Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

コンケーンで本場イサーン料理を食す

2011-09-30 17:28:42 | 東南アジア
いつもはバンコクにしか滞在しないタイ出張、今回は珍しく地方に足を延ばした。

訪問したのはバンコクから国内線で1時間、タイ第二の都市であるコンケーン。
タイ東北地方(イサーン)の中心都市で、日本で言えば仙台にあたるような所なのだが、タイという国はバンコクだけがずば抜けて大きく、ほかの都市は規模がぐっと小さいので、ここも仙台というよりは地方の県庁所在地の次の町程度の大きさ。

街で一番高い建物であるホテル15階からの景色はこんな感じ。
 平らな土地なので市街地は結構大きく広がっているが、5階建て以上の建物はちらほらとしか見えない。

同じような規模のチェンマイには観光するところがたくさんあるが、こちらはそのような名所もなく、いたって地味。
  
唯一の「観光地」とおぼしき人造湖の向こうには変わった形の大きなお寺が見えるが、仕事中のオフィスの窓から眺めるのみ。

 ただし街中にはあちらこちらにローカルな市場があり
  
屋根付きの中央市場にはあらゆるものがごちゃごちゃと売られてこういうところは面白そうなのだが、今回は残念ながらゆっくり見る時間もなし。

そんなコンケーン出張で唯一楽しみだったのが食事。
バンコクとは一味違ったものが食べられるかと期待がふくらむ。

早朝7時にコンケーンに到着してまず向かったのは朝食屋さん。
  
屋台で見かけるようなコーヒー用ストーブのあるローカルな店だが
 この小鍋に入った目玉焼きがコンケーン名物なのだとか。目玉焼き自体は本当に卵を割っただけで味付けもされていないが、上に載った2種類のソーセージ(ネーム)がここの名物で、これを挟んだ小さなサンドイッチが薄甘い懐かしい味のパンでおいしい。

海から遠い内陸のコンケーンは豚肉料理が多いらしく
  
道端でもこんな風に網の上で肉やら筋やらを干している。
この干した肉を唐揚げにしたものも脂身があっさりして実においしかった。

 ホテルの近くには「Mr.Sushi」なる怪しげな日本食屋もあったが、夜はもちろんイサーン料理。

というわけで連れてこられたのは空港から車で5分ほどのこちらの店、「Praprai」。
  
ここもまたごくカジュアルな造りだが、コンケーンでは誰もが認めるイサーン料理の名店とのことで、見ているとなるほど接待と思われる外人連れも次々にやってくる。

こちらで同行のタイ人に注文してもらったお料理。
 左のスープは川魚入り。辛くて酸っぱいのはタイのスープに共通だが、ココナッツミルクが入っていないのであっさりしている。右のラープは豚ひき肉のあえもの。ハーブがたくさん入って、辛いけれどさわやか。もち米と一緒に食べるといくらでも食べてしまいそうでやばい。

 イサーン料理で一番有名なパパイヤのあえもの、ソムタム。同行のタイ人たちもバンコク育ちで辛いものは苦手なので、たぶん一番マイルドにしてもらった。それでも十分、汗が出るほど辛いのだが、そうめんのようなビーフンにかける食べ方を教えてもらって、これがまたうまーい!手前はそのビーフンが初めから入ったソムタムで、こちらはタムソアというらしい。

だがこの店で誰もが一番感動したのはこちら
 豚ののど肉の焼き肉、コームーヤーン。
これが全体に脂がのっているのだがしつこくなく、柔らかくてジューシーな焼き上がり。
タイ人たちに言わせるとバンコクではこんなに柔らかいコームーヤーンは食べたことがないとか。

この店のもち米入りイサーン・ソーセージもおいしくて感激したのだが、興奮していたらしく写真がない。

 最後の生姜入りスープに入った黒ゴマ団子まで大満足で、名店の名に偽りはなかった。

こんなにおいしいものが食べられるなら飛行機に乗ってでも食事に来たい、などと冗談を言いつつ空港に着くと、空港のお土産も豚肉ざんまい。
  
冷蔵庫にはいろいろな種類のイサーン・ソーセージが並び、同行のバンコクっ子たちは全員箱に入ったセットを買い込んでいる。これはソーセージと若いバナナ、スターフルーツなどをライスペーパーとレタスにくるんで食べるもの。ベトナム料理の影響を受けているらしい。

こちらも買って帰りたいけれど、さすがにこれは日本に持ち込めないとほかの店を覗いていいものを発見。
  
のしココナッツ!

