Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

またでかけてきます

2014-04-25 15:07:29 | 雑談
もうペンギンはいいかげん見飽きたよ、とおっしゃる皆様。

南極旅行記も残すところわずかなのだが、東京はおろかウシュアイアに帰港する前にゴールデンウィークが来てしまった。

このところろくに仕事もなく、収入はないのだが暇だけはふんだんにあるのでまたおでかけ決定。
タガは一度外れるともうはまらない。

懐具合とは別に心配がもう一つ、このところ胸焼けと胃もたれがひどくて、町医者に言わせると逆流性食道炎らしい。
処方された薬の効きが今一つで、旅先で食べたいものが食べられなかったらどうしよう、とそれが心配。
もっと心配すべきことがあるだろうって話だが、ねえ。

戻りはGW後、今回の旅行先にペンギンはいない。


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上野でぼたんと「バルテュス展」

2014-04-23 17:45:14 | 機内食・映画・美術展
ぼたんというとなんとなく冬に咲くものだと思っていたが、冬のぼたんは寒い時期に咲くように特別に育てるもので、普通には今頃咲くものとか。

ということで、上野東照宮のぼたん苑に行ってきた。
 
上野動物園のすぐ隣、大きな看板やのぼりが出ているのですぐわかる。

東照宮への参道の脇、控えめな入口を入ると低い塀で囲まれた空間。
 
確かに大きくてあでやかなぼたんが咲いているけれど、思ったよりずいぶん地味だな、と思ったら
 
ぐねぐねと曲がる通路を奥へ進むほど花の数が増えて、その色や形の多様さも見事。
このぼたん苑は1980年に日中友好を記念して作られ、中国ぼたんを中心に約250品種3200株も植えられているのだそうだ。
 
高い木に囲まれ、傘を差し掛けられた姿も日本的でいい。

各々の種類には名前があるようだが、あまりに多くて見ていられない。
 
 
原種は紫紅色というからこの辺が近いのだろうか。

  
 
 
ピンクの色合いも咲き方もいろいろ。

 
 
白は特に変わった花弁が多いようで
 これなどはこれ以上開かないみたい。
 これも聞かなければぼたんとはわからない。
 
こちらは名札にわざわざ「珍種」と書かれた「まりも」という緑のぼたん。この緑が開くにつれて白く変わって行くらしい。

 
絞りの花弁や
 黄色も珍しいけれど
 
黒と呼ばれるこの濃い赤が自分は一番好きかもしれない。

これだけのぼたんに囲まれると、その香りの良さにも驚かされる。
薔薇のような、でも薔薇よりはちょっと控えめな上品な香り。
派手だけれど、ぼたんはやっぱり東洋の花らしい。

存分にぼたんを堪能した後は、出口のすぐ目の前にある東照宮で家康大権現様にも一応ごあいさつ。
 
金ぴかの門は外国人受けするらしく、まわりで写真を撮っているのは日本人より外国人の方が多いみたい。
実は自分も、上野には散々来ているがここにお参りするのは初めてだったりする。

東照宮を出た後は動物園の前を通ってすぐ近くの東京都美術館へ。
 改装以来はじめて来たが
 本日の目的は「バルテュス展」。
大胆なポーズの少女の絵が有名だが、独特の空気感で個性的。

今回の展覧会は日本人未亡人の肝いりで、世界各地から個人蔵の絵も多く集められているので、代表作がすべて揃っているわけではないがかなり見ごたえがある。
彼の初個展での特にエロティックな絵は話題になるようわざとスキャンダラスに描いたそうで、「困窮から逃れるためだった」と言っているが、バルテュスと貧しさはどうも結びつかない。

