Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

シリアのおすすめレストラン

2009-07-31 03:03:20 | 中近東/北アフリカ
これまでもシリアの食事に関しては小出しにしてきたが、本日は都会のちょっといいレストランのご紹介。

まずはアレッポの アボ・アル・ナワス

「地球の歩き方」にも載っているし、場所もあまりおしゃれなエリアじゃないので期待せずに入ったら、店内は思いのほかきれいで店員さんも親切。
 
注文は厨房の鍋の中を全部見せてもらい、指差しで終了。
 ほうれん草の煮込みにオクラのトマト煮、羊のシチューと、どれも優しい味でおいしかった。
冷たい前菜とグリルしたお肉ばかりになりがちなシリアの食事で、こういう暖かい煮込みはありがたい。

しかしアレッポのレストラン代表と言えばこちら スィスィ・ハウス
   
キリスト教地区にある小路を入ったところ、小さな入り口をくぐると例によって17世紀の建物の中庭に入る。
通された屋内の部屋は周りをアンティークで飾られているが、大統領も来ると言う高級店のわりには意外に気楽な雰囲気でちょっと拍子抜け。

ロンプラおすすめメニューを参考に注文したのがこちら:
 インゲンのオリーブ油煮と赤ピーマンのサラダ。どちらも見た目はパッとしないが、絶妙の味付け。特に赤ピーマンはザクロ・シロップが効いておいしい。手前のスジョックというソーセージ・ロールはロンプラは絶賛していたけど、まあ普通。
 
ナスのババガヌーシュは定番だけれどここのが今まで食べた中で一番おいしいかも。アレッポケバブはあまり印象がない。それと言うのも
 これがあまりにもおいしかったから。羊の生肉のキッベは引き割り小麦の入ったタルタルステーキだが、そのなめらかな舌触りは最高。これがアレッポ名物の一つとは後で知ったが、頼んでよかった!
 
料理がおいしかったのでデザートまでしっかり注文。
左の卵みたいなのは、はて何だったろうか。味の記憶がない。右のフォンダンショコラはしっかり濃厚でおいしかった記憶がある。

さすがアレッポ一と評判だけのことはある、と納得した店だったが、実はここで一番食べたかったチェリー・ケバブと言う料理がシーズンに早すぎて食べられなかった。ピンクのソースにまみれているというケバブ、夏にまた食べに来ようか。


ダマスカスの方に戻れば、首都であるここにも当然有名店がある。

中でもこれまた一番と評判の老舗が アル・カワリ
 「まっすぐな道」からほんのちょっと奥まった目立たない入り口。
 
入るとすぐ右手にきれいな待合室があり、中庭に入るとその美しさに息を呑む。

期待をしつつ料理を選ぶと
 
こちらはかなりがっかり。左のチーズサラダも右のクルミ詰めナスも、塩気と酸味が強すぎてきつい。なんだか昔風の味。
 ただしこれはおいしかった、羊のレモンソース煮。
骨付きの肉は口の中でハラリとほどけるように柔らかく、羊のだしとレモンの酸味がしっかり出たスープは今まで食べたことのない独特の味。これはもう一度食べたい。
 食後のお菓子もぞんざいな出し方だけれど、ここは室内を見るだけでも来る価値はあるかも。

それではダマスカスの本当の一番はどこか。
ネットでの評判、それに我がグルメ・ドライバー、アリー氏によるとそれは ナランジ
 
場所は「アル・カワリ」のほぼ筋向いだが、ここはわりと最近出来たレストランらしく、よくある古いお屋敷ではなく、古い製粉所を改築したのだと言う。客席だけではなく、厨房の中まで外の道路から大きな窓越しに丸見えなのがなんとも斬新。

実はこのレストラン、シリア到着2日目の晩に早速行ってみた。
 
お客さんでいっぱいの店内に予約なしで何とか席を確保していただいたもの:
 
奥がおなじみババガヌーシュ、手前は珍しいオリーブとタイムのサラダ。右の羊の挽肉にはミントがたっぷり入っていて、ハーブ使いのおもしろさにまずは感心する。
 ミックスグリルのおいしさにも満足したけれど
 食後のサービスとして出てきたこの太っ腹なお菓子の山に大感激。しかもこれがそれぞれとてもおいしいのだ。