この若いココナッツの実を板状にのしたお菓子、もう10年も前にラオスからタイに入国した時、ウボンラチャタニーという地方空港で見つけてとても気に入ったもの。以来バンコクでいつも探していたのだが見つからなかったのだ。聞けばやはりウボンラチャタニーの名産で、今日もたまたまウボンから入荷したところだったとか。ラッキー!

おいしいご飯を食べられるなら、コンケーン、また来てもいい。


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バンコクの日常飯

2011-09-25 02:26:58 | 東南アジア
タイに出張中のためムスタン旅行記はちょっとお休み。

雨季も末期のバンコクは一日中激しい雨が降ったりやんだり。
日がさせば暑いとわかってはいるが、お日様が全く見えないのもさびしい。
今年のタイの雨季はいつもより長くて雨が多いのだそうだ。

バンコク到着早々、しばらく前から気になっていたホテルの隣の食堂へ直行。

 タイ語しかない看板とこのひっそり隠れるかのような入り口がなんとも気にかかるのだ。

 入って見ると中は思いのほか広いが、ぎっしり並んだ会議室用のようなテーブルとイスと言い、窓の感じと言い、まるで60年代にタイムスリップしたかのよう。
働いているのも家族のようで、バンコクでも一二を争うビジネス街にこんな店がぽつんと存在しているのがうそみたい。
しかしお昼時には近所のサラリーマンやOLでにぎわっているので期待が持てる。

一応店内には英語のメニューも存在するのでなんとか注文すると
 
汁そばかと思って頼んだメニューがヤムウンセンであわててチャーハンを追加。
しかしこのどちらもまっとうにとてもおいしい。しめて110バーツは約280円。
サラリーマンに人気の安くておいしい定食屋、次はご飯におかずの定食を食べてみよう。

昼食の後はいつものごとくスーパーへ買い出しに。
 マンゴーとマンゴスチンの旬は逃してしまったみたいだけれど、パッションフルーツがいっぱい買えたのでよしとしよう。

 
仕事中の昼食は都合によりスーパーのフードコート。
せめてタイ風の麺を食べたかったのに、同行の日本人のおじさんが「一番無難そうだから」と選んだのはよりによってKFC。
ならばここのタイ風メニューを試してみよう、と若い女の子とささやかな抵抗。
 これは「チキンカツ・グリーンカレー」。
カレーの方はいまいちだが、チキンカツはさすがに衣がサクッと、お肉もジューシーでおいしい。
 もう一つは「チキンと白きくらげの甘酢炒め」。
こちらの方がいい味付けで、これは日本でもやってほしいぐらい。

おやつを買いにタイでも人気のミスタードーナッツに行って面白いもの発見。
 「スシド」詰め合わせ99バーツ。
マグロ(?)はなぜかお魚が一匹乗っているし、みかんの乗った寿司も謎だけれど、食べてみると甘くないドーナッツ生地にクリームとジェリーのネタがちょうどよく、なにより形が食べやすくてこれはあり。

タイのファーストフードも捨てたもんじゃない。

 

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目黒でイスラエル料理 「ピンクカミラ」

2011-09-23 02:42:49 | 食べ歩き
東京でも珍しいイスラエル料理屋へ行ってみた。

目黒駅から権助坂を降りたところのビル2階にある 「ピンクカミラ」
 階段を上がった突き当りにあるドアはレストランというよりはバーのような感じ。

  
中に入ってもカウンターの上にはワインの瓶が並び、テーブルも椅子も高くてバーストールのよう。
壁にはテレビモニターがかかっているが、映っているのはイスラエルのテレビで、見慣れないヘブライ文字の字幕が面白い。

