[1月3日22時00分 天候:晴 千葉県成田市三里塚御料牧場 JR成田空港駅→JR成田線2254F列車5号車内]
〔「2番線に停車中の電車は、22時10分発、総武快速線、横須賀線直通の快速、逗子行きです。横須賀線に直通する最終電車です。お乗り遅れの無いよう、ご注意ください」〕
あの後は色々あった。
ひったくり犯の事に対して、警察から事情聴取と実況検分を受けた。
鬼の女が氷の妖術?みたいなものを使ったことに関して、どのように説明したら良いか分からなかったが、多数の目撃者の証言と、監視カメラの映像から、私の頭がおかしくなったわけではないことを警察に証明することができた。
何より、氷がまだ残っていたので、これも証拠になった。
それよりは、リサのこと。
外国では一部の国や地域では合法組織ではあるが、日本ではまだ非合法組織である。
その組織が堂々と国内で活動し、むしろBSAAという国連機関よりも素晴らしい働きをしたことについて。
まあ、BSAAの窓口になっているデイライトが面白いわけがない。
都内にいたはずの善場主任まで飛んできて、根掘り葉掘り聞かれた。
で、帰りは終電と……。
愛原「グリーン車で帰ろう。はい、グリーン券」
高橋「あざーっス」
帰りは京成ではなく、JRで帰ることにした。
これで錦糸町まで行き、そこからタクシーで事務所に戻ることにする。
マンションの荷物は既に運び出してしまったので、一晩泊まる所は事務所しか無い。
幸い事務所には仮眠設備を用意してあるので、一晩泊まるくらいなら問題無いはずだ。
ホームに行くと、15両編成の電車が停車していた。
特急“成田エクスプレス”が発車し、それはもう今日は運転されない。
それに対して京成スカイライナーは23時まで運転されるので、駅の利用者はJRより京成の方が多かった。
2階建てのグリーン車に乗り込んでみたが、ガラガラであった。
まだ発車の10分前ということで、これから乗って来るのだろうし、隣の空港第2ビル駅からも乗り込んでくるかもしれない。
何しろ、“青いアンブレラ”の出動によって、航空機の離着陸が一時的に止められたこともあって、その混乱もあるだろう。
〔この電車は、成田線、総武線、横須賀線直通、快速、逗子行きです。停車駅は都賀までの各駅と、千葉、稲毛、津田沼、船橋、市川、新小岩、錦糸町、錦糸町から先の各駅です。4号車と5号車は、グリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
私とリサが隣に座った。
その後ろに高橋とパールが座る。
グリーン車といっても、新幹線や特急のそれと比べて広いわけではない。
普通車のロングシートやボックスシートと比べれば広めのリクライニングシートって感じだ。
2階席に座ってみたが、地下ということもあり、まだ眺望が良い感じはしない。
高橋「リサを窓側に座らせて、大丈夫っスか?」
愛原「逃してしまったとはいえ、“青いアンブレラ”が総攻撃を仕掛けて来たんだ。そうおいそれとはもう手出しできんだろうさ」
リサは着ていた服がボロボロになってしまった為、買い直した。
幸い第1ターミナルにも、テナントでユニクロが入っていたのである。
リサ「でも、鬼の男は諦めないって言ってた」
愛原「もしまた来たら、“青いアンブレラ”のことだ。どんな武器を持ち出すか分からんぞ」
BSAAでも躊躇するような攻撃法を行うことだろう。
噂では、栗原家に代々伝わる鬼斬りの刀の複製に成功したとか、その成分を銃弾に転用したとか聞いたことがある。
その技術は、BSAAには伝わっていない。
民間軍事会社ならではの手法だろう。
それと、善場主任からの話で、新たに分かったことがある。
鬼の兄妹の名前。
人間だった時の名前と共に分かった。
名字は大江山。
正に、京都府福知山市の郊外にある山の名前。
そして、あることで有名な山でもある。
下の名前。
鬼の名前、男の方は鬼之助(きのすけ)、女の方は殺鬼(さつき)。
人間名は男の方は右京、女の方は左京。
善場主任は、明日からそこへ向かうという。
そこにかつて、白井伝三郎が現れたという目撃証言があったからだ。
〔「お待たせ致しました。22時10分発、横須賀線直通の快速、逗子行き、発車致します」〕
電車はガラガラの状態のまま、発車時間を迎えた。
15両編成が勿体ないような気がするが、総武快速線、横須賀線に入ったら、その本領を発揮するのだろう。
ホームからは、発車メロディが聞こえて来る。
〔「2番線から22時10分発、総武快速線、横須賀線直通の快速、逗子行きが発車致します。本日、横須賀線に直通する最終電車です。ご利用のお客様は、お急ぎください」〕
〔逗子行き、快速電車が発車致します。ドアが閉まりますから、ご注意ください〕
〔「逗子行き、ドアが閉まります」〕
発車の時間になり、ドアが閉まる。
東京止まりの電車なら、この後にも1本あるのだが、それで東京駅に着いても、もう横須賀線の運転は終了している。
その為、どうしても横須賀線に乗りたければ、この電車に乗るしかないのだ。
もっとも、私達は錦糸町で降りるから、どちらでも良いのだが。
〔この電車は、総武線、横須賀線直通、快速、逗子行きです。次は空港第2ビル、空港第2ビル。お出口は、右側です〕
リサ「わたしも……人を食べないとダメなのかな?」
愛原「おい、何言ってるんだ」
リサ「わたしは弱い。あの2人に、いいようにやられて……」
愛原「だからって、人を食う必要は無いさ。お前まで、向こう側に行く必要はない」
リサ「うん……」
まだ、分からないことがある。
埼玉の家との関係だ。
鬼の男……鬼之助は埼玉の家には、人間の家族と住んでいたという。
その人間達は、どこへ行ったのか。
そして、鬼の女……殺鬼とはどうして別々に暮らしていたのか。
それはまだ分かっていない。
いずれにせよ、善場主任が京都の大江山に行けば分かるのだろうか?
私達は私達で、明日は引っ越しがある。
愛原「明日は引っ越しだから、そっちに集中しよう」
リサ「うん、分かった」
〔「2番線に停車中の電車は、22時10分発、総武快速線、横須賀線直通の快速、逗子行きです。横須賀線に直通する最終電車です。お乗り遅れの無いよう、ご注意ください」〕
あの後は色々あった。
ひったくり犯の事に対して、警察から事情聴取と実況検分を受けた。
鬼の女が氷の妖術?みたいなものを使ったことに関して、どのように説明したら良いか分からなかったが、多数の目撃者の証言と、監視カメラの映像から、私の頭がおかしくなったわけではないことを警察に証明することができた。
何より、氷がまだ残っていたので、これも証拠になった。
それよりは、リサのこと。
外国では一部の国や地域では合法組織ではあるが、日本ではまだ非合法組織である。
その組織が堂々と国内で活動し、むしろBSAAという国連機関よりも素晴らしい働きをしたことについて。
まあ、BSAAの窓口になっているデイライトが面白いわけがない。
都内にいたはずの善場主任まで飛んできて、根掘り葉掘り聞かれた。
で、帰りは終電と……。
愛原「グリーン車で帰ろう。はい、グリーン券」
高橋「あざーっス」
帰りは京成ではなく、JRで帰ることにした。
これで錦糸町まで行き、そこからタクシーで事務所に戻ることにする。
マンションの荷物は既に運び出してしまったので、一晩泊まる所は事務所しか無い。
幸い事務所には仮眠設備を用意してあるので、一晩泊まるくらいなら問題無いはずだ。
ホームに行くと、15両編成の電車が停車していた。
特急“成田エクスプレス”が発車し、それはもう今日は運転されない。
それに対して京成スカイライナーは23時まで運転されるので、駅の利用者はJRより京成の方が多かった。
2階建てのグリーン車に乗り込んでみたが、ガラガラであった。
まだ発車の10分前ということで、これから乗って来るのだろうし、隣の空港第2ビル駅からも乗り込んでくるかもしれない。
何しろ、“青いアンブレラ”の出動によって、航空機の離着陸が一時的に止められたこともあって、その混乱もあるだろう。
〔この電車は、成田線、総武線、横須賀線直通、快速、逗子行きです。停車駅は都賀までの各駅と、千葉、稲毛、津田沼、船橋、市川、新小岩、錦糸町、錦糸町から先の各駅です。4号車と5号車は、グリーン車です。車内でグリーン券をお買い求めの場合、駅での発売額と異なりますので、ご了承ください〕
私とリサが隣に座った。
その後ろに高橋とパールが座る。
グリーン車といっても、新幹線や特急のそれと比べて広いわけではない。
普通車のロングシートやボックスシートと比べれば広めのリクライニングシートって感じだ。
2階席に座ってみたが、地下ということもあり、まだ眺望が良い感じはしない。
高橋「リサを窓側に座らせて、大丈夫っスか?」
愛原「逃してしまったとはいえ、“青いアンブレラ”が総攻撃を仕掛けて来たんだ。そうおいそれとはもう手出しできんだろうさ」
リサは着ていた服がボロボロになってしまった為、買い直した。
幸い第1ターミナルにも、テナントでユニクロが入っていたのである。
リサ「でも、鬼の男は諦めないって言ってた」
愛原「もしまた来たら、“青いアンブレラ”のことだ。どんな武器を持ち出すか分からんぞ」
BSAAでも躊躇するような攻撃法を行うことだろう。
噂では、栗原家に代々伝わる鬼斬りの刀の複製に成功したとか、その成分を銃弾に転用したとか聞いたことがある。
その技術は、BSAAには伝わっていない。
民間軍事会社ならではの手法だろう。
それと、善場主任からの話で、新たに分かったことがある。
鬼の兄妹の名前。
人間だった時の名前と共に分かった。
名字は大江山。
正に、京都府福知山市の郊外にある山の名前。
そして、あることで有名な山でもある。
下の名前。
鬼の名前、男の方は鬼之助(きのすけ)、女の方は殺鬼(さつき)。
人間名は男の方は右京、女の方は左京。
善場主任は、明日からそこへ向かうという。
そこにかつて、白井伝三郎が現れたという目撃証言があったからだ。
〔「お待たせ致しました。22時10分発、横須賀線直通の快速、逗子行き、発車致します」〕
電車はガラガラの状態のまま、発車時間を迎えた。
15両編成が勿体ないような気がするが、総武快速線、横須賀線に入ったら、その本領を発揮するのだろう。
ホームからは、発車メロディが聞こえて来る。
〔「2番線から22時10分発、総武快速線、横須賀線直通の快速、逗子行きが発車致します。本日、横須賀線に直通する最終電車です。ご利用のお客様は、お急ぎください」〕
〔逗子行き、快速電車が発車致します。ドアが閉まりますから、ご注意ください〕
〔「逗子行き、ドアが閉まります」〕
発車の時間になり、ドアが閉まる。
東京止まりの電車なら、この後にも1本あるのだが、それで東京駅に着いても、もう横須賀線の運転は終了している。
その為、どうしても横須賀線に乗りたければ、この電車に乗るしかないのだ。
もっとも、私達は錦糸町で降りるから、どちらでも良いのだが。
〔この電車は、総武線、横須賀線直通、快速、逗子行きです。次は空港第2ビル、空港第2ビル。お出口は、右側です〕
リサ「わたしも……人を食べないとダメなのかな?」
愛原「おい、何言ってるんだ」
リサ「わたしは弱い。あの2人に、いいようにやられて……」
愛原「だからって、人を食う必要は無いさ。お前まで、向こう側に行く必要はない」
リサ「うん……」
まだ、分からないことがある。
埼玉の家との関係だ。
鬼の男……鬼之助は埼玉の家には、人間の家族と住んでいたという。
その人間達は、どこへ行ったのか。
そして、鬼の女……殺鬼とはどうして別々に暮らしていたのか。
それはまだ分かっていない。
いずれにせよ、善場主任が京都の大江山に行けば分かるのだろうか?
私達は私達で、明日は引っ越しがある。
愛原「明日は引っ越しだから、そっちに集中しよう」
リサ「うん、分かった」
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