そもそもがポーランド貴族の息子で、子供の頃から母親が付き合っていたリルケの援助で絵本まで出版している。
その後もフランスの城に住んだり、スイスの元ホテルである巨大な木造家屋に住んだり。
晩年のビデオを見てもかなり気難しそうで、傲慢そうなところがいかにも貴族。
4,50代にはティーンエージャーの義理の姪と同居していたし、日本人の奥さんも初対面は20歳だったそうだが、ヨーロッパ人から見たら少女のようなものだろう。そんな「趣味」を押し通してくせのある絵を描き続けられたのも貴族ならでは、と言ったら偏見にすぎるだろうか。
しかし芸術はいさかかの毒気がなければつまらない。

改装後の都美術館は部屋そのものもそうだろうがなにより動線部分がが広くなったので見やすくなり、なにより天井が高くなって圧迫感がなくなった。
上下の移動にはエスカレーターがついたし、その脇の休憩スペースにはカラフルな椅子が置かれて楽しい雰囲気。
ミュージアム・ショップも充実しているし、外観は変わらないが中は確かに改善されて良くなった。

美術展にも満足して、小腹が空いたので御徒町に近い昭和の香りむんむんの喫茶店へ。
 
上に建物があるのに、お店はなぜか地下の2フロア。
薄暗い店内の破れたビニールシートに座って食べるナポリタンは、柔らかい太麺にちょっと酸味の効いたケチャップ味。たまねぎ、ピーマン、ハムの具は缶詰マッシュルームが欠けているだけでほぼパーフェクト。
ちょっといがらっぽいような苦みのアイスコーヒーも昭和の喫茶店らしい。

上野ですっかり、お腹いっぱい。 


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南極旅行 25 クーバービル島

2014-04-21 16:32:08 | 北米/南米/南極
2月20日 続き

ウィルヘルミナ・ベイから半島を一つまわり、午後はクーバービル島へ。

 ビーチの奥の山は相変わらず低い雲に隠れている。


海面にはたくさんの氷が浮かび、地面も雪に覆われているが
 急斜面の雪のないところは苔に覆われて緑だ。

  
ビーチの端の岩場まで行ってみると、その先はペンギンでいっぱい。
ここは半島でも一番大きなジェンツーペンギンのコロニーなのだそうだ。

もうすっかりおなじみになったジェンツーたちだが、コロッとした姿はやっぱりかわいい。
 
  
   
  
 
モフモフした灰色のヒナは特にかわいい。

 
雪の上にはペンギンたちの足跡が無数についていて、斜面では通り道がまるでスキーのスラロームの跡のよう。ペンギン・ハイウェーだ。

陸の上ではよちよち歩くペンギンも、水の中に入ると途端に動きがすばやくなる。
 
海の中でお腹を見せてグルグル回転するのもいるが、専門家に聞いても「遊んでるんじゃない?」だって。

そして本格的に泳ぎだせば
  
まるで飛魚のように海面を跳ねて、その速いこと。この写真もやっと撮れた。
 
 
海岸にたくさん転がっているのは鯨の骨。
と言うことで、船に戻る前にまた鯨を探してボート・クルージング。

 
潮を吹く鯨発見。
 
頭がフジツボででこぼこなのはやっぱりザトウクジラだ。

 
氷の上に整列したペンギンたちに見送られて島を離れると
 
ようやく雲が少し晴れてきた。
 明日は晴れてほしいな。


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南極旅行 24 ウィルヘルミナ・ベイ

2014-04-20 15:52:03 | 北米/南米/南極
2月20日

前日のデセプション島から南極半島をさらに南下。
 今日の午前中はウィルヘルミナ・ベイでボート・クルーズ。

 波は穏やかなのでボートは降ろされたが、空は低い雲がほとんど海面まで垂れているようで一面の霧。太陽がかろうじて見えてもまわりの景色は全く見えない。
 気温0℃で雪もちらついているので皆さん重装備。

さて、この湾は鯨が多いので有名なところなので、みんな一生懸命海面に目を凝らす。
 ボート同士、無線で連絡を取りながら探すうち
 第一鯨発見!
 