イスラエル料理と言ってもほとんどは中東、レバノン料理と似たものがメニューに並ぶ。

 まずはおなじみのディップ、ホムス、ババガヌーシュ、マドゥブハをピタパンにつけて。この店では珍しいイスラエル・ビールやワインも飲める。

 実はこれが食べたくて来たファラフェルは写真を撮る前にかじりついてしまった。揚げたてファラフェルは豆の味が濃くておいしい。
さらに後ろに写っているザータル・ブレッドも注文が入ってから焼いてくれるので、出てくるまでに時間はかかるものの、これまた焼きたてでフカフカ、ザータルが効いてうまい。

 メルゲースというスパイスの効いた羊のソーセージはモロッコ風なのだそう。羊好きならこのスパイシーさにははまる。

 こちらのシシタウークもたくさんのスパイスに鶏をマリネーしてグリルしたものだそうだが、スパイシーさはあまり感じない。やや薄味なのだが、ついてきたヨーグルトソースにつけて食べるとお肉がジューシーでおいしい。

イスラエル人のシェフと日本人の奥さんのこの店はまだこの夏にできたばかりらしい。
おおっぴらにアラブの話をするのは憚られる(と言いながら連れと散々シリアの話をしてしまった)が、東京にはまだ少ない中東の料理がおいしく食べられるところ。

ファラフェルが食べたくなったらまた行こう。


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ムスタン紀行 10 ローマンタンの壁画

2011-09-20 03:33:20 | チベット文化圏
特別な許可をもらって(と言ってもお金さえ払えば誰でももらえると思うが)撮影してきたローマンタンのお寺内部の壁画を本日は大公開。

まずは一番大きなチョーデ・ゴンパ。
ここには現在主に使われている新しいお堂の他に古いお堂があり、こちらはおそらく18世紀のものと思われる壁画で覆われている。
 表面は厚いニスに覆われ、長年のススに汚れているのでかなり見にくくなっているが、ほんのところどころ汚れを取り除いたところもあって、ここの修復はこれかららしい。

ローマンタン チョーデ・ゴンパ 壁画


このお堂の正面にはブロンズの仏像がいくつも安置されているのだが、そちらの撮影は決してしてはならないとのお達し。今まで撮影した人は事故にあったり、命に係わるとのことなのでここは素直に従おう。

このお堂の隣には小さな入口があって、この中にはチョルテンがある。
  
どなたのためのチョルテンかは聞き逃してしまったが、これだけ立派なお堂が建てられているからにはとても偉いお坊さんだったに違いない。
  
周りの壁はきれいな若草色の地にマハカーラやパドマサンババの姿が見える。

次のジャンパ・ゴンパはまさに圧巻。
 この弥勒菩薩を囲む四方の壁がすべて曼荼羅で覆い尽くされているのだ。
 
曼荼羅は大きなものが上下2段に並び、さらにその隙間にも小さな曼荼羅が配されている。
15世紀、この地方がチベットとの交易ルートとして最も栄えていたころ、カトマンズから腕の立つ絵師を招いて描かせたものとのことで、スタイルはネワール様式。

その素晴らしい細部はこちらで↓


ここの壁画は修復がされているが、素晴らしい修復でまったく違和感がない。

さらにこのゴンパの最上階、前日に訪れた時には鍵が掛かっていて入れなかったのだが、撮影の許可をもらってお付きのお坊さんと来たらこの最上階も開けてくれた。

中に入ってみると
 ここもまた全面を覆う曼荼羅。
しかもここの曼荼羅は下の階の顕教とはちがい、歓喜仏なども描かれたより密教的なもの。
華やかさは少ないものの、見れば見るほどおもしろくて、ここは時間が全く足りない。

ローマンタン ジャンパ・ゴンパ 2階 壁画
 

残るもう一つのお寺はツプチェン・ゴンパ。
ジャンパ・ゴンパと同じ時期に作られ、その頃はローマンタンで最も大きく重要なお寺だったらしい。

入り口を入ったホールには壁画ではなく、塑像の四天王。
 

大きな講堂は35本の柱に支えられ、中央の明り取りは獅子の彫刻に囲まれている。
 
大きな木の育たないこの地方で、これだけの柱を使っているというだけで往時の繁栄がしのばれる。

正面には二人の妃を従えたグル・パドマサンババ。

ローマンタンのお寺はムスタンに多いサキャパではなく、カギュ派なのだ。

このお寺の修復は今まさに進行中。
 
  
足場を組み、強いライトで真っ暗な堂内を照らして汚れを丹念に除き、絵の具の剥落した部分を埋めていく。

 作業をしているのは地元の若い人たち、特に女の子が多いのが頼もしい。

修復をしているツプチェン・ゴンパの壁画はこちら


作業の手を止めて我々のために暗い壁をライトで照らしてくれたり、本当にありがたかった。

そんな修復を眺めていると指導をしているイタリア人が姿を見せた。
 この方、もう10年以上も毎年ローマンタンに通っているのだそうだ。
すばらしい仕事におめでとうを言わせていただく。

