Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

スコットランド紀行 18 シェトランド上陸

2024-07-21 13:35:02 | ヨーロッパ

5月28日

この日は朝4時起床、4時40分に予約してあったタクシーに乗り、5時にはエジンバラ空港へ。

早朝なのに空港内はたくさんの旅行者でごった返していて、そんな中ブラウニーとコーヒーを頼んだら
 これだけで£9.2(約1840円)って、どんだけぼったくり!

こんな早朝にやって来たのは6:50発のシェトランド行きの飛行機に乗るため。
以前にも書いた通り、自分は小説とTVの「シェトランド」のファンなので、スコットランドに行くことになった時、ぜひシェトランドまで足を延ばしたいと思った。
すると旅行の手配をしてくれていたシンガポール人の友人、「飛行機は£450だけど行く?」と連絡してきて、シェトランドに行くことしか考えていなかった自分、「もちろん行く!」と即答したが、冷静になって計算してみるとなんと9万円。こんなに高いのに同行に同意してくれた友人には感謝しかない。

 搭乗時間が近くなり、ゲートに行ってみると長い列ができているが、これは他の島へ飛ぶ人たち。
シェトランド行きの方の乗客たちはスーツやら会社のロゴ入りジャンパー着用の男性ばかりで明らかに商用の人たち。飛行機代が高いので、普通の観光客は一晩かかるフェリーを利用するのだ。

6:50発予定が7:20の搭乗となったのはスコットランド・ローカルの航空会社、ローガン・エアのATR42。
  
 
尾翼がタータン・チェック、CAの制服もタータンで、ヘッドカバーは座席ごとに違う柄のハリスツイード。
 
エジンバラ空港を離陸すると、これまたタータン柄のショートブレッドと飲み物のサービスがあった。

やがて緑の島が見えてきて、1時間25分でシェトランド本島の南端にあるサンバーグ空港に到着。
  
 カフェが一つあるだけの小さな空港だ。

空港からはまたレンタカーを借りて、まずはすぐ近くのサンバーグ・ヘッドと言う所を目指す。
 
駐車場からは湾の向こうに白い建物の飛行場が見える。

  
高い崖の上には灯台があって、周りの建物内も見学可能だが、この日はお休みで中に入れず。

しかしここからの景色は曇天でも素敵で
 
 
崖の下にはアザラシが寝ているのが見えるし、飛び回っているのは頭の黄色い Gannet (シロカツオドリ)。
 
海面近くの崖や海にたくさん浮かんでいるのは Guillemot (ウミガラス)。
 Oyster catcher (ミヤコドリ)の姿も見えるが、この場所での一番人気はカモメの巣がたくさんある中にいたPuffin (ニシツノメドリ)。
  
 
大きなくちばしや目が特徴的で、ころっとした姿がかわいい。島に到着早々に見られてとてもラッキー(とはこの後思い知らされる)。

バードウォッチングをしばらく楽しんだら、崖を降りてすぐ近くの Jarshof へ。
 
入口の建物内に解説があるが、ここは紀元前2500年から17世紀までの住居跡が発掘された場所。
  
場内には遊歩道が伸びていて、様々な時代の生活の跡が見学できるようになっている。
 
Broch と呼ばれる円形の石造りの建物は青銅器時代のもの。
 一番新しい17世紀の建物は上に上れるようになっているが、こういう遺跡は知識がないとなかなか興味がわきづらい。

サンバーグを離れて幹線道路を北上。
 
途中、小さな集落に降りてみるとちゃんとコミュニティーセンターがあって、ちょっとした土産物なども売っていたりする。

小さな湾を囲む緑は美しいが、木はほとんどない。


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スコットランド紀行 17 さらにグラスゴー

2024-07-08 16:47:19 | ヨーロッパ

5月27日

今朝もパブで朝食を摂り、荷物を預けて街歩き開始。

  
 
マーチャントシティーの建物の凝った装飾を見ながら歩いて
 
中でも一番凝りまくった建物、ジョージ・スクエアに面して建つ市役所へ。
この内部は平日の10時からのガイド付きツアーでのみ見学可能とのことなのでちょっと早めにやって来た。
ところが玄関を入ろうとして張り紙に気が付いた。「本日、Bank Holiday につき入館不可」。Oh, my god!

