Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

21年末関西再訪 4 旧奈良監獄

2022-01-30 16:15:28 | 国内旅行

12月16日 続き

円成寺から奈良市内へ戻り、東大寺大仏殿の屋根が見えたあたり、般若寺というバス停で下車。

大通りから住宅地の方へ入って行くといささかやばそうなおうちが並んでいてびびるが
 
さらに行くと長いレンガ壁が見えてくる。

しばらくは中の建物も見えなくて本当にここでいいのかと心細くなった頃、
 
おお、これはかっこいい、立派なレンガ造りの門が現れた。
 
これまたかっこいい鋳鉄ゲートの脇には「奈良少年刑務所」の文字が見えるがその役目は平成29年で終わり、この門の斜め向かいには現在の少年鑑別所がある。

なぜわざわざここに来たかと言うと、この建物を改装してホテルにすることが決まっているから。
しかも星野リゾートが手掛けるという話題の物件。

鉄門の隙間から中を覗いてみれば
 正面に見えるのはまるでヨーロッパのシャトーのような建物。
こちらは1908年に監獄近代化・西洋化のモデルとして作られたものだとか。
 脇に鉄格子のはまった窓がちらりと見えて、あとはこの後方に放射線状に収容棟が並んでいるらしい。

さてこの刑務所がどのようなホテルになるのか、すべてシングルルームで扉越しのルームサービスじゃないかとか、床に扉があって開くんじゃないかとか、妄想が膨らむ、膨らむ。
完成した暁にはぜひ泊りに来よう、とtrinさんと約束したが、星野さんは1泊5万円以上の高級ホテルにするつもりらしい。
開業は2024年予定とか。

バス停に戻ろうと来た道を戻ると、別のレンガ造りの建物が目に付いた。
 
何かやばいものの焼却炉かと思ったが、これは水道の計量器室だそうでちょっと安心(?)

また東大寺に戻り
 
おでん一皿ではさすがに足りなかったので通りかかった甘味処でわらび餅をいただくとこれがおいしかった。

東大寺の門前には夕方には人がいっぱいで、修学旅行生も戻ってきた様子。
 
ミュージアムで今朝見た執金剛像の模作の大きさに感心していると「こんなに大きいなんて、びっくりですよね」と隣のお兄さんも興奮して、声が大きいと係員に怒られてた。

さらにせっかくだからとお向かいの奈良国立博物館へ。
 奥の方に見える和風の建物は仏教美術資料研究センター。
その手前のガラス張りの施設は文化財保存修理所で、この時期ちょうど特別公開があったので申し込んでみたのだが60人しか入れないとのことであえなく落選。申し込みはどれほどあったのか、いつかは入ってみたい。

閉館時間まで30分ほどだったが大好きな仏像館に入場。
 巨大な金峯山の金剛力士像だけは撮影可。
仏像はお寺で見るより現代建築に入れるといかに大きいかがよくわかる。

仏像館の一番奥にはこんな所があったのか、という青銅器館があって、
 これは坂本五郎さんと言う個人コレクションが寄贈されたものだそう。
 
古代青銅器は地味だけれどよく見るとユーモアもあって面白い。

静かな奈良の夜の締めくくりは駅近くの王将で渋く
 
Trin様の大事なおビールに餃子、レバニラ炒め。

大充実の奈良の一日だった。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年末関西再訪 3 東大寺法華堂と円成寺

2022-01-29 16:51:40 | 国内旅行

12月16日

この日は仏友(と呼ばせていただこう)trintrin さんと朝のホテルロビーで合流。
 
昨晩も見た興福寺の五重塔や南円堂など愛でつつ東大寺へ。

まだ観光客の姿も少ない参道では鹿がお店の中に首突っ込んでいたけど
 
大仏殿は池に映る姿だけ拝見して素通り。

今回の遠征の第一目的はこちらの法華堂。
  
と言うのも12月16日は年に一日だけの特別開帳があるとtrinさんに教えていただいたからで
 9時過ぎに到着するとすでにこの行列。

それでもまだ開門したばかりなのでそれほど待つこともなく堂内に入れ、不空羂索観音様とお取り巻きの皆様をじっくりと拝ませていただく。
特別開帳は観音様の背後の執金剛神ということで堂内でまた行列したけれど、普段は見えない多聞天の横顔がイケメンと発見したり、trinさんと床下覗いたりして退屈する間もなく執金剛の御前へ。

