Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

18年初冬の東北 3 田代島は猫の島

2018-12-28 22:07:40 | 国内旅行
12月1日

朝食は「いしのまき元気いちば」で仕入れた笹かまぼこの食べ比べ。
 130円から216円まで、値段も違えば大きさも違う笹かまぼこ。
石巻の物は吉次という魚を使っているのが特徴のようで、つなぎが入っていないお高いものがさすがにおいしい。
と言っても一度に食べ比べて初めて分かるほどの味の差、どれもおいしい。

ホテルをチェックアウトしたら駅のロッカーに荷物を預け、駅前タクシーで網地島ラインの船着き場までお願いする。
すると年配の運転手さんが何かおっしゃるが、まったく理解が出来なくてあせる。
聞き返してやっと新しい船着き場が稼働するとかしないとかの話をしているとわかり、話が通じると外国人旅行者が増えたこととか、家のペットのこととか、短い時間ながらとても楽しい運転手さんだった。

10分ほどの乗車で北上川の河口にある船着き場へ。
  
津波で壊滅的被害を受けたこのエリア、まわりはほぼ更地の中にぽつんと小さな事務所が建つ。
ここで猫がたくさんいるので有名な田代島へのチケット(片道1230円)を買うのだが
 
ストーブの前の特等席は猫の親子が占拠。ストーブの上の猫がしっぽを垂らすと「ほら、こげちゃうよ」とおばあちゃんがしっぽを元に戻してやっている。

土曜日のためか、結構若いお客さんが多くて外国人もいるよう。
 
やがて「ブルーライナー号」がやってきて、定刻9時に出発。

 
船内は前方にサロン風のスペースがあり、後方にも席数が結構ある。
 デッキに出て見ると、港を出発した船の後をたくさんのカモメが追ってくる。

この日は青空も見える天気だったのだが風が強くて、しばらくすると窓の外が見えないほど波をかぶるようになった。
乗り合わせた地元のおじさん、「午後はもっと風が強くなるぞ。大しけだ」と他のお客さんをビビらせて喜んでいるが、船内放送でも「午後の便の予定が変わるかもしれません。島内放送に注意してください」なんて言っている。さて、どうなるか。

40分の航海で田代島で最初の港、大泊港に到着。
 
ここで降りるとまたサイボーグ戦士が迎えてくれるが
 
港の周りにはほんの数軒の家があるだけ。しかしここで早速第一島猫発見。

鳥居があるので急な階段を上がってみると
 
赤い鹿島神社があった。

 大泊の集落から結構な坂を上がって少し行くと
 
今度は猫の人形だらけの猫神社。ちゃんと黒猫もお迎えしてくれるここ、漁で生計を立ててきた島民が猫を祀ってできたのだそうだ。

さらに少し行くと「にゃんこ共和国」と名付けられた「島のえき」。
 
元小学校なので入口には二宮尊徳の銅像があるが、平成元年には閉校してしまったそうで
 
現在は中にお土産屋さん。うどんなども注文できるが休憩も自由と言うことで、石巻のコンビニで買ってきたものを食べさせていただく。

 
ここのご主人も相当の猫好きのようで、カウンターの上にいるシマ猫に甘々。

外ももちろん猫だらけで
  
  
男の子たちがうれしそうに猫と戯れている。
ここに来ているお客さん、女性より男性の方が多そうで、一人旅もいっぱい。
岩合さん以来、男性の猫好きもカミングアウトが容易になったのだろうか。

島を縦断するように歩けば、道端にも猫がいっぱい。
  
ここの猫たちはノラなのに平気で近寄って来るし、きれいで撫でさせてもくれる。
 しかしカメラを向けるとそっぽを向いてしまって、やっぱり岩合さんのようにはいかない。

遊びながら歩いて島の南のもう一つの集落、仁斗田に到着。
 
こちらには家が固まっているが観光客以外の人の姿は少なく、明らかに猫の方が多そう。

帰りの船まであと1時間ほど、どこで時間をつぶそうかと考えていると島内放送が聞こえてきた。
「次の船は強風のため欠航となりました」って、あらら。
あとは15時半の最終しかないが、これだけ島内をうろつく観光客がいるのだから夕方までには船を出してくれるだろう、なにしろ島内に宿泊施設はほとんどないのだから。
と考えているとしばらくして「本日の最終便は14時半の出発になりました」と聞こえてちょっと安心。

