Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

成田でチュラロンコン大王祭

2021-10-29 11:42:06 | 国内旅行

冷たい雨の降る金曜日、スクムビットさんのお車に拾ってもらい、Trintrinさんと3人で成田へ。
と言うのもこの日、10月22日はタイではチュラロンコン大王祭の祝日、以前連れて行ってもらったことのあるワット・パクナム日本別院でもお祭りがあるとスクムビット情報が入ったから。

でやってきたお寺。
  
 
見事なタイ式のお堂に今日は入れなかったけれど、周りの大理石彫刻は2年前より明らかに増えている。

 あいにくの雨だけれどお祭りということでテントが出ていて
 
干支のろうそくがあったので3人それぞれ火を灯してもらった。お姉さん、火が消えないように周りに風よけの板まで立ててくれて優しい!

 
元は体育館だったらしい建物内に入るとおしゃれしたタイ人の皆さんが家族連れで集まっている。
 
金ぴかのお釈迦様に手を合わせ、花で飾られた器に若干のタンブンをさせていただく。

本日はチュラロンコン大王祭とのことだがチュラロンコン大王らしきお姿はどこにもなくて、この部屋で目立つのはプミポン元国王のお写真ばかり。
 現国王の姿はこのお札の中だけとは、タイ人、さすが正直だわ。

お寺に到着した時には遠くから読経の声が聞こえていたのだけれど、部屋に入った時にはお坊様方はすごい数のお皿を前にお食事中。
  
 部屋の隅にはさらに多くのお皿が並べられていて、これは信者がお坊さんに寄進するもののよう。
それにしてもおいしそう、とよだれを垂らして見ていたら「外で食事ができますよ」と声をかけられた。

 
境内に入った時からタイの香りが漂っていたこちらのテント、もちろんこのおふるまいが目当てでやって来たのだがタイ人の皆さんも先刻ご承知。すぐに日本語で「食べますか~」と声をかけられる。

  
そこでまずは魅惑的な煙を上げて焼かれているイサーンソーセージにレモングラス風味のサツマイモのフライ。
 
カオソーイは高菜とパクチーが入れ放題。スープは優しい味でうまーい!
 
さらに甘いミルクティーと餡子の中華まんをいただいてお腹いっぱい。
「タイに行きたーい」と叫んだら「私たちこそタイに行きたいよ~」とタイ人のお姉さん。
日本からタイに帰れば自費でホテルに滞在しなければならないし、それ以上に航空券がすごく高いのだとか。
お互い、早く自由にタイに行けるようになってほしいよね。

「またいらっしゃい」の声をいただいて門を出るとタイ人向けの野菜やタイ人が大好きなお守りの屋台が出ている。
 
ここでちまきとイサーンソーセージを見つけたのでお買い上げ。
ちまきはバナナの葉でくるまれていて、一度中のビニールをはいでからまたバナナでくるんで焼けと言われたので網に乗せて焼いてみた。
 
中はソーセージの中身と同じようなもの。しかし何も考えずにかぶりついたら辛ーい!よく見たら青や赤の唐辛子が入っていて、さすが容赦なくタイの味。
ワット・パクナム、楽しい!

この後はTrintrinさんのご希望で佐倉市の川村美術館へ。
 市内とはいえ辺鄙な場所にあるこちら、前に来たのはもう何年前になるか。

1階には目玉のレンブラントが1点にエコール・ド・パリはやっぱりフジタの白い肌が素敵。
2階ではミニマル・アートの特別展が開催中だったが、思わず蹴飛ばしたくなる積み木を並べたものとか、はずれ馬券(byスクムビット氏)を貼り合わせたようなものとか、現代アートはやっぱりわからん。

と言いつつ結構見入ってしまって

見学後は雨に濡れたお庭を見ながらお茶して閉館時間になってしまった。

朝から夕方まで遊んでいただいたスクムビットさん、Trintrinさん、ありがとうございました、すごく楽しかったです。
スクムビットさん、お車をソーセージくさくして申し訳ありませんでした!