厨子に入った執金剛は他の皆さんとは背中を接して反対方向を向いていて、他が3m越えの巨体に比べてとても小さく見える。が実は170㎝もあるのはこの後東大寺ミュージアムで模作を間近で拝見して確認。
20人ほどづつ、5分の見学で交代しなければならなかったが、いまだ残る色彩や模様もしっかり見られて大満足。

法華堂からはすぐ隣の二月堂へ上ると
 
手水舎の天井に方位盤があって、二月堂や大仏殿の方位が確認できるとtrin様解説。
  

ここからの眺めはいつ見ても素晴らしくて、足元にはこれも本日だけの特別開帳、東大寺初代別当良弁僧正のお姿を見ようと並ぶ人々の姿も見える。

しかし我々は良弁僧正にお目にかかることなく、
 
以前お宝を拝見した正倉院へ。ここは宮内庁管轄ということで門前の警備員まで違って見えるけれど
 
門の前には土産物テントがあって、「ここにある物はここだけのオリジナルだよ」と売り子のおじさんたちが言うので思わずお買い物。
皇室カレンダーもぶら下がっているのでパラパラめくっていたら、「これは今年限りのレアもんだよ」。あ、なるほど、真子ちゃんが入ってる。

正倉院から坂を下って行くとなにやら気になる建物が見えた。
 
よく見ると小さなカフェの印が見えたので入ってみるとカフェは残念ながらお休み。しかし隣の事務室っぽい建物内に人の姿が見えるので入らせていただくと
 
地元産の靴下を展示中の店内はおしゃれ。聞けば「工場跡」というこちら、大正時代に建てられた乳酸飲料の工場だったとか。カフェもおしゃれそうだし、次回はぜひ寄らせていただきたい所。

この後はtrinさんが行ってみたいお寺があるというので、バスに乗っておでかけ。
するとすぐに周りは田んぼになり、やがて家もほとんど見えない山の中へ。
うわー、どこに行っちゃうんだろう、と思いつつ30分で目的地、忍辱山で下車。
 
目指すお寺はバス停からすぐの所にあって、他にもお参りの男性がいた。


入ってみると大きな池のある庭園も美しく
 立派な楼門のあるこちらは円成寺。

Trinさんがこのお寺を目指した理由は運慶作の大日如来像があるため。
 
元は多宝塔にいらっしゃった大日、今は空調、耐震もばっちりであろうモダンな新居に移られているが
 運慶が20代に作ったという実質デビュー作、お顔にも若々しさがあってさすがの素晴らしさ。
写真はネットから。

 本堂にはご本尊の阿弥陀如来がいらっしゃるが、その周りの四本柱に極彩色の聖衆来迎図が描かれていてこれがもろにツボ。
 写真は絵葉書より
保存状態が悪くて25菩薩のすべては確認できないが、室町時代のものらしいこの来迎図、二次元壁画フェチにはたまらん。

これも国宝という春日堂・白山堂に手を合わせ
 
受付の親切なおばさまお勧めの池越しの風景も眺めて、ここはバスでやってくる価値があった。

しかしここを通るバスは一日に何本もない。次を逃すとえらいことになるが、ちょっと小腹もすいている。
 と、バス停の真ん前の酒屋の隣にはおでんの看板が見える。覗いてみると、中にいたおばさまが入っておいでと手招きするので勇気を出して入ってみると
 
まるでタイムスリップしたような店内で地元のおじちゃん、おばちゃんにお兄ちゃんが昼から酒飲んで談笑中。
すぐできるであろうおでんをばあちゃんにお願いすると、しみしみ大根に厚揚げ、さつま揚げが出てきた。
3品500円はビジター価格だったかもしれないが、おいしかったし、ちゃんとバスにも間に合った。

さすが奈良、ディープだわ。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年末関西再訪 2 「粟 ならまち店」

2022-01-27 16:12:39 | 国内旅行

12月15日続き

 
彦根からは京都へ、さらにみやこ路快速に乗り換えて奈良へ。
 奈良に到着する頃には日も暮れて
 今夜宿泊する駅前のホテル日航奈良のロビーにいるのは鹿ならぬトナカイだよね。

