今回成田を出発して乗り込んだのはエミレーツ航空のA380。
同行の友人は腰痛とお金をダブルで持っている(笑)のでビジネスクラス。
こちらはスコットランド行きで散財したばかりなのでまたビジネスはきつい。
と、昨年の12月から成田便にはプレミアムエコノミーが新設されたというではないか。片道の追加が7万円とのことなのでエコノミーからアップグレード。
成田のチェックインではプレエコ専用のカウンターがあり、セキュリティーもワンワールドのサファイア・カードを見せたら優先ラインが使えて楽々。
A380はファースト、ビジネスが2階席なので1階の前方がプレミアムエコノミー。
座席の白い革張りと窓の周りの木目調がちょっと豪華な感じ。 座席配列は2-4-2で足元もさすがにエコノミーより広く、レッグレストとフットレストが付いている。腰が包み込まれるような座り心地が良く、リクライニング角度もエコノミーよりも深く倒せるが、フルフラットになるわけではなく、前の席が倒れてくると席を立つのはかなり大変。
大昔、ビジネスクラスと言うものができた頃の座席がこんな感じだった。 離陸前にグラスで飲み物のサービス。レモンミントをもらったが、これはかなり甘い。
アメニティーも配られるが、これはエコノミーと共通。以前は5元素柄だったものが今年は動物柄に変わった。
扉が閉まってみると周りはガラガラ。プレエコの搭乗率は2割か3割だっただろう。
ビジネスはいっぱいだったそうで、プレエコは存在をまだ知られていないのかもしれない。
成田便の出発は22:30で、機内食が出たのは真夜中頃。 プレエコでは食器が陶器なのが気分良く、チキンにカレーのようなソースがかかったものはかなりおいしかった。
フライトインフォメーションにメッカの方角とお祈りの時間が出るのがアラブの航空会社らしいが、エミレーツがいいのはエンタメシステム。映画の選択肢がトルコやカタールに比べても段違いに多いのだ。
とは言え夜中のフライトなので往路は一本だけ。 The Boys in the Boat 「ボーイズ・イン・ザ・ボート 若者たちが託した夢」
日本語タイトルが思い切りベタだが、大恐慌時代、学費にも困った学生たちが寮に入れ、給料も出るというのでボート部に入り、弱小チームだったワシントン大学が裕福な名門大学に勝ってベルリン・オリンピックに出場、ヒトラーが見守る中、強豪ドイツ・チームに勝てるか、という実に分かりやすいお話。
なじみのない俳優たちはいかにも30年代という顔を集めたかのよう。
監督はジョージ・クルーニーだが単純な作りは50年代のハリウッド映画のようでひねりはなし。内容が内容なのでそれでいいが、チームメイト間のやり取りにはもうちょっと工夫があっても良かった気がする。
オリンピック直前に見るにはぴったりの映画、ボート競技も見てみようという気になる。
フルフラットではないとやっぱり寝られず、2度目の機内食。 メインを和食にしてみたら煮物が意外においしかった。
ドバイからはミュンヘン行きに搭乗。 これもA380なので2階へ伸びるブリッジが見える。
こちらにはプレエコはないので普通のエコノミー座席。 8:50に出るので朝食が出るかと思ったら1食目はリンゴかチーズのパイの二択。
6時間ちょっとの飛行中、大好きな The Great British Bake Offの最新シーズンを途中まで見て 2食目はランチでビーフのトマト煮。デザートはまたリンゴだった。
帰路はベネチア空港からの出発。 ドバイまではB777‐200。
15:35の出発で今度は1食目にきちんとした食事。 チキンを切るのに苦労したが味は悪くなく、付け合わせの麦のお粥も食べやすい。デザートはイギリスっぽい Sticky Toffee Pudding。
このフライトでは珍しく日本映画を選択。 「パーフェクトデイズ」
役所広司がカンヌで主演男優賞を取った映画で、監督はヴィム・ヴェンダーズ。
主人公の職業が公衆トイレの掃除人なのだが、次々に登場するのがおしゃれな渋谷の公衆トイレ。17か所あるというこのデザイン公衆トイレ、一度見に行こうと思っていたが、この映画、そもそもこのトイレ・プロジェクトのPRとして企画されたと知って深く納得。
ヴィム・ヴェンダーズは小津安二郎のファンだそうで、なるほど全体のトーンがそっくり。
主人公のバックグラウンドなど匂わせるだけで説明することなく、淡々と過ぎる日常を「パーフェクト」と呼ぶ感覚はわかる気もする。