他のテーブルに出てくる料理もどれもおいしそうだし、ここはもっといろいろ食べてみたい、というわけで帰国直前、最後の昼食にまたこのレストランに出向いた。
 
昼間の店内はガラス天井からも明かりが入ってまたいい感じ。

朝食メニューまであるらしい中から悩みつつ選んだもの:
 
中に青菜の入ったベジタリアン・キッベはさっぱりした味。
 
ここのなすの冷製はちょうどいい酸味にたっぷりかかったナッツが香ばしく、右のレンズマメの冷たい料理はパスタやらあられみたいなものやら揚げ玉ねぎやらと混ぜて食べるとなんとも不思議な食感。
 羊挽肉ののったミニピザもおいしく、
 再び登場したお菓子までしっかりいただいた。

何を注文してもおいしいこのレストランには10種類以上も前菜ばかりが登場するらしい4人前のコースがメニューにある。

チェリー・ケバブにこのコース、やはりシリアにはまた来ねば。


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シリア周遊 21 国立博物館再び

2009-07-29 11:44:42 | 中近東/北アフリカ
5月9日

シリア滞在もいよいよ最終日。
とはいえお迎えは3時なので最後の町歩きに出かける。

向かうのは新市街。
 
マルジェ広場の真ん中に建つ柱の上には小さなウマイヤド・モスクが乗っている。

ここを通り過ぎて着いたのは国立博物館。
ドゥラ・エウロポスの壁画を見逃していたことを発見したのでリベンジに来たのだ。

そんなわけで既に見た展示室はかっとばして目的地に直行。
博物館の一番奥、小さな中庭に通じる地味なガラス扉の横によく見ると小さな字でDura Europos と書いた紙が貼ってある。こんな小さな紙じゃ気が付かないよ~。

中庭を通り、もう一つ頑丈そうな扉をくぐるとそこが目指すシナゴーグ。かなり大きな部屋の床から天井までフレスコ画でびっしり。

Dora Europos - Salhie of Euphrates より

あのユーフラテス川沿いの荒涼としたドゥラ・エウロポス遺跡、その一角にこの壁画が埋まっていたのだそうだ。

博物館で買った小冊子によると町にはローマ神殿、キリスト教会、ユダヤ教のシナゴーグが仲良く共存していたとのこと。
で普通ユダヤ教のシナゴーグには絵はないのだが、ここは他の宗教の影響を受けて珍しく壁画が描かれたらしい。

よく見るとモーゼの話とか、我々にも見分けられる絵もちらほら。

ヨーロッパ人の団体が何組もいる中、素朴な絵をじっくり見ているうちにだんだん人が減ってきた。これは静かになっていい、と思っていると監視のおじさん、「悪いけどもう出て。ここは本当は団体客にしか開けないんだ。」

ええ~、ってことは我々はたまたま団体がいたから入れたということ?絵の保存のためかもしれないが、個人客には見せないなんてひどいじゃないか。しばらくは黙って絵を見せてくれたおじさんには感謝だけど。

博物館の中にはシナゴーグの他にもう一つ、ドゥラ・エウロポス出土の大きな壁画がある。

初めに来た時はこちらを見たのでシナゴーグを見ていないことに気が付かなかった。
この写真では分からないが、実物はモダンな日本画のような雰囲気があって、比べるとシナゴーグよりこちらの方がずっと好き。

とりあえずリベンジに成功したことに気をよくして、これも前回は時間切れで見逃した博物館の隣のタキーヤ・スレイマニエ・モスクへ。
 16世紀、オスマン・トルコの天才建築家シーナンがイスタンブールのスレイマニエ・モスクより前に設計したと言うこのモスク、シリア風とトルコ風が融合していると言うので細部を見たかったのだが、残念ながらこの一帯は公園を整備中で近づくことが出来ず。
 