そこでまたちょっと足を伸ばしてマンガアイランドへ。
 ここには猫の形のバンガローが何棟か建ち、それぞれ有名漫画家の名前を付けられているが、冬は営業終了してすべて閉まっている。

あとは仁斗田に戻り、ほぼ唯一のカフェ、クロネコ堂で時間つぶし。
  
 ここも入口にいっぱい猫がたむろっていて、ゴスロリのおねえちゃんが出られなくなっているのがおかしい。

中はカフェにお土産屋さん、歴史資料館も名乗っていて
 壁には昔の写真がいっぱい。
お店の人によると最盛期にはこの島にも1000人ほどの島民がいたそうだが、「今は50人いるかどうか」とのこと。

このお店のご夫婦も猫大好き。
  
これだけみんなにかわいがられるのだから、この島の猫たちが人を怖がらないのも当然だろう。

 このクロネコ堂でかわいいブックカバーをゲット。ふりかけは島のえきで購入して島の経済にささやかな貢献。

やがて船の時間も近づいてきたので仁斗田港へ。
  
  
ここにももちろん猫。魚を釣ったおじさんからしっかり分け前をもらっている。

 時間が近づくとこんなにいたかと思うほどの人数が列を作り
 
往路よりもちょっと大きなマーメイドII号に乗船。

しかし風は前よりももっと強くなっていて、島影から出ると船は当然のように大揺れ。
船が浮き上がっては沈むたびに船内はキャーキャーと大騒ぎで、乗り物酔いに無縁な自分はジェットコースターのようでおもしろいが、船に弱い友人は必死に一点を見つめ、大学生の男の子たちはマーライオン寸前でトイレに駆け込んでいた。

そんな航海も1時間で無事石巻に帰還。
外の風に当たりながら駅まで歩いて仙台行きの列車に乗る。
 
すると強風のためダイヤが乱れ、仙台駅のホームが空かないと言う理由で1時間も到着が遅れたのだった。  
 

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「パッドマン」&「ボヘミアン・ラプソディー」

2018-12-27 19:06:40 | 機内食・映画・美術展
夏のインドで評判を聞いていた映画が日本公開されているので、年末だと言うのに映画館に行ってしまった。

日比谷シャンテ2で
 「パッドマン 5億人の女性を救った男」 Padman

農村部の貧しい女性たちにも買える生理用ナプキンを作る安い機械を発明した男の実話に基づくお話しで、主演は同じような農村部の衛生問題をテーマにした「Toilet - Ek Prem Katha」のアクシャイ・クマール。
こういう映画に続けて出るところ、タイプキャストというよりこの役者の主張が見えるような気がする。

映画は導入からうまくて、主人公がいかに奥さんを大事にしているか、なぜ学歴もないのに機械の設計ができたのかが短時間でわかりやすく説明される。
マディヤ・プラデーシュ州でロケされたという村の風景もとても魅力的で、またインドに行きたくなる。

ただし農村の風習はあまりにも古臭くて、生理中の女性は部屋の中にも入れず、ベランダで籠の鳥になる。
それ以上に恥や外聞を気にする人々のガンコさこそが障害で、インドを旅すればさもありなんと思うし、実在のモデルはよくぞこれに打ち勝ったと改めて感心する。

まわりの理解が得られず故郷を離れざるを得なくなった主人公は借金をしてなんとか機械を発明。
それが工科大学の発明賞をもらって認められるところは実話だそうだが、ここでクレジットに「スーパーヒーロー」のタイトル付きで謝辞が出たアミターブ・バッチャンが本人役で登場。
「インドには10億の人がいて問題もたくさんあります。しかしインドには10億の頭脳があるのです」って、さすがインドの顔、かっこよすぎる。

発明が認められた主人公の方は仕事が軌道に乗るとニューヨークの国連本部でスピーチをすることになるのだが、通訳を断ってブロークンな英語でするこのスピーチがまためちゃくちゃいい。
スピーチとは言葉の流暢さではなく、内容だと言う当たり前のことを思い知らされる。
しかもこのシーン、結構長いのだが1テイクで撮影されたそうで、さすがアクシャイ・クマール。