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房総家族旅行 2 小湊の日蓮上人

2021-10-26 14:59:22 | 国内旅行

小湊で1泊した翌朝は快晴。

こうあってくれなければ海辺の宿を取った意味がない。

ところで部屋のテラスからは宿のお向かいにあるお寺が見える。
 小湊は日蓮上人が生まれた所とされていて、だからこの周辺のお寺は日蓮宗ばかりなのだが、中でもこの寺は上人誕生の地に建てられたという、その名も誕生寺。
せっかくなので朝食の後にちょっと境内を覗いてみる。

   石灯籠の並ぶ参道の途中に早速日蓮が生まれた時に湧き出してこれを産湯に使ったという「誕生水」。ただし時節柄か水場には蓋がされていて水に触れることはできない。

 その先にあるのはこのお寺で一番古い1706年建立の仁王門。
  
 楼上、扁額とは反対側に般若の面があるが、これが左甚五郎作と伝わるって本当かいな。

 
立派な松の横にはお子ちゃま姿の日蓮上人。

 
大きな祖師堂の方は時代が下がって1846年に建てられたもの。
 
堂内には赤い鯛がいっぱい。というのも日蓮上人が生まれた時、本来深海にいるはずの鯛が群れになって海面に現れたと言われているから。

その鯛が現れた場所が「鯛の浦」。
 泊まった部屋の目の前から遊覧船が出ていて、昨日は修学旅行生がいっぱい乗っていたけれど、我が父も珍しく乗ってみたいと言う。

そこで宿をチェックアウトしてすぐ隣の乗り場へ。
 
今朝は我々親子の他にはお客さんが二人だけ。
 出発して泊まった宿を海から眺める。

するとすぐに船が泊まって、スタッフのおじさんが餌のイワシを海面にまく。
 
窓を開けて海を覗くとすぐに大きな魚が寄ってくるが、お腹に黄色い線のある魚はどう見ても鯛ではなくて、「これはヒラマサ。鯛は深い所にいるのでこいつらに先に食べられちゃうんだ。」鯛は1匹ぐらいいただろうか、「これじゃ鯛の浦じゃなくてヒラマサの浦だね」っておじさん自ら言うか。

そこからちょっと行くと弁天島という小さな島があって
 
この海岸に日蓮誕生時に青い蓮が咲いたのでここは「蓮華ヶ淵」。誕生寺も本来はここにあったそうだが、大地震と津波のために現在の場所に移されたとか。この辺り、今でも大きな津波が来たらひとたまりもなさそうだ。


が、今日は幸いにして穏やかな海。
鯛の浦遊覧は30分で終了。日蓮ツアーもこれにて終了。


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房総家族旅行 1 小湊温泉「三水」

2021-10-23 17:27:28 | 国内旅行

弟がめでたく会社員を卒業したので、老父を連れて温泉に行くことにした。
とは言え齢90歳、あまり遠出はできないので房総半島の南へ。

車で出発して、弟が立ち寄る所と言えば道の駅しかないのはいつものこと。
今回まず立ち寄ったのは「たけゆらの里 おおたき」。
 
入り口に牛がいるが、これはこの土地に日本で最初の酪農牧場ができたからなのだそうだ。
入って左手の売店はそれほど大きくはないが、地元の手作り品など揃っていてなかなかの充実ぶり。
右手にはなぜかこんな所にコスタコーヒーが入っていて、食堂が併設されているのでこちらでお昼。
 「たけゆら定食」に付いてくるのは大多喜自慢の竹の子の唐揚げに竹の子入りのコロッケ、そしてもう一つは猪メンチなのだがこれが味が濃くておいしい。
この周辺の猪は竹の子やどんぐりを食べているそうで、大多喜町はこれをジビエとして特産品にしようとしている様子。
メニューには猪の姿の「うり坊まん」なるものもあったのだが、この日は売り切れで残念。

目的地に到着するも宿のチェックインにはまだ早すぎるのでちょっと先のもう一つの道の駅へ。
不思議な形をしたこちらは「鴨川オーシャンパーク」。
 
屋上からは海が一望、目の前には小さな港が見えるがどんよりした曇り空では気分も上がらない。
 2階には食堂、1階に物産館があるが、こちらの品ぞろえはいまいち。

と言うことで時間もちょうど良し、今夜の宿のある小湊へ。小湊は鴨川と勝浦の間にある。

 
お世話になるのは「魚彩和みの宿 三水」さん。手前にあるのが本館、こちらのフロントでチェックインしたら
  隣の別邸へ。

 
通された部屋は入ってすぐにベッドルーム、その先に10畳の和室のある広い部屋で
  
外にはテラス、アメニティの揃ったバスルームには温泉があって

目の前がかわいい港、その向こうには鴨川が見える。もちろんこのお風呂のためにこの部屋を予約した。

  
お迎え菓子は珍しいことに薯蕷饅頭。お茶、コーヒーはポッド式で冷蔵庫のビールとサイダーもサービスとは、さすがいつもよりちょっとお高めの宿だけある。

父は部屋のお風呂に入れて、その間に本館にある大浴場へ行ってみる。
2つある浴場のうち、4階にある方に入ってみると
 
手前に小さな陶器風呂が二つ、広い洗い場の向こうに3,4人サイズの石造りの浴槽。
こちらのお湯は20℃弱の源泉を加温、メタけい酸と重炭酸ソーダがかろうじて温泉に適合するというものらしく、無色透明のお湯にツルスベ感は少しあるものの特に大きな浴槽の方は塩素臭が強くてがっかり。
このところいい温泉に入りまくっているのでお湯に関しては辛口になってしまうが、部屋風呂に入った父親が喜んでいたので良しとしよう。
大浴場はもう1つ3階にあって朝に男女入れ替わるが、そちらには入らずに終わってしまった。

本館4階には食事処もあって、夕朝食とも個室。
 
ちまちまとした八寸と牛肉のあぶり寿司が並んでいる所へ
 
どーんと運ばれてきたお造り。目玉の伊勢海老は小さいけれど甘くておいし~。
せいろ蒸しになっているのはオリーブオイル漬けの牡蠣にツブ貝、サザエ。食べやすく一度貝から外してあるのが気が利いている。
 
茶わん蒸しは一応(笑)ふかひれ入り、豚の角煮は魚尽くしではないのがちょっとうれしい。
 
と、ここまででかなりお腹いっぱいだったのだが食事が味付きのアサリの炊き込みご飯だったのでつい食べてしまって、さらにデザートは白玉入りのあんみつ。もう動けない。

などと言いながら朝にはちゃんとお腹が空いて
 
たっぷりのサラダが付いた朝食をしっかりいただいた。

こちらのお宿、別館の部屋はいいし、食事も頑張って工夫しようとしている様子も見える。
しかし他県の同程度の値段のお宿に比べるといささかあか抜けないというのが正直なところ。
千葉県の温泉、もっといい所はないものか。


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初めての諏訪 5 下諏訪散策

2021-10-21 17:56:43 | 国内旅行

10月6日 続き

 下社秋宮の境内を出て駅の方向へ坂を下って行く。

その途中に「菅野温泉」という立ち寄り湯があるので寄り道。
諏訪では上諏訪の「大和温泉」という所に入ってみたいと思っていたのだが、上諏訪市の共同浴場はコロナ対策で当面すべての県外者お断りとなっていることを前日確認済み。
下諏訪町の方は大丈夫と観光案内所のおじさんにも確認していたのだが
 門に貼られた白い紙。近づいて見ると「源泉保守作業のため本日休業」!
宿の隣の「旦過の湯」も本日は臨時休業だったし、お店も休みが多くて、水曜日は要注意のようだ。

仕方がないので駅を過ぎ、別の共同浴場に行ってみることにする。
 国道沿いに看板の出ている「矢木温泉」。
 
近づいてみると思いがけずきれいなプレハブ風の建物。表には湯温の表示まであって、しかし中は無人で料金箱に240円を投入する方式。おつりは出ないので300円で入らせていただく。

地元のおばちゃんたちがおしゃべりする浴室はすべてタイル張り、壁には波間を飛ぶ鳥のタイル画もあって、外光もふんだんに入って明るくきれい。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉のお湯は無色透明、熱すぎることもなくスベスベとした感触で気持ちよく使わせていただいた。こちらは入れてよかった~。

 矢木温泉からさらに国道沿いを行くと春宮大門。
この十字路を春宮とは反対方向へまっすぐ行くと下諏訪町役場の前を通り、諏訪湖畔に出る。

途中には小さな観光リンゴ農園があり
 
リンゴの自動販売機も。昨晩いただいた秋映はおいしかったけれど、重いので断念。


結構歩いてやっと湖畔に到着。今日も最高のお天気。

 湖畔の遊歩道をしばらく行くと
 
白い建物が見えてくる。これが「ハーモ美術館
この美術館の設立者は産業用ロボットメーカーの創業者だそうだが、アンリ・ルソーやグランマ・モーゼスなど素朴派のコレクションを中心にしているのが珍しい。
この日展示してあったモーゼスおばあちゃんの1枚はなんと100歳を超えてからの作品。
ルソーや他の素朴派、カミーユ・ボンボワ、アンドレ・ボーシャンなどもみな中年以降に絵を描き始めたそうで、このコレクションは中高年に優しいかも(笑)。
他は版画が多いけれど、マティスやルオー、シャガール、ダリなどもあって、作品はかなり好み。


窓から諏訪湖が見える小さくてちょっと変わった造りのこの美術館はなかなか面白い。

美術館を出たら町役場の前へ戻り、本日のお昼はその斜め向かいにある「ハルピンラーメン」へ。
少し前、テレビで見て諏訪にしかないというこの店に興味を持ったのだが
  
 
醤油にニンニクなどの材料を入れて4年寝かせたというタレを使ったスープが確かにおいしい。醤油よりも味噌に近いけれどニンニクが効きすぎることなく、脂っこさもない。麺が細くて硬めなのも好み。この店、東京にも出店してくれればいいのに。

この後は下諏訪駅に戻り
 万治の石仏(もどき)にやっとご対面。

隣の上諏訪駅であずさに乗り換える間にちょっとキオスクに寄らせてもらって
 
昨年JR東日本の「駅弁秋の陣」で大将軍を受賞したという駅弁をお買い上げ。
家に戻ってから夕食にしたが
 
鯉やワカサギなど地元食材で名物料理を入れたこの駅弁、確かにおいしくて楽しい。

諏訪の一泊二日、なかなか充実していたと思う。


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初めての諏訪 4 諏訪大社下社

2021-10-17 12:19:12 | 国内旅行

10月6日

宿をチェックアウトして中山道を先へ行く。
 
普通の民家が続く中、伏見屋という江戸末期に建てられた家の中が見学できるようになっているので上がらせていただいた。
するとすぐにボランティアらしきおば様が現れて案内してくださる。
 
この家は20年ほど前まで居住者がいたとのこと。その後昔の通りに修復したそうで、主人の部屋以外は天井がとても低い。
細かい彫刻は諏訪大社の職人の手になるものとか、岡本太郎のおかげで有名になった万治の石仏は昔は川遊びの後に抱き付いて暖を取ったものだったとか、おば様の話は面白い。

この少し先には古い龍の口から湧き水が出ている所があって、その横には長い石段がある。
 
この上にあるお寺がお勧めだと観光案内所のおじさんが強力プッシュしていたので126段を上がる。
  
 美しく苔むした道の先に山門のある白華山慈雲寺。
 
 こちらは臨済宗のお寺だそうだが小さな石庭のあるお堂は想像していたよりずっと大きくて立派。お勤めの音が境内に響いて、ここは確かに来る価値がある。

境内を出た所から下諏訪の町と諏訪湖が一望できるのもお勧めの理由だろう。

石段を下りて少し行けばすぐに諏訪大社下社の春宮。
 
この辺りではマンホールの蓋も御柱祭。

 
手前に大きなしめ縄の飾られた神楽殿、その後ろが幣拝殿。四隅にはもちろん御柱が立つ。
 
上社に比べてたくさんの彫刻で飾られて派手な幣拝殿はこの後行く秋宮と同じ設計図を元に2つのチームが競い合ったものとか。こちらは先ほど行った慈雲寺の山門を作った棟梁が手掛けたものとのこと。

 春宮の鳥居を出てまっすぐ行くと道路の真ん中に下馬橋というものがあり、ここからまた中山道に戻り、お世話になった宿の前を通って秋宮へ向かう。

途中でまた寄り道。明治の初めに建てられた元旅籠屋の宿場街道資料館。
  
  
この2階にある資料室が思いのほか充実していて
 
江戸時代の宿場でどんな食事が出されたのかとか、京都から江戸への降嫁の途中、この宿に寄った和宮の一行の様子とか。また幕末、この諏訪で最後を迎えた水戸天狗党の話など思わず読みふけってしまって、時間をかけて下りて行ったら係のおじさんに「そんなに詳しく見てくれたんですか、うれしいなあ」と感激されてしまった。

 この建物を通り抜けて裏に出ればすぐに秋宮の鳥居。
これで諏訪大社の四宮はコンプリートだが、4つのうちでここが一番立派。
 
神楽殿の正面のしめ縄は出雲大社並みに大きく
  
 
幣拝殿の彫刻は春宮とどこがどう違っているのか、詳しく比べれば面白そうだ。

と、こちらの境内を出た所で気が付いた。
春宮の近くにある有名な万治の石仏、寄るのを忘れた。


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初めての諏訪 3 下諏訪温泉「鉄鉱泉本館」

2021-10-15 12:43:29 | 国内旅行

10月5日 続き

上諏訪から一駅、下諏訪駅で下車。
 
すぐに観光案内所に地図などもらいに行くとおじさんがいろいろ詳しく説明してくれた。
上諏訪の観光案内所でお勧めされたぐらいこちらのおじさんは有名らしい。
最近、観光案内所を見ると寄るのが習慣になったが、皆さん親切だし、やっぱり地元情報は貴重なのだ。

 駅を出たらまずは諏訪大社下社の秋宮の方角に歩くが、上諏訪とは違ってこちらには大型旅館などなく、低い建物ばかりで落ち着いた雰囲気。

秋宮の鳥居の前を通り過ぎて少し行くと激渋のお菓子屋さんが見えてくる。
 
こちらの「新鶴」さんは塩羊羹を最初に売り出したお店だそうで、観光案内所のおじさんに「明日は定休日だからこの後すぐに行くように」と当然のように言われた。そこで素直に従って塩羊羹をいただくと
 色は想像したような黒ではなくちょっと緑色がかって水羊羹っぽい。食べるとほんのり塩味で甘さも抑えられ、上品な味で確かにおいしい。

羊羹を買ってさらに行くと甲州街道と中山道合流の石碑があって
 
その横に綿の湯が出ているが、昔旅人で賑わったという浴場は今はない。

 
現在の中山道は車がやっとすれ違えるぐらいの狭い道。少し行くと下り坂になって
 旦過の湯という共同浴場を過ぎると
 本日の宿、「鉄鉱泉本館」があった。

こちらは創業110年と下諏訪でも一番古い旅館だそうで、現在の建物も大正時代のもの。
  
  
帳場から雰囲気があるが、女将さんに案内されて二階に上がると建具などが凝っていて楽しい。

 自分が案内された部屋の入り口扉もアールのついた凝ったもの。
 
6畳の部屋の中は普通で畳などもいかにも古いが、これがまるで実家に帰ったようにやけに落ち着く。
窓は中山道に面していて、お向かいにも旅館が並ぶ様子が昔の宿場町らしくてこれもいい感じだ。

こちらのお風呂はすぐ近くの「旦過の湯」から引湯しているそうで
 
石造りで天窓以外には自然光が入らない造りだけれど、ここもまた非常に落ち着く。
ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉のお湯は癖がないけれどスベスベ、「旦過の湯」は熱いので有名らしいがここではかけ流しながら41℃の適温に調整されて気持ちいい~。

ところでこの宿の屋号である「鉄鉱泉」は浴槽ではなく、脱衣場の棚にある。
 
ちょっと黄色がかった水をおそるおそる飲んでみると酸味と少しの渋みがあるが思ったよりずっと飲みやすい。
こちらは含鉄、アルミニウム、硫酸塩冷鉱泉なんだそうだ。

食事は1階の食事処で。
 この日は自分以外にはカップルが1組だけ。目隠しをして気を使ってくれている。
 
こちらの名物は鯉の洗いと旨煮。鯉は嫌う人が多いのだろう、お品書きの他にわざわざ鯉料理の説明書きが用意されていたが、洗いはこりこりと全く臭みなどなくて甘みも感じるおいしさ。
旨煮の方は甘辛いのだが今まで食べた中でも一番の味の濃さ。御飯がないと食べられないほどだったが、骨だけ残して食べつくしたら「こんなにきれいに食べてくれる人は少ないです。鯉も喜んでます」ととても感じのいい若女将に喜ばれた。皆さん肝の部分を食べないのだろうか、そこがおいしいのに。

 
この後はホタテの入ったかぼちゃ味噌スープとナスの田楽が来て、定番の揚げ物やら肉料理もないので物足りないかと思ったが、おそばがかなりの量で来た上に鯉の旨煮を食べるためにご飯まで食べちゃったのでものすごく苦しくなった。
地方色も出ておいしくいただいたが、全体に味が濃くて味噌も多用されているので食後はのどが渇いた。

 朝食もワカサギの甘露煮や山クラゲ、自家製ヨーグルトに女将の3年物タクアンなど充実の内容。

こちらの宿は地味だけれど、お湯もいいし、とにかく落ち着く。
女将も若女将もとても気持ちが良くて、この宿に泊まって良かった。


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初めての諏訪 2 片倉館

2021-10-12 16:35:04 | 国内旅行

10月5日 続き

本宮前の土産物屋の前にバス停があり、ここから上諏訪駅へバスが出ている。
 かりんちゃんバスと名付けられた市内循環バス、何系統かあるのだがどれも一日3,4便、しかもなぜかほとんど同じ時間に動くので使い勝手がいいとは言い難い。

20分ほども乗って、やっと諏訪湖畔に出た。
 
湖畔にはバスの名前にもなっている市の木、かりんが植えられている。

この湖畔でバスを下車。諏訪湖をひと眺めしたら
 
 
お向かいに建つ洋館、片倉館へ。隣にある和洋折衷のような建物は諏訪市美術館だ。

片倉館とは大正から昭和初期に製糸業で栄えた片倉財閥が昭和3年に建設した公衆浴場。
 
とてもおしゃれな洋館なので、まずは会館棟を見学することにする。

 
脇にある玄関からロビーに入るとすぐに係の人が現れ、名前や連絡先を書いて入館料400円をお支払い。
この辺り、コロナ対策にはずいぶん気を使っている様子。

  
順路の通りまずは二階に上がると、資料室には糸車などが置いてある。
 
窓からは隣の浴室棟が見え、その壁にある熊は「守り熊」なのだそうだ。

この小さな部屋の先は大広間なのだが
 204畳あるというこちらは意外にも外観とは全く違う純和室。
 
一階にある部屋もお座敷ばかりで、昭和の初め、お風呂の後はやっぱり畳の上でなければくつろげなかったということだろうか。

ちょっと肩透かしを食った気分ながら、気を取り直してお風呂へ。
 
こちらでもまた連絡先を書いて、入湯料は700円。
 午後の女湯にお客さんは3,4人。大胆な恰好でストレッチをするお姉さんなどもいたがやがて皆さん上がってしまって、千人風呂と呼ばれる大きな浴室を独り占め。
 
 こちらは外観を裏切らず、ステンドグラスやタイル、彫刻など飾られておしゃれ。
中央の大浴槽は深さが1mもあり、しかし周りに段が2段あるので入りやすく、底には玉砂利が敷かれて歩くといい足裏マッサージになる。
お湯は40℃の適温だが、癖の全くない単純温泉は残念ながら塩素のにおいがして、ここは温泉よりも建物を愛でる所。

というわけでお湯を切り上げ、二階の休憩室へ。
  
無人の広間で八ヶ岳牛乳を飲んでゆっくりしていると、外のテラスに出られることに気が付いた。
 
テラスからは諏訪湖が見えるけれど
 
凝った造りのこの建物自体が面白く
 隣の会館棟の細部も良く見える。この中がお座敷だったとは。

片倉館を出たら大きな温泉旅館の並ぶ街を歩いて上諏訪駅へ。
 
ホームには足湯や温泉卵を作る所もあって、サービスのいい駅だ。


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初めての諏訪 1 諏訪大社上社

2021-10-10 13:32:23 | 国内旅行

諏訪湖はもちろん見たことがある。
がどこかへ行く途中に通り過ぎるだけ、気候のいいこの時期に一度行ってみようと思い立った。

10月5日

出発は新宿からあずさ号で。
 
JRの玄米茶は東北六県のお米を均等に使っているらしい。だからどうということもないけど。

途中、山梨のぶどう棚を見ながら2時間で茅野駅に到着。
 
ここから諏訪大社上社まで歩こうとまずは観光案内所に寄ったのだが、これが大正解。
案内所のお姉さまも言っていたが、道は結構複雑で案内看板もほとんどない。ここでもらった地図がなかったらグーグル先生でも迷ったかも。

 
まずは駅前の大鳥居をくぐり、住宅地の中を歩いて行くととても立派なケヤキの下に小さな神社。
早くも御柱が建てられている。

 上川を渡り
 
黄金色に実った田んぼの脇を通り、宮川も渡る。今日は素晴らしい天気、帽子も日傘も持って来なかったことを激しく後悔。

 汗だくになりながら30分で前宮の鳥居に到着。
 
簡素だけれど大きな十間廊の横を上がって
 前宮に到着。昭和7年に建てられたという社殿は諏訪大社の中でも一番小さくて渋いけれど、高い木立に囲まれたここが一番厳かな感じがするかもしれない。
  
四隅に建てられた御柱を確認し、ご神水という水眼をすくっていただくと生き返る心地がする。

前宮から本宮までは国道をまっすぐ歩くだけなので簡単。
 歩いているともう赤く色付いた柿の木がいっぱい見えて、春だと桜、秋には柿の木がこんなにたくさん植えられているのかと見るたびに感心する。

 途中にまた湧き水があって、こちらは「名水・石清水」とあるのでいただいてみると、これが本当に甘く感じられるおいしさ。甘露とはこういうことを言うのか。

 
20分で本宮の鳥居に到着。東参道から境内に入ると本来は布橋という屋根の付いた長い廊下を通って参拝所へ出るはずなのだが、現在修復作業中で足場とシートに囲まれ、工事の音が境内に響き渡るだけ。
 
そこでその脇を行くと神馬の祀られた駒形屋がまずあり
 
勅使殿や神楽殿があって
 
一の御柱の立つ広場に出る。手水舎の横には明神湯という温泉が出ていて、触ってみると42℃ほどの適温。
 
ここから参拝所に入り、奥の拝殿をのぞんでお参り終了。
修復中で見られない建物が多いのは残念だったが、本宮は境内の立派な木の多さこそが印象的だった。

 帰りは拝殿に近いこちらの大鳥居から出る。
 
すると駐車場のあるこちらにはお土産物屋などのならぶ参道があって、ちょうどお昼なのでその一軒に入り
 
なすのおやきとところてんで軽く腹ごしらえ。
どのお店の人たちも感じが良くて気持ちいい。


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アラビアン・サンデー@ファーイーストバザール新宿

2021-10-07 17:16:19 | 食べ歩き

所要で久しぶりに新宿へ。
人出の多い新宿はコロナがあろうとなかろうと居心地が悪いが、店舗の中は気の毒になるぐらいお客さんが少ない。

用事をいくつか済ませて、少し前にネットで見つけたものをいただきにルミネ新宿の6階へ。
本屋の隣に目的の「ファーイーストバザール」を発見。
 
こちらはドライフルーツやナッツを量り売りしている店だが、奥にはカフェスペースがあって、黒を基調にしたインテリアはアラビックな雰囲気。

お願いしたのはその名も「アラビアン・サンデー」。
 ソフトクリームが傾いでいるのは意図したわけではなく失敗しちゃったからだろう(笑)、おかげでこれを急いで食べる羽目になったが、花蜜を使ったというヴィーガンソフトはあっさり目のジェラートと言う感じで、言われなければヴィーガンとは気が付かないほど違和感なし。
アラブのデザートでおなじみ、パリパリのカダイフがとても良く合って、この組み合わせはいい。
下のコーヒーゼリーの中にはナッツとデーツが入っていてカルダモンの香りもする。
テーブルや器の演出も気が利いているし、これなら十分アラビアンらしい。

このファーイーストという会社、中東はミドルイーストじゃないの、と思うがいい所に目をつけていると思う。
アラビックは日本にはまだ少なくてエキゾチックだけれど日本人の口に合うし、ケバブだけではなくもっと普及してほしい。
レストランもあるようなので、今度行ってみようかな。

が、それ以上に中東に行きた~い!


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ブーダンノワール@不動前「キャトルアブリール」

2021-10-04 14:39:01 | 食べ歩き

不動前から徒歩5分のフレンチ・ビストロ、「キャトルアブリール」。
 こちらのフェースブックにはその日のランチ・メニューが出るのだが、ある日ブーダンノワールの文字を見て食べたくてたまらなくなった。

 アフリカ系フランス人二人でやっているお店はテーブル10席にカウンター3席とこじんまりしているけれど、以前武蔵小山の飲み屋街にあった時よりはレストランらしい構え。

ランチメニューは4種類ほどあって
 まずは前菜のレンズマメのスープ。スパイスが効いた濃厚スープでうまし。
 友人が魚をお願いするとサンマ2尾に葱のソースが掛かったものが登場。ネギソースはサフラン風味でエキゾチックな味わい。

が、自分はもちろん初心貫徹でブーダンノワール。
 
太いソーセージが3本ドーン。ブーダンノワールは豚肉や脂に豚の血を入れたソーセージだけれど、これはレバーのような臭みもまったくなく、意外にスパイス使いも穏やかで食べやすい。下に敷かれた玉ねぎソース、添えられたリンゴのソテーと合わせて食べればうまうま。
付け合わせのフライドポテトもたっぷりですごいボリュームだけれど完食してしまった。

食後にはアイスコーヒーが付いて、魚で軽く済ませた友人はデザートまで所望。
 ココナッツタルトはみっしりと詰まって、これまた重量級。

お客さんは常連さんばかりのようで、他ではなかなかお目にかかれないブーダンノワールを頼む人が多い様子。
ランチメニューにはさらに聞きなれないアフリカ系の料理が出ることもあって、これもまた食べに来たい。

フランス人のおじちゃんが計算が苦手そうなのもご愛敬。


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