他にもやって来てがっかりしている人たちがいたが、開かないものはしかたがない。
気を取り直して予定変更、地下鉄でPartickという駅まで行き、10分ほど歩いてクライド川沿いに建つRiverside Museumへ。
 こちらは交通博物館。
  
 
なので馬車が引く市電やら汽車やら所狭しと並べられ、背の低いグラスゴーの地下鉄は1896年創業との展示もある。
 
オートバイや自動車の展示の仕方も面白くて、子供連れの見学者が多いが、昔を知る年寄りにもなかなか楽しい。

 
川辺に出ると帆船が係留されていて、この内部も見学可能。
 
1896年にグラスゴーで建造されたこの船は貨物船だったが、帆船が時代遅れになった後も練習船として使われたので現在まで生き残ったとか。船倉をカフェにしているのも気が利いていて
 船首からはクライド川沿いに新しい建物がいろいろ建っているのが見える。

ところでこの博物館まで来たのは実は展示品よりも建物を見るため。
 
こちらの設計者は日本ではボツになった新国立競技場のデザインで有名になったザハ・ハディッドさん。
ギザギザの屋根が特徴的だが、バクーのヘイエル・アリエフ・センターや、ソウルの東大門デザインプラザに比べるとおとなしい。

この後はグラスゴー市内でマッキントッシュ建築の落穂ひろい。

まずは Queen's Cross Church。
 マッキントッシュが設計した唯一の教会で内部のステンドグラスも見事、とのことだが、この日はやはり休日で見学不可、外から眺めるだけ。

ここから歩いてグラスゴー美術学校へ。この建物はマッキントッシュの最初期の設計で、なおかつ彼の代表作ともされているのだが、2014年に火事に会い、その再建工事中の2018年にまたもや発火してしまったという不幸な建物。
 現在もこのありさまで、隙間からわずかに見えた内部の状況からするとまだ10年ぐらいは再建工事にかかりそう。

市内中心部にあるのは The Lighthouse という建物。
  
これも初期の設計で、中にはマッキントッシュに関する情報センターがあり、タワー上部には展望台もあるとのことだったが、コロナ禍で閉鎖されていまだに再開しておらず、ここも入館不可。

もう1ヶ所、川向うに Scotland Street School というグラスゴーでは最後に設計された建物があるのだが、ここも現在リノベーション中で見学することができず。一度の訪問ですべて見ようとしてもなかなか難しい。

気を取り直して、最後は Mackintosh at the Willow へ。
  
2軒並んだ左側が展示室になっているので、£5を支払って中へ。
しかしここは正直言って入る価値なし、解説パネルが並んでいるだけで見るべきものが何もない。
 
ただし解説されている Miss Cranston はかなり面白い。親兄弟がホテルやお茶を扱う商売をしていたそうだが、新進気鋭のデザイナーを採用して女性でも入りやすいおしゃれなティールームを次々に開業、その一つがマッキントッシュにデザインを任せて1903年に開いた Willow Tea Room。

展示室は隣のティールームにつながっているので、客の入っていない2階から1階へ。
  
 
ここは50年も放置されていた元のティールームを1983年に再開し、さらに2016年に再修復したということでまわりじゅういかにもマッキントッシュというディテールでいっぱい。
 
ここでお約束のスコーンとお茶をいただいて、マッキントッシュ探訪もこれで終了。
見られなかった所もいくつかあるとはいえ、マッキントッシュを満喫できたグラスゴー、来て良かった。