終わり方もインドならそうだよな、という結末だが気分良く、見て幸せになる映画。


日比谷に出たらお約束で、続けて日比谷TOHOシネマにはしご。
 「ボヘミアン・ラプソディー」 Bohemian Rhapsody

今さらではあるが飛行機の中でやっていなかったし、この映画は音響のいい所で見なければ、とプラス200円のドルビーシステムの劇場で鑑賞。
日比谷ミッドタウンの中の映画館にようやく入ったが、さすがに椅子が良く、場内の傾斜がきついので前の人の頭が気にならず、とても見やすい。

クイーンの全盛期は学生だったので映画の中に登場する曲はおなじみのものばかり。
まわりにも同年代とおぼしきおじさん多数で、バンドメンバーが登場すると隣のおじさんは「そっくりだ」と思わず独り言(笑)。
そう言ってしまうほどメンバーのルックスはそっくりで、肝心のフレディ―・マーキュリー役のラミ・マレックが実は一番似ていないのだが、コンサート部分での身のこなしなどは本人と見まごうほどで、どれだけ研究と努力をしたことだろう。

ストーリーの方はバンドの成長物語としてはオーソドックスな作りで、前半などクリント・イーストウッドの「ジャージーボーイズ」の方が面白い。
しかし最後のライブ・エイドの部分は実際のパフォーマンスのコピーとはいえすごい盛り上がりで、この部分のためだけでも劇場に足を運んで良かった。

クイーンと言えば学生時代来日したことがあって、大ファンだったクラスメートが日本語では教えてくれないからと英語でホテルに電話したらあっさり宿泊していることがわかり、メンバーに会いに行っていた。
思えばのんびりした時代だったかも。

いい映画が2本見られて、幸福な一日。


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18年初冬の東北 2 石ノ森萬画館

2018-12-25 15:54:14 | 国内旅行
11月30日 続き

宿からのんびり歩いて10分ほど、川の中州に宇宙船のような形をした目指す施設が見える。
  
このあたりは2011年の津波で大きな被害のあった所、川の両岸ではいまだに護岸工事が進行中。

 宇宙船はもちろん石ノ森萬画館。
 
入口の壁には有名漫画家の手形が並び、石ノ森先生の手と握手もできる。

 
館内に入り、サイボーグ戦士の衣装のお姉さんからチケットを買う。640円。

らせん状になった廊下を上がって行くと、まずは伝説のトキワ荘の模型が。
 
これが実に細かくできていて、窓を覗き込むと漫画を描く机まで見える。

 石ノ森章太郎の原画を見ながら2階に上がると展示室があって
 
なんともラッキーなことに、ちょうど「萩尾望都SF原画展」を開催中。
萩尾望都は日本で最高のSF作家だと思っているので、これはうれしい。
原画を見ていると懐かしい作品をすべてまた読みたくなるし、単行本やCDジャケットの彩色された原画の美しいこと。

 この展示室のお向かいは常設展で、こちらは石ノ森ワールド。
  
60年代の「サイボーグ009」のオープニング・アニメが懐かしい!しかしここの戦士たちはなぜ赤や白ではなく緑のユニフォームなんだろう。

歴代仮面ライダーも並んでいるし
 
「ホテル」なんて漫画もあったね。

3階には漫画本の並ぶ図書室があって、たくさんの漫画家の色紙も並ぶ。
  
  
どの漫画家も懐かしい。

ここには小さな喫茶スペースもあるので
  
外を見ながらコラボメニューの「スタールビー・パフェ」をいただく。リンゴや苺の入ったこのパフェ、なかなかおいしかった。

最後は入り口脇のショップを覗くとここがかなり面白くて
 
トイレットペーパーや、なぜか「藤岡、珈琲」なんてものまである。
元祖ライダーの藤岡さん、よほどコーヒー通なんだろうか。

しかし009ファンの自分はこちらをお土産に。
 
レアな萩尾望都とのコラボ・クリアファイルはもちろんお宝!