ホテルロビーでいつもの関西グルメ案内人と合流。
予約をしてくれた店に向かうが、初めて行く店だというのでグーグル先生を頼りに歩き出すと駅からすぐに静かな住宅地に入りこみ、こんな所にこんなディープな横丁が、と言うような所もあって面白い。

さて、今夜案内いただいたのは「粟 ならまち店」
 
 玄関を入ると珍しい野菜の乗った長いカウンターと厨房があり
  
2階席もあるようだが、案内されたのは奥の蔵の中にあるテーブル。

こちらのお店は大和伝統野菜が売りとのことで、今夜いただくのは「大和牛と野菜のコース」。
 
最初に出される籠盛りがきれいで、野菜もおいしいけれど奈良産大豆で作られたという豆腐がすごくおいしい。
 
メインは大和牛の陶板焼きなのだが、これも正直お肉よりも横に付いてきた野菜がおいしくて、特に下北春まなという菜っ葉。説明された時は「なぜ奈良なのに青森の下北?」と思ったら奈良の下北山村の菜っ葉なのだそうだ。
 食事のうどんは豆乳に白みそ入りのつけ汁でいただき
 デザートのカヌレの横にはちゃんと柿が付いている。

帰りがけにカウンター越しに言葉を交わした店主の感じもとても良くて、さすがグルメ案内人、初めての店でも外さない。

 帰路は猿沢池の脇を通ってライトアップされた興福寺の五重塔を眺めながら歩いたけれど、奈良の夜はちと静かすぎるほど静かだ。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年末関西再訪 1 彦根城

2022-01-26 16:55:09 | 国内旅行

10月末に行ったばかりだけれど、また魅力的なお誘いを受けて12月に関西へ行ってきた。

12月15日

関西まで出かけるとなれば「ついでに」どこかへ行かなければ元が取れない、と余計なことを考えるのはいつものこと。
今回は国宝5城のうち、残っていた彦根城に行くことに決めた。

 
と言うわけで新幹線の米原で乗り換えてやって来た彦根。さっそく井伊直政公とひこにゃんのお出迎えを受ける。

駅前からまっすぐ伸びる道を行くと突き当りに護国神社がある。
 
形ばかりお参りしたけれど、お目当ては駐車場わきにあるカフェ、「朴」。
  
 
女性が一人で切り回すかわいいカフェで、ピザトーストにフルーツヨーグルトが付くのがうれしい。

 
ではお城へ、と堀端の入り口に向かうと、カフェの前にもいた滋賀県名物(?)飛び出し坊やの井伊家赤備えバージョンが!

 
ゆるい坂を上がり、橋の下をくぐるとまず現れる天秤櫓。
 
中に入ることができて、端から端までかなりの大きさ。
説明によるとこの建物は長浜城の大手門を移築したものとか。
井伊家が関ケ原の後に建てた彦根城、秀吉の大津城や長浜城、石田三成の佐和山城の資材を使っているとはここに来るまで知らなかった。秀吉の城こそ見てみたかったが、大坂城も含めてオリジナルは何も残っていないのが残念。

太鼓門をくぐると天守閣が目の前に。
 
白壁に凝った造りだが、意外に小さい。

入り口を入るといきなりの急階段。
  
 
内部は狭間や武者溜、隠し部屋などの説明があり、天井の木組みも見えて楽しい。

 
最上階からはもちろん四方がよく見えて
 
わかりやすい写真説明のおかげでもう何も残っていないという佐和山や、琵琶湖に霞んで見える竹生島などを確認。

 すごい急階段を恐る恐る降りて外に出ると
 目の前に人だかりができて例の着ぐるみを取り囲んでいる。
  
ひこにゃんのお出ましは一日3回、ちょうど天守閣の前で出会えたとはラッキー。
物は言わないひこにゃん、お姉さんがいろいろ説明していたけれど、このMCが残念ながらもう一つ。