尾びれが見えるといかにも鯨らしいが、これは Humpback Whale(ザトウクジラ)だそう。
 船の近くでは2頭が並んで泳いでいる。

まわりの海には氷塊が浮かび
 
天気が悪い方が青く見える、と言われた通り美しい。
 平らな氷の上にはオットセイもいる。

 ようやく少し見えてきた南極半島。
  
海岸に近づくと小さな氷がびっしり浮かんでいて、その中をゆっくりボートで進むのも面白い。

 また2頭いる、とキョロキョロするうち、まとまった数がいるとの連絡が入り、そちらの方向へ急ぐ。

 お腹の白いところまで見えた鯨。
 
やけに周りを鳥が飛んでいると思ったら、この鯨たちはバブルネットフィーディングと言って魚群の周りを泡で囲んで一網打尽にしているところなのだそう。そのおこぼれに預かろうと鳥が鯨を追いかけているわけだ。

 
2時間ほどボートで探し回って、何回か鯨を見ることができたが、ほとんどは遠くてかろうじてヒレが見える程度。
しかし中には運のいい人たちもいて、一頭の鯨がボートの真下を白いお腹を見せながら潜り抜けて行ったのだそうだ。
そのボートに乗っていたおじさん、「近すぎて、望遠レンズだったので写真が撮れなかった」とくやしそう。
でも鯨は賢いので、近くに来てもボートをひっくり返すことはないとか。

賢い動物だから殺すな、という議論は大嫌いだが、世界中から反対されながら捕鯨を続けなければならない理由もわからない。


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2014年4月の桝ざき

2014-04-19 13:55:30 | 食べ歩き
なぜか毎年、桜の頃になると伺う巡りあわせの御成門、桝ざきさん
今年はもうすっかり葉桜になってしまった。

 一品目はいつも優しい味の茶わん蒸し。
上の餡には竹の子、茶わん蒸しの桜の香りが去年より際立っているような気がする。

いつも華やかな前菜だが
 今回はなんと20品盛り!
どれもおいしいけれど、特にビーツのうにのせと、柑橘類の入った水菜のおひたしがおもしろい。

 見事な赤い漆器のふたを開けるとあらわれる鮮やかな緑のグリーンピースのお椀は毎年のお楽しみ。今年はしいたけがやけにおいしい。
 
 つままでおいしいお造り。

 
あぶった桜の葉の下に隠れているのは桜鱒。パリパリの葉をかじりながら食べる趣向は香りが立って面白いが、桜葉の塩気が粕漬けに合わせるには強すぎる。来年はどう進化するだろうか。

 新玉ねぎソースも毎年いただいているが、今年は去年よりも洋風スープっぽくなった気がする。じゃがいもや生麩など、中に隠れている具材が増えたせいだろうか。食べでがあってもうかなり満腹。

しかし次はお楽しみの土鍋ごはん。
 
今回は桜エビにそら豆。ベーコンの脂が加わっているのがおいしさの秘訣らしい。

そしてとどめのデザート。
 ああ、これもまた増えてる。
どれだけ凝れば気が済むのか、オレンジのゼリーが美味しいと思ったらこれにも秘密があるそうな。

進化し続ける料理屋には通い続けるしかない。


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南極旅行 23 デセプション島

2014-04-17 19:00:03 | 北米/南米/南極
2月19日 続き

リビングストン島から戻って昼食を取った後は、隣のデセプション島へ向かう。

 活火山のあるこの島はドーナッツ型をしていて、中央に大きな湾がある。


やがて見えてきたデセプション島。
 湾の入り口には「ミシン針」と呼ばれる細長い岩が立っていて
 その横の Neptune's Bellows と名付けられた狭い開口部を通ってドーナッツの穴に入る。


ボートで上陸したのは開口部のすぐ右手にあるWhaler's Bay。名前の通り、20世紀の初めに捕鯨基地があったところだが、この静かな湾を避難場所にしたのは当然だろう。