萬画館を出たら川の向かい側に建つ「いしのまき元気いちば」を覗いてみると
 
たくさんの魚や笹かまぼこの他に、変わったフレーバーのアイスクリームがいっぱい。
しかしさすがにほやアイスとかには食指が動かない。

日もとっぷりと暮れたので、夕食はホテルのすぐお向かいにあるお寿司屋さんへ。
 すし寳来 
旬のおまかせにぎりをお願いすると
 まずは鯨が出てきて、赤身と珍しい舌、どちらもうまし。
  
 
にぎりは白身のいしなぎ、めかじきが珍しく、旬の白子や牡蠣がおいし~。
しゃりがこぶりで、ツメを塗って出してくれるのがいい。

やっぱり石巻でお寿司は正解。


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18年初冬の東北 1 石巻

2018-12-24 19:14:54 | 国内旅行
ウィーンではもちろんブリューゲル展以外にも行ったのだが、その前に久しぶりに出かけた国内旅行のこと。

2018年11月30日から12月3日まで 宮城・福島の旅

毎度おなじみ、大人の休日倶楽部パスで友人と二人旅。
まずは東北新幹線で仙台まで、あっという間。
 仙台からは仙石線で石巻まで、1時間半。

石巻の駅に降り立つと早速石ノ森先生がキャラクターと迎えてくれて
  
 
構内はコインロッカーにまで石ノ森キャラクターがいっぱい。
 駅舎の正面もこの通り。

子供の頃、一番好きだったアニメが「サイボーグ009」。漫画ももちろん全巻読んでいるので、石巻には一度来てみたかった。
そこでこの駅前からマンガロードと呼ばれる通りを歩いてみれば、サイボーグ戦士が勢揃い。
  
   
  
いまだに全員の本名まで言えちゃう。

  
仮面ライダーはさすがに年齢的にずれているのでなじみがないが
 
ロボコンや 佐武と市は知ってる。

この町では郵便ポストの上にも石ノ森キャラクターが乗っていて
   
 マンホールの蓋にまでロボコン、とファンには楽しい。
ただし無数に妖怪キャラクターのいる境港の鬼太郎ロードに比べるとちょっと寂しいかもしれない。

途中、復興まちづくり情報交流館というところをちょっと覗かせていただくと、この町の特に海側が津波で壊滅した様子を見せられて言葉もない。
しかし駅に近いエリアはまだ被害も少なかったようで
 こんな素敵な元陶器屋さんのビルがあったり
 
激渋の美容院があったり。

さて、石巻での宿は「コンビニAyers Rockホテル」
 

マンションを丸々ビジネスホテルに転用した宿だが、駅から徒歩5分、ツイン一部屋7500円なら文句なし。
それにしてもなんでエアーズロックなんだろうか。

ここに荷物を置いたら石巻といえば、のあそこへでかけよう。


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ブリューゲル展@ウィーン美術史博物館

2018-12-22 17:41:49 | 機内食・映画・美術展
今回のウィーン行き、きっかけは海外の美術展にもくわしい花耀亭さんのブログ
まったく知らなかったブリューゲルの大回顧展にいらしたと知って、これは自分も行かねばと急きょ航空券とホテルを手配した次第。

今回の展覧会はブリューゲル没後450年を記念して、その作品を一番多く持っているウィーンに全作品の4分の3を集めたというもの。
 空港の到着ロビーにも大きく出ている通り、「一生一度」の展覧会だ。

 
会場はもちろんマリア・テレジアが指差すウィーン美術史博物館。
 
通常の開館時間は10時だが、早めの9時半に行ってみると行列もなく、もう入館できる。
ブリューゲル展が人気なので9時からに開館を繰り上げ、それでも時間指定のチケットはすでにすべて売り切れと言う状態。
1ヶ月前に余裕で予約が取れたのも花耀亭さんの情報のおかげ、と改めて感謝。

 会場は2階の正面だが、予約時間は11時半なのでそれまでイタリア、スペイン絵画を見て時間をつぶす。
と言ってももちろん傑作ぞろいなので見ごたえ十分。2時間しっかりかかる。

そしていよいよ時間になったのでブリューゲル展入口へ。
  
 
ガラス扉を入ると大きな待合室になっていたが、指定時間の少し前から会場に入れてもらえた。

 入るとまずは素描がずらりと並んだ部屋。
褪色しやすい素描は通常は見られないし、しかも今回の展覧会では一部を除いて写真撮影可、となんとも太っ腹。
細かい絵なので見学の列はなかなか進まないが
  
 
ペンとインクで描かれた線からは本当に画家の指先が見えるよう!