が淡々としすぎていささか環境ビデオっぽい所もあり、途中で眠りそうになった。 2食目にはアイスクリームが出て、これはバニラ一択。
ドバイからはまたA380のプレエコで、午前2:40発予定が1時間遅れの出発。
1食目が出されたのがドバイ時間の5時頃なので朝食。 フルーツとヨーグルトがたっぷり。
また10時間と長い道中、どうせ眠れないなら長い映画を見ようと選んだのは Oppenheimer 「オッペンハイマー」
今年のアカデミー賞を大量受賞したこの映画、なぜか他の航空会社ではなかなかやっていなくてやっと見られた。
が、同じような顔をした登場人物が同じようなドイツ系の名前で大量に出て来て誰が誰やら混乱し、なにより理論物理学の話なんて英語で付いて行けない。
原爆の開発に尽力したオッペンハイマーだが、共産党員たちと親しかったということで赤狩りの時代にソ連のスパイ容疑を受けた、ということまではわかったが映画の3分の2まで見た所で力尽きた。
ただ最近欧米で男前として人気のキリアン・マーフィー、スチルだけ見ていると個性的な顔としか思わないが、動くと確かにセクシーな魅力があるとわかったのは収穫。
この映画、次は日本語字幕付きで見ないと。
難しい映画で疲れたので、この後はBake Offを準決勝まで見ながら到着前、2度目の食事。 バターチキンなるメニューを選択すると、タンドーリチキンにマイルドなソースがかかって、添えられたバスマティライスともどもすごくおいしい。今まで食べた機内食のチキンではベストかも。
最後はコーヒーにチョコレートをもらってヨーロッパからの長いフライトは終了。
ビジネスに乗った友人に言わせるとエミレーツのラウンジの食事はとてもいいが、機内食は全然ダメとのこと。
それに比べるとエコノミーやプレエコの機内食は他社に比べていい方、優先搭乗もできるプレエコはフルフラットにこだわりがなければいい選択かもしれない。ただしプラス7万円の価値があるかはちょっと微妙、かも。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
今回のスコットランド行きにはトルコ航空改めターキッシュエアラインズを使用。
道中長いから、とビジネスクラスを奮発してしまった。
まずは羽田から21:55出発。
機材はB777-300で、成田発は最近流行のより個室っぽいシートの機材らしいが、羽田発は残念ながら2-3-2配列の旧型座席。
隣との仕切りもないがフルフラットになって、特筆すべきはシートピッチ。足が前の座席下に潜り込む形ではないので190㎝もあって、おかげでモニターが遠すぎて見にくいほど。 乗り込むとスリッパと薄いひざ掛けが用意してあるが、食事前には座席に薄いキルティングのベッドシートを敷いてくれて、その際にはもっと厚い上掛け布団ももらえる。
出発前にはターキッシュ自慢のレモネードなどの飲み物が回ってくるが、以前くれたロクムのサービスはなくなってしまったのだろうか。残念。
そして登場するのはシェフスタイルのスタッフ。 メニューを配りながら注文を聞いて回る。
ただし配膳は普通のCAさんたちがするので、シェフの姿を見るのはこの時だけ。
食事は夜中近くになったが、楽しみにしていたターキッシュのビジネスなのでフルコースでいただく。 まずはトルコ式の前菜3種盛り。
ナスと、ちょっとピリ辛のトマト、ハーブの入ったラブネはカタールの前菜よりおいしいかも。
小さなライトと塩コショウ入れがかわいい。 メインはトルコらしいものがなかったので珍しく和食を選択。鯛の焼き物にお味噌汁が結構おいしい。
デザートにはトルコ菓子がまた3種盛り。
バクラバはおいしいけれどトルコのはやっぱり激甘。
お茶をお願いすると愛想のいい男性CA氏、「バクラバは甘すぎるよね」
こちらのメニューはお茶が充実していて、ブレンド茶もいっぱい。
ビジネスクラスではノイズキャンセリング機能付きのDENONのイヤホンが配られるので、食事中は遠いモニターで映画を一本。ただしあまりそそられるものはなくて、選んだのは Lift
2022年のドキュメンタリー映画で、NYのホームシェルター出身のバレエダンサーが同じ境遇の子供たちにバレエを紹介して貧しい境遇からの脱出を助けようとする話。
映画は10年に渡って子供たちを追いかけるので、中には奨学生からアメリカンバレエシアターに合格する子供まで出る。ただし教室は無料でも送り迎えが無理、と途中でやめてしまう子供たちもいるし、10歳ごろには可愛かった女の子が数年たつといっぱしの不良を気取って休学させられたりする。するとメンターであるダンサーがこんこんとこの先どんな不幸が待っているかと諭して、さすがに反省してダンスに戻ってくるのでちょっとほっとする。
