旧王立たばこ工場。
 
現在はセビリア大学になっているので、賢そうな学生たちと一緒に入ってみようかとも思ったが、まだ時間が早いのでやめた。

9時半の開館時間が近づいたので、具合は悪いがここだけは見たいという友人と一緒にアルカサルへ。
 門前にはすでに長い列ができているが、オンライン予約のおかげでプリントアウトを見せるだけですぐ入場。

セビリアのアルカサル(王城)は10世紀のイスラム時代に建設されたが、その時代の建物が残るのは門を入ってすぐ左手にあるPalacio del Yesoだけとのこと。
  
 
地味だけれど、随所に繊細な装飾の残るこの建物を出てもう一つ門をくぐると

正面にあるのが14世紀のドン・ペドロが大改修をしたPalacio del Rey Don Pedro。

正面入り口の上部、軒下の青いタイルの周りに「最高位にして最高貴、最強なる征服者、ドン・ペドロがこの王城を建設せしめたり」の文字が確かに見えて、そうそう、これが見たくてここまで来たんだよ。

  
内部はイスラム職人を呼び集めて作らせたというだけあってムデハル様式一色。
  
意外に小さな部屋が多くて、どんな使い方をしたのだろうと興味が湧くが
  
特に天井の装飾が美しく
  
窓も凝っている。
 
王様やマリア、子供たちはどこで寝ていたのか、義兄のファドリケはどこで殺されたのか、と妄想を逞しくして見学するのも楽しい。

この宮殿内でも一番多くの人でにぎわっているのは金の円天井が有名な「大使の間」。
  
 
ドームやすぐ下の肖像画は後の時代に付け加えられたものだそうだが、しかしここは彩色もされているせいか、全体に装飾過多な感じ。

他の部屋もアルハンブラに比べると装飾が多くて、バランスのとれた優美さで劣る、と言ったらドン・ペドロに怒られるだろうか。
日本趣味の西洋人が作った日本風の部屋が我々から見るとやりすぎに見える、そんな感じか。
ドン・ペドロの名誉のために付け加えれば、大使の間のように後の時代に改修された部分も多いようなので、あるいはそのせいかもしれない。

とは言えタイルや天井はやはり見事なので、オタクのために第二弾↓


ドン・ペドロのムデハル様式でお腹いっぱいになった後はPalacio Goticoへ。
 
こちらは13世紀のアルフォンソ10世が建てた部分で、イスラム要素のない、名前の通りゴシック様式の天井の建物。
壁の下半分は鮮やかな黄色いアズレージョ・タイルで覆われ、バロック様式のタペストリーを飾った部屋もあるが
 
長~い柄のブラシで煤払いをしているのが面白い。

 アルカサルには宮殿以上に広い庭園もあるが、今日はあいにくの天気で雨が降って来たし、それ以上に友人がつらそうなので見学はここで終了してアパートに引き上げることにした。

が、ドン・ペドロの追っかけはまだ続く。


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アンダルシアの旅 14 セビリア夜散歩

2017-08-15 18:32:17 | ヨーロッパ
5月9日 続き

マラガでは町を歩くこともなく、15時発のAlsa社のバスに乗車。
 これから向かうセビリアには鉄道という手もあるが、所要時間はほぼ同じで鉄道だと40ユーロ、バスなら6ユーロなのだからここは当然バス。

 
マラガを出てほどなく岩山を越えると、後は平地にオリーブ畑などが続く。

やがてセビリアに近づくにつれて一面黄色い畑が見えだしたので目を凝らすと
 
やっぱりひまわりだ。まだ早いので花の咲いた畑は少ないが、良く見れば周り中ひまわり畑で、これがすべて咲いたらさぞ見事だろうと想像する。

乗車2時間半で無事セビリアに到着。
 
さすがに大きなバス・ターミナル、ここからはすぐにタクシーを拾って予約してある宿へ。

 予約してあったのはCentral Suites Puerta Jerezと言うアパート。
この建物1棟がすべて貸しアパートで、17時には閉まると聞いていたフロントにまだお兄さんがいてくれたのはラッキー。
しかも英語の堪能なこのお兄さん、アパートの説明はもちろん近所のレストランから観光情報まで、必要なことをテキパキとわかりやすく教えてくれて超有能。
さらにネット予約した方がいいと教えてくれたアルカサルのHPがすぐにスペイン語になってしまうので助けを求めると、PCでさっと予約してプリントアウトまでしてくれた。