上陸後はいくつかのグループに別れ、湾を見下ろすまわりの山に向かった人たちもいたが、晴天とは言え風が吹いて寒いので、軟弱な自分はカメラマンについて歩く写真教室を選択。
 
浜に残る鯨油のタンクなど、はじめのうちこそみんな説明を聞きながら撮っていたが、そのうち勝手にバラバラになるのが欧米人らしい。

浜に残るゆがんだ建物は1911年から31年までこの島にあったノルウェーの捕鯨基地の跡。
  
  
 
風や雪、それに火山の爆発でぼろぼろになっているが、一応「南極の歴史的建造物」として保存されているのだそうだ。
 ノルウェー人の墓も少し残っているが、大部分は火山爆発による泥流に埋まってしまったとか。この島に眠るのはちょっと寂しすぎる。

さらにこの島には1944年から69年までイギリスの観測基地があったため、飛行機の滑走路と格納庫が残っている。
 
格納庫の中は扉が閉まっているのに雪でいっぱい。どんな風が吹くのか、想像するだに恐ろしい。

島の別のところには大きなアゴヒゲペンギンのコロニーがあるらしいが、上陸地にはほとんど動物がいない。
 
赤い海藻が打ち寄せる浜辺にオットセイが少しいるぐらい。 

そしてその浜辺からはほのかに湯気が立ち上り、強くはないが硫黄の香りも少しする。
 火山島のこの浜辺には温泉が湧いているのだ。

少し前まではこの浜辺に穴を掘って温泉に入ることができ、それを楽しみにしていたのだが、最近穴を掘るのが禁止されてしまったとかで温泉浴のイベントはなし。
 なので指先をつけただけで南極温泉は終了。
足先でちょっと砂を掘るだけでもお湯が湧いてきて、しかも45℃ほどの適温だっただけに残念至極。

船に戻って出発を待っていると、来るときにも見かけたもう一隻の船が島を出て行った。
 これは「ナショナル・ジオグラフィック」のクルーズ船。
南極では上陸地が重ならないよう、クルーズ船同士情報交換して調整しているそうだが、デセプション島は大きいので、あちらの船は湾のもっと奥に停泊していたようだ。