アメリカの下層の厳しさ、チャリティー活動の様子などがわかるいいドキュメンタリーだった。
食事の後はフルフラットで5時間ほど眠って、トルコ料理の紹介ビデオなど見ているうちに朝食。 と言ってもあまりお腹もすかないので、フルーツとパンだけもらった。
13時間のフライトでイスタンブールに到着、ここからエジンバラまでは4時間半。
機材は A321 Neo、中距離路線なので昔ながらのビジネスクラスシート。
今度はラズベリー入りの赤いレモネードをもらった。
出発が7:15だったのでまた朝ごはん。 今度はたっぷりのラブネの上にグラノラとベリーがいっぱい載って、これはとてもおいしかった。
この後さらにオムレツなどの提供があったが、もう食べられないとパス。
この機内でまた映画を一本。キャストに惹かれて The Burial
この映画、日本では「眠りの地」というタイトルでアマゾンの配信でだけ見られたらしい。
物語はトミー・リー・ジョーンズ扮するミシシッピーの葬儀屋が大手葬儀社に乗っ取られそうになり、黒人弁護士のジェイミー・フォックスを雇うという、実話に基づいた話だそう。
大手葬儀社の社長も大型クルーザーなど見せびらかしていやらしいが、黒人弁護士の方も大邸宅に住んで派手な暮らし。大手が貧しい黒人たちを食い物にして大儲けしたということで奮起して見事巨額の賠償金を勝ち取るが、アメリカの訴訟ってやっぱり、面白いけどなんだかなあ、と思ってしまう。
ジェイミー・フォックスは相変わらず上手い。
帰路も同じ機材で、11時過ぎの出発なので昼食が出るかと思ったが、また朝食。
メインは薄ーいパンの間にほうれん草とチーズが挟まったもの。ただしこれ、あまり温かくなかったのが残念。
イスタンブールでは長い乗り継ぎがあって、羽田行きは夜中2時の出発。
なのでこの時間に食事を頼んでいる人たちもいたが、自分はシェフに注文だけしてすぐ就寝、フルフラットのおかげで5時間以上寝ることができた。
起きたのは日本時間でお昼過ぎ。ということで昼食として まずはスモークサーモンとエビ、カニのマヨネーズ和え。サーモンはちょっと塩辛すぎ。
メインはパスタにしようと思ったらすでに品切れとのことでまた魚。 ハドック(コダラ)のグリルは魚より付け合わせの野菜がおいしい。
デザートにはアイスクリームを頼んだらこんな工夫のない姿で登場した。
ホームベース発なのでちょっと期待していたが、選択肢にあまりトルコらしいものがなくてかなりがっかり。
24時間以上前ならメニューの事前予約も可能だったのだが、タイミングを逸してしまって残念。
この食事中にまた映画を一本。いまさらながら 「バービー」Barbie
この映画、アメリカでは大ヒットしたものの日本での受けはいまいちだったようなので見るのを躊躇していたが、見てみたら面白いじゃないの。
まずは冒頭、「2001年宇宙の旅」のパロディが自分的にツボ。
以降、登場するバービーの家やら様々な設定のバービーやら、自分はもちろんリカちゃんで育っているが、これで育ったアメリカ人に受けた理由がよくわかる。
フェミニズム・テーマもうまく茶化していて、この題材で大人向けの映画を作るとはすごい、と感心してしまった。
主役のマーゴット・ロビーは最近のお気に入り。バービーになりきっているのがすごく、途中人間界で苦労して「私、こんなに醜くなっちゃったわ」と言うとヘレン・ミレンのナレーションが「マーゴット・ロビーが言っても説得力ないけど」と入るのにも笑った。
ただしケン役のライアン・ゴスリングが自分的にはいまいち。もっとミーハー的美男だったらよかったのに。
と思っているうちに着陸2時間前になって、妙な時間だが朝食の提供。
これはもう食べられないと断って、スムージーだけ頼んだが これはむちゃくちゃおいしい。
19:20に羽田に到着して長いフライトも終了。
食事は正直期待したほどではなかったが、しっかり眠れたおかげでかえって帰国後時差ボケしてしまった。
おまけは機内でもらったアメニティー。 ピンクは往路、赤は復路にもらったもので、ブランドはフェラガモだがビニール素材には残念ながらあまり高級感は感じられない。
アイマスクが厚みがあってなかなか良かった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