さらにその隣に並ぶ昔のメドレセ(今は閑散とした土産物屋街)を一眺めしてシリアの観光を終了。

最後は素敵なレストランの食事で締めたのだが、その話はまた後ほど。

11日間で紀元前3000年から現代まで、西へ東へ実に充実した旅行だった。

 帰路、新ターミナルができてますます広くなったドバイの乗り継ぎ5時間半も3人でおしゃべりしていればそれほど苦にならず。

ヨルダン、シリアと大満足だったので、来年はやっぱりレバノンだな。


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パレスチナのオリーブ石鹸

2009-07-27 16:39:32 | 雑談
先日アレッポの石鹸工場の話をブログに書いたら、仙台のお友達からパレスチナのオリーブ石鹸をいただいた。



これはパレスチナ西岸地区内で作られている物。
バージンオリーブオイルを使用し、アレッポ同様、余計な香料や色素は一切使っていないので食べても大丈夫なんだそうだ。
色はアレッポのような緑色ではないが、香りはなるほど同じ匂いがする。

で早速使わせていただくと、これがいい!のだ。
もらったから言うわけじゃなく、本当に洗顔した後、皮膚がしっとりする。
髪をこれで洗ってもいい感じだし、オリーブオイルの石鹸がなぜ人気があるか、やっと分かった次第。

これほどいい石鹸を産するパレスチナだが、例のイスラエルによる封鎖によってせっかく作っても流通させることが難しく、生産はどんどん縮小されているとか。
経済的に自立させてあげれば不満もなくなり、平和に共存できるのに、と思うが、そもそも共存を望んでいなければどうしようもない。

せめて厳しい状況下でがんばるパレスチナ生産者のために、アレッポ同様、パレスチナ石鹸もごひいきに。

パレスチナ・オリーブ


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シリア周遊 20 マルーラ

2009-07-24 15:36:07 | 中近東/北アフリカ
5月8日 続き

昼食後はまたホムスを経由し、ダマスカスへのハイウェイを南下。
 また緑の少ない景色に変わってきた。

 途中で幹線道路からはずれ、岩山が壁のようにそそり立つ景色に変わったらそこがマルーラ。

マルーラは日本のツアーにはあまり入っていないようだが、キリストが話したと言うアラム語がいまだに残り、古い教会があるということでヨーロッパ人には人気のスポットらしい。

まず立ち寄ったのは山の上に建つ聖セルギウス教会。
 4世紀、異教の神殿の上に建てられたそうだが、今はギリシャ正教の教会。撮影禁止の内部には古いイコンがあってなかなかおもしろいが、周りで説明するガイドさんたちはスペイン語やイタリア語ばかりなのでさっぱりわからず。

教会を出ると運転手のアリー氏から道路の下の道を歩くよう指示される。
行ってみると細い道が岩の間の狭い隙間に入っていく。
  
ペトラのミニチュア版みたい。
 岩の上でピクニックをしている人たちがいるのもペトラと一緒だ。

10分もかからずにここを抜けると、出口の脇には聖テクラ教会がそびえている。
 
聖テクラは聖パウロの弟子となった女性。信仰に生きるため親の薦める結婚を拒否し、奇跡によって開いたここの岩の中に隠れたと言う伝説がある。
その洞窟がもちろん大人気の参拝場所で、こういうところが好きなのはキリスト教も仏教も変わらない。

洞窟の前には谷の反対側に広がるマルーラ村の住居が見える。
  
崖下にぎっしり建つこの村、家々の間に通路はなく、上の方の家に入るには下の家の中を通らないと行けないのだそうだ。

マルーラからダマスカスへは56キロ。
アリー氏と巡ったシリア旅行もいよいよ大詰めということで、ホテルに戻る前に市内を一望できるカシオン山に寄ってもらった。
 
ここはダマスカス有数のおデートスポット。しかもこの日はイスラム国の休日、金曜の夕方だったので道路わきにはぎっしりと車が止まり、展望のきく所はカップルや家族連れで大賑わい。
 
眼下にはウマイヤド・モスクも見え、はるか彼方まで建物の連なるダマスカスはさすが大都会。


翌日からはまた別のお客さんの案内だと言うアリー氏とホテルの前でお別れ。
あなたのおかげでシリアを堪能できました。
アリーさん、ありがとう! 