そこで早々に囲みを離れて着見櫓跡に行ってみると、ここからの眺めが見事。
 
 天守閣の装飾もこの角度の方がよく見える。

天守閣から奥へ行くと名残の紅葉がきれいな広い西の丸があって
  
 
この端にある三重櫓にも入れるが、ここまで来ると訪れる人もほとんどいなくて静か。

 
階段を降りて堀端を戻ると玄宮園という庭園に出る。
 奥に見える建物は楽々園という下屋敷。
桜田門外で暗殺された井伊直弼はここで生まれたのだそうだ。

 
 冬枯れでもきれいな庭園の池に映る天守閣を眺めたら彦根城見学は終了。

 県立高校の周りを囲む石垣沿いに歩いて堀を渡ると
 
その先は「夢京橋キャッスルロード」なる商店街になっている。
土産物屋や飲食店が多いが、銀行までそれらしい造りになっていてがんばっている。
 もちろんひこにゃんだらけだけれど
 自動販売機に鮒ずしまで入っているのには驚いた。

彦根城、3時間で十分楽しめた。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年初冬の大人旅 8 出湯温泉~新潟

2022-01-23 14:26:16 | 国内旅行

12月4日

温泉旅行中は早寝早起き、自然に目が覚めたので朝食前に一風呂、とまだ暗い6時15分、宿の隣の華報寺の共同浴場へ。
 6時から営業しているとのことなので入浴券を買おうとすと、「ごめんなさい、ポンプが故障しちゃって今だめなの。修理をお願いしているけど何時になるか」と受付のおばさまの無情なお言葉。

仕方がない、と歩いて3分、バス停に近いもう一つの出湯温泉共同浴場へ。
  
平成20年に建て直されたとのことでまだきれいな建物。
  写真はHPより
入浴料は250円、入ってみるともう地元のお母さんたちが5人来ている。
こちらのお湯も無色透明のくせのないお湯、湯口で40℃、浴槽内は38℃とかなりぬるいのでアウェー感に浸りながら早めに退散。

宿に戻っても朝食の時間まではまだあるので、続けて男女入れ替わった宿のお風呂へ。
 
するとこちらは床から壁からすべてヒノキのお風呂。タイルの浴槽より少し小さくて、その分お湯が熱くて鮮度もいい感じ。

 
朝食もオーソドックスだけれど、フルーツとコーヒー付きなのがうれしい。

バスが10時と遅いので、またちょっと外へお散歩。
 華報寺は空海が開いたとされるほど歴史のあるお寺だそうだが、今は曹洞宗のお寺。
 
これも宿のすぐ隣にある「出湯温泉パン工房」は温泉水100%で作っているとのこと。くるみやフルーツの入ったパンを買ってみたが、自分の好みからはちょっと柔らかすぎるかな。

時間になったので宿のご夫婦に送られてチェックアウト。こちらの宿は全体に品があるのがいい。

バスで駅に向かうと白鳥たちはもう田んぼに出勤済みで、瓢湖には一羽も残っていない。
  
 駅にあった表示によると前日で4000羽以上来ていたとか。
ちなみに参加しなかったが、宿では温泉郷主催の無料早朝白鳥ツアーを案内された。11月、12月の2か月間実施しているそうだ。

水原からは羽越本線で新発田へ。
 
乗り換えで時間があったので飲んだヤスダヨーグルトはこの近所で作られている。

白新線に乗り換え、36分で新潟に到着。
 
現在新潟駅は絶賛工事中で、駅中も駅前も動線がわかりづらく、コインロッカーも少ない。

仕方がないので重い荷物を持ったまま目的地まで15分以上歩いた。
その目的地とは「ロシアチョコレートの店マツヤ」
 
しばらく前にネットで偶然見つけ、機会があれば寄ってみようと思っていたのだ。

珍しいロシアチョコは昭和の初めにこの店の初代がロシア人から製法を教わったものとか。
なかなか大きな店の店舗部分は小さく、奥は製造所になっている。
と言うわけ12種類入ったアソートをお買い上げ。
 かなり甘目だけれど、ゼリーが入ったものがなんだか懐かしい感じがして気に入る。
ロシア語が入ったカラフルな包み紙も雰囲気で、ああロシア、行きたいなあ。

お昼は駅でお寿司でも食べようかと思っていたがお腹もすかないので
  
 
なかなかおしゃれで品揃え豊富な土産物屋を物色して
 鮭ほぐし弁当を夕食用に購入して新幹線で一路東京へ。

「日本秘湯を守る会」の宿3連チャンで、スタンプがたまる、たまる。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年初冬の大人旅 7 出湯温泉「清廣館」