所用ででかけたついでに上野まで。
例によって東京国立博物館の特別展へ。 「本阿弥光悦の大宇宙」
地味な内容のためか平日の午前はかなり空いていて、ゆっくり静かに見られたのは良かった。
しかし展示を見始めて自分の勘違いに気づいて愕然。
ポスターにも大きく取り上げられている通り、光悦と言えば国宝にもなっている大きく膨らんだ硯箱が有名なのでてっきり工芸の人だと思い込んでいたが、実は書の方が有名な人。
どうやら尾形光琳などとごっちゃになっていたようで、自分の不勉強に恥じ入るばかり。
本阿弥家は刀剣の鑑定では名家とのことで展示の初めは国宝の刀がずらり。
しかし刀にも書にもまるで興味も知識もないので、この辺りは猫に小判、豚に真珠。
が見ているうちに光悦という人はその出自から有力なスポンサーや職人に強力なコネがあり、自身の審美眼もあって優れたプロデューサー、コーディネーターだったのだと理解できた。
今回の展示で一番感動したのは俵屋宗達とのコラボの「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」。
13mもの巻物の上で鶴たちがたたずんだり、羽を広げて飛び立ったり、なんて自由で洗練されているのだろうとうっとり。
これより早い時期にコラボしたらしい桜の屏風も 絵を宗達が描き、その上に光悦の書が短冊の形で散りばめられているのだが、木の表現など現代の物のようにモダンに見える。
町絵師だった宗達を見出して有名にしたのが光悦だそうで、それ以外にも謡本の贅沢な紙までその職人の名前がちゃんと残っている。
芸術ならぬ工芸にまで名前が残っている国って他にあるのだろうか。
最後は陶芸で、これなど茶の湯をたしなんだ光悦の個人的な趣味だったんじゃないかと思うが、それが国宝になってしまうすごさ。
しかし実は光悦の国宝より、陶芸の師匠だったであろう楽焼のプロ、長次郎の茶わんがいいなあ、なんて思ってしまった。 外に出ると一本だけ、紅梅がもう花を開いていた。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
ものすごく久しぶりに映画館に足を運んだ。
チェックしてみたらなんと昨年の4月以来。これでも昔はいっぱしの映画ファン気取りだったのだが。
足を運んだ先は珍しく新宿。
K's Cinemaという初めての映画館はJRの東南口から3分ほどのビルの3階にある。 84席のミニシアターだが、座席のクッションが良くてかなりいい。
さて、好きではない新宿までやってきたのはこの映画の上映館がここしかなかったから。 「ただ空高く舞え」 Soorarai Pottru
インド映画だけれどヒンディーではなく、ちょっと珍しいタミール語映画。
主演はタミール語映画のスターでこの映画のプロデューサーでもあるというスーリヤ。大きな目で、髪を短くするとサルマン・カーンにちょっと似ている。
お話はインド最初のLCC、エア・デカンを創業したGRゴピナートという人の自伝を元にしている。
実話では2000年にアメリカでLCCのことを知り、2003年には創業して「早期予約者はチケット代1ルピー」という広告で話題になったとのこと。
映画は実話のエピソードをうまく取り入れたフィクションなので悪役がえぐすぎたりもするのだが、「職業や収入、カーストに関係なく、誰でも飛行機に乗れるように」という哲学はしっかり伝わる。
面白いのはちょっと太めの奥さんが「自分は自分、結婚しても相手とは対等」とパン屋を続け、「機内食にはうちのパンを使って」としっかりビジネスするところ。創業者の奥さんは本当にパン屋で旦那さんを助けたのだとか。
最近は韓国や中国のドラマでも「玉の輿に乗るより自分らしく生きたい」というヒロインが増えていて、このトレンドは南インド映画にまで及んでいるんだ、と感心した。
航空会社の話とは言えインド映画らしく歌や踊りが入っていて、ちと長いこれがなければ150分の映画も120分ぐらいに収まるだろうと思うし、ボリウッド映画に比べるといささか泥臭い所があるが、わかりやすい映画で素直に楽しめる。
ちなみに現実のエア・デカン、創業から4年で資金困難に陥ってビール会社が経営していたキングフィッシャー航空に買い取られた。ところがこちらも経営がうまくいかなくて、2012年には運行停止してしまったとのこと。
映画の中にはキングフィッシャーの社長によく似た大金持ちがちょっと皮肉な役で出てくるのも裏話を知ると面白い。