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シリア周遊 19 ハマ~クラック・デ・シュバリエ

2009-07-22 01:52:33 | 中近東/北アフリカ
5月8日

ハマと言えば水車。この町ではひたすら水車を見てまわる。
  
 
 
オロンテス河畔はきれいな公園に整備され、そぞろ歩くシリア人達はうれしそう。
木製の水車はきれいだけれど、正月のベトナムではもっと大きな水車が現役で働いていたな、と思い出す。

ギー、ギーと驚くほど大きな水車の音を聞きながら歩き回ると目立つ建物が見えてきた。
 これがなんと警察署。

今は平和そのもののハマの町だが、1982年に反アサドの運動が起こり、その鎮圧で2万人近くが軍に殺され、旧市街のほとんどが破壊されてしまったのだそうだ。大きな警察署はその名残だろうか。

わずかに残った旧市街も随分きれいに整備されているようだが、細い路地を歩くのはなかなか楽しい。
  

ハマの名物は水車の他にもう一つあって、それが通称「ハマ・ロール」と呼ばれるお菓子。これを食べずにこの町を離れるわけには行かない、と散歩の後に水車公園の前の店に入る。
 
この菓子、まずは丸いお盆に載った生地を大きく伸ばし、それを四角に切り分けたら中にチーズクリームを巻き込む。
 注文すると一口大に切り、ピスタチオと蜜がかかって出てくる。
回りの生地は羽二重餅のような食感、中のクリームもあっさりしていて上にかかった蜜がなければ甘さはほとんどない。
アラブ菓子と言えば歯が浮くほど甘い印象があるが、シリアのお菓子は上品な味でおいし~。

ハマからは高速道路を南下し、ホムスを経由してクラック・デ・シュバリエへ。

  
小高い丘の上にそびえる城はまさに絵に描いたような十字軍の城。
 西洋人に大人気の世界遺産だけに駐車場は一杯、小さな入り口にも人が一杯。

  
すべて石造りの通路を通って中庭に入ると四方をこれまた石造りの建物が取り囲む。
  
12世紀、聖ヨハネ騎士団によって拡張されたという建物は窓や天井の形がいかにもゴシック。
 こちらのくぼみはトイレの個室。相変わらずこんな所にしか興味が行かない。

 
お約束で高い所に登ってみれば城の全体はそれほど大きくない。まわりの見晴らしも当然いいが、前日のサラディーン城の雄大さに比べるといささか見劣りがする。
確かに建物の保存状態は他の城より断然いいが、それほど心動かされないのは十字軍嫌いの偏見だろうか。

城の見学の後は駐車場の下にあるレストランへ。
 
山盛りの野菜と炭焼きチキンをのんびり食べていたら、後から来た日本人ツアーが嵐のように来てさっさと帰ってしまった。

さあ、我々もそろそろ腰を上げようか。


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なんか変?

2009-07-21 02:25:48 | 雑談
今週は再びアジア縦断の出稼ぎウィーク。

現在は東京よりは快適なんじゃないかと思える熱帯シンガポール滞在中なのだが、ブログの更新をしようとしてもアップロードしておいた写真がうまく表示できない。
これって自分のPCの問題なのか、ホテルのネットワークの問題なのか、はたまたプロバイダーの問題なのか。

皆さんのPC上では写真、ちゃんと表示されているでしょうか。

暇なホテルの夜にシリア旅行記を進めようと思っていたのに・・・。


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シリア周遊 18 サラディーン城

2009-07-16 01:45:55 | 中近東/北アフリカ
5月7日 続き

昼食後、またラタキアの町を素通りして東に向かう。

5時過ぎに到着したのはサラディーン城。

深い谷の向こう、濃い緑の中に広がる城は大きすぎて一枚の写真に納まらない。
まわりの景色と言い、なんとも印象的。

この城に入るためには一度谷の下まで下り、また九十九折の道を登って山の上まで上がらなければならない。

上にたどり着いてまず通るのは道の真ん中に建つ針のような柱。その両脇は切り立った崖になり、岩の上に城の石組みが続いている。
 
12世紀に建てられたと言うこの城、現在の名前はサラディーン城だが作ったのは十字軍。この断崖は彼らが人力で掘り、柱は上に跳ね橋をかけるために残したというから恐れ入る。
これだけの苦労をして難攻不落に見えながら、サラディーンはたった2日で陥落させ、その後は一度も十字軍に渡さなかった。だからこの城はサラディーン城。