 
その後を追って、我々の船もまた Neptune's Bellows を通り、デセプション島を離れた。


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南極旅行 22 リビングストン島

2014-04-16 19:07:46 | 北米/南米/南極
2月19日

 夜の間に南極半島の西側に移動、本日午前の上陸地はサウス・シェットランド諸島リビングストン島のハナ・ポイント。

 
黒い岩だらけの島の、小さなビーチに上陸する。

  
石ころだらけのビーチにはジェンツーペンギンがいっぱい。
 
ここのジェンツーたちは羽の生え変わり時期らしく、地面も抜けた羽根で白くなっている。
 この哀愁漂うボロボロの姿もいいし
  ころっとした後姿がまたたまらない。

 
浜から上の、草が生えているところにいるのはアゴヒゲペンギン。こちらはどうも泥の中がお好きらしく
  
水たまりに映る自分の姿にうっとりしたり、声高く鳴いてみたり。
 おひげがやっぱりダンディーだ。

 上陸した浜から崖の中の道を歩いて行くと
  
眼下の浜には、まるで鰹節を並べたようにゾウアザラシがくっつきあっている。
 
この子たちはまだ若いオスだそうだが
 
鼻水たらして寝ていたり、口元が笑っているように見えるので結構かわいい。

 こちらはもうちょっと育ったオス。
 
鼻が名前の通り「ゾウ」になりつつあるが、あくびをしたらすぐまた寝てしまう。

この島の高い崖の上には鳥の巣もいっぱいあって
 
大きな翼を広げて飛んでいるのはオオフルマカモメ。
 
トウゾクカモメは死んだペンギンをつついているし、血だらけのペンちゃんはアザラシの攻撃をかわしたのか。
平和そうな島でも生存競争は厳しい。 

 
3時間ほど遊ばせてもらって、青空の見えてきたリビングストン島を後にした。


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南極旅行 21 ジョインビル島

2014-04-15 18:07:02 | 北米/南米/南極
2月18日

早朝の濃い霧が次第に晴れてきて、船の右舷に陸地が見えてきた。

 これぞ南極大陸からおたまじゃくしのしっぽのように伸びる南極半島。その東側、南極海峡を南に下って行く。
 海岸沿いにかろうじて見えるのはアルゼンチンのエスペランザ基地だろう。

やがて停泊したのは上陸予定地、ブラウン・ブラフ。
 
名前の通り、750mもの茶色い崖が立ちはだかっているが、その麓にはゴマ粒のようなペンギンたちの姿が見える。

さあ、いよいよ南極半島に上陸だ!と乗客がワクワクしながら待っていると、
 なんと、一度おろしたゴムボートを回収し始めた。

 
船の周りを見ると氷の帯がどんどん押し寄せてくる。
停泊しているとこの氷に囲まれて、へたをすると出られなくなってしまうのでこの海域を離れることを船長が決断したのだと言う。

昨年のクリスマスには同じロシアの調査船アカデミック・ソコルスキー号が氷に閉じ込められ、乗客の救助で大騒ぎになったばかり。それもあって慎重になっているのだろう。
そもそもこの南極半島の東側、ウェッデル海は西側に比べて氷が多く、シャクルトンのエンデュアランス号が閉じ込められたのもこの湾のはるか南。安全策を取るにしくはない。

それでは今日はもう上陸はないのかと思っていたら、対岸のジョインビル島に行くことになった。
 半島側がブラウン・ブラフ、赤丸が上陸地のマッダー・クリフ。

 午後2時半からまたボートを下して上陸開始。

と言っても上陸地が狭いので、またクルーズをしながら順番を待つ。

 島に近づくと地面が分厚い雪の層に覆われているのがよくわかる。写真の左下の黒い点が仲間のゴムボート。

海には面白い形の氷塊が浮かび
  
 
水はきれいに透き通っている。

  
地面の露出しているところにはペンギンがいるが、この島にはジェンツーとアデリーペンギンが同居している。
 
浮氷の上にいるのもアデリー。早くこの子たちを近くで見た~い、と思っていると
  
アザラシの中でも一番凶暴だと言う Leopard Seal(ヒョウアザラシ)発見。

自分が見たときには水から上がって転がっていただけだが、他のボートの人たちはすごい場面に遭遇した。
アイルランド人のグレッグさんから許可をもらったので使わせていただくが
 
ヒョウアザラシがペンギンを捕まえて食べているところ。
他のアザラシは魚やイカ、オキアミを主に食べるが、ヒョウアザラシは肉食でペンギンやオットセイの子供を食べる。
目撃者たちによるとこいつは捕まえたペンギンを投げたり離したり、しばらくなぶってから食べちゃったそうだ。まるで猫みたい。

とクルーズを楽しんでいるうちに順番になったので島へ上陸。

 
待望のアデリーたちが走り回っていてかわいい~。

   
アデリーペンギンはジェンツーより少し小さく、タキシードを着ているように白黒で目の周りに白い輪がある姿は一番ペンギンらしい。JRのスイカペンギンもアデリーだ。
一番見たかったペンギンだが、南極大陸にしか住んでいないので初お目見えだし、実はここでしか見ることはできなかった。南極の温暖化がすすんで、寒いところの好きなアデリーはもっと南に移ってしまっているらしい。
  
島にはヒナから大人になりかけているのがたくさんいるが、頭のてっぺんにだけぽよぽよした毛が残ってモヒカンになっているのがおかしい。ヒレが頭の上まで届かないのでそこだけ残ってしまうのだ。