ところでせっかく行く新宿でお昼はどうしようかと考えていると京王百貨店で駅弁大会が開催中と判明。駅弁好きとしてこれは行かねば。
と7階の催事場に行くと、ここだけは大盛況。とは言え平日の昼間なので行列もたいしたことはない。
地方ごとに運ばれてきた駅弁がずらりと並んでいるが、有名どころは結構もう食べちゃっている。
そこで選んだのは「ここでしか食べられません」というおばちゃんの売り言葉に惹かれた福井の焼き鯖と鯛の漬けが乗ったお弁当。
空弁を作っている会社で、これは京王百貨店での限定販売とまったく駅弁ではないが 会場の端のお休み処で早速いただくと特に鯛の漬けが寿司飯によくあっておいしい。
さらにもう一つ、目移りしながらこれも買ってしまった。
卵の下は具なしのケチャップライス、おかずは鶏唐揚げにソーセージ、エビフリャーとお子様ランチだが、ぴよりんの飴まで入ってかわいい!こちらは夕食においしくいただきました。
ついでに帰りは宮崎県のアンテナショップに寄って 大好きなチーズ饅頭を全種類一つづつ。
たまには新宿に行くのもいいかも。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
現在日本からニュージーランドに飛んでいるのはニュージーランド航空だけ。
というわけで初めてこの航空会社を使ってみた。
成田からの出発はもう暗くなった午後6時半。 尾翼のシダのペイントがかっこいい。
機材はB787-9で、エコノミー席は3-3-3配列。 搭乗時、なぜか照明が怪しい紫色。たしかカタールも夜はピンクっぽい照明だったが、この色に何か意味があるのだろうか。
機内はほぼ満席で、乗客の9割は日本人。時期のせいか、グループ客は中高年が圧倒的に多い感じ。
中央アイルの通路側を選ぶとラッキーなことに隣は空席。中央アイルの真ん中席は空席が多いので、長距離の場合は絶対に中央アイル。
座席は薄型の造りでリクライニングも浅めだが座り心地は悪くない。 ユニークな保安ビデオで有名なNZ航空だが、現在は子供向け番組風でちょっと残念。
安定飛行に入った所ですぐに夕食。事前のドリンクのサービスはなし。 メイン一皿にサラダ、デザートと品数が少なくてあまり見栄えがしないが、チキンなど味が良くてかなりおいしい。
最近の環境保護のためだろう、お皿はすべて紙製。 とそれはいいのだが、ナイフとフォークが木製なのは困りもの。ナイフなど全く切れなくて役に立たない。
食後は映画でも見ようと思うが、本数はそこそこあるものの見たいと思うようなものはまったくなく、かろうじてニュージーランドのTVシリーズ、「ブロークンウッド」の最新シリーズがあったので1本見た。
この番組、ケーブルのミステリーチャンネルで放映されていて、さえないおっさんが主人公だけれどなかなか面白いのだ。
途中、トイレに行くと壁紙が面白い。
本棚の柄になっているのだが、タイトルに洒落が効いていてつい読んでしまう。
その後、3,4時間はウトウトして朝食のサービス。 こちらは定番メニューだが、なぜか朝はパンが付かない。
出発は20分ほど遅れたが定刻にオークランドに着陸した。
そして帰路、今度は深夜23:55の出発。
今回も20分ほど遅れて、日本人でほぼ満席の機内。
入口で迎えてくれたのはガタイが良くて手の大きな「女装」のパーサーさん。日本ではまだちょっと考えられないが、これからはこういう姿も当たり前になっていくのだろう。
夜中だし、なかなかサービスがないので夕食は出ないのかと思ったら、NZ時間の午前2時ごろにミールサービス。 焼うどんというメニューに興味がわいて頼んでみると、上に乗った照り焼き風チキンがおいしい。キヌアのサラダは残したが、ホワイトチョコのアイスクリームはおいしくいただいてしまった。
その後は少しまどろんで、目が覚めた所で映画を物色。
月が替わって内容も少し変わっていたので、ごひいきケイト・ブランシェットの映画を選んでみた。 「The New Boy」
この映画の主人公はアボリジニーの少年。孤児らしく、ケイト演じる修道女が運営する孤児院に連れてこられるのだが、最初に白人の男を殺しているような描写があって、どういう経緯で連れてこられたのかがまずわからない。
この子には超自然的な能力があって他の子どもの怪我を治したりするのだが、孤児院にキリストの像が届くとこれに魅了され、クリスチャンの洗礼を受けると不思議な力も消えてしまう。