 
石段をあがり、小さな入り口を入るとチケット売り場。6時には閉めるというのにすでに5時半。管理人のおじさんは「早くしてくれ」と不機嫌だ。

急いで中庭に入り、とにかく一番高い所を目指す。
 
  
城の中は石組みが見えるだけで飾りも何もないが、城のてっぺんから360度見渡すまわりの緑が美しい。

 たった30分ではこの壮大な城のほんの一部しか見られなかった、もっとこのロケーションを堪能したかった、と時間通り入り口に戻って城の全体図を未練たらしく眺めていると、ちゃんと戻ってきたので気をよくしたのだろう、管理人のおじさん、「自分はここの馬小屋で生まれたんだよ。昔はこの城の中に人が住んでたんだ。」

後ろ髪引かれつつ城を後にし、さらに東へ向かうと高度があがってくる。
山の中のスルンフェという町は高度が1200メートルあり、いきなり立派な家やアパートが立ち並んでいるのでびっくりする。聞けば避暑地として人気の場所なのだそうで、大統領の別荘もここにあるとか。

この町からさらに行った峠にドライブインがあったので一休み。
 周りは強風が吹いて寒いのでストーブが嬉しい。

そして窓から外を眺めると、なんと言う絶景。
  
眼下にはオロンテス川からの運河と、そのまわりの広大な農地。その景色がわきあがる雲から見えたり隠れたりしている。
1200メートルってすごいんだ。

ドライブインの向かい側にはなぜか小さなパン屋がある。
 
おばちゃん二人が石焼釜で焼くパンはすごくおいしかったけど、なぜこんな辺鄙な所で焼いているのかは謎。

峠を下り、農地の中の道を行くうちにすっかり暗くなってしまった。
本日のゴール、ハマに着いたのは9時過ぎ。それでも文句一つ言わないアリー氏に感謝。

 
ハマの宿、オリエント・ハウスはまたも18世紀の風情ある建物。
レストランは遅い時間でも宵っ張りのシリア人で結構な盛況。この国の夕食はスペイン並みに遅いのだ。

 
 食事の最後にはイケメンのお兄さんにコーヒーをいただいて、本日も盛りだくさんの一日だった。


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シリア周遊 17 デッド・シティ

2009-07-14 00:51:14 | 中近東/北アフリカ
5月7日

アレッポの街を出て南西へ向かう。

周囲は次第に緑が多くなり、オリーブなどの果樹園が続き、幹線道路を外れると路傍には一面に花が咲き乱れている。


のどかな風景の中、到着したのはセルジッラー。
 
この周囲にたくさん残っていると言うビザンチン時代の遺跡の一つだが、広々とした土地に1500年も経っているとは思えないほど保存状態のいい家屋や石棺がポツポツと並び、古い家屋を移築した「なんとか村」のような感じ。
  
  
 
周囲には花がいっぱいだし
  
隣では農夫が畑を耕したり、羊を放牧したりしているし、「死の町」というおどろおどろしい通称がまったく似合わない、気持ちのいい風景。

ここから幹線道路に戻る途中、同じ時代の遺跡が散在するアル・バラをかすめる。

遠くに見える遺跡の写真を撮ろうと道端でカメラを構えていると、「うちの屋上からならよく見えるわよ」と家の前を掃除していたきれいな奥さんに声をかけられた。


それでは、と遠慮なくあがらせていただくと
 
なるほど、オリーブ畑の中に散らばる石の遺跡が一望できる。
 ガイドブックに出ているピラミッド屋根も見える、見える。

これはいい所にお邪魔させていただいた、と喜んでいると、なんとベランダでコーヒーまで淹れてくださる。
 
帰り際にはバラの花まで切ってくださって、シリアン・ホスピタリティーに感激。

と、こんな所で道草を食っていたらすっかりお昼になってしまった。
今日の昼食は海の見えるところで魚が食べたい、とわがままを言うとドライバーのアリー氏、しばらく考えて「わかった」。

車は西へ、地中海岸のラタキアをめざす。
 かなり走ってようやく見えてきた大きな近代的な町。
港にはヨットが並び、ここいらへんのレストランに入るんだろうな、と思っていたら車は町の外へ出てしまった。