こちらはジェンツーのヒナたち。
 
頭を丸ごと親ののどにつっこんで餌をもらっている。ペンギンの親も大変だ。

とペンギン観察で楽しいマダ-・クリフだったが、ここには問題が一つ。
それはここがとてつもなくくさいこと。
 
これまでのペンギン・コロニーもそれなりに糞のにおいがしたが、耐えられないと思うほどのところはなかった。
しかしここはものすごくて
 何しろ地面が餌のオキアミの色に染まっているほどで生臭い。
ぬかるんだ地面で転ぶ人までいて、帰ってからも船中ににおいが充満してしばらく大変だった。
かわいいアデリーちゃんは他のペンギンよりくさいのだろうか。

そんなことを思いつつ
 
また流氷帯を抜けて島を離れる。

しばらくすると大きな卓状氷山が見えてきた。
 
何百年分もの氷の層が見えるこの氷山も、南極では「ベビーサイズ」なんだそうだ。

 今日も一日、楽しかった。

が、アデリーペンギンをもっと見たいという方はこちら↓



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南極旅行 20 エレファント島

2014-04-11 19:26:00 | 北米/南米/南極
2月17日

スコシア海を西へ航海中。
 朝は太陽がかろうじて見える曇天。
気温は0℃だが風が30ノット、つまり秒速15メートルでかなりの強風。
体感温度は風が強いと低くなり、気温0℃で風速20ノットの場合マイナス6℃となる、と壁に説明書きが出ていたから今朝はおそらく体感マイナス10℃以下。風の当たるところには1分も出ていられない。

 朝食を済ませたあたりから天気が良くなって快晴になった。

 今日はこのまだら模様の海鳥が船の周りをずっと飛び回っている。
 
Cape Petrel、マダラフルマカモメ
 
海面すれすれ、波しぶきをかぶりながら飛び回るのが面白くて写真を撮りまくってしまう。

昼間はまた南極の植物や地理などのプレゼンテーションを聞いて過ごす。

現在南極には30ヶ国以上が観測基地を持ち、夏には5000人ほど、冬でも1000人ほどの「住人」がいるとのこと。
南極条約によってどこの国にも領有は認められていないが、チリやアルゼンチンの大きな基地には家族連れもおり、学校まで作って領有する気満々らしい。
それにしても「出身校は南極」なんて、かっこいい!

やがて夕方の17時、エレファント島に到着。
 こここそシャクルトンの一行がボートで命からがらたどり着いた島。
フランク・ワイルドをリーダーとして22名が救援を待って4ヶ月過ごしたビーチに上陸予定だったが
 深い霧でまったく何も見えない。
天気が良い時でも波が荒く、上陸は難しいところと聞いてはいたが、ここまで見えないとは。
 せめても、と本の記念撮影(笑)。

あきらめて船を動かし、東の岬を回ったあたりでようやく霧が晴れて島が見えてきた。
  
思ったよりもずいぶん大きな島だが 
 
見えるのはいくつもの氷河
 あとは切り立った崖ばかりで、本にもある通り、上陸できそうな浜辺などほとんど見えない。
こんなところで生き延びたのか、と上陸できなかったからこそ実感できたかもしれない。

 エレファント島を後に、船は進路を南に向けた。


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南極旅行 19 サウス・オークニー、ローリー島

2014-04-10 18:35:43 | 北米/南米/南極
2月15日

サウス・ジョージアを出てスコシア海を南西に航海。
時間をまた1時間戻す。

一日海上なのでプレゼンテーションが多く、そのたびに階段を6階分上り下りする。

本日教わったこと:

* ペンギンは生後1年が正念場。卵やヒナはトウゾクカモメなどに狙われて、90%が1年目に死んでしまう。1年目を生き延びれば寿命は15年から20年近くある。

* 南極オットセイは20世紀の初めに毛皮猟で乱獲されて絶滅しかけた。がその後猟がなくなり、鯨もいなくなったので3500頭から現在は推定150万から500万頭もいるらしい。