キリスト像との関りでは古いスペイン映画「汚れなき悪戯」のような場面があるのだが、テーマはおそらくアボリジニー文化の否定の功罪だと思われるのでどうもしっくりこない。
どうにもわかりずらい映画で、見終わってもすっきりしなかった。 着陸2時間前には朝食が出て、今回もオムレツ。スパイスの効いたソーセージがおいしい。
ということで初めてのニュージーランド航空、特筆すべきことはないが意外な食事のおいしさに感心したフライトだった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
最近すっかり話題の国立科学博物館。
「和食」展なる面白い企画展を開催しているので、応援も兼ねて行ってきた。
本館とは別の入り口から入るので混雑とは無縁。
まずは食材に関する展示があって
なぜ日本の水は軟水なのか、とか、ほとんどの野菜は実は外国からの渡来だとか、地味だけれどなるほどと興味深い展示。
西洋野菜と呼ばれるものはともかく、レタスが実は奈良時代に入っていて、白菜が来たのはやっと江戸時代とはびっくり。
渡来した野菜類はもちろんどんどん改良されて 地域ごとの大根だけでも面白い。
500㎏を超えるクロマグロの模型があったり
寿司ネタはどこの部分を食べているのかとか、思わずへえ。
科学博物館らしいのは植物標本で なじみの野菜の標本も珍しい見せ方だが
海藻の標本はインテリアにしても良さそうなほどきれいでおしゃれ。
食材の次には日本の食事が時代ごとにどう変化して来たかの展示。
縄文時代から夏は魚介類、冬は獣肉類中心とかなりバラエティに富んだ食事をしていたらしく 卑弥呼の食事などもうすっかり「和食」。
日本は大昔から食に恵まれた土地だったとわかる。
奈良時代の長屋王の食事など今見ても豪華でおいしそうだけれど
庶民の食事は悲しい。 織田信長が徳川家康を接待した豪華な食事の再現もあるが、
一番興味深かったのはペリーが来航した時に出された食事。というのも以前、下田の黒船ミュージアムで、一人頭現在の価値にすれば50万円相当の食事をふるまったのに、アメリカ人たちは気味悪がってほとんど食べなかった、と知ったから。
どんなものかと見ると、江戸の一流料亭の料理人が用意したというこの食事、こちらに食べさせてくれえ、と叫びたくなるほどおいしそう。食べてもらえなかった料理人はどれだけ無念だったろうか。
江戸時代の外食は江戸の災害復興のために単身の職人が大勢集まったために発達したというのも興味深く
江戸時代の料理の作り方はQRコードを読み込むと見ることができるようになっている。
明治時代になると洋食が発達するが 河鍋暁斎の挿絵がついた料理本まで登場。
博物館ではカレーやオムライス、ラーメンなどは「和食」か、というアンケートを取っていて、その結果はリアルタイムで見ることができる。
個人的には日本の「洋食」は確かに日本独自のものだけれど、「和食」と呼ぶのはちょっと違うんじゃないかと思ってしまう。和食ではなくJapanese Food 日本食、かな?
戦後の食生活の変化を紹介するのにサザエさんを使っているのもとても面白い。
台所や食事がたくさん登場するところ、さすが女流作家ならではだろうか。
生活の変化が実に分かりやすくて、新聞マンガの鏡。
日本各地のお雑煮の紹介もよくあると言えばあるけれど、サンプルがリアルでわかりやすく、我が家は東京風だけれど、長野や長崎がすごくおいしそう。
この展示に限らず、観覧者の感想を聞いているのもなかなかおもしろいのだ。
特設のショップも力が入っていて、食品サンプルの出来が見事だけれど、ネギ塩牛タン11,000円はちょっと手が出ない。
2時間近くもこの特別展を楽しませてもらって、少し常設展も覗いて行こうかと思ったが、本館に行ってみると小中学生の社会科見学でものすごい混雑。
科博がクラウドファンディングに踏み切った理由の一つはコロナで入場者が減ってしまったためだったそうだが、募金の成功とこの子供たちの戻りでしばらくは息がつけるだろうか。
久しぶりの「密」に恐れをなして退散した。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
おなじみトーハクで開催中の「やまと絵」展、さほど心を動かされていなかったのだが、実は絵巻がたくさん出ていると知って急に行きたくなった。
今回予約が必要なのは週末だけ。平日のお昼頃なら適度な人の入り。
はじめさほど興味がなかったのは「やまと絵」と言えばこんな風景画を思ったから。 これは屏風絵だが、ぺろっとした山水が広がる景色、確かに中国の山水画とは違う日本の景色だが面白みもあまりない。
