『ライブ中、卑劣なテロ行為!』『鏡音レンにレーザービーム!』『AR団、犯行声明出す!!』
多くの新聞、週刊誌で取り上げられた記事のタイトルである。
[9月17日09:00.財団仙台支部・支部長室 敷島孝夫&森須支部長]
昨夜一睡もせず、うな垂れる敷島。
その敷島に目を背け、窓の外を見ている森須。
「……申し訳ありませんでした。私の危機管理が足りず……」
敷島が口を開くと、森須は敷島の方を向いた。
「状況は分かった。先程、AR団には世間にも向けた形で抗議声明を出した。幸いマスコミも、人気絶頂のボーカロイドを攻撃したAR団をテロ行為と見なして糾弾している」
昨夜、鏡音レンはライブ会場でテロの犠牲となった。
具体的には、ライブが最高潮に達した頃、アドリブでバック宙を披露した際、客席から殺傷力のあるレーザービームが放たれ、レンの右肩に直撃した。
レンは衝撃で後ろに跳ね飛ばされた際、初音ミクにも激突してしまった。
大騒ぎになる中、ライブは中止。
レンとミクは鋭意修理中である。
「キミに責任は無いよ。今回のライブは、東日本大震災の被災者となった人々を対象としたチャリティ・イベントだったんだからね。そんな人達に、厳しい手荷物検査などできっこないわけだよ。そこを突かれてしまったんだ。全くもって、卑劣な行為だ」
森須は言った。
「だが、今度からは警戒を強化しなくてはならないだろう。会場にエミリーなど、セキュリティ・ロボットの類を投入せざるを得なくなる」
「はい……」
[同日同時刻 仙台市泉区 アリスの研究所 シンディ&鏡音リン]
一晩中泣きじゃくっていたリン。
一夜明けて、ようやく落ち着きを取り戻していた。
意外にも、リンの悲しみを受け止めたのはシンディ。
リンを抱き寄せて、好きなだけ泣かせた。
「もうすぐバッテリーが切れるわ。今日は財団からの命令で、仕事は全部キャンセルなんでしょう?いっそのことシャットダウンして休んでいなさいな」
「ええ……」
「あ、その前に体の汚れを落とそうか。昨夜もゲリラ豪雨の中、外へ飛び出したらいしいわね」
レンとミクが会場から運び出される際、リンは土砂降りの中を見送っていた。
「まだシャワーが使えるくらいの残量はあるよね」
「はい……」
シンディとリンは研究所内のシャワールームに移動した。
そこでリンの服を脱がせ、髪留めやら全てのアクセサリーを外すと、双子の弟であるレンと見た目の区別がつかない。
もっとも、そこは設定年齢14歳だ。体つきの違いについては、ちゃんと意識して作られている。
リンの場合には14歳の少女らしく、淡い胸の膨らみなんかも、人間のそれのようによく再現されていた。
シンディはリンの体を洗ってあげた後、これまた人間の髪と良く似た感じの金髪をブラシでとかした。
「……何だか、信じられません」
リンが口を開いた。
「何が?」
「リンが知ってるシンディはもっと冷酷で、殺人もロボット破壊も楽しくやっている感じでした。識別信号が同じでなかったら、とても信じられません」
「ああ、そういうこと」
「どうして、リンにこんなに優しくしてくれるんですか?」
「結論から答えると、どちらもオーナーの命令だからよ」
「えっ?」
「破壊活動とかはウィリアム博士の命令だったし、あなたに優しくしているのは、アリス博士に皆と仲良くやるよう命令されただけよ。オーナーの命令は絶対、ユーザーの命令は相対ってところかな。エミリー姉さんは真面目だから、ちゃんと使い分けているみたいだけど……」
エミリーにとってはオーナーの命令は正しくロボットのように忠実であり、ユーザーの要望にもなるべく答えようとする。
だが、オーナーがユーザーの命令を取り消す権限があるため、相対的なのである。
エミリーはそれだけ例外にして、なるべくユーザーの命令も極力聞こうとしているという。
しかし、シンディは違うという。
「ユーザーの命令内容が、オーナーの意向と合わないと判断したら拒否するわ。私はね」
「はあ……」
「とにかく、こうしていると昔を思い出すのよ。昔はよくこうして、姉さんを含む他の姉妹達と一緒に体を洗ったりしたわ」
「へえ……」
「男兄弟も入れて、全部で7機いたからね」
「7人兄弟なんですか。凄いですね」
「全部スペックが同じ、“七つ子”よ。凄いでしょう?……あ!」
「何ですか?」