ここまでどこのホテルのフロントも親切で有能だったし、タクシーの運転手さんたちも時間厳守で明朗会計。
いままで抱いていたスペイン人のイメージが今回で変わったかも。

カードキーをもらって3階の部屋に入ってみると
 
入ってすぐに居間とダイニングキッチン、奥に寝室があって
 
寝室の奥のバスルームもきれい。
 大きなダイニングテーブルのあるキッチンに調味料はないが食器類はたくさん揃っていて
 
窓を開けると馬のひづめの音が聞こえ、アパートの前を観光馬車が通る。

さらに屋上のテラスにも出られるというので上がってみると
 
カテドラルの塔がばっちり見える。

それでは早速、と外に出てみると
 
ほんの5分でカテドラルとアルカサルの前の広場に出てしまったが、これらは明日のお楽しみ。

今日はお昼を手持ちのお菓子や果物で済ませてしまったのでお腹が空いている。
お兄さんおすすめのバルの内、一番近場でいいやと適当に入ると
 ここはどうもビールが自慢のバルのよう。
 
小皿料理もないのでグリル野菜とイベリコ豚を頼んだが、どちらもオイリーでいまいち。ここは食事をする所ではなかったか。

食事は残念だったが、セビリアの夜にぜひとも行ってみたい所がある。
と言うわけで複雑に入り組んだセビリア旧市街を地図と首っ引きで歩いて行くと、出た!
 
ドイツ人建築家、ユルゲン・マイヤー設計の木造建築、メトロポル・パラソル。
1階には夜は閉まっている市場やレストラン、バーなどがあり、2階は広場。しかし上がれるはずの屋上への入り口がわからなくてうろうろと人に聞いたりしていると
 アンティクアリウムという地下の博物館入口から入れるとやっと判明。わかりにくい!

入場料は3ユーロで、エレベーターに乗って上に上がると
 
複雑にうねった屋根の上を通路が伸びてまるでジェットコースターのよう。
 
その向こうに落ち着いた旧市街の夜景が広がり、カテドラルのライトアップもしっかり見える。
アパートのお兄さんは「セビリア人はパラソルは嫌いだ。周りの景観と違和感がありすぎる」と言っていたけれど、このシュールな景色は一見の価値あり。
しかし見物客のほとんどが韓国人だったのは、ここが韓国のテレビででも紹介されたのだろうか。

エレベーターで下に降りるとパラソルの模型があって全体像がやっとわかる。
 
その向こうに広がるのはこれもローマ時代の遺跡だ。

すっかり暗くなった町をアパートに向かって歩く。
 狭い小路には人影がなくて、友人と一緒で良かったと思うが
 
ちょっとした広場に出れば飲食店は夜の遅いスペイン人でいっぱい。

 
あの塔も明日登ろう。


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アンダルシアの旅 13 ネルハ&フリヒリアナ

2017-08-13 17:32:39 | ヨーロッパ
5月9日

本日も朝一で朝食会場へ。
 
充実したビュッフェのパン・コーナーにはInes Rosalesというブランドのセビリアのお菓子がたくさん並んでいるが、これがどれもおいしくて大いに気に入る。

8時半にチェックアウトをすると頼んであった車がきっちり待っていてくれた。
思ったより大きな黒のワゴン車に、スーツを着てサングラスをかけたスキンヘッドの運転手。
マフィアのお迎えのようでいささかびびったが、寡黙なおじさんは実は親切な紳士だった。