が、平安時代ごろからの絵巻物となるとこれは大好物。
源氏物語絵巻などもごく一部だが出ているし 信貴山縁起絵巻は米蔵や米俵が空を飛んで、お話は知らないけれど追いかける人々の表情を見るだけでこちらまで笑いたくなる。
さらに好きなのは百鬼夜行絵巻とか地獄草紙、病草紙。
おどろおどろしい景色を描きながらなんともコミカルで、日本の漫画やアニメはこういう絵巻のDNAを受け継いでいると思うのだ。
繊細な絵がほとんどなので会期中、展示替えが多いようだが、ちょうど見ることができた中で圧巻だったのは源頼朝の有名な肖像画。 こんなに大きかったのか、と驚くほどのサイズで、その端正な表情と共に大迫力。
昨年の東博150周年記念の国宝展もすごかったが、今回のこちらも国宝、重文だらけですごいクオリティー。
細かい絵巻物など息をつめて見るので、混雑と言うほどの観客ではないとはいえ列はなかなか進まず、観覧には時間がかかる。
この後は別の博物館にはしごしようと思っていたが、精が尽きてしまった。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
仏像友達(?)、Trintrinさんに教わって、半蔵門ミュージアムに初めて行ってみた。
場所は地下鉄半蔵門駅すぐ上。
立派なビルの玄関に入るとすぐに受付があり、初めての来館だと告げると丁寧に館内の案内をしてくださる。そしてこのミュージアム、なんと入場無料なのだ。
館内は撮影禁止なので以降の写真はパンフレットからのものだが、展示室は地下1階にあって、薄暗い中、絶妙にライティングされてまず迎えてくれるのはガンダーラの浮彫たち。
7点ほど並んだこれがどれもとても石を彫った物とは思えないほど繊細な表情で、驚くほどの高品質。
そして次に迎えてくれるのがこのミュージアムの目玉、運慶作と推定される大日如来像。 思ったよりも小さな像だが、威厳がありながら優美で見飽きることがない。運慶作だろうとなんだろうと、素晴らしい仏像。
常設展に続いては特別展で、現在は堅山南風の「大震災実写図巻」が出ている。
これは今年が関東大震災からちょうど100年だからの展示だが、一見コミカルにも見える墨絵がよく見ると悲惨な状況を映していて、中には震災後の自警団によるリンチの絵まであるのだが、ここだけはオリジナルの展示はなく、小さな写真だけ出しているのは何に対する忖度なのだろう。
展示室は小さいがとにかく質が高く、エレベーターで3階に上がるとこちらには立派なシアターがある。 フカフカの椅子で拝見したのは「大日如来坐像と運慶」という20分ほどの映画。これがまたお金をかけて作っているのがすぐにわかるいい出来。
2階には絵葉書と書籍を並べたショップがあって ここで思わずこんな本を買ってしまった。
何年か前に運慶と快慶の展覧会を続けてみて、天才運慶のすごさに圧倒されたのだ。
短い時間ながら上品な半蔵門ミュージアムを堪能させていただいたが、この美術館の母体は「真如苑」なる仏教系の宗教団体。
幸いにして美術館内に宗教臭さはないが、ここといい、以前訪れたことのあるMiho Museum、あるいは熱海のMoa美術館といい、新興宗教はどれだけ集金マシーンなんだ、と考えずにはいられない。
欧米でも歴史ある大きな教会には立派な美術館が付属していることがよくあるが、私設美術館はたいてい大富豪の個人美術館で新興宗教団体のものは見たことがない。
日本の宗教法人がそれだけ税制で優遇されている証拠だと思うが、最近また騒がれている某宗教団体のようによその国に持って行かれて怪しい一族に贅沢されるよりはましだろうか。
なにはともあれいい目の保養ができて、Trinさんに感謝。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
所要ででかけたついで、珍しく日本橋方面へ。
やってきたのは威風堂々たる姿の三井本館、その隣の三井タワーから入る三井記念美術館。
三菱一号館美術館には何度も行っているが、三井の方に来るのは初めて。
吹き抜けのアトリウムから入ると通路が本館に繋がっていて、エレベーターの扉や回数表示板もレトロで素敵。
7階で降りると2匹の鹿に迎えられ、本日拝見するのは「超絶技巧、未来へ!」展。
超絶技巧と言えば江戸末期から明治の職人たちが有名だが、今回の展示は「未来へ」というタイトルの通り、現代の、それも30代などとても若い作家さんたちの作品が中心。