往路はバスで来たが、帰りは鉄道にしようとクイーンズストリート駅へ。
  
事前にネットで買った切符は£16なのでバスよりだいぶお高い。スマホのQRコードを券売機にかざして紙の切符を印刷、自動改札を通る。

エジンバラまでは最速の列車で50分。
  
降り立った駅が大きくて立派で、乗降客の多さに圧倒される。

友人宅に戻るバス乗り場もすごい数のバスが次々に来る。
 
エジンバラに降り立って10日目にして、やっとエジンバラ城を見た。


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スコットランド紀行 16 バレル・コレクション

2024-07-07 12:23:17 | ヨーロッパ

5月26日 続き

マッキントッシュの家を出た時には雨もやみ、薄日が差したりもしてきたので次の目的地まではちょっと距離があるが歩くことにした。

大通りをしばらく歩くとポロック・カントリーパークという大きな公園に入る。
 濃い緑の中を遊歩道が続き
 
シャクナゲなど花もいっぱいでとても気持ちのいい散歩。

40分ほど歩いて目的の建物が見えてきた。
 
これがバレル・コレクションという美術館。グラスゴーの海運業で財を成したウィリアム・バレル卿の個人コレクションを展示している。

 
こちら、通常展は入場無料だが、ちょうど開催中のドガ展は時間指定の予約で£11。
まずはカフェでブラウニーとコーヒーで一息。

 
ガラス天井で明るい休憩スペースの一角、16世紀の入り口を通って展示室へ。

 入ると正面は一面ガラスで公園の緑が見え、その前に彫像が並ぶ。
  
中世の宗教彫刻が好みにどストライクなのだが
  
面白いのはその中に中国の陶器やらブロンズ、エジプトの石板まで混ざり合って展示されていること。
いかにも「気に入った美術品をみんな集めました」と言う感じが個人コレクションらしくていい。

 これに続く部屋はバレル卿の居城の一室を再現したもの。
 
所々に映像パネルがあって、俳優が演じるバレル卿や夫人、執事やメイドまでが自分たちのことを語る仕掛け。面白い。

コレクションは実に多岐にわたっていて
  
ヨーロッパ絵画はもちろん、家具やカーペット、イスラムや中国の陶器、
  レースや刺繍などの布工芸
 
ステンドグラスもいっぱい。
雑多なようだけれど収集には奥さんも重要な役割を果たしたという美意識には筋が通っているように見える。

やがて予約時間になったので、地階のドガ展へ。
 
バレル卿自身がドガの絵を20枚以上所有していたということで中心はこの美術館の収集品だが
   
 
大好きなパステル画がいっぱいあって、小規模な展示ではあったが見ごたえ十分。

 広いショップも充実していて、バレル・コレクションは個人コレクションとは思えない規模だった。この美術館とドガ展のことを教えてくれた友人に感謝。

それでは帰りましょう、と外を見ると本格的に雨が降っている。
広い公園は公道に出るまでに10分以上かかる。園内を無料シャトルバスが巡回しているというのでこれを待つと、20~30分ごとに来るはずが40分も待つことになってしまって、こういうのはいつ諦めるかが難しい(笑)。
公園の出口からはバスに乗って中央駅まで20分、£2。

宿までの途中でスーパーに寄って、今夜は部屋でサラダ・ディナー。
 これで£6、1200円と換算してしまうと高い。


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スコットランド紀行 15 House for an Art Lover

2024-07-05 16:33:14 | ヨーロッパ

5月26日

宿の朝食は1階のパブでいただく。
 
残念ながらフル・スコティッシュ・ブレックファーストではないけれど、たっぷりとフルーツが用意され、クロワッサンがちょっと驚くおいしさ。何よりかわいい男の子がおいしいコーヒーを淹れてくれるのがうれしい(笑)。

 
今日は残念ながら朝から雨。
傘をさして地下鉄駅を目指し
  
途中、アール・デコ様式だというプリンセス・スクエア・ショッピング・センターを覗いてみる。
中には入れたがお店はまだ営業準備中。いずれにしろ高級ブランドショップに用はない。

さらに少し行くとグラスゴー中央駅が見えてくる。
昨日見たクイーンズストリート駅がエジンバラなど主にスコットランド内の列車が発着するのに対して、こちらはイングランドからの列車が入ってくる所。
  
 
改札は自動ゲートになっているが、ガラス天井や売店がクラシックでいかにもターミナル駅らしい。

今日もまた地下鉄に乗って、今回はクライド川を渡った南側、Ibroxという駅で降りる。
Google先生と相談しながら15分ほど歩くとBellahouston Parkという公園に入り
 
芝生の中になぜか大きな象が見えたら、そのお向かいが目指す場所。

  
 
House for an Art Lover と名付けられたこの家はマッキントッシュが1901年にドイツでのコンペのためにデザインしたもの。ただし実際に建てられたことはなく、1996年になって残されたデザイン画や他の家を参考に再構築されたのがこの施設なのだ。

 
1階の入り口を入ると売店があり、その奥は広いカフェになっている。
この売店で入場料(割引で£7.5)を払って2階に上がる。

 
するとスタイリッシュな廊下が目の前に伸び、すぐ左手の部屋ではこの家に関する資料やビデオを見ることができる。自分は面倒なので使わなかったが、受付ではオーディオガイドも渡してくれて、日本語もあったような気がする。

この隣の部屋は小さなオーバル・ルーム。
  
名前の通り、楕円形をしたこの部屋は正式なディナーの後、女性たちが一息入れるための部屋。
 
なので壁も家具も白く、カーブが優しくて女性らしい。

この隣の部屋も真っ白だが、広いこちらはミュージック・ルーム。
 
片方の壁際に凝ったデザインのピアノがあり
 
反対側の壁の暖炉、部屋の外の暖炉のデザインもかわいい。

このミュージック・ルームの向かいは大きなホールになっていて、その先にあるのがダイニング・ルーム。
  
 
こちらは壁も家具も黒っぽくクールで 
  
 
しかし暖炉や、マーガレット夫人による天井下のフリースは甘い。

マッキントッシュ・スタイルによる再構築とはいえここでは照明器具や窓のデザインまで凝っていて
   
 あちらこちらにはめ込まれたステンドグラスまで素敵すぎる。

貸し切りでパーティーなどに使われることもあるというこの施設、期待以上の楽しさで、見学できてよかった!


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スコットランド紀行 14 マッキントッシュ・ハウス

2024-07-04 14:18:34 | ヨーロッパ

5月25日 続き

ケルビングローブ博物館を出たらケルビン川を渡ってグラスゴー大学の構内へ。
  
 1451年に設立されたというグラスゴー大学、現在の場所に移転したのが19世紀後半とのことで、広い構内には威厳たっぷりの校舎が並ぶ。

しばらく歩いてたどり着いたのは図書館の隣に建つハンテリアン美術館。
 
美術館本館は入場無料だが、付随するマッキントッシュ・ハウスは有料。どこでも65歳以上は割引になることが多くて、ここも£10 が£6に。証明書を求められることもない。

マッキントッシュ夫妻はこの場所からすぐ近くの家に8年ほど住んでいたそうで、その家は取り壊されてしまったがその内装を忠実に再現したのがこの施設。
  
入場口の解説を過ぎると玄関ホールがあり、左手に入るとダークな色調のダイニングルーム。
  
 
2階は明るい居間とスタジオになっていて、天井の照明がおしゃれ。
 
3階はやはり白基調のベッドルーム。
 
さらに別の家のベッドルームが再現され、オリジナルの家具もいっぱい。
100年以上前のデザインだが、直線的でありながらかわいいマッキントッシュのデザインは今でも古さを感じない。

家の見学を終えたら本館のギャラリーへ。
 
ワンフロアの小さな美術館だが落ち着いた赤い壁がシックで
 
マッキントッシュ夫人のフリースもあるし、シャルダンのお茶を飲む女性の絵の周りにティーカップが並んでいるのもかわいい。

しかしこの美術館の自慢はホイッスラーのコレクションで、油彩だけでも80枚も所有しているとか。
   
 縦長の肖像画のイメージが強いが、ちょっとターナーを思わせるこんな風景画もあって、この美術館もいい。

また地下鉄に乗って、一番の繁華街であるブキャナン・ストリートへ。
 
土曜日の午後とあって歩行者天国は人でいっぱい。
  
周りの建物は重厚感いっぱいで圧倒される。
 
古い建物が並ぶ中、ガラス張りで目立つのは鉄道のクイーンズストリート駅。

 その前にはスコットランドの著名人の銅像が並ぶジョージ・スクエア。
 
ひときわ高い所にいるのはウォルター・スコット。広場の向こうの立派な建物は市役所。

この広場の南東側はマーチャント・シティと呼ばれる地域。
  
 
18世紀以降、大英帝国の最盛期に商業倉庫やオフィスが作られたということで一段と立派な建物が並ぶが、今は再開発でお店や飲食店になっている。

この一角のパブがグラスゴーでの宿、Rab Ha's。
  
パブの脇の階段を上がると宿泊エリアのロビーになっていて
  
 
案内された部屋は2階。まあまあの広さがあるのは良かったが、衛星テレビが複雑すぎて地上波が見られず、シャワーがお湯になるのにものすごく時間がかかるのには参った。

この週末は3連休で、案内してくれたお兄さん曰く「今夜はサッカーの大きな試合があるからうるさいかも」って、だからホテルになかなか空きがなかったのか。

悪名高いイギリスのサッカーファン、アルコールを出すところはやばそうなので今夜は中東料理の店にしてみた。
 
家族連れやスカーフ姿の女性たちもいる中、お勧めの羊料理を頼むとすごいのが来てしまった。ピラフの山の上に大きなすね肉がドンと乗っているが、これがホロホロと骨から外れてすごくおいしい。
日本ではなかなか食べられない羊、外で見つければ思わず頼んでしまうが、さすがに食べきれなかったとはいえこれには大満足。スープ付き、お茶も頼んで£16。

早めに宿に戻ったが、意外に外の音は聞こえず、よく寝られた。


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スコットランド紀行 13 グラスゴーへ

2024-07-02 16:41:14 | ヨーロッパ

5月25日

今日から3日間は単独行動でグラスゴーへ。
ちょうどレンタカー事務所の真ん前にバス停があったので、車の返却をする時に降ろしてもらって無事に2階建てバスに乗ることができた。
 
事前にネットで予約して料金は£9.9。1本前に間に合ってしまったが、問題なく乗せてもらえた。
高速を飛ばして1時間10分。
 
到着したブキャナン・バス・ステーションは大きなターミナルだ。

 出ると周りはオフィスビルの並ぶエリア。
写真ではわからないがこの先は急な下り坂になっていて、下った先が旧市街。

到着したのが11時、宿に荷物を置かせてもらって早速第一の目的地へ移動開始。
歩いて10分弱のSt. Eunochの地下鉄駅へ。
 
グラスゴーの地下鉄は山手線のような環状線1本。内回りか外回りしかないので簡単至極。
1回乗車券は£1.8、一日乗車券が£4.3。
 
ホームに降りて列車が来ると「ちっちゃ!」
 
背が低くて男性はかがまないと入り口で頭をぶつける。乗り込んでも真ん中でないと背の高い人はまっすぐ立てないほど。車内は大江戸線より狭いが頻繁に来るので便利だ。

 
Kelvinhall駅で降りて少し歩くと目的のケルビングローブ博物館が見えた。

が、その前に腹ごしらえ、とすぐお向かいにある Mother India Cafe へ。
  
落ち着いた店内でまずは水を所望。スコットランドでは日本同様、どこでもただで水道水を持って来てくれるのでありがたい。
 カレーは本日のメニューから仔羊とリーク。
グラスゴーはカレー屋が多いことで有名で、中でもMother Indiaは老舗らしく、ここはその系列店。辛さもほどよく、チャパティ、ラッシーも頼んで£16。

 お腹を満たしたらいざ、博物館へ。
 
こちらは入場無料、入り口を入るといきなり豪華なロビーでちょうどパイプオルガンの演奏中。
しばらく拝聴させていただいたが、演奏会はともかく、博物館でパイプオルガンは初めてだ。

館内は博物館ウィングと美術館ウィングに分かれていて、まずは美術館サイドへ。
 
スコットランド人作家の絵が並ぶ中、19世紀末の日本ブームの作品も面白いが、突き当りにやっとお目当てが。

マッキントッシュとグラスゴー・スタイルの部屋。
  
  
チャールズ・レニー・マッキントッシュはグラスゴー出身の建築家。20世紀の初め、アール・ヌーボーの時代に活躍した人だが、アール・デコに近いデザインを昔ロンドンのV&A美術館で見て気に入り、だからその作品の多いグラスゴーにぜひ来たかったのだ。

この部屋の展示は家具が多いが、グラスゴー・スタイルの解説がくわしくて、マッキントッシュの建築を飾るフリースは奥さんのマーガレットが担当していたと初めて知る。
 
 
この奥さんとその妹もすごい才能の持ち主だったらしい。

マッキントッシュをじっくり勉強したら、後は広い博物館内をざっと。
  
 面白そうなものはなんでも集めてみました、という雑多さがいかにも古い博物館らしく
 
中でこの太陽系模型が面白いが、1833年にこれを作ったJohn Fultonは13歳で学校をやめた靴屋だったとか。

 しかしこれは、う~ん、よくわからん。


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スコットランド紀行 12 Applecross ~ Edinburgh

2024-06-30 12:00:05 | ヨーロッパ

5月24日 続き

Shieldaigを出てくねくねとした道を進んで行くと、ポツンと一軒だけある農家の前に卵が置かれていた。
 
見ると卵6つで3.5ポンド(約700円)とお高いが、後でスーパーで確認しても6つで2ポンドだった。

 峠を過ぎると海が見えてきて
 
遠浅の入り江の向こうにApplecrossの村が見えた。

海辺の村落に入る前にレストランの看板を見つけたのでまずはお昼。
  
 
同行者はホタテ、自分は鹿肉のストロガノフをいただいたが、久しぶりに料理らしい料理を食べた気分。

このレストランの周りは菜園や花壇になっていて
  

花壇にはスコットランドの国花であるアザミや、ブルーポピーまで咲いていてきれい。

お昼を食べている間にやっと青空が見えてきたのがうれしく
 
 海岸べりの家並みまで行ってみると
 
キッチンカーが出ていたので海を見ながらアイスクリーム。思えばここ数日、寒くてアイスを食べる気にもならなかった。

Applecrossを出たら海岸線を離れて585mの峠越え。
   
下って見えてくるのはLoch Kishorn。
 小さな入り江ながらここは深くて、石油プラットフォームの組み立てをここでしているのだそうだ。

これでスコットランド北端を回るルートは終了、西海岸から東のインヴァネスまで国道を突っ走る。

インヴァネスに入る直前で同行者が目ざとく「NC500最後の店」の看板を発見。
 
村の小さな雑貨屋だけれど、NC500のTシャツやらグッズを売っていてなかなか商売上手。

 この後はインヴァネスの街を遠くに見る橋を渡り、また雨が降って来てしまった中、高速道路を飛ばして
 Queensferry Crossingを渡ったら夜8時過ぎに無事エジンバラに帰還。

NC500に入ってからはいささか天気に恵まれなかったが、海沿いのドライブは楽しかった。
ちなみに我々の留守中、エジンバラは大雨だったとか。それほどは降られなかった我々はラッキーだったかも。


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スコットランド紀行 11 Ullapool ~ Shieldaig