2022-01-21 15:11:17 | 国内旅行

12月3日 続き

 新津からは羽越本線に乗車。
周りはすぐに田んぼが広がるが、刈り入れが終わった所に白いぽつぽつがいっぱい。
 
首が長くて、どうやら白鳥のようだ。

12分の乗車で水原(すいばら)に到着。
  
 15分待ってコミュニティバスに乗車。
バスの横腹にもイラストがある通り、ここは冬にシベリアから渡来する白鳥が売りの一つらしい。

出発してしばらく行った所にある瓢湖がその観光の目玉なのだけれど、車窓からちらりと見えた限りでは白鳥より鴨が多いよう。
 
後で宿の人に聞くと白鳥が湖にいるのは朝と夜だけ、昼間は田んぼで餌をあさっているとのことで、列車の窓からたくさん見えた理由を納得。

20分で出湯温泉に到着。こことこの先の村杉温泉、今板温泉を合わせて五頭温泉郷と呼ばれる。
 
バス停から伸びる道沿いに3軒ほど旅館が並び、道の先にお寺の大きな屋根が見える。

このお寺の隣にあるのが今夜お世話になる「清廣館」さん。
 
この堂々たる建物は昭和3年に建てられたもので登録有形文化財。最近とみにこの「有形文化財」に弱くて、昨晩の「仙峡閣」に続いて連泊。
 ロビーはすっきりとモダンに整えられていて、若いマダムに迎えられてチェックイン。

案内されたのは2階の、本日もまた角部屋。部屋ごとに造りが違うということで使われた木材の説明があり
  
  
天井が高いので6畳でも狭く感じない。部屋の片隅の折れ戸の先は洗面付きのトイレで、部屋にこれがあるのはこの宿で一部屋だけなのでラッキー。

窓からは隣のお寺やお向かいの旅館がよく見える。

おまんじゅうで一息入れたら早速こちらのお風呂へ。
  
ちょっと複雑な館内の一番奥の階段を降りて行く。
 2つの内湯は夜中に男女が入れ替わる。
 
人が入っていない時には一面に蓋がされていて、これをはずすと底も豆タイルに覆われた浴槽が現れる。
足元湧出でかけ流されたお湯はラジウム泉だそうだが無色透明で癖なし。
 蓋のおかげで40℃の適温に保たれ、階上の部屋の子供たちが暴れて時々天井から水滴が落ちてくる以外は快適。

夕食時に食事処に行ってみると、この日は3人の子連れ家族1組の他に夫婦3組、一人旅2人。
コロナ対策で部屋の稼働率を半分にしているそうだが、最初に予約の電話をした時は希望の日は他にお客がいないからと日をずらすように依頼され、おそらくこれでキャパ一杯。
家族経営で経費を節約するためにはこういうやり方もありだな、とこのご時世だし、宿の人たちの感じがいいだけに決して悪い感じはしない。

夕食は見た目に華やかさはないけれど、お造りなど新鮮でおいしく
  
  
 自慢のコシヒカリのご飯やデザートまでしっかりいただいた。

 夜見る有形文化財は一段とかっこいい。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「体感!日本の伝統芸能」@東京国立博物館

2022-01-15 17:31:21 | 機内食・映画・美術展

寒いけれどピーカン晴れの一日、Trintrinさんとトーハク始め。

本日はおなじみ平成館ではなく、明治42年、時の皇太子のご成婚記念に建てられたという表慶館へ。
 
 
おととしの3月に予定されながらコロナで中止の憂き目にあった「日本の伝統芸能」展を歌舞伎好きのTrintrinさんの解説付きで楽しもうというわけ。

 会場に入って最初はその歌舞伎。
 
舞台に上がって石川五右衛門を拝んでみたり、舞台裏の効果音のための小道具を見たり、のっけから楽しい。

 
激しい舞台では一興業でだめになるらしい、なんて話を聞きながら見る衣装は松竹衣装さんからの出品。
五輪の開会式で海老蔵が演じた「暫」の衣装は見るからに重そう。あの開会式の演出は気の毒になるほどひどかったけど。

2階に上がると次は文楽。
  
3人で人形を操る、その右手と頭の担当者を主遣いと呼ぶそうだが、この人の履物が面白い。想像以上にバラバラな人形の構造も面白くて、これを3人で操るとは。
 

次は能楽の部屋で、こちらは先日友人の舞台を見たばかりなので興味津々。
 
能面を裏から覗けるところもあったので試してみると、こんな視界で舞っていたのか、と改めて感心。

1階に降りるとこれはなじみのない沖縄の組踊の舞台。
 
琉球王朝時代、中国からの使者をもてなすための踊りだったそうだが
 現代の物とは言え紅型の衣装が美しい!