一体どこまで行くんだろう、と思いつつ、オレンジ畑の中を走ること20分あまり。
 ここが目指すレストランだったらしい。

入り口脇には早速魚の入ったガラスケース。
 
名前は分からないけど、おいしそうな魚を選んで調理法を指定する。

 店の奥へ進み、窓の向こうに目をやると
 
おお、地中海だ。

魚を待つ間、海を見ながらおなじみの前菜をつまむ。
 
おいしかったのはアリー氏おすすめのチーズ。シェーブルのようなたぶん山羊のチーズはぴりっとして絶品。右のタイムの葉のピクルスもはじめてだけどおいしかった。

そしてお待ちかねの魚。
 
左のちょっとグロい姿の小魚は頭や骨までパリパリと香ばしく揚がり、右のスズキのような白身はもちろん持参のお醤油でおいしくいただく。

景色も料理も最高!と喜んでいると、アリー氏も嬉しそう。
このレストラン、自分が家族や友人と来る所だそうで、観光客を連れてきたのは初めてとか。
いや、こういうところにこそ来たかった。アリーさん、ありがとう。


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シリア周遊 16 アレッポの教会

2009-07-12 17:54:05 | 中近東/北アフリカ
アレッポの町を歩いていて目に付くのはさまざまな宗派の宗教施設。

旧市街のスークには一番大きなウマイヤド・モスクだけでなく、小さなモスクがあちこちに隠れている。

 
夕方ふらりと立ち寄ったこちらのモスク。
 若い管理人のお兄さんたちは異教徒にもとても親切に対応してくれた。

キリスト教徒地区には名前の通りキリスト教会がたくさんあるが、その宗派も様々。
  
17世紀に建てられたというアルメニア正教会の内部には見慣れないアルメニア語の聖書やら、イスラム風の意匠があっておもしろい。

 立派なマロニテ大聖堂は夜のライトアップが印象的。このすぐ隣にはギリシャ正教の教会もある。

 
さらに新市街の、これらもギリシャ正教会だろうか。

新市街では大きな教会のお向かいに大きなモスクが建ち、夕方になるとそれぞれの信者が中に祈りをささげに入って行く。

この国の中で宗教の違いによる対立が本当にないかどうか、数日観光旅行をしただけの者には知りようもない。
しかし街をうろつく限り、それぞれの信者は好きな時に自分の信じる教会に通い、好きなように祈っている。このあたりまえの風景がこのエリア全体の普通の姿だったのだろう。

こういう光景がもっと外の世界に知られればこの国のイメージも変わるだろうに、とはよそ者のおせっかいか。


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相変わらず香港はB級で

2009-07-09 16:58:46 | 東アジア
シンガポールから香港へ移動。

空港にあったシンガポール土産は「あれも駄目、これも駄目」Tシャツ。
 トイレを流し忘れたら500S$(35000円)の罰金だって。

香港ではコーズウェイ・ベイの隣の天后の庶民的食堂街へ。
 
香港だけど上海語の飛び交うと言うこの店で、同行した上海人に典型的上海家庭料理を注文してもらう。
 揚げ豚と餅の炒め物はサクッとしたお肉がおいし~。
 塩漬け豚と豆腐のスープも半分ハムのような肉がうまい。あっさり塩味のスープにほっとする。
 青菜と結び湯葉の炒め物はいかにも家庭料理。

翌朝はまた地元飯を求めてうろうろ。
 近場の茶餐廳で牛肉入りの麺を注文したら、麺の指定を忘れて出前一丁になってしまった。しっかり味付けされて柔らかいお肉に本格的スープ、そこにインスタントラーメンって香港のB級飯の王道かも。

そのまた翌朝、1人飲茶もいささかマンネリ気味なので、目先を変えて「マカオ・レストラン」というのに行ってみた。
チェーンのファミレスっぽいこの店の売りらしいのがこれ↓
 マカオ風クリスピーバンズという名前の通り、外がカリカリの丸いパンを割って、ピーナツバター、マーガリン、コンデンスミルクをのせてある。
いかにもジャンクなこの味、香港風のミルクティにぴったりで嫌いじゃないぞー。

しかしこれで30HK$(450円)は高いと思ってしまう、自分の経済感覚も東南アジア風になりつつある。
さあ、そろそろ日本に帰ろうか。


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