「思い出した。私達って、全部で7体作られたんだ。派生機まで入れたら、分からないけどね。私は“七つのの大罪”のうちの“傲慢”で、姉さんは“色欲”。キールは“強欲”だった……」
「そうなんですか……」
リンの“意識”が薄れて行く。
「あ、ごめんね。早くしないと、バッテリー切れちゃうね」
シンディはリンに別の服を着せてやり、ボーカロイド居住区へ連れて行った。
充電コードを電源コンセントに接続した際、リンのバッテリー残量は僅か2パーセントほどだったという。
[同日11:00.財団仙台支部 研究室 平賀太一、アリス・シキシマ、敷島孝夫]
「どうですか?ミクとレンの調子は?」
敷島が平賀に問うた。
「幸い、人工知能などの類に損傷は見られません。その周辺機器、並びに動力部分に多少の破損があった程度です。数日以内に直せますよ」
「おお、さすが!」
自信あり気に答えた平賀に、敷島は褒め言葉を送った。
敷島が平賀達の元を訪れたのは、他にもある。
「先程、シンディから連絡がありました」
と敷島が言うと、平賀は明らかな不機嫌そうな顔となり、アリスは顔をパッと明るくした。
「シンディのメモリーが回復したそうです。マルチタイプの総生産台数は7機だそうです」
「7機!?」
「はい。あいにく、その派生機については不明とのことです」
「思い出したのね。良かった……」
「少なくとも派生機は一機知ってますよ。キールがそうでしょう?」
「確かに……。マルチタイプの5号機であったキールの製造法を、十条博士が思い出しながら作ったものなので、派生品扱いだと……」
「後で支部長に報告します」
と、敷島は言った。
「お願いします」
平賀はそれだけ言うと、またボーカロイドの修理作業に当たった。
多くの新聞、週刊誌で取り上げられた記事のタイトルである。
[9月17日09:00.財団仙台支部・支部長室 敷島孝夫&森須支部長]
昨夜一睡もせず、うな垂れる敷島。
その敷島に目を背け、窓の外を見ている森須。
「……申し訳ありませんでした。私の危機管理が足りず……」
敷島が口を開くと、森須は敷島の方を向いた。
「状況は分かった。先程、AR団には世間にも向けた形で抗議声明を出した。幸いマスコミも、人気絶頂のボーカロイドを攻撃したAR団をテロ行為と見なして糾弾している」
昨夜、鏡音レンはライブ会場でテロの犠牲となった。
具体的には、ライブが最高潮に達した頃、アドリブでバック宙を披露した際、客席から殺傷力のあるレーザービームが放たれ、レンの右肩に直撃した。
レンは衝撃で後ろに跳ね飛ばされた際、初音ミクにも激突してしまった。
大騒ぎになる中、ライブは中止。
レンとミクは鋭意修理中である。
「キミに責任は無いよ。今回のライブは、東日本大震災の被災者となった人々を対象としたチャリティ・イベントだったんだからね。そんな人達に、厳しい手荷物検査などできっこないわけだよ。そこを突かれてしまったんだ。全くもって、卑劣な行為だ」
森須は言った。
「だが、今度からは警戒を強化しなくてはならないだろう。会場にエミリーなど、セキュリティ・ロボットの類を投入せざるを得なくなる」
「はい……」
[同日同時刻 仙台市泉区 アリスの研究所 シンディ&鏡音リン]
一晩中泣きじゃくっていたリン。
一夜明けて、ようやく落ち着きを取り戻していた。
意外にも、リンの悲しみを受け止めたのはシンディ。
リンを抱き寄せて、好きなだけ泣かせた。
「もうすぐバッテリーが切れるわ。今日は財団からの命令で、仕事は全部キャンセルなんでしょう?いっそのことシャットダウンして休んでいなさいな」
「ええ……」
「あ、その前に体の汚れを落とそうか。昨夜もゲリラ豪雨の中、外へ飛び出したらいしいわね」
レンとミクが会場から運び出される際、リンは土砂降りの中を見送っていた。
「まだシャワーが使えるくらいの残量はあるよね」
「はい……」
シンディとリンは研究所内のシャワールームに移動した。
そこでリンの服を脱がせ、髪留めやら全てのアクセサリーを外すと、双子の弟であるレンと見た目の区別がつかない。
もっとも、そこは設定年齢14歳だ。体つきの違いについては、ちゃんと意識して作られている。
リンの場合には14歳の少女らしく、淡い胸の膨らみなんかも、人間のそれのようによく再現されていた。
シンディはリンの体を洗ってあげた後、これまた人間の髪と良く似た感じの金髪をブラシでとかした。
「……何だか、信じられません」