なおこの修復については米PBSのこちらのサイトで詳しいことがわかる。
http://www.pbs.org/wgbh/nova/tibet/


まさか撮影ができるとは思っていなかったので三脚を持っていかなかったのが悔やまれるが、写真を撮りまくり、壁画をじっくり堪能した3時間、できればもっと眺めていたかった。
 お目付け役のこの若いお坊さん、時間には厳しかったが途中から懐中電灯で撮りたい絵を照らしてくれたり、「こっちの絵もおもしろいよ」と教えてくれたり、ご協力ありがとう!

1ヶ所100ドルの撮影料は確かに高額だけれど、あの大変な修復の一助になるならまったく惜しくない。
壁画フェチにはたまらない時間であった。


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ムスタン紀行 9 ローマンタン

2011-09-17 03:55:26 | チベット文化圏
8月12日 続き

ホテルで昼食と洗濯を終え、午後も遅くなってからローマンタンの市内見学に出かけた。

まず城壁の外、北東からの入り口には大きな双子のチョルテン。
 

これを過ぎると右手に続くのは長い赤い壁。
 ローマンタンで一番大きなチョーデ・ゴンパの壁だ。

  
城壁の入り口には大きなマニ車があり、この周りにはいつも暇そうなおじさんたちが数人座っている。

 城壁の中に入ると白い土壁の家が隙間なく建ち、狭い通路がその間を曲がりくねって続く。

  
そしていたるところに出現するチョルテンやマニ車。

そんな中を縫ってまず向かったのは長い外壁を見たチョーデ・ゴンパ。
  
ローマンタンで唯一僧院機能が生きているお寺なので境内には小坊主たちがいっぱい。

お寺の創建はもらったパンフレットによると13世紀末と古いのだが、現在法要などが行われているお堂は最近のもの。
  
正面にはサキャパの座主のお写真、壁の絵もサキャパのお坊さんたち。
  
外壁にあるおなじみ四天王がどんぐり目でかわいい。

このお寺には若いお坊さんたちのための学校があるので覗かせてもらうと
  
 中の設備は普通の学校そのもの、教科書を見るとチベット語や英語を教えており、図書室にはパソコンまである。

自由研究の成果だろうか、壁に貼ってあった表が面白い。
 ← クリックすると大きくなります。

2004年以降、観光客が大幅に増え、一番多いのはヨーロッパからの客だとすぐわかる。

  
図書室にはデモンストレーションのための砂曼荼羅があって、周りに並ぶ仏教関係の本がここが僧院であることを思い出させる。

次に向かったのはジャンパ・ゴンパ。
  
3階建てのこの建物の1階部分は半地下になっており、現在修復工事中。

15メートルもある弥勒菩薩を本尊とするこのお寺は15世紀建立。
 これは3階の明り取りの窓から撮ったものだが、この周りの壁4面がすべて精緻な曼荼羅の壁画で覆われていて、ここは夢のように美しい。
ただし残念ながら撮影は禁止。

  
次に入ったツプチェン・ゴンパも15世紀の建立。
35本もの木の柱に支えられた大きなお堂で、この中の大きな仏像を中心とする壁画はいままさに修復作業の真っ最中。
現地の若い絵師たちが細かい作業に励んでいるが、ここも撮影することができない。

写真こそ撮れなかったが、噂に違わぬ素晴らしい曼荼羅が見られて、ここまで来た甲斐があったというもの。

興奮を鎮めるべく、門の入り口近くに見つけたイリーカフェへ。
  
この小さなエスプレッソマシーンでダンディなマスターが淹れてくれるカプチーノ、1杯300ルピーとこの国にしたらとんでもない値段だが
 マニ車の前を通る牛を眺めながら飲む、このおいしさは何物にも代えがたい。
結局このカフェには3日間、毎日通ってしまった。