この車でグラナダから地中海沿岸へ一直線。
 
高速を飛ばし、ダム湖の脇など通って、1時間ほどでネルハの町に到着。

ネルハは海辺の典型的なリゾート。
車を降り、運転手氏に言われた通り白い家の並ぶ細い道を進んで行くと
  
 
左手の玄関からはその向こうに海が見えたりして、ヨーロッパ人はこんな家を1ヶ月ぐらい借りて夏を過ごすのだろう。

10分ほど歩くと教会のある広場に出て、その先のヤシ並木を進むと
  
 海に突き出た「ヨーロッパのバルコニー」。

イスラム時代には海を見張る要塞があったと言うこの場所。
 
 
フェンスにもたれているのはこのバルコニーの名付け親、アルフォンソ12世。その視線の先にはリゾートホテルが立ち並ぶが
 砂浜もあるこの辺りの海はきれいだ。

帰り道を間違えて一瞬あわてつつ、冷静な友人のおかげで運転手氏と無事再会。
ネルハからは山道を上がって、15分ほどで次の目的地、フリヒリアナに到着。

町の真ん中、山の斜面に沿って建つ家々の下に車を停めると
 
すぐ上にそそり立つ大きな建物は現在も操業する黒糖工場。
この工場の右手は新市街、左手が旧市街と分かれているので、すぐ近くの観光案内所で地図をもらって歩き出す。

この町には何があると言うわけではないが、アンダルシアと言えば、の典型的「白い村」。
  
壁は文字通り真っ白、坂や階段が続く道は石畳がモザイク模様になっていてきれい。
  
ブーゲンビリアなどがきれいに咲き、階段には鉢植えも並べられている。

ただし階段だらけの細い道は車の通れるところも限られているので、力仕事には馬が活躍。
 
チビ犬はベランダから顔を覗かせる。

うろうろ歩き回って、数少ない見所(?)の「古い泉」を発見。
 
壁のタイルがかわいくて
 
バルの看板やマンホールの蓋もかわいい。

その少し先にあるのはシンプルな外観のサン・アントニオ教会。
  
 
中に入るとキリスト像の下に首が並んでいてぎょっとする。それぞれ聖人のお面のようで、祭りの時などに使用するのだろうが、この並べ方はちょっと・・・。

この先を町の中心方向に行くと土産物屋なども少し出現するが、どこの店もこじんまりとして店の人も商売気があまりない。
 
そんな店の一軒の二階からは遠くに海が見えていい景色。

この旧市街には確かに観光客もうろうろしているのだが心配するほどの数ではなく、静かな町では日常の生活がごく当たり前に営まれているのが感じられて、それが実にいい。

 
気持ちよく散歩した後は旧市街が見渡せるテラスで一休み。

約束した時間に運転手氏と落ち合って、
 
右手に山、左手に海を見ながら走ること1時間。アパートなどが見えてきたら大きなマラガの街に到着。

 
これも大きなマラガのバスターミナルで降ろしてもらって、スキンヘッドの運転手氏とはお別れした。


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アンダルシアの旅 12 アルハンブラの午後

2017-08-10 22:45:20 | ヨーロッパ
5月8日 続き

ホテルの部屋で1時間ほど休み、今度は部屋からも見えるヘネラリフェへ。

  
ここは夏の別荘なのでそこかしこに噴水や池のある中庭が続く。
 
庭にはバラが咲き乱れ
 
屋内の装飾はナスル宮に比べれば地味だけれど
 
そのナスル宮を見下ろす景観も見事ですがすがしい。

午前中いっぱいかけてアルハンブラのハイライトは観終わったので、ゆっくりお昼を食べようとこちらへ。
 パラドールのすぐ前に建つ、小さなホテル・アメリカ。
 
フロントを抜けた先のパティオにテーブルが並んでいい雰囲気。なので観光客でいっぱい。

しかしこれだけの大にぎわいなのにウェイターは一人しかいなくて、大忙しのおじさんになんとかオーダー。
 
やっと来たガスパチョは薄くて、トマトジュースに浮身を入れただけのよう。
それでもこれは暑い日に冷たいので許せるが、メインに頼んだ「田舎プレート」のような名前の一皿は見た目通りの雑な料理で、これはひどい。
 
テーブルには人も恐れぬ泥棒スズメがパンくずを狙ってやって来るが、このレストランも泥棒のようなもの。
アルハンブラ内に食事ができるところはこことパラドールしかないとは言え、ここは決してお勧めできない。

食後はアルハンブラの中では異質のカルロス5世宮殿をちょっと覗いてみる。
 
外は四角だが中は円形のこの変わった建物は16世紀にカルロス5世が建てたもの。
中には博物館となぜか現代美術館が入っているが、本日は休館日。
同じ建物内のギフトショップは営業していたのでお土産を物色。

さらに日本のガイドブックには紹介されていないが、絵葉書で気になった浴場へ。
 
サンタ・マリア教会の横のひっそりと目立たない小さな建物だが
 
星形の明り取りのある屋根が雰囲気で覗く価値はあり。
教会の場所には元々モスクがあり、その付属の浴場であったここは家屋になって、アンヘル・バリオスなる作曲家の生家だったそうだ。

ますます暑くなってきたし、午前中の見学で疲れたので、この後はホテルで文字通りシエスタ。

日も傾き始めた頃にまた再始動して、最後に残ったアルカサバの見学へ。
 アルカサバは多くの見張り塔を備えた軍事要塞。
 
なので内部には何も見る物がないが
 塔からの見晴らしはもちろん良くて

丸い塔からは何度見ても見飽きないアルバイシンの景色

先端の見張り塔からは旧市街がよく見えて
 
カテドラルの全体像もよくわかるし、狭~い道ぎりぎりに走るアルハンブラ・バスも見える。

さらに反対側の新市街も良く見渡せて、さすが難攻不落の要塞と思わせる。

これでアルハンブラの見学は終了、今日は夕食も山を下りずにパラドールのレストランで「Nasrid Menu」なるナスル朝風のコースをいただくことにした。

 まずはさっぱりとシーフードの入った野菜のマリネが出て
 
前菜はハリサ・スープとブリワットというパイ。
スープは複雑なスパイスが香りよく、鶏と野菜を煮込んだものを包んだパイに砂糖が掛かって甘いのはモロッコの料理のよう。
 ナスル朝時代にも魚は地中海からロバで運ばれたと言うことで、皮目にスパイスを効かせてパリッと焼かれたスズキ。
 アルボロニアは仔牛肉とりんご、ナスを煮こんだアンダルシア風シチュー。良く煮こまれたお肉はほろほろと柔らかいが、これもかなり甘い味付けだったような。  
 そして最後は庭で採れたマートルのシャーベット。これは甘さの中にちょっと苦味もあっておいしいが、添えられたドライフルーツのはちみつ漬けと、上に乗った揚げ菓子はアラブらしい極甘。

全体にかなり甘い味付けだがスパイス使いがおもしろく、これで29ユーロは悪くない。

食後の腹ごなしに外に出てみると
 
扉を閉ざした土産物屋の上には満月が出ていた。 
 

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アンダルシアの旅 11 アルハンブラの朝

2017-08-07 18:16:14 | ヨーロッパ
5月8日

朝7時半、扉が開くのを待って朝食会場に一番乗り。

  
 
さすが高級パラドールだけあって品数豊富、朝からがっつり食べさせていただく。

さて、一番に食事をさせてもらったのはアルハンブラの中でも時間指定が必要なナスル宮をこれまた朝一番の8時半から予約しているため。

そこで早めにホテルを出て、徒歩5分で入場口へ。
 
お向かいのアルバイシンを眺めながら待つうち後ろには列ができ始めたが、我々は2番のポジションをゲット。
 
時間ぴったりに開いたゲートを通って早速中へ。

 
まず入ったメスアール宮で早速タイルに目が行ってしまうが、ここでぐずぐずしていてはいけない。
後からどんどん人が来るので先に進まねば。

と通路を抜けると
 
うれしや、アラヤネスの中庭にはまだ人がいない。

浮かれてタイルや柱などしつこく写真を撮っていたらガイドに先導された団体もどんどんやってきて
  
コマレス宮に入る頃には周り中人でいっぱいになってしまった。
しかしこの宮殿、壁から天井から窓から、繊細な細工だらけでたまらん。

そして有名なライオンの中庭。周りを囲む細い柱が美しいが
  
 ライオンは犬か猫にしか見えない。

 
二姉妹の間の天井やらリンダラハのバルコニーやら、有名なところはもちろん見事だが、この宮殿はとにかく細部の装飾が偏執的なまでにすごい。それでいて全体の統一が取れていて、決して装飾過剰に感じさせず、洗練されているところが素晴らしい。

というわけで、オタクのためのタイルや木彫装飾の数々はこちら↓


宮殿を堪能しつつ進むうち、こんな渡り廊下に出た。
 
ここからの眺めがすばらしくて

思わず「これは素晴らしい」と声を上げたら、隣のスペイン人のお兄さんに「素晴らしいでしょ」と日本語で返された。ガイドさんだったのかな。

 
こじんまりした中庭を過ぎて
 
パルタル庭園へ。
 
花がいっぱいの庭園には園丁も大勢いて、この庭の維持も大変そう。
 それにしても今日は雲一つない晴天で、外は暑い!

 アルハンブラ内に宿を取ったのはまさにこのため、一度部屋に戻って休もう。 

 
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