 油彩の方はもちろんもっと人気で、皆さん熱心に鑑賞する。
感心するのは誰もがマイペースで、後ろにどれだけ人が並んでいても見たい人は見たいだけ見る。
日本なら「前に進んでください」とか係員が誘導するがここではそんなことはせず、後の人も場所が空くまで辛抱強く待つ。さすが大人の文化だ。

おかげで自分の番になれば細部までじっくり見られて、写真も撮り放題。
  
 
ブリューゲルが優れた風景画家であることを改めて感じたり
  
 
ボッシュの影響を確認したり。

ブリューゲルの絵は結構な数あちこちの博物館で既に見ていたが
 2枚の「バベルの塔」を並べて見られるなんて、まさに一生一度。

小さな猿の絵がどのように描かれたか、下地の塗り方から再現している展示も面白かったし
  
絵の中に登場する靴や道具類を並べた展示も楽しい。

見学の列がなかなか進まないこともあって会場を出るまで2時間半。
祭壇画が多くて作品の配置が立体的だったボッシュ展の方が見学者がばらけて見やすかったが、ブリューゲル展にも大満足。
来年1月13日までのこの展覧会、当日券もほんの少しあるらしいので興味ある方はチャレンジしてみては。

出口にはショップがあったが、グッズのデザインはイマイチで食指が動かず、カタログだけ購入。
 
しかし300ページもあるこの立派なカタログ、入場料20ユーロなのにお値段40ユーロ、重さが1.5キロもあるのだった。


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ウィーン行きアエロフロートの機内サービス

2018-12-20 20:22:14 | 機内食・映画・美術展
「今回は短かったですね」と皮肉まじりか仕事先に言われてしまったウィーンから、自分的には弾丸で無事帰国。

往復に使ったのは今年13社目のアエロフロート。

 
成田からの出発便、最終目的地がローマになっていてちょっとびっくり。
しかしほぼ満席のA330を埋めたお客さんの内、半分近くは日本人、その最終目的地はドイツやチェコが多かった様子。

 
2-4-2の座席配列は友人と二人連れには都合よく、コントローラーが横に付いたモニター画面が小さいのが残念だが座席間ピッチは普通。
昔は取りあいになると言われた毛布も暖かいのがちゃんと一人一枚づつあって、ペラペラでもスリッパまで付いているのは最近のエコノミーでは珍しい。
 
その間に挟まっていたアイマスクの片面は「起こさないでね」、もう片面は「ご飯食べます」になっているのはアイデア賞もの。

離陸してすぐに飲み物のサービスがあったが、残念ながらおつまみはなし。

続く機内食は「ビーフかシーフード」と言うので無難そうなビーフを選択。
 薄切り牛肉はやや堅いが味付けはよく、脇のかっぱ巻きやサラダも悪くない。

さて、約10時間の飛行時間、昼行便なのでいつもの通り映画を物色。
選択肢はかなり多いのだが、新作映画は少なくて見たいものもほとんどない。

そこで最近お気に入りの韓国人俳優、ユ・アイン君出演のこちらをまずは見ることに。
 Burning  バーニング
原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」だそうだが、人気のこの作家を実は一作も読んだことはない。
なんとなく合わなそうと思ってこれまで敬遠していたのだが、この映画が原作に忠実だとしたらやっぱり合いそうにない。
虚無的な若い男たちに不思議ちゃんの女の子、思わせぶりなセリフのわりに中身はたいしてなさそうで、ストーリーもひねりがなくて、ラストも2時間半がまんしてこれかい、という感じ。
演技達者なユ・アインをこんな使い方したのではもったいない。

1本目ははずしたが、こちらは軽そうなので2本目もまた韓国映画。
 The Princess and the Matchmaker ときめきプリンセス婚活記
朝鮮王朝時代、続く干ばつを止めるには陰陽のバランスを取るために行き遅れの王女を結婚させなければならない、と凄腕の占い師に婿の選択が託されるお話。