そして最後は雅楽の部屋。
 こちらもとんとご縁がないのだけれど
 
歌舞伎、能楽と順に豪華になる中、こちらはさらに豪華で、出品者はなんと宮内庁。
 
実際に現在使用されている衣装だそうだが、メッシュの靴が履き良さそうで、どこかの靴屋で夏用に売ってくれないだろうか。

  
フォトジェニックな表慶館も堪能できて、この展示は楽しかった。担当者さんもリベンジできてさぞ嬉しかろう。

「伝統芸能展」は1時間半ほどで見終わったので、ついでに本館へもお参り。
 
玄関の両脇にも、正面の階段の上にもお正月らしい大きな生け花。

 そして2階では「博物館に初もうで」なる特集展示がされていて、テーマはもちろん寅だけれど
  
 
一番気に入ったのは景徳鎮の皿に描かれた猫のような虎。

すぐ隣が大好きな高円宮の根付コレクションの部屋だったのでこれも覗いてみると、期待通り、今まで見たことのないものばかり。
もちろん寅もいるけれど
  
 
チェシアキャットの根付とか、かわいすぎる!このコレクション、いったいいくつあるのだろうか。

さらに国宝室で等伯の松林図。
  
  
彫刻室で美しい観音様を360°拝ませていただいて、Trintrin様ともども大満足。

今年創立150周年を迎えるというトーハク、特別展にも力入りそうだし、さて今年の年パスはどうしようかなぁ。

 最後は外国人観光客はいなくてもすっかり「インターナショナル」になったアメ横で
  魯肉飯と仙草を食べて解散。

Trintrinさん、また一緒に遊んでね。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年初冬の大人旅 6 芦ノ牧温泉~新津

2022-01-12 16:13:16 | 国内旅行

12月3日

感じのいい宿の方たちに送られて再びやって来た会津鉄道の芦ノ牧温泉駅。

実はここは猫駅長を売りにしている駅なので周り中猫だらけ。
  
 
駅の隣に小さな鳥居があるので覗いてみると、会津鉄道神社の壁も猫の写真でいっぱい。

駅舎の中に入るとさらにすごくて
  
 
猫グッズが所狭しと並んでいる。

が肝心の猫駅長の姿が見えないので聞いてみると、「いますよ~」と切符売り場の奥からケージを引っ張り出してくれた。
しかし面会はビニールシート越し、写真撮影も不可とのことでお姿を拝見するだけ。
なんでも前駅長がフラッシュをたかれて目を傷めてしまったのでこのようになったとのこと。
 
2匹が交代で出勤していて、この日いたのはアテンダントのさくらちゃん。
イベント列車が発着する時には駅頭にお出ましになるらしい。
 靴下を購入して経営が厳しいらしい会津鉄道にちょっと貢献。

  
 
この辺りの特産品、身しらず柿の畑や立派な屋根の民家を見ながら駅景色の中を三度会津若松駅へ。

会津若松駅からは昨日も乗った磐越西線の快速「あがの」に乗り、今度は喜多方も過ぎて新潟方面へ。
 
会津若松を過ぎれば雪もなくなり、阿賀野川沿いを走るうちに日も照って来た。
しかしこの列車、快速と言いながらほとんど各駅停車で歩みはゆっくり。

会津若松の出発は15分遅れたけれど、新津には2時間で定刻に到着。
 
不勉強にして知らなかったが新津は新潟県下越地方の鉄道の要衝だそうで、立派な駅には大きなステンドグラスがある。

町も「鉄道の町」と称していて、新津鉄道商店街はいたるところに鉄道が。
  
 
ただし残念ながらシャッターが下りた店が多いのは列車の絵をみせるためではないだろう。

この商店街を過ぎ、静かな住宅地を歩いて15分ほど。
 
ベルシティ新津というショッピングセンターがあったのでお昼を食べようと入店。
中は子供用の遊具コーナーなど昭和のにおいいっぱいで、手書きのメニューや川柳まで張り巡らされたカフェもタイムスリップしたかのよう。
  
