2024年の記録
10月に出張した富山県高岡市の朝の散策の記録
(前回のiPhone画質の不満から、今回はNikon COOLPIX P5100で撮影)
トップ写真は、お気に入りの赤レンガ建築の旧高岡共立銀行本店。
足尾から高岡まで、高速をクルマで走って、片道約6時間。さすがに日帰りにできず、1泊したお陰で、高岡市山町筋重要伝統的建造物保存地区(重伝建)を散策できた。
山町筋重伝建が散歩圏内といった我が儘な上司に気を使ってくれた部下のチョイスはアパホテルだった。アパホテルに宿泊したのは、久しぶりのこと。理由は、料金設定が高めなのと、嫌中書籍設置問題で、来日中国取引先の宿泊には利用できないこと。
日本は言論の自由がある国なので、件の書籍を設置する自由がある。しかし、十分な議論のできない環境で、歴史認識に関わる問題を提議するのは、如何なものか?というのが、僕の見解。
歴史認識を改めるとか、一致させるなど、できない、そもそも、歴史認識は、一致させるべき性質のものではない。事実は1つでも、それをどのように認識するかは、その人のバックポーンで、異なるものだからだ。
アパホテルのビジネスモデルは、ある意味で独特。アパ・カレーなるレトルトカレー等のプレゼントがあったり、狭い部屋に異常にデカイテレビモニターを設置したりと。無駄と言えば、無駄なのだけど、それが“お得感”や“ゴージャス感”になる。まぁ、一泊するのは良いが、3連泊以上は、「ちょっとね!」と僕は思う。
山町筋は加賀前田家二代当主前田利長が高岡開町に際し、近隣の城下町から町人を招いて北陸道沿いに商人町を造ったことが始まりで、高岡は江戸期から明治期にかけ物資集散の拠点として発展し、中でも山町は商業活動の中心だった。
現在でも残る街並みは、1900年(明治33年)の大火の復興にあたり、防火構造である土蔵造り主屋が建てられたことによる。それらの土蔵造り主屋に混じり、本格的な洋風建築の赤レンガの銀行や洋風建築の意匠を取り入れた主屋等も建ち、特色ある歴史的景観となっている。
1914年(大正3年)に高岡共立銀行本店として建てられた。擬ルネッサンス様式の建物で、屋根は銅板葺きである。その後は北陸銀行高岡支店、1964年(昭和39年)11月からは富山銀行本店として使用された。
建物の設計は、東京駅を設計した辰野金吾の監修のもと、清水組の田辺淳吉が担当した。
2019年(令和元年)の富山銀行本店移転に伴い、建物は2021年(令和3年)、高岡市に無償譲渡された。市の建物診断では、大地震で倒壊の恐れがあり、大規模な耐震補強工事には、工法の違いにより3億5千万から5億円程がかかるとされている。なお、施設活用案として、交流・展示施設や飲食・物販施設などの利用も考えに入れ検討している。
山町筋から路地を入っても絵になる街なみがあった。
【メモ】
「令和の米騒動か?」と言われた夏が終わり、コメの収穫期の秋を迎えたが、店頭にならぶコメの価格は高止まりだと嘆く友人たち。農家の立場からすると、原価の上昇分は、まだまだ農家の持ち出しだ。肥料も農業資材も、そして農機の燃料も輸入である。それでも、コメの生産をやめないのは、農家にとって農業が事業ではなく家業、つまるところ収益をあげることが目的ではなく、継承することが目的になっているからだ。
日本のコメが、安いか、高いかと言えば、チョー高い。アジア圏に住んだ経験のある人なら分かると思う。高い理由をひと言で言うと、無理して作っているからだ。日本は南北に長いのに、多くの農家は、ゴールデンウィークに田植えをする。理由は、兼業農家だからだ。そんな訳で、田植え機が稼働するのは、年数日間。稼働時期が、重なるので、自前で所有するしかない。一戸の規模が小さいのに田圃が散在していることも多く、効率も悪い。そのため、専業農家も請け負いを躊躇するので、大規模化は遅々として進まない。
営農のために我が家の家計が大赤字にならないのは、国の補助金があるからだ。家業でやっている農家に、なぜ補助金を拠出するかというと、食糧安保という大義があるからだ。しかし、既述した通り、肥料から燃料に至るまで、農家の買い物の大半は輸入なので、輸入がストップすれば、コメの生産はもちろん、農業そのものが、できなくなる。化学肥料を人糞に替え、農機を使わずに人力で、何から何までやったら、収量は激減して、食糧危機は回避できない。
結局のところ、食糧安保を大義にした日本の農業政策は、時代錯誤になってしまった。ほんとうの目的である“票田”の家族経営農家は、瓦解してしまった。コメの輸入を解禁すれば、小麦同様、国内生産は限りなくゼロになる。国内の農業効率化を目的に企業の農地所有を解禁すれば、きっと海外資本のものになってしまうだろう。
展望のない、農家の愚痴になってしまった、頓首!
旅は続く
過去記事は、
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