リンが口を開いた。
「何が?」
「リンが知ってるシンディはもっと冷酷で、殺人もロボット破壊も楽しくやっている感じでした。識別信号が同じでなかったら、とても信じられません」
「ああ、そういうこと」
「どうして、リンにこんなに優しくしてくれるんですか?」
「結論から答えると、どちらもオーナーの命令だからよ」
「えっ?」
「破壊活動とかはウィリアム博士の命令だったし、あなたに優しくしているのは、アリス博士に皆と仲良くやるよう命令されただけよ。オーナーの命令は絶対、ユーザーの命令は相対ってところかな。エミリー姉さんは真面目だから、ちゃんと使い分けているみたいだけど……」
エミリーにとってはオーナーの命令は正しくロボットのように忠実であり、ユーザーの要望にもなるべく答えようとする。
だが、オーナーがユーザーの命令を取り消す権限があるため、相対的なのである。
エミリーはそれだけ例外にして、なるべくユーザーの命令も極力聞こうとしているという。
しかし、シンディは違うという。
「ユーザーの命令内容が、オーナーの意向と合わないと判断したら拒否するわ。私はね」
「はあ……」
「とにかく、こうしていると昔を思い出すのよ。昔はよくこうして、姉さんを含む他の姉妹達と一緒に体を洗ったりしたわ」
「へえ……」
「男兄弟も入れて、全部で7機いたからね」
「7人兄弟なんですか。凄いですね」
「全部スペックが同じ、“七つ子”よ。凄いでしょう?……あ!」
「何ですか?」
「思い出した。私達って、全部で7体作られたんだ。派生機まで入れたら、分からないけどね。私は“七つのの大罪”のうちの“傲慢”で、姉さんは“色欲”。キールは“強欲”だった……」
「そうなんですか……」
リンの“意識”が薄れて行く。
「あ、ごめんね。早くしないと、バッテリー切れちゃうね」
シンディはリンに別の服を着せてやり、ボーカロイド居住区へ連れて行った。
充電コードを電源コンセントに接続した際、リンのバッテリー残量は僅か2パーセントほどだったという。
[同日11:00.財団仙台支部 研究室 平賀太一、アリス・シキシマ、敷島孝夫]
「どうですか?ミクとレンの調子は?」
敷島が平賀に問うた。
「幸い、人工知能などの類に損傷は見られません。その周辺機器、並びに動力部分に多少の破損があった程度です。数日以内に直せますよ」
「おお、さすが!」
自信あり気に答えた平賀に、敷島は褒め言葉を送った。
敷島が平賀達の元を訪れたのは、他にもある。
「先程、シンディから連絡がありました」
と敷島が言うと、平賀は明らかな不機嫌そうな顔となり、アリスは顔をパッと明るくした。
「シンディのメモリーが回復したそうです。マルチタイプの総生産台数は7機だそうです」
「7機!?」
「はい。あいにく、その派生機については不明とのことです」
「思い出したのね。良かった……」
「少なくとも派生機は一機知ってますよ。キールがそうでしょう?」
「確かに……。マルチタイプの5号機であったキールの製造法を、十条博士が思い出しながら作ったものなので、派生品扱いだと……」
「後で支部長に報告します」
と、敷島は言った。
「お願いします」
平賀はそれだけ言うと、またボーカロイドの修理作業に当たった。
仏教にはなかなかお目に掛からない数字だ。
一念三千、一念信解、五重相対、六根清浄、十如是、九品蓮台、八大地獄、千手観音、十界……。
うん、七が無い。
過去七仏、七七四十九日、一死七生とか
七宝なんてのもありましたね。
まあ、そんなもんです。
で1番のりばに213系が停車してたんでこれかな?と思ってたんですけど回送列車でした。リニューアル車と非リニューアル車混合編成だったんですけどリニューアル車は225系と見違えるくらいな感じでしたね。
それでとなりの2番のりばに列車が入ってきましてでよく見ると115系の原型でしたwww(大半がリニューアルされてるんですけどね)そして製造年が昭和49年でしたwww
jr東日本にも原型は残っていますよね?
確か、吾妻線とか上越線とか、都内に直通しない路線には若干残ってますね。
でも、西日本風の改造なんか素晴らしいと思いますよ。
それまでの狭いボックスシートを転換クロスシートに変えてくれるんですからね。
東日本に改造させてご覧なさい。
ロングシートかオリジナルより固いボックスシートに魔改造しやがりますからw