2024-06-29 17:23:02 | ヨーロッパ

5月24日

アラプールの宿の広い居間には隅に朝食スペースがある。
 
パンやシリアルにフルーツ、冷蔵庫にはミルクやヨーグルトが入っていてすべてセルフサービス。
 外を走り回っていた鶏の卵が登場しなかったのはちょっと予想外だが、食後は鍵をフロントに置くだけでオーナーの顔を見ることもなくチェックアウト。イギリスのB&Bは合理的で、決して嫌いではない。

今日も残念ながら低い雲が垂れこめる天気。
 
NC500のルートは入り組んだ海岸線に沿って走るが、我々は今日が最終日、エジンバラまで戻らなければならないので内陸にショートカット。

しばらく行った所でトイレを借りようと鉄道駅に寄った。
 Achnasheenという小さな駅は無人駅。
 
せっかくだから、とホームに出て見学していると、タイミングのいいことに列車が入って来た。
その列車がこの小さな駅に停車、見るとなんと豪華列車のThe Royal Scotsman!

シックなえんじ色の車体に、最後部にはデッキがある。
 
駅の高架橋から見ると10両連結はホームから遥かにはみ出している。

乗客が列車から降りることはなかったが、車掌さんとスタッフが降りて休憩していたので聞いてみると、今回のツアーは4泊5日。10両編成で乗客はたったの36人にスタッフは15人もいるとのこと。HPで見るとお1人様最低10,000ポンド、日本円なら200万円。車内をじろじろ覗くわけにもいかず、いずれにしろご縁のない列車だ。

駅を出たら峠を越えてまた海岸線に出るルートを取る。
 峠からの景色が見事。
 
細い道をバイカーたちと一緒に下りて行く。

道路脇にも羊が出没。
 
ちょうど子羊のいる時期で、母親の後について歩く姿がかわいい。


やがて見えてくるのはLoch Torridonの入り江。山には相変わらず雲がかかっているけれど
 穏やかな海辺がなんともいい感じで
  
 
Shieldaigの村は海に面して一列に並ぶ家々がかわいい。

 
村のはずれにはカフェがあるので、キャロットケーキで一休み。

家並みの途中にはスモークサーモンの看板が見えたので寄ってみると、作業場らしき小屋の前に発泡スチロールの箱を出して商品を売っている。
  
 そこで友人のお土産にしようとサーモン(200g、£11)とスモークチーズ(£4.6)をお買い上げ。これが帰ってから食べてみると塩加減と言い、燻製加減といい絶品で、今まで食べたことのあるスモークサーモンで一番おいしかった。ああ、もっと大きいのを買えばよかった。

 
NC500の残りもわずかだ。


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スコットランド紀行 10 アラプール

2024-06-26 14:40:06 | ヨーロッパ

5月23日 続き

Ullapool は「アラプール」と読む、この周辺では一番大きな町。
18世紀にはニシン漁で栄えたそうで
 
碁盤の目に整備された街の中心には白くてかわいらしい家が整然と並ぶ。

 
かわいい時計塔の向かいにこれもかわいいホテルがあり、カフェがあるのでこちらでお昼にした。
 
気軽な雰囲気の中、寒いので温かくて具沢山のスープがうれしい。

体が温まったら町を散歩。
 
ホテルから坂を下ると水際にフェリー・ターミナルがあり、ここからアウター・ヘブリディーズのルイス島、ツイードで有名なハリス島に行けるらしい。
 
港とその沖には小さな漁船がいっぱい。

港に面しては何軒か土産物屋も並んでいて、中にいい地図があった。
 
右下から出発して、今は左の赤丸にいる。もう少しでNC500を完走だ。

宿に入るにはまだ少し早いので、アラプールの手前に見えたビーチに行ってみた。
 
 
静かな入り江になっているこのビーチ、石がみんな水切りに良さそうな平らな形をしている。
水際には貸バンガローが並び、ここにも小さな漁船がいっぱい。

今夜の宿、Lochbroom Lodge はアラプールの町に入る手前、坂をちょっと上がった所にあった。
 
ここも農家の経営らしいが、出迎えてくれたご主人は若いイケメン、内装の趣味も良くて
 
寝室の窓からは宿の名前にもなっている入り江が見える。

 庭に出ると素敵な景色で
 
広い敷地内には放し飼いの鶏がいたり、顔の黒い羊がいたり。ガングロ羊はかわいいけど、活発過ぎてすぐ逃げ出してしまうのだとか。

夕方になったらまた車でアラプールの町中に戻り、今夜は事前に予約しておいたレストランへ。
 
お昼を食べたホテルの並びにあるThe Ceilidh Placeはガイドブックにも出ていて町一番と評判なので来てみたが、なるほど早めの時間でもレストランは満席。たくさんの漁船を見たので期待して注文。
 エビ好きの同行者はスカンピ・カクテルにご満悦だったが
 
他では見なかったイカ・フライは衣が厚すぎてイカの味がわからず、やっと出会えた羊肉のケバブも味付けがダメでがっかり。せっかく食材はあるのになあ。

しょんぼり宿に戻ったが、表玄関は24時間オープン。この前の2軒のB&Bも「玄関に鍵はかけないから何時に帰ってきてもいいわよ」と実におおらか。
平和でいい所ではある。


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スコットランド紀行 9 Durness ~ Ullapool

2024-06-24 13:13:54 | ヨーロッパ

5月23日

ダーネスの村にはビーチの他にもう一つ見どころがあるので、ここを離れる前に見に行く。

駐車場から下をのぞき込むと入り江が見えて
 
階段で下に降りることができる。
 
すると崖の下は洞窟になっていて、ここがSmoo Cave。

入り江の形からも想像できる通りここは天候の悪い時には絶好の避難所だったのだろう、発掘するとバイキングたちの遺物や作業跡が見つかるのだそうだ。
が、ここが面白いのは右手の奥。
 崖に穴が開いていて、上から水が滝になって落ちてくる。
昨晩から続く雨のせいもあるのだろう、かなりの水量で小さいけれどすごい迫力。

 
洞窟内に空撮の写真があったので、上に戻ったら道路を渡って滝の落ち口を見に行く。
 
小さな橋の上から覗けば落ち口がよく見える。流れてくる川の水が茶色のはこの周辺の土壌にピート(泥炭)が多いため。

ダーネスを離れて雨の中、海岸沿いの道を行く。
西海岸に回って、次にやって来たのは景色が良いというScourie Bay。

海は澄んだ水色だけれど、雨の上に強風も吹いて、気温の8℃より寒く感じる。
 
駐車場の脇にバードウォッチング用の小屋があるのですぐに避難。鳥好きの皆さんはここで一日過ごすのだろうが、今日は鳥の姿もほとんど見えない。

 羊たちに行く手を遮られながら先に進むと
 
ここも天気が良ければさぞや景色がいいだろうLochlannachにやってきた。
スコットランドも北部では標記も英語とスコット語の併記。
スコット語はゲール語かケルト語か、とスコットランド人の友人に聞くと、言葉はゲール語、ケルトは言語というよりケルト文化圏だという解説。ケルト語族の一つがゲール語という説明もあり、いずれにせよ英語とはまったく違って文字を見てもわからない。

湖にかかる大きな橋を渡って
 
また別の入り江でトイレ休憩。水辺にはホテルがあるけれど、小さな小屋では手工芸品を売っていて、こんな所で、とちょっと驚く。

さらに行くとAssyntという所に廃城が見えた。
 
 
15世紀後半に作られたこの城、17世紀には廃墟になったらしいが、ここにはイギリス人が大好きな幽霊が出るらしい。
スコットランドにはやたらに城があるが、敵は外国人ではなく、部族同士の争いが多かったよう。日本の戦国時代のようなものだろうか。

 
雨はやんだが相変わらず低い雲が垂れこめる中、ようやく町らしい町が見えてきて、お昼過ぎに本日の目的地、Ullapoolに到着。


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