その王女役は「怪しい彼女」の女の子で、王女なのに婿候補が気になって町に出てしまう。
すると婿候補たちを演じるのがテレビドラマでおなじみの若手俳優たちなので、あれに出ていた子、この子は何に出ていたっけ、となかなか楽しい。

日本語タイトルほどおちゃらけたコメディではないが、気楽に見られてこれは良かった。

さらにもう一本。
 Earth アース
これは2007年製作のドキュメンタリーだが、北から南まで、地球の一日を様々な生き物で見せる映像はやはりすごい。
飛んでいるミツバチに水滴が当たってひっくり返る所なんて、一体どうやって撮ったのだろうか。

到着2時間半前には2食目の機内食。
 今度は「ビーフかチキン」で、ビーフを選んだら焼うどんだった。
アエロフロートも日本発の機内食は十分に食べられる。

モスクワからウィーンへはA320で3時間のフライト。
 
サンドイッチが一つ出るだけだが、しっかりしたパンにハムとチーズをはさんだこれが意外なほどおいしい。

帰路は機材がB737に変わった。
 
CAさんたちの制服が以前は鮮やかなオレンジだったのにいつのまにか紺色に変わったようで、帰路も全員紺。
しかしこれ、クラシックな帽子に白い手袋までして金髪美人には特によく似合い、昔風にスチュワーデスさんと呼びたくなる。

 帰路もまったく同じサンドイッチをおいしくいただいて、モスクワから東京行きA330へ乗り継ぎ。

 今度もスリッパとアイマスクをくれたが、今回は袋入り。
しかしなぜTokyoではなくBeijingなのだろうか。

今回の1食目は選択肢なく、全員がパスタ。
 かなり薄味のミートソースの味は悪くないが、カピカピになるパスタは機内食には向いていないのではないだろうか。左上の袋入りジャムケーキは激甘で半分で撃沈。

寝るにはまだちょっと早いので、今度は珍しいロシア映画を見てみようと新作の中から一本選んでみた。
 
英語タイトルは「The First」となっていたが、さすがにIMDbにもロシア映画の情報はなくて詳細はわからず。
18世紀の初め、ピョートル大帝の命を受けたベーリングの北方探検に関するお話で、ヤクーツクからレ二川を下ってロシア最北端の土地にロシアの領土であることを示す標識を立てるべく船が一隻出発する。
この船に女性が一人乗っていて、船長と結婚するこの女性が世界初の女性極地探検家なのだとか。

この映画がどれだけ史実に忠実なのかわからないが、船はまさかと思うほど小さく、18世紀のことなので当然装備はお粗末。
北極海には出るが氷で動けなくなり、船長も奥さんも、おそらくは他の乗員もすべて飢えと寒さ、脚気で死んでしまう。

わかりやすい映画ではあったし、凍りついたシベリア上空にはぴったりの映画でもあったが、見ているこちらまで凍りそうになった。

この後は眠ろうと目を閉じて、うとうとしかけたところで「朝食です」と機内が明るくなった。
時計を見るとモスクワ時間で午前2時、夕食を食べてからたった4時間、到着までまだ5時間もあるのでこれにはびっくり。
 お粥かクレープの選択だが、味はともかくこの時間ではさすがに食べられない。

せっかくの眠気を邪魔されてしまったので、ドキュメンタリーをもう一本。
 Cinema through the Eyes of Magnum
マグナムとはロバート・キャパが写真家の著作権と独立性を守るために仲間と立ち上げた写真家集団で、それがなぜ映画と関係するかと言うとキャパがイングリッド・バーグマンと恋仲になり、ハリウッドで彼女の写真を撮ったから。

その後もこのグループの写真家たちがモンローやジェームス・ディーン、ブラッド・ピットなどの写真を撮るのだが、彼らの撮る物は映画会社のPRではなく、もちろんパパラッチが撮るようなものともまったく違う。
被写体とどのような関係を築いて写真を撮ったのか、写真家自らが作品と共に登場して、これは面白かった。

というわけで無事に成田到着。

今回はどの飛行機も遅延などなく、乗り継ぎもスムーズ。
同行の友人はアエロフロートに難色を示したが、飛行時間の短さに乗り継ぎの良さ、なによりも値段の安さでこのルートを選択。
「アリタリアよりはましなはず」と説得したらその通りだった。


