[1月8日15時56分 天候:曇 静岡県富士宮市下条 富士急静岡バス『大石寺入口』停留所→民宿さのや]
〔「大石寺入口です」〕
バスは民宿の最寄りのバス停に到着した。
あとは、民宿まで徒歩で向かうだけ。
高橋「バスで通ると、狭く感じますね」
高橋は県道を見て言った。
バスは県道184号線を北上したが、郊外に入ると、その道幅は狭い。
1車線~1.5車線の幅しか無い所が殆ど。
愛原「そうだな。だから、中型バスなんだろう」
輸送量は中型バスで十分なほど。
それ以前に、道が狭いので、大型車は走れないのだろう。
バス停も私達が降りた下り線側にはポールが設置されておらず、上り線側に錆び付いたのがポツンと立っているだけ。
帰りはそこからまたバスに乗るというわけだ。
愛原「それじゃ行こうか」
リサ「先生、待って。その前に、コンビニに寄ろうよ」
リサはバス停の目の前にあるコンビニを指さした。
県道と国道469号線との交差点にあるコンビニ。
国道沿いにあるということもあり、駐車場付きである。
町の中心部からだいぶ離れ、高台にある場所のせいか、雪がだいぶ積もっていた。
もちろん、除雪はされている。
尚、バスはチェーンを巻いていた。
まあ、途中通った青木平団地辺りは結構坂が急だったから、そういう所で必要だったのだろう。
実際、日陰の部分など、凍結していそうな所もあったし。
愛原「ああ、分かったよ」
私達はコンビニに立ち寄った。
そこでリサは、お菓子やらジュースやらを買い込んでいた。
民宿にはビジネスホテルと違い、客が自由に使える冷蔵庫や自販機は無い。
自販機自体は建物の外にはあるのだが……。
私もおつまみくらいは買って、それから改めて民宿に向かった。
伯母「あらぁ~、いらっしゃい」
愛原学「伯母さん、こんにちは。今日だけお世話になります」
伯母「いいのよ。そんな遠慮しなくても……」
私はフロントで宿帳を記入した。
学「料金は前払いだったね」
というか、どの宿泊施設も同じか。
伯母「そうよ。それじゃ、これが鍵ね」
客室は基本、2階にしか無い。
愛原「じゃあ、こっちの部屋は高橋とパールで」
高橋「あざっス!」
愛原「こっちは、俺とリサにしよう」
リサ「わぁー!」
伯母「夕食は夕方6時からだからね?」
愛原「あいよ。……伯父さんはいる?」
伯母「いるけど、なーんかね、地下室に閉じ籠って、変な研究をしているのよ。これからお客様が来るってのに、とんだ役立たずだよ」
愛原公一「そう言いなさんな。飯炊きなら、ワシも手伝っておろうが」
すると、奥の厨房から公一伯父さん登場。
公一「ずっと独り暮らしが長かったで、飯炊きくらいは任せておけ」
確かにこの伯父さん、小牛田に住んでいた時は、私達にすき焼きを振る舞ってくれたっけなぁ……。
で、確かに美味かった。
伯母「そりゃ、アタシと離婚してから、もう何年経つのよ?」
公一「いい加減、ワシとヨリを戻してくれよぉ~。ほれ、ここに婚姻届」
高橋「あっ、俺達のもお願いできますか?先生には保証人の所にサインしてくれたんスけど、もう1人の斉藤社長が国外逃亡中なもんで……。何かの犯罪の容疑者は、保証人として成り立たないとか聞いたんで」
公一「おー、いいとも。ワシがサインしたる」
伯母「ちょっと、アンタ!そんな軽々しく……」
リサ「わたしと先生の婚姻届にも、サインお願いします!」
学「オマエはまだ17だろうが!」
リサ「来年の分……」
公一「いいともいいとも!どんどんサインしたる!」
伯母「アンタ!そんなんだから、悪い組織に唆されるんじゃないの!……とにかく、早いとこ部屋に行って!」
学「はーい」
公一「話は夜にでもしようの」
学「よろしくお願いします」
私達は階段を上がって、2階に向かった。
やや急な階段である為、リサが先に向かうと、スカートの中が見えそうになった。
学「もう、風呂には入れるみたいだな」
高橋「入って来ますか」
学「こういう時は、旅行気分でもいいよな」
民宿である為、風呂はいつでも入れるわけではない。
チェックインの15時から深夜までは入れるようだ。
人工鉱石温泉とか謳っているのだが、本当だろうか。
尚、大浴場は男女入替制である。
一部のホテルにも、そういう大浴場はあるのだが、24時間体制で、何時間かおきに入れ替わるのに対し、こっちはそんなに大人数が泊まるホテルではない為、入浴状況に応じて変わるようである。
部屋に入ると、8畳間になっていた。
2人で泊まるには、十分な広さである。
隣の高橋達の部屋も同じだろう。
ホテルと違って、ユニットバスは付いておらず、トイレも共同である。
室内に付いている水回りは、洗面台しか無い。
コップも付いていて、この洗面台の水は飲めるようである。
あとはエアコンが付いていて、暖房を入れておく。
他にもテレビやWi-Fiがあった。
学「ん?」
その時、室内の電話が掛かって来た。
内線電話なのか、それとも別料金で外線も掛けられるものなのかは分からない。
古式ゆかしい黒電話だった。
学「もしもし?」
公一「おー、学。わしぢゃ」
学「伯父さん、どうしたの?」
公一「これから風呂に入るんじゃろ?ところがどっこい。今は既に女性のお客さんが入っているので、今は女湯ぢゃ」
学「何だ、そうなのか。じゃあ、リサ達を先に入らせよう。教えてくれてありがとう」
私は電話を切った。
しかし、古式ゆかしい黒電話というのは、いきなりジリジリベルが鳴るからビックリするもんだな。
学「リサ、今、1階の大浴場は女湯らしいから、先にお前達が入ってこいよ」
リサ「分かった。ちょっと浴衣に着替えるね」
リサはそう言って、私の前で何の恥じらいも無く、服を脱いだ。
私はあまり見ないように、同じ電話で、隣の客室に内線電話を掛けた。
ダイヤルをジーコジーコ回すのは、一体何年ぶりだろう?
学「あー、もしもし?俺だけど、これから風呂入るだろ?でさ、さっき伯父さんから電話が掛かって来たんだけど、今は別の女性客が入ってるから女湯なんだってさ。……そう。だから、先にリサとパールに入ってもらおうと思うんだが、それでいいな?……ああ。パールにもそう伝えておいてくれ。それじゃ」
私は電話を切った。
リサ「ねえ、先生。わたしのバッグの中から、わたしの着て欲しい下着、取ってきて?」
愛原「自分で取って来い!てか、全部脱ぐな!」
リサ「サツキがね、こうやって、『人間の男を誘き寄せて食べる』って言ってた」
愛原「本当かぁ?いいから、さっさと着ろ!」
リサ「だから、わたしの下着、取ってきて?」
愛原「ったくもう!」
私はリサのバッグを開けると、そこから白いスポプラとショーツを取り出した。
愛原「どうせ寝る時は、スポブラと、同じメーカーのパンツだろ?」
リサ「さすが先生、分かってるねぇ……」
リサは牙を剥き出してニッと笑った。
……今晩、食い散らかされないようにしないと。
“鬼ころし”のストックは、もちろんある。
〔「大石寺入口です」〕
バスは民宿の最寄りのバス停に到着した。
あとは、民宿まで徒歩で向かうだけ。
高橋「バスで通ると、狭く感じますね」
高橋は県道を見て言った。
バスは県道184号線を北上したが、郊外に入ると、その道幅は狭い。
1車線~1.5車線の幅しか無い所が殆ど。
愛原「そうだな。だから、中型バスなんだろう」
輸送量は中型バスで十分なほど。
それ以前に、道が狭いので、大型車は走れないのだろう。
バス停も私達が降りた下り線側にはポールが設置されておらず、上り線側に錆び付いたのがポツンと立っているだけ。
帰りはそこからまたバスに乗るというわけだ。
愛原「それじゃ行こうか」
リサ「先生、待って。その前に、コンビニに寄ろうよ」
リサはバス停の目の前にあるコンビニを指さした。
県道と国道469号線との交差点にあるコンビニ。
国道沿いにあるということもあり、駐車場付きである。
町の中心部からだいぶ離れ、高台にある場所のせいか、雪がだいぶ積もっていた。
もちろん、除雪はされている。
尚、バスはチェーンを巻いていた。
まあ、途中通った青木平団地辺りは結構坂が急だったから、そういう所で必要だったのだろう。
実際、日陰の部分など、凍結していそうな所もあったし。
愛原「ああ、分かったよ」
私達はコンビニに立ち寄った。
そこでリサは、お菓子やらジュースやらを買い込んでいた。
民宿にはビジネスホテルと違い、客が自由に使える冷蔵庫や自販機は無い。
自販機自体は建物の外にはあるのだが……。
私もおつまみくらいは買って、それから改めて民宿に向かった。
伯母「あらぁ~、いらっしゃい」
愛原学「伯母さん、こんにちは。今日だけお世話になります」
伯母「いいのよ。そんな遠慮しなくても……」
私はフロントで宿帳を記入した。
学「料金は前払いだったね」
というか、どの宿泊施設も同じか。
伯母「そうよ。それじゃ、これが鍵ね」
客室は基本、2階にしか無い。
愛原「じゃあ、こっちの部屋は高橋とパールで」
高橋「あざっス!」
愛原「こっちは、俺とリサにしよう」
リサ「わぁー!」
伯母「夕食は夕方6時からだからね?」
愛原「あいよ。……伯父さんはいる?」
伯母「いるけど、なーんかね、地下室に閉じ籠って、変な研究をしているのよ。これからお客様が来るってのに、とんだ役立たずだよ」
愛原公一「そう言いなさんな。飯炊きなら、ワシも手伝っておろうが」
すると、奥の厨房から公一伯父さん登場。
公一「ずっと独り暮らしが長かったで、飯炊きくらいは任せておけ」
確かにこの伯父さん、小牛田に住んでいた時は、私達にすき焼きを振る舞ってくれたっけなぁ……。
で、確かに美味かった。
伯母「そりゃ、アタシと離婚してから、もう何年経つのよ?」
公一「いい加減、ワシとヨリを戻してくれよぉ~。ほれ、ここに婚姻届」
高橋「あっ、俺達のもお願いできますか?先生には保証人の所にサインしてくれたんスけど、もう1人の斉藤社長が国外逃亡中なもんで……。何かの犯罪の容疑者は、保証人として成り立たないとか聞いたんで」
公一「おー、いいとも。ワシがサインしたる」
伯母「ちょっと、アンタ!そんな軽々しく……」
リサ「わたしと先生の婚姻届にも、サインお願いします!」
学「オマエはまだ17だろうが!」
リサ「来年の分……」
公一「いいともいいとも!どんどんサインしたる!」
伯母「アンタ!そんなんだから、悪い組織に唆されるんじゃないの!……とにかく、早いとこ部屋に行って!」
学「はーい」
公一「話は夜にでもしようの」
学「よろしくお願いします」
私達は階段を上がって、2階に向かった。
やや急な階段である為、リサが先に向かうと、スカートの中が見えそうになった。
学「もう、風呂には入れるみたいだな」
高橋「入って来ますか」
学「こういう時は、旅行気分でもいいよな」
民宿である為、風呂はいつでも入れるわけではない。
チェックインの15時から深夜までは入れるようだ。
人工鉱石温泉とか謳っているのだが、本当だろうか。
尚、大浴場は男女入替制である。
一部のホテルにも、そういう大浴場はあるのだが、24時間体制で、何時間かおきに入れ替わるのに対し、こっちはそんなに大人数が泊まるホテルではない為、入浴状況に応じて変わるようである。
部屋に入ると、8畳間になっていた。
2人で泊まるには、十分な広さである。
隣の高橋達の部屋も同じだろう。
ホテルと違って、ユニットバスは付いておらず、トイレも共同である。
室内に付いている水回りは、洗面台しか無い。
コップも付いていて、この洗面台の水は飲めるようである。
あとはエアコンが付いていて、暖房を入れておく。
他にもテレビやWi-Fiがあった。
学「ん?」
その時、室内の電話が掛かって来た。
内線電話なのか、それとも別料金で外線も掛けられるものなのかは分からない。
古式ゆかしい黒電話だった。
学「もしもし?」
公一「おー、学。わしぢゃ」
学「伯父さん、どうしたの?」
公一「これから風呂に入るんじゃろ?ところがどっこい。今は既に女性のお客さんが入っているので、今は女湯ぢゃ」
学「何だ、そうなのか。じゃあ、リサ達を先に入らせよう。教えてくれてありがとう」
私は電話を切った。
しかし、古式ゆかしい黒電話というのは、いきなりジリジリベルが鳴るからビックリするもんだな。
学「リサ、今、1階の大浴場は女湯らしいから、先にお前達が入ってこいよ」
リサ「分かった。ちょっと浴衣に着替えるね」
リサはそう言って、私の前で何の恥じらいも無く、服を脱いだ。
私はあまり見ないように、同じ電話で、隣の客室に内線電話を掛けた。
ダイヤルをジーコジーコ回すのは、一体何年ぶりだろう?
学「あー、もしもし?俺だけど、これから風呂入るだろ?でさ、さっき伯父さんから電話が掛かって来たんだけど、今は別の女性客が入ってるから女湯なんだってさ。……そう。だから、先にリサとパールに入ってもらおうと思うんだが、それでいいな?……ああ。パールにもそう伝えておいてくれ。それじゃ」
私は電話を切った。
リサ「ねえ、先生。わたしのバッグの中から、わたしの着て欲しい下着、取ってきて?」
愛原「自分で取って来い!てか、全部脱ぐな!」
リサ「サツキがね、こうやって、『人間の男を誘き寄せて食べる』って言ってた」
愛原「本当かぁ?いいから、さっさと着ろ!」
リサ「だから、わたしの下着、取ってきて?」
愛原「ったくもう!」
私はリサのバッグを開けると、そこから白いスポプラとショーツを取り出した。
愛原「どうせ寝る時は、スポブラと、同じメーカーのパンツだろ?」
リサ「さすが先生、分かってるねぇ……」
リサは牙を剥き出してニッと笑った。
……今晩、食い散らかされないようにしないと。
“鬼ころし”のストックは、もちろんある。
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