  
夕方になって、人も牛も馬もおうちに帰る。

 宿の向こうにそびえる王宮訪問は明日にしよう。


ところで撮影不可と言われたゴンパの中の壁画、チベット仏教好きの添乗員Y氏が粘って、実は1か所US$100を払えば1時間は撮影許可が出ることが判明。翌日しっかり写真を撮ってきたので、これは次回公開予定。

 
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ムスタン紀行 8 ツァーラン~ローマンタン

2011-09-15 23:31:45 | チベット文化圏
8月12日

昨日、車での渡河が無理とわかったのでローマンタンへの最後の道のりは馬と徒歩で行くことに決定。

いつもよりちょっと早く、朝7時にツァーランの村を出発。
  
  
村はずれの四角いチョルテンを過ぎ、崖道を下ると例の川につきあたる。

川辺にはまたムスタンらしいチョルテン。
  
中を覗くときれいな曼荼羅の天井画がある。

 
今日もまだ結構な水量の川を車では通れない橋で渡る。

 反対側の崖をまた登って振り返れば、ツァーラン村は岩山の上の緑の一筋。

 この先の道のりはアップダウンもあまりなく、乾燥しきった平坦な道。

 しばらく行くと今までで一番大きなチョルテンが出現。
  
まわりにはルンタ(風の馬)や象、クジャクなどの素朴な浮彫があっておもしろいのだが、金網が張り巡らされているのはこの上に腰掛けちゃう不届き者が多いせいだろう。

 周りの岩山にはボコボコと穴が開いている。村人や修行僧が昔暮らしていた洞窟らしいが、アッパームスタンにはたくさんある様子。

  
またしばらく行くとチベット服姿の騎馬の集団とすれちがった。
後で聞くと近くの村の法要か何かに行くローマンタンの住人だったらしいが、馬を駆ける姿がかっこいい。

そして11時、いよいよローマンタンを見下ろすロー・ラ、3950メートルに到着。
 

やっと来たぜ、ローマンタン!
 

 この城壁に囲まれた町が長年の憧れだったのだ。

峠でタルチョを結び、眼下に見える町に向かって下っていくと途中にまたいくつもタルチョやマニ壁があり、王城へのアプローチにふさわしい。
  

そしてとうとうローマンタン、標高3840メートル、の街中へ。
  
入り口には歓迎の赤い門が建っているが、これは前日にいらっしゃったどこかのリンポチェのためのもの、我々のためではない。

  
マニ車のたくさん並ぶ前に建つ宿、Lo Manthang Guest House に到着したのは11時半。

 建物は城壁の外側に張り出すように作られていて、壁の向こうには王宮のてっぺんがちょっとだけ見える。

  
吹き抜けのまわりに並ぶ部屋の窓は小さいが、廊下側にも窓があるので暗くはない。
 明るいダイニングルームも気持ちよく、ぬるいながらもお湯の出るシャワーまであるこの宿にこれから3泊お世話になる。


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歯磨き粉コレクション 6

2011-09-12 17:27:27 | コレクション
自慢の歯磨き粉コレクション、珍品が溜まったので一挙公開。

まずは昨夏キプロスで購入したギリシャ製歯磨き。
  
マスティックとカモミール・エキス入り。
マスティックとは乳香の一種の樹脂だがギリシャのヒオス島でしか採れず、写真のような涙型に出る樹脂を昔から歯のために噛んでいたのだがその効能は科学的にも証明されているとか。

使ってみると確かに乳香を噛んだ時のような独特の樹脂の味。
使い慣れたミント味がしないのでなんとも不思議な使い心地。

 インドで購入した Red は名前の通り赤、というよりもレンガ色。
パッケージの絵にもいろいろなスパイスがあるが、成分表にある名前を検索してみるとなんと、しょうが、山椒、シナモン入り。
使ってみれば確かにスパイスが効いて辛く、使った後くちびるがピリピリする。