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ただいまウィーン滞在中

2018-12-15 05:23:54 | ヨーロッパ

今年の海外旅行はプーリアで終了予定だったのだが、ある方のブログ記事がきっかけで急遽ウィーンに来てしまった。

朝は8時近くならないと明るくならないし、夕方は4時には真っ暗。
気温は昼でもたぶん5℃以下だし、夜は0℃以下。

それでもクリスマス・マーケットには人があふれ、ハプスブルク家の遺産には圧倒される。

今日もしっかり防寒して外に出よう。
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プーリアあれこれ 2

2018-12-11 15:48:26 | ヨーロッパ
プーリアのコンビニ?

ルティリアーノ中心部の宿の近くに、Take Awayとか24hと書かれた看板が出ている店をいくつか見かけた。
  
ファーストフードかコンビニか、と中を覗いてみるとずらりと自動販売機が並ぶ無人店舗。

ビールも売っているので友人が買おうとするが、いくらやってもコインを受け付けない。
おばさん4人が機械の前でワヤワヤしていると、近くでだべっていた男の子の一人がなにやら言いながらカードをかざしてくれた。なるほど年齢確認のためのIDがないとアルコールは買えない仕組みになっているのか、と納得したが、助けてくれた子のもその友達のもだめで結局ビールは買えず。
男の子たちは高校生ぐらいに見えたが、ビールを買える年齢だったのだろうか。

 こちらの自販機ではお菓子と一緒にコンドームを販売中。こちらもなるほど。

さらにアルタムーラではこんな店を発見。
 
外も中もルパン3世だらけ。よほどオーナーがファンなんだろうねえ。


プーリアの人々

「あ、日本人だ」とすれ違う人に言われるぐらい東洋人の少ないプーリアだが、どこでも皆さん親切で、いやな思いなど一つもしなかった。

しかも大層ノリのいい人が多くて
  
八百屋のお姉さんも、気前よく試食させてくれたチーズ屋のお姉さんも輝く笑顔。
チーズ屋のお姉さんのインスタかフェースブックには我々の写真も載っているはず(笑)。

 これはバーリの街中にあった魚屋さん。
 
扱う魚の種類も鮮度もすばらしくて、ここでは貝類も生食するようだが、右の黒いのはなんだろう。

この魚屋のお兄さんたちがイケメン揃い。
  
 でもこのイカのお兄さんの笑顔が一番かな。

プーリア、また行きたい。


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プーリアあれこれ 1

2018-12-09 18:30:20 | ヨーロッパ
プーリアのジェラート

イタリアに来たら1日1ジェラート。

と言うわけでまずはマテーラで閉店間際のジェラート屋さんに飛び込み。
 
自分のオーダーは右だが、濃厚チョコレートの下のラムチェリー・アイスが馬鹿ウマ。2ユーロ。

ポリニャーノ・ア・マーレで案内されたジェラート屋はレトロなたたずまいの有名店だそうで
  
 
ポール・マッカートニーを始めたくさん飾られた来店客の写真の中で、個人的なツボはマカロニ・ウェスタンで有名なリー・バン・クリフ。
 彼もこのかわいい器でジェラートを食べたのだろうか。2.3ユーロ。

続いて訪れたレッチェではしごしたのはこれもこの町の有名店だと言うNatale。
 
思いがけず大きくて明るい店内はジェラートを求めるお客さんでいっぱい。
 ここはチェリーの下のオレンジチョコがしっかりオレンジの香りでさすがのおいしさ。2ユーロ。

 バーリにも当然ジェラート屋はいっぱいあって、これはアパートのすぐそばの夜中まで開いていたお店で。2ユーロ。

もう一軒はネットで評判の良かったこちら。いかにも職人っぽいひげのお兄さんがいい感じ。
  
 メロン・ジェラートがまさにメロンそのままの味で1.8ユーロ。
後から入って来た子供たちはこの上にてんこ盛りに生クリームを載せてもらっていたが、日本人としては無理。

ジェラートの締めはローマの空港で。
 高級チョコレート屋Venchiはさすがに濃厚でおいしいが、プーリア価格に慣れてしまったので3.7ユーロもしたのにはびっくりした。