* アホウドリは寿命が長くて、人間と同じぐらい長生きする。ヒナが一度巣を離れると、繁殖期の14,5歳になるまで一度も陸には上がらないのだそうだ。寝るのも飛びながら、脳の半分づつ寝ているらしいがよくはわかっていない。

部屋を暗くされるとうとうとしてしまうこともあるが、知らないことがいっぱいでおもしろい。

 夕方、波がちょっと荒くなったがこの程度。
ブリッジまで届くような波しぶきを期待して待ったがとうとう見られずじまい。


2月16日

 朝6時の気温が5℃と暖かいが、船の周りは濃霧。

 船はサウス・オークニー諸島に到着し、東端のローリー島を目指す。
ここはスコットランドのオークニー諸島と緯度がほぼ同じなので「南のオークニー」と名づけられたそうだが、南緯60度以南なので南極条約によりどこの国の領土でもない。

 
10時過ぎて見えてきた、これがローリー島。
 この島にはアルゼンチンの海軍基地と南極観測基地があり、今日はその基地を訪ねる。

とは言え一度に100人近くがお邪魔するわけにはいかないので、半数はまず島の周りをボートクルーズ。

 
小さいながらもいよいよ現れてきた氷山。
  
近くで見るとアイスブルーがほんとにきれい。

 ボートで島に近づいてみると
  
海岸は足の踏み場もなさそうなほどアザラシだらけ。
 急な崖にはゴマ粒がたくさん見えるが、これはペンギン。地面がピンクがかっているのはオキアミを食べた糞のせい。

この島にいるのは初お目見えのアゴヒゲペンギン。
 
体長70cm弱でジェンツーよりちょっと小さく、体も頭もちょっと細い。英語では Chinstrap と言う通り、ひげと言うより帽子のあご紐のような黒い線が顔に入っている。
 ヒナは灰色のホワホワでジェンツーのヒナにそっくり。
 驚くほど高い崖の上にもいるが、ぎゃーぎゃー騒ぐトウゾクカモメのすぐそばにもいるのはなぜだろう。
 
  おなじみナンキョクムナジロヒメウやオオフルマカモメ
 Southern Fulmar (ギンフルマカモメ)に
 こっちの白いのは Snowy Sheathbill(サヤハシチドリ)と鳥もいっぱいいる。

 海岸にウェッデル・アザラシがいる、と思ったら
 
もぞもぞ動いて近くまで泳いできた。好奇心が強いのだろうか。

 ← もっとアゴヒゲペンギンが見たい方はこちら

1時間もボートクルーズを楽しむうち、交替時間が来て基地へ。
  
赤い建物が散らばるアルゼンチンの Orcadas 基地。
 
補給船が来たばかりとかで荷物がいっぱい。

基地の女性研究者に先導されて、まず向かったのはこちら
 これがなんと「博物館」。
ここは1903年にウィリアム・ピアースに率いられたスコットランドの探検隊が越冬した建物で、その翌年にはアルゼンチン政府に譲渡され、以来アルゼンチンはここに観測所を維持し続けて、南極で一番歴史の長い基地なのだとか。
  
誇らしげにスコットランドの旗が掲げられた室内は驚くほど物が豊富で、この建物内にいる限りは結構快適そう。

それでは現代はどうか、と基地にお邪魔すると
   
室内は暖房がよく効いて、カメラが曇る~。
   
お茶とお菓子まで用意してくれ、ステッカーやキーホルダーなど基地グッズも販売中。
礼拝室まであるこの基地の夏の住人は45人、冬は14人ほどだそうだが、アルゼンチンはここの他にも11か所も観測基地があるらしい。

風が強くなる中、波をかぶりながら船に戻った。


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