今までいろいろ試したインド製歯磨き粉の中で一番インパクト大。

  
タイのハーブ系はあらかた試してしまったかと思っていたが、下町の小さなスーパーでもう一つ発見。
タイの中華系企業らしく、朝鮮ニンジン、雪蓮、真珠、クローブ、ジャスミン茶入りといかにも漢方好み。
ちょっとチョークっぽい色の歯磨きはほんのわずかに漢方らしき匂いがするが、使い心地はさわやか。

スリランカはアーユルベーダ天国なので、そっち系を大量にゲット。

まずは宿泊したリゾートの親会社、シッダレーパ社の製品。
  
シナモン、クローブ、ユーカリとリコリス入りとあるが、味はクローブとシナモンが勝っている。
マイルドな味で使いやすい。

もう一つ、前のものよりも値段がちょっと高いシッダレーパ社のアーユルベーダ歯磨き。
  
成分表には聞きなれない植物らしき名前が並ぶが、クローブやシナモンにまじって胡椒の文字。
使ってみると意外に漢方くささはないが、胡椒が強くて辛い。
これもインドの Red 同様、くちびるがピリピリして強烈。

それに比べると同じスリランカのハーブ系でも、メジャーブランドはおとなしい。
  
絵にはいろいろ描かれているが、かわいい青緑のストライプ歯磨きはハーブ臭は弱くてくせなし。

  
これはおなじみコルゲート、と思ってよく見ると実は「クロガード」。
クローブの効果で虫歯からガード、ってことらしいがパッケージデザインはそっくりだし、名前は洒落が効いている。
ミントが強いが確かにクローブの香りも。

ちなみにスリランカの歯磨きはどれも3面に英語、シンハラ語、タミール語で名前が書かれている。

この夏のネパールではペプソデントのハーバルを発見。
  
パーンなどに使われるキンマの葉と塩、ライム入りというのが珍しい。
ウィキペディアによるとアーユルベーダではキンマの葉は口臭予防に良いとされているそうだが、パーンの摂取でガンの確率が高まるとも。
しかし使ってみればわずかな塩味以外は普通のミント味の歯磨きなので、まあどうってことはない。


過去のコレクション:

歯磨き粉の話
また歯磨き粉の話
歯磨き粉コレクション 3
歯磨き粉コレクション 4
歯磨き粉コレクション 5


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スリランカ・フェスティバル@代々木公園

2011-09-11 00:21:04 | 食べ歩き
外国に出た時は寸暇を惜しんでうろうろするくせに、家にいる時はついでがない限りめったに外に出ない。

そんな自分が珍しくイベントにでかけた。

代々木公園でこの週末開催中の「スリランカ・フェスティバル」


それほど広くない会場だがテントがずらりと並ぶ。
  
一番多いのはスリランカ料理のテントで、カレーやら揚げ物やら、おなじみの料理が人気の様子。

  
この春スリランカで飲んだキングココナッツも売られているし、同じお店で販売中の水牛のヨーグルト、ヤシのシロップをかけて食べると濃厚でおいしい。

食べ物屋台の他は紅茶とスパイス、アーユルベーダの紹介をしているブースもいくつかあって、マッサージをしてくれるところもある。

その中に2004年の津波の際にとてもお世話になった Barberyn Reef Ayurveda Resort のブースを発見。
オーナー一家のお姉さんがプロモーションに来ているというのでご挨拶。
もちろんあちらはこちらのことなど覚えていないが、直接お礼ができてよかった!

さて、出不精な自分が出かけてきたわけは、この春に訪れてすっかりスリランカのファンになったのが一つ。
もう一つはその際の同行者がこちらの紅茶屋さんのお手伝いをしているから。
 
紅茶専門店セイロンドロップ
普段ネット販売を主にしている会社だが、社長のヴェルさんはヌワラエリアの出身。当然紅茶への愛情と理解は深い。

 こちらのブースでは冷たく冷やした水出し紅茶とキリティー(ミルクティー)を販売中。今日は暑かったのでこの水出し紅茶がさっぱりとしてとてもおいしい。

  
もちろんリーフティーも販売。それ以外にこんなシンハラ語、タミール語のバッグを売っているのは友人の趣味ね。


代々木公園からは原宿を抜けて、外苑西通りにある隠れ家へ。
 J-Cookのガンボスープ、久しぶりに食べたけどやっぱりうまい!