 
しかし店内は地元のお母さんたちで大盛況、トーストセットをお願いしたら思いがけずスパゲッティが付いてきて、これも懐かしい味でおいしかった。

腹ごしらえを終えたらここで途中下車した本来の目的地へ。
 
ベルシティのすぐ隣、国道脇に小さな看板が出ている所を曲がると砂利を敷かれた空き地の向こうに建設現場の事務所のような建物が見える。
 これが目指す新津温泉。車でやって来たおじさんに続き、窓口のおばちゃんに400円を払って中へ。
 
赤じゅうたんの敷かれた長い廊下を歩き、曲がった所に女風呂の入り口。
 
簡素極まりない脱衣場に続く浴室もシャワー付きカランが2つあるだけだが、扉を開けるとわっと油臭が押し寄せる。
ワクワクしながら服を脱いでいると地元のお母さんが一人やってきたので仲良く中へ。

ナトリウム-塩化物・炭酸塩泉のお湯は湯口で40℃、浴槽で38℃で、お母さんに言わせるといつもよりぬるいとのこと。
わずかに濁っているのはちょっとお湯がなまっていたのだろうか、しかし強烈な油臭のお湯は肌にまとわりつくように柔らかくてニュルニュル、と言ってべたつくわけではなく、ちょっと今まで入ったことのないような浴感。
正直3分の1ぐらいはよくわからなかったが「この時間は空いているのでいい。地元の人は農作業の後に汗を流しに来る」とお母さんは言っていたと思う。
ものすごく気持ちよくてずっと入っていたかったが、「もう出ちゃうの?」とお母さんに言われながら上がったのは次の列車の時間があるから。

お風呂を出た後にマスクを付けると中はまた強烈に油のにおい(笑)、しかも口の周りをなめると塩辛い。
 この辺りは昔石油が出たそうで、だからマンホールの蓋にも「石油の里」とある。
夜まで油臭が抜けなかったが、ここは本当に途中下車してよかった。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年初冬の大人旅 5 芦ノ牧温泉「仙峡閣」

2022-01-10 11:59:13 | 国内旅行

12月2日続き

喜多方からはまた会津若松に戻り、
 列車待ちの間にアイスなど食べて
 
次は会津田島行きに乗車。この線、西若松まではJR只見線、そこから先は第三セクターの会津鉄道になる。
午後の時間帯のためか学生が多くて、出発する頃には結構いっぱいになった。

23分で目的地、芦ノ牧温泉駅に到着。
駅前には宿のお迎えが待っていてくれて、宿までは車で15分。
大川の深い渓谷にかかる橋を渡ると大型旅館が並ぶ温泉街が見えるが、車はそこから離れて狭い道に入り、急坂を降りて玄関に着く。
 
「仙峡閣」の建物は福島市の板倉神社にあった武徳殿という明治期の道場を移築したものだそうで、横から見ると崖の上に建てられているのがよくわかる。
 
立派な玄関を入ると入り口扉の外の上がり框から畳が敷かれているのが珍しく、ここで靴を脱いで建物に入る。

 フロントで受付をして
 
すぐに案内されたのは3.5畳+8畳のまたも角部屋。部屋もとてもきれいだけれど
 
うっすらと雪をまとった渓谷の景色が素晴らしく、丸窓からはちょっと離れた温泉街が見える。

 お着き菓子で一息入れて、建物の外観を見ようと玄関の外に出ると
 
かわいいお猫様が登場。寒いからかすぐに脚に体を擦り付けてきて、膝の上にまで乗ってくる人懐っこさ。
てっきりこの宿の飼い猫かと思ったら近所で世話されている野良だとか。

体が冷えた所でお風呂へ。
 
まず入った女湯の内湯は手前は浅いが奥に少しだけ深い所があって、ここは立つと胸のあたりまでお湯が来る。
この下からカルシウム・ナトリウム・硫酸塩・塩化物温泉がかけ流されていて、癖のないお湯は40℃の適温。
ここで体を温めて外の露天に出ると
 