プーリアの戦利品

連日ジェラートを食べていれば体重増加も当たり前。
と言いつつ、戦利品もグロッタリエの陶器以外は当然食べ物ばかり。

ルティリアーノのグルメショップではガルガーノ半島産の蜂蜜とドライトマト。
 
アグリツーリズモでは自家製のモスタルダをゲット。

 
アルタムーラやモノ―ポリのローカル店では日持ちのするチーズを購入。

チョコレートはアンドリアのチョコレート博物館でも買ったが
 こちらはやはりプーリアで有名だと言うMaglioのチョコレート。
レッチェやバーリにお店があり、バラ売りされている色とりどりの小粒チョコレートはそれぞれフレーバーが違ってどれもとてもおいしい。

Quartaはレッチェの有名コーヒー店だそうだが地元ではお店が見つからず、バーリ空港で見つけて購入。
 
あとはスーパーでオレキエッテや小粒のヒヨコ豆など買ったら、アルタムーラの巨大なパンもあるので荷物がすごく重くなってしまった。


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プーリアの旅 17 バーリ~帰国

2018-12-07 17:44:17 | ヨーロッパ
10月20日 続き

モノ―ポリから戻り、最後の夕食はバーリ市内で。

 
バーリの新市街には大きなバーリ大学の建物がいくつもあって、その周辺にはしゃれたカフェやレストランがある。

アパートの掲示板のおすすめピザ屋が大学の近くにあったので、夜8時頃に行ってみた。
するとテーブルのほとんどはまだ空いているのに、すべて予約済みとのことで入れず。
ちょうどお向かいにもピザ屋があったので、見た目はパッとしないがそこに入ってみることにした。
 
扉を開けると愛想のいいおじさんたちが入ってすぐの丸テーブルに案内してくれて、無事に席を確保。
しかし他のテーブルは大きなグループに予約されていたらしく、後から続々と地元の身なりのいいお客さんたちがやって来たので危ない所だった。

席に着くと英語をしゃべるおじさんがやって来て、「前菜は肉がいいか、魚がいいか。ピザはマルガリータだな」とここはメニューはないのか、値段もわからないままもうおまかせ。

するとてんこ盛りの生ハムにタコサラダ、すっかり気に入った生オリーブの素揚げに
  
 
そら豆のピューレと青菜、豆の煮物とプーリアらしい料理が次々と出てくる。
どれもシンプルで素材の味が楽しめ、豆の煮物はイエメンやモロッコで食べたものにそっくり。

「チーズも食べるか」と聞かれたがもう食べすぎる。
しかし他のテーブルには必ずリコッタかモッツァレラのようなチーズが乗っていて、フランスでは食後に出るチーズがここでは前菜に出るのが面白い。

そして登場したピザ。
 やっぱりこれを食べずには帰れない。

 
食後のサービスにリモンチェロを運んできてくれたおじさん、普段はスコットランド在住なのだがちょうど里帰り中で手伝っているとのこと。
お代はワイン1本を入れて3人で90ユーロと思ったよりお高かったのはここが実は結構高級なリストランテだったからのようだが、プーリア名物をいろいろ楽しめて、おじさんにおまかせしてよかった。


10月21日

 駅前のバールで簡単な朝食を食べたら、約束の9時にアパートのオーナーが来てくれて、タクシーを呼んでもらって空港へ。

空港へは25分、25ユーロの定額で明朗会計。
 
バーリの空港は明るくてきれい。
 
中にも充実した食材屋さんやカフェテリアがあるところ、さすが食自慢のプーリアだ。

バーリから乗り継ぎのローマの空港では3時間あったので
 
バーカウンターでお名残惜しく最後のブッラータ。

まだ時間があるのでラウンジに行ってみると、お向かいにはなんと味千ラーメンが。
 
一番安いラーメンが13ユーロ(約1700円!)もするが、結構欧米人が入ってにぎわっている。

こちらはプライオリティ・パスでは入れるプラザ・プレミアム・ラウンジ。
  
 
ここも食べ物が豊富で、さすがイタリア。
しかしもうお腹はいっぱい。

アリタリア機内を除いては食に大満足のプーリアの旅だった。


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コメント
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