それにしてもここのマダムが最近ツィッターをやっているとは、驚いた。
携帯電話も持たない超アナログ派だと思っていたのに。


スリランカ・フェスティバルは日曜日も開催中。


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ムスタン紀行 7 ギリン~ツァーラン

2011-09-09 23:11:35 | チベット文化圏
8月11日

ギリンの宿で目を覚ますと外は昨夜から続く激しい雨。
ヒマラヤの北側は雨が降らないと信じこんでいたけれど、やっぱりモンスーン時期はそれなりに雨が降るんだ。

この雨の中を歩くのはいやだな、と思っていると、今回の添乗員はGNHの社長なので太っ腹。「今日はジープを手配して一気にローマンタンまで行っちゃいましょう!」

昨日は疲れ果てたし、やれうれしや、と朝ごはんを食べているうちにあれだけ降っていた雨が止んで雲が薄くなってきた。でももうジープを手配したことだし、と昨日気になったゴンパを見に行くことにする。

 宿を出たすぐ近くにも立派なチョルテン。
  
村の小高い所にあるゴンパは縞模様のサキャパのお寺。
 だからご本尊の前にはサキャパの座主のお写真がある。 
 お寺の屋根から見る村の畑が本当にきれいだ。

村の様子を眺めていると峠から白い車が降りてくるのが見えた。
 これに我々の荷物をすべて乗せ、我々日本人一行5人にガイド2人、いつもはキッチン道具一式を担いで歩くキッチンスタッフ4人も乗り込んで、さあ、出発だ。

車は広い谷を抜けて高度を上げる。
  
すぐに到着してしまったニイ・ラは今回の旅程の最高高度4020メートル。でも車で簡単に着いてしまったので高いという実感がない。

この峠から下ってピンクと緑の畑が見えてきたらそこはガミの村。
  
ムスタン王国では3番目に大きな村だそうだが、車はあっという間に通りぬけてしまって、谷底の川を渡り、また反対側の崖を登る。

  
登り切ったところはチョヤ・ラ、3870メートル。ここからガミ村を振り返ると白い川がまるで天から流れてくるように見える。

 
峠の反対側、これから向かう方向はまた乾ききった景色。道は砂利道だが、車は快調に飛ばす。 
 やがて印象的なきれいなチョルテンが見えたらその先がツァーラン村。
馬なら7時間かかったはずの距離を車ではたったの2時間半。11時過ぎには着いてしまった。

 
ここはローマンタンに次ぐムスタン第二の都、というか村。
 
さすがに立派なゴンパとゾン(王宮)があるが、ゾンの方はもう何十年も使われていないのだそうだ。

  それにひきかえゴンパの方はばりばり現役らしく、境内に電話屋さんまである。

この本堂に入ろうとしたら鍵がかかっていて入れない。鍵番を呼びに行っている間に「日本人ならこっちも見せてあげよう」とお寺の人に案内されたのがこちら。
 崩れかけた廃墟のようにしか見えないが、中に入ると
 
おお、見事な壁画がある!中央にある像は仏様ではなく高僧のようだが誰かはよくわからず。でも造りはきれいで周りの壁画も美しい。
 
中にはラダックの衣装のようなものも見えて、それほど古いものではないと思うがとてもおもしろい。
 
入り口にある六道輪廻図も洗練された筆致。でも保存状態がかなり悪くてもったいない。

この後は本堂も見せていただいたが印象になし。たぶん新しいお堂だったのだろうが、こちらの素敵なお堂を見せていただけたので満足、満足。

  
ところでツァーランと言えば河口慧海がチベット潜入前、1年ほど滞在してチベット語を習得したところとしてチベット好きには有名なところ。この村のどこかに河口が滞在した家が残っているはず、と聞いてみるとなんと
 現在建て替え中。
マルファの家の方は河口慧海記念館になっていたけれど、さすがにここでは「河口って誰?」ってことか。

この村でお昼を食べて、さあ、いよいよローマンタンまであと少し。
 そこにたどり着くにはツァーラン村の下を流れるこの川を越えなければならないのだが
 普段はジープで簡単に渡れるらしいこの川が昨夜の雨で増水している。運転手が川の中まで入って確かめたが、今日は無理と判断。
 仕方がないのでツァーランに引き返す。

 結局この日はお昼を食べたMaya's Innで一泊。

お楽しみは明日まで持ち越しとなった。


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ムスタン紀行 6 ツェレ~ギリン

2011-09-08 22:31:43 | チベット文化圏
8月10日

夜中降っていた雨は朝まで残っていたけれど、いざ出発という8時には都合よくやんでくれた。

 ツェレの村を出て裏手の岩山を馬で登っているとニルギリもちらっと姿を見せた。

こんな調子でずっと馬で行くのかと思っていると、いくらも行かないうちに目の前に崖が立ちはだかり、「ここからしばらくは馬では危険なので歩きです」
 
点々と連なる馬と人の姿がお分かりになるだろうか。

えっ、こんなに歩くの?というのも驚きだったが、トレッカーの多さにもびっくり。
来る前はムスタンなんてチベット好きの物好きしか来ないので誰もいないような道を行くのだろうと思っていたのだが、とんでもない。
どうもこのルートはモンスーン時期でも雨に降られずに歩けるルートとしてヨーロッパ人に人気らしく、特にイタリア人、フランス人の多いこと。
しかも馬に乗っているのは軟弱者の我々だけ、みんなガシガシ、ローマンタンまで歩き通すのだ。

  
道の下は深い崖、反対側に見える村に行くには心細げな吊り橋を渡らなければならない。

こんな道を1時間ほども歩き、その後は馬に乗って最初の峠に到着。
 ツェレ・ラ、3630メートル。

  
峠の反対側はやや緑が多く、だらだらと坂を下ると木に囲まれたサマル村に至る。

 ここでちょっとお茶休憩。
  
台所の棚を覗くと、出た、ラサ・ビール!中国側から陸路でやってきた物資はここまで来ている。

  
サマルの立派な門を出ると少し行った先には谷がある。
 さっさと急坂を降りて下で待っている馬たちのところまでは歩かなければならない。 
 そしてまた急な石の階段をこれまた自分の足でえっちらおっちら。
標高3500メートル以上の登りはつらいのだ。

  
登り切った先では馬と馬子たちが待ちくたびれている。おじちゃん、カエルさんの世話、ありがとう。

  
緑の谷を見下ろしながら行くとベニ・ラ、3860メートル。
その先にあるベニ村はたった3軒、家があるだけ。
 その一軒の茶店でようやく昼食。
 隣でラーメンをすすっていたツァーラン出身の女の子はダージリンの大学生。これから半日でジョムソンまで行くと言う、我々は2日かかった道を。同じ馬でもなんという違い。

 道はさらに次の峠を目指す。
我々はもちろん馬でこの登り道を行くが
 ここを元気に歩く子供たち!
イタリア人の家族らしいが、9歳と7歳の女の子を連れてこのルートを歩こうなんて、日本人には発想すらできない。

  
到着した本日の最高所、ヤムド・ラは4010メートル。峠を越えるたびに変わる景観、いよいよ乾燥した景色になってきた。

  
峠からはまた急な坂を歩いて降りて、次のシャンボチェはまた宿が3軒あるだけの村。
ここで泊るトレッカーも多いようだが、馬の我々はもう少し先まで行く。

 
最後の峠、3850メートルのシャンボチェ・ラを越えたらジープがやってきた。
シャンボチェとローマンタンはいまや自動車で行き来できるようになっているのだ。

 
峠を降り始めるとやっと目的地、ギリン村の畑が見えてきた。そばの花がピンクのパッチを作っていてとてもきれい。
でもこれがなかなか近づかないのだ。

 広い谷へ下りて行き、チョルテンとマニ壁を過ぎてやっとギリン村到着。標高3570メートル。

湿地の中に建つ今夜の宿に着いたのが16時。 
  

村を見下ろす位置にあるゴンパが気になるが、さすがに今日はもう疲れ果てた。
でもちょっとだけ村を見学、と歩いて寄ってきた子供たちを撮っていると、ヤギの集団が放牧から帰ってきた。
  
みんな自分のねぐらに帰るんだね。
雨も降ってきたことだし、我々もねぐらに帰ろう。

いやはや、今日の行程はしんどかった。


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コメント (3)
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