ほとんどの作品は撮影不可だが、所々に撮影OKの表示があって、SNSでの拡散を狙っているとはいえ、こちらも記録ができてありがたい。
最初に驚いたのがこちらの木彫り。
チョウチョの羽は自然色のままの木を組み合わせ、水滴も彫りだしているというからすごい。
こちらの月下美人の花は鹿角を彫ったもの。花器に水を注ぐとこの花がゆっくりと開くそうで、その様を見てみたい。 このスルメはなんと、継ぎ目のない一木造り。スルメを吊るすクリップまで一緒に彫られている。
菊の彫り物が置かれている茶室は元三井家所有の織田有楽斎の国宝「如庵」の複製とか。
陶磁作品も凝りまくっていて
これは細かいリングを繋いで袋状にしたもの。気が遠くなりそうなリングの数。
ガラス作品も粘菌が宙に浮いているよう。
この大きな犬は銅でできているが、体が蝶で覆われている。 何の変哲もなさそうな薄汚れた工具箱はなんと漆器。持ち上げると思わぬ軽さに驚く仕掛けらしい。
現代作家さんたちの作品は確かに超絶技巧だが、それ以上にその発想が面白くて、洒落が効いたものが多い。
展示の後半は明治期の工芸品で、これらももちろんすごい技術なのだが、現在の目で見ると技巧が先走ってToo muchと感じてしまう。
これが時代感覚の違いと言うものだろうか。
かわいかったのはこの鳩の家族。
他に刺繍作品にも素晴らしいものがあるが、それらは作家の名前も残っていない。
楽しい展示に期待以上に満足して三井本館を出ると時間はお昼をまわった所。
食事をしようと思ったが、良さげなところは近所のサラリーマン、OLさんたちが行列を作っている。
そんな中、コレド室町の地下で気になるもの発見。
黄金モンブランソフトは真ん中がソフトクリームで栗は目の前で絞り出してくれる。
小さな店の奥のカウンターでいただいたが、これ一つでおなかは満たされた。
たまに来る日本橋も楽しい。 ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
暑すぎておいそれとは外出する気になれない今日この頃。
所要ででかけざるを得なくなった一日、ついでに上野まで脚を延ばした。
やって来たのはいつもの東京国立博物館。 お目当ては平成館の「古代メキシコ」展。
中南米のマヤ文明やインカ帝国、小学校の頃は夢中になって本を読んだ。
しかし知れば知るほど中南米の諸文化は血なまぐさい。捕虜の心臓を取り出したり、子供を人身御供にしたり。
独自に発展した文化とは言えいささか心が離れていたが、今回は入場に予約も必要なく、人も少ない所で涼もうとやってきた次第。
平日のお昼過ぎ、ガラガラかと思いきや
思ったより見学人多く、子供連れもちらほら。夏休みももうすぐ終わり、会期終了も迫っているので駆け込みが増えたのかも。
会場には大きな石彫の柱頭やレリーフもいくつか来ているが、多くは小さな土偶類。
動物を象った物も面白いが
人型の物が圧倒的に面白い。
何が興味深いかと言えばその表情がアジア人そっくりなところ。
中国の古代遺跡から出て来たと言われても納得してしまうほど技術も表現も素晴らしい。 特に最初のエリアにあったマヤの貴人像、1000年以上も前の物とは思えないきれいなブルーが残っていて、こういうものは大好き。
展示の目玉はパレンケから出土した赤の女王と呼ばれる女性の出土品。
顔を覆うマスクは緑のヒスイで作られていて、これも中国の出土品によく似ている。
中南米の原住民は遥か昔、アジアからベーリング海峡を渡ったとされているから顔が似ているのは不思議ではないが、埋葬の仕方も延々と伝わったものがあるのだろうか。
もう一つ興味があったのはマヤ文字。
子供の頃に読んだ本では全くの謎の文字とされていたが、今では7割ほどは解読されているのだとか。すごい。
今まで中南米方面にはほとんど興味がなかったけれど、メキシコ直行便も復活したことだし、そろそろ考えるかな。
などと考えつつ、せっかくなので東博本館にもちょっと寄り道。
すると小さな展示室で河口慧海の特集を発見。
明治時代にチベットに単独潜行した慧海、正直本を読んであまり好きにはなれなかったし、展示もたいしたものではなかったが
この標本箱のようなものだけは子供の自由研究のようで面白かった。
帰路にはあまりに暑いので上野駅でかき氷。 おいしいけれど、量が多すぎて最後は舌がマヒしてしまった。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。