こちらはまわりを風よけのビニールで囲われていても38℃ほどとちと寒い。が暗くなると温泉街の明かりが見えるのがいい感じだ。

食事はフロントの先にある食事処で。
 周りはしっかり間仕切りされて個室状態。
  
 
鰊山椒煮や馬肉味噌、身しらず柿の白和えなど会津らしい料理は前日の家庭料理風に比べて洗練された料理人の味。
デザートのリンゴのコンポートまでおいしくいただいて満腹。

と食事処を出ると、隣で食事をしていた夫婦の奥さんがお酒の追加をしようと出てきたところに鉢合わせ。
顔を見るとなんと、中学校時代の親友ではないか!
さっきから声は聞こえていたし、実はお風呂でも見かけていたのだが少しも気づかなかった。
今夜の宿泊客は我々2組だけ、地元では会わずにこんな所で会うとは、まったく世間は狭く悪いことはできないと実感(別にしないけど)。

寝る前には男女入れ替わったお風呂に行ってみると、こちらはもう一つの浴場よりだいぶ広く、真ん中に5メートルはありそうな楕円形の浴槽があってやはり片側が深くなっている。ここで立ち湯をするのが気持ちいい。
 
脱衣場のマッサージ機がレトロ!

翌朝もこのお風呂で友人とばったり、露天でしゃべり倒して
 
品数豊富な朝ごはんを食べたらこれから喜多方に酒を買いに行くと言う友人夫婦と別れた。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

21年初冬の大人旅 4 喜多方散策

2022-01-07 16:15:40 | 国内旅行

12月2日 続き

磐越西線の快速「あがの」で会津若松からわずか15分、やって来たのは喜多方。
 
駅の観光案内所で地図をもらい、すぐに街歩き開始。

 ここには全く雪がないのでほっと一安心。
しかし駅前の広い通りは普通のちょっと閑散とした地方の町と言う感じで、もっとこじんまりと古い家が並んでいるのかと思っていたので思惑外れ。

もらった地図を頼りに蔵が多くあるというレトロ横丁商店街へ。
 ここも入ってすぐはあまり蔵も見えないが、気づけばあちこちに何やら古い映画のポスターが見える。

洋画、邦画取り合わせ、あまり似ていない絵などもあって笑えるが、なるほどこれで「レトロ」か、と努力は認めよう。

 
ウィンドウからクリント・イーストウッドがにらんでいたのはお醤油さんの若喜商店。
 
お醤油屋さんではあるが脇に回ってみると奥はとても立派なレンガ造りの蔵になっている。
 
店の奥から蔵座敷の中を覗くことができて、周りにはちょっとした展示品もあるが、こちらは蔵を10も持っていたこの辺りの有力者らしい。
店のマダムが熱心にお醤油の説明などもしてくださるので
 ここは何か求めるのが礼儀というもの。

この先からしだいに蔵らしい蔵が増えてきて
 

そろそろ蔵も終わりかと言う所で一番立派な建物が見えてきた。

旧甲斐家蔵住宅は酒造、製糸業、醸造業などで財を築いた甲斐家が大正12年に建てた蔵屋敷。
  
 
現在は市が管理して公開しているが、耐震の問題で今は中に入れないのがかなり残念。
 
脇の木戸をくぐって中庭に入ることができ
 
こちらから覗くと一時は喫茶店になっていたという部屋が見えて、これはぜひ復活させていただきたいもの。
  
池の向こうの座敷も凝っていて、経費は今の価値では数億円かかったとか。

 ここから田付川を渡る頃には次第に青空が見えて暖かくなってきた。

川の東側にあるおたづき蔵通りの周りは伝統的建造物群保存地区ということでまた蔵が出現。
 

がこちらは酒造所などが多くて、落ち着いているというか、ちょっと地味な感じ。

 
店の角にあった元薬屋さんは中の広告が渋い。

  
たくさんの実を落とした花梨やら馬肉屋さん、面白い祠(?)など見ながら歩き回って
  
 
やはり蔵のある食事処でコーヒー休憩。
喜多方と言えばラーメンが人気で確かに街のあちらこちらに店があったけれど、宿の朝食のおかげでおなかが空かなかったのだ。

 喜多方の駅に戻るとたくさんの酒樽に「会津 日本一おいしいお酒の飲める郷宣言」とあった。
なるほど、しかし下戸には残念ながら縁がない。


 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする