[5月1日19:30.天候:雨 栃木県那須塩原市 ホテル天長園1F]
夕食を終えた私達は、再び1階に下りた。
そして、ロビーの西側にある天長会紹介コーナーに向かう。
コーナーといっても、ちょっとしたホテルの宴会場並みの広さがあった。
もしかすると、本当にバンケットホールだった場所なのかもしれない。
愛原:「天長会は教祖様が神の啓示を受けて発足させた団体。如何に既存の宗教団体が腐敗堕落しているかを気づかされた教祖様は、『昭和の宗教改革』を謳い、天長会を立ち上げた……か。よくある新興宗教発足の類だな」
私は天長会そのものには興味は無かった。
天長会が如何にしてアンブレラ……日本アンブレラと繋がったのかを知りたいのだ。
高橋:「先生、あれを!」
高橋が指さした所には、1人の『巫女』の写真があった。
キリスト教の修道女のような姿をしているが、白い仮面を着けており、顔は分からない。
何でも、天長会における『巫女』は悪魔の妨害、そして神からの試練を一手に引き受ける存在とのこと。
悪魔に憑かれた際に、顔が大きく変化し、それを隠す為に仮面を着けるのだそうだ。
愛原:「何か……日本版リサ・トレヴァーみたいだな」
高橋:「ですよね」
そして、私は見つけた。
このホテルの前身を。
それも写真があった。
グレーの殺風景な建物。
そしてその隣には……。
愛原:「東那須野駅だ!」
上記の写真では分からないが、駅前には多くの信者達が集合しており、『東那須野駅(現・那須塩原駅)より栃木の道場へ向かう信者達」という説明が書かれていた。
愛原:「リサ!この写真に覚えは無いか!?」
リサ:「……!」
するとリサ、頭を抱えてフラついた。
第0形態から第1形態へと戻ってしまう。
リサ:「白井が……ここにいる……!」
愛原:「何だって!?」
と、その時だった。
エントランスの方が何やら騒がしかった。
BSAA隊長:「BSAAだ!動くな!」
行ってみると、BSAAが乗り込んで来るところだった。
愛原:「BSAAの皆さん!?どうしてここに!?」
BSAA隊長:「む?あなたは……?」
私はNPO法人デイライトの善場主任の名刺と私の名刺を出しながら言った。
愛原:「NPO法人デイライトから業務を委託されている、探偵の愛原学です。もっとも、今回は別件でこのホテルに滞在していますが……」
BSAA隊長:「愛原さんもこのホテルに白井伝三郎が潜伏しているとの情報を得たのですね!?」
愛原:「そうです!」
もっとも、たった今だけどな!
BSAA隊員A:「ホテルの中を調べさせてもらうぞ!」
バタバタとホテルの中に入って行くBSAA隊員達。
一応、フロントには捜査令状らしきものを提示していたが……。
愛原:「隊長、これは一体……?」
BSAA隊長:「当地区本部の諜報部隊より、情報が入ったのです。前回はとんだ失敗に終わりましたが、今回はそうはいきません」
前回って、あのバス爆発か。
愛原:「前回の計画って、結局どんな感じだったんですか?」
BSAA隊長:「それは機密ですので、お話しできません」
あ、そ。
いいもんいいもーん。
善場主任に聞くもーん。
BSAA隊長:「このホテルに滞在していると言いましたね?」
愛原:「ええ」
BSAA隊長:「何か探偵として、情報を得たりはしませんでしたか?」
機密です、と言いたいところだが、言ったら銃を突きつけられるだろうなぁ……。
愛原:「私達も今日チェックインしたばかりなので……。まあ、日本版リサ・トレヴァー母娘だの、元BOWのスタッフだの、怪しい所はそれなりにありますけどね。白井に関することは現在調査中だったもので……」
BSAA隊長:「そうですか。できれば、あなた達の部屋も見せて頂きたいのですが?」
愛原:「いいですよ」
BSAA隊長:「あー、こちら“アルファ”。2人ほど、ロビーに戻ってくれ」
隊長はインカムで隊員を2人呼び戻した。
愛原:「それではご案内します」
私達はエレベーターに乗り込んだ。
[同日20:00.天候:雨 同ホテル7F・721号室]
部屋に戻ると早速、隊員達が室内の検索に当たる。
それと荷物検査も行われた。
私や高橋はハンドガンを持っていたが、もちろんこれは対バイオテロ用に特化して使用できるという条件付きで所持と使用が許可されたものだから、何ら問題は無い。
BSAA隊員B:「クリア!(異常なし)」
BSAA隊員C:「クリア!(異常なし)」
隊員達は室内はもちろん、天井の点検口や床下の点検口を開けるばかりか、そこに入ってダクトの中まで調べ上げた。
さすがはBSAAだ。
それだけでなく、盗聴器や隠しカメラの類なども調べ上げる。
それを踏まえた上での、『クリア』だ。
BSAA隊長:「ご協力ありがとうございます。この部屋は安全ですので、安心して滞在してください」
愛原:「それは良かったです」
BSAA隊長:「1つだけお教えしましょう。確かにあなた方を『連れ去った』『テロリスト達』は、うちの諜報部隊員です」
愛原:「やっぱり!?」
BSAA隊員:「物の見事に、リサ・トレヴァーの『暴走』により失敗してしまいましたがな」
愛原:「もしもその計画が成功していたら、どうなっていたんですか?」
BSAA隊長:「今頃、白井伝三郎を捕縛できていたかもしれませんな」
愛原:「ええっ!?」
BSAA隊長:「何しろ……『本物のヴェルトロ』とそっくり入れ替わることができたのに……非常に残念です」
そう言ってBSAAは去って行った。
あくまでもこの部屋を去っただけで、ホテル内部の検索は続けているだろう。
もしかしたら、本当にヴェルトロは私達を偽バスで連れ去ろうとしていたのかもしれない。
その情報を事前にキャッチしたBSAA極東支部日本地区本部は、そのヴェルトロ達を捕縛あるいは駆逐。
そして、彼らはヴェルトロと入れ替わった。
恐らくそのヴェルトロは、私達を白井伝三郎の所へ連れて行こうとしたのかもしれない。
そこでBSAAはそのヴェルトロと入れ替わることにより、全く怪しまれずに白井の所へ行こうし、白井が現れたところで、正体を表して……という作戦だったのか。
あ、そうそう。
去り間際、BSAA隊長がこんなことを言っていた。
BSAA隊長:「このホテルに、リサ・トレヴァー『2番』の関係者がいるという情報もあるのですが、御存知ですか?」
と。
私はそんなことは知らないと答えたら、『そうですか』と言って去って行った。
私はこの時、その関係者とは天長会のことだと思っていた。
だが、隊長は別の意味で言っていたのである。
夕食を終えた私達は、再び1階に下りた。
そして、ロビーの西側にある天長会紹介コーナーに向かう。
コーナーといっても、ちょっとしたホテルの宴会場並みの広さがあった。
もしかすると、本当にバンケットホールだった場所なのかもしれない。
愛原:「天長会は教祖様が神の啓示を受けて発足させた団体。如何に既存の宗教団体が腐敗堕落しているかを気づかされた教祖様は、『昭和の宗教改革』を謳い、天長会を立ち上げた……か。よくある新興宗教発足の類だな」
私は天長会そのものには興味は無かった。
天長会が如何にしてアンブレラ……日本アンブレラと繋がったのかを知りたいのだ。
高橋:「先生、あれを!」
高橋が指さした所には、1人の『巫女』の写真があった。
キリスト教の修道女のような姿をしているが、白い仮面を着けており、顔は分からない。
何でも、天長会における『巫女』は悪魔の妨害、そして神からの試練を一手に引き受ける存在とのこと。
悪魔に憑かれた際に、顔が大きく変化し、それを隠す為に仮面を着けるのだそうだ。
愛原:「何か……日本版リサ・トレヴァーみたいだな」
高橋:「ですよね」
そして、私は見つけた。
このホテルの前身を。
それも写真があった。
グレーの殺風景な建物。
そしてその隣には……。
愛原:「東那須野駅だ!」
上記の写真では分からないが、駅前には多くの信者達が集合しており、『東那須野駅(現・那須塩原駅)より栃木の道場へ向かう信者達」という説明が書かれていた。
愛原:「リサ!この写真に覚えは無いか!?」
リサ:「……!」
するとリサ、頭を抱えてフラついた。
第0形態から第1形態へと戻ってしまう。
リサ:「白井が……ここにいる……!」
愛原:「何だって!?」
と、その時だった。
エントランスの方が何やら騒がしかった。
BSAA隊長:「BSAAだ!動くな!」
行ってみると、BSAAが乗り込んで来るところだった。
愛原:「BSAAの皆さん!?どうしてここに!?」
BSAA隊長:「む?あなたは……?」
私はNPO法人デイライトの善場主任の名刺と私の名刺を出しながら言った。
愛原:「NPO法人デイライトから業務を委託されている、探偵の愛原学です。もっとも、今回は別件でこのホテルに滞在していますが……」
BSAA隊長:「愛原さんもこのホテルに白井伝三郎が潜伏しているとの情報を得たのですね!?」
愛原:「そうです!」
もっとも、たった今だけどな!
BSAA隊員A:「ホテルの中を調べさせてもらうぞ!」
バタバタとホテルの中に入って行くBSAA隊員達。
一応、フロントには捜査令状らしきものを提示していたが……。
愛原:「隊長、これは一体……?」
BSAA隊長:「当地区本部の諜報部隊より、情報が入ったのです。前回はとんだ失敗に終わりましたが、今回はそうはいきません」
前回って、あのバス爆発か。
愛原:「前回の計画って、結局どんな感じだったんですか?」
BSAA隊長:「それは機密ですので、お話しできません」
あ、そ。
いいもんいいもーん。
善場主任に聞くもーん。
BSAA隊長:「このホテルに滞在していると言いましたね?」
愛原:「ええ」
BSAA隊長:「何か探偵として、情報を得たりはしませんでしたか?」
機密です、と言いたいところだが、言ったら銃を突きつけられるだろうなぁ……。
愛原:「私達も今日チェックインしたばかりなので……。まあ、日本版リサ・トレヴァー母娘だの、元BOWのスタッフだの、怪しい所はそれなりにありますけどね。白井に関することは現在調査中だったもので……」
BSAA隊長:「そうですか。できれば、あなた達の部屋も見せて頂きたいのですが?」
愛原:「いいですよ」
BSAA隊長:「あー、こちら“アルファ”。2人ほど、ロビーに戻ってくれ」
隊長はインカムで隊員を2人呼び戻した。
愛原:「それではご案内します」
私達はエレベーターに乗り込んだ。
[同日20:00.天候:雨 同ホテル7F・721号室]
部屋に戻ると早速、隊員達が室内の検索に当たる。
それと荷物検査も行われた。
私や高橋はハンドガンを持っていたが、もちろんこれは対バイオテロ用に特化して使用できるという条件付きで所持と使用が許可されたものだから、何ら問題は無い。
BSAA隊員B:「クリア!(異常なし)」
BSAA隊員C:「クリア!(異常なし)」
隊員達は室内はもちろん、天井の点検口や床下の点検口を開けるばかりか、そこに入ってダクトの中まで調べ上げた。
さすがはBSAAだ。
それだけでなく、盗聴器や隠しカメラの類なども調べ上げる。
それを踏まえた上での、『クリア』だ。
BSAA隊長:「ご協力ありがとうございます。この部屋は安全ですので、安心して滞在してください」
愛原:「それは良かったです」
BSAA隊長:「1つだけお教えしましょう。確かにあなた方を『連れ去った』『テロリスト達』は、うちの諜報部隊員です」
愛原:「やっぱり!?」
BSAA隊員:「物の見事に、リサ・トレヴァーの『暴走』により失敗してしまいましたがな」
愛原:「もしもその計画が成功していたら、どうなっていたんですか?」
BSAA隊長:「今頃、白井伝三郎を捕縛できていたかもしれませんな」
愛原:「ええっ!?」
BSAA隊長:「何しろ……『本物のヴェルトロ』とそっくり入れ替わることができたのに……非常に残念です」
そう言ってBSAAは去って行った。
あくまでもこの部屋を去っただけで、ホテル内部の検索は続けているだろう。
もしかしたら、本当にヴェルトロは私達を偽バスで連れ去ろうとしていたのかもしれない。
その情報を事前にキャッチしたBSAA極東支部日本地区本部は、そのヴェルトロ達を捕縛あるいは駆逐。
そして、彼らはヴェルトロと入れ替わった。
恐らくそのヴェルトロは、私達を白井伝三郎の所へ連れて行こうとしたのかもしれない。
そこでBSAAはそのヴェルトロと入れ替わることにより、全く怪しまれずに白井の所へ行こうし、白井が現れたところで、正体を表して……という作戦だったのか。
あ、そうそう。
去り間際、BSAA隊長がこんなことを言っていた。
BSAA隊長:「このホテルに、リサ・トレヴァー『2番』の関係者がいるという情報もあるのですが、御存知ですか?」
と。
私はそんなことは知らないと答えたら、『そうですか』と言って去って行った。
私はこの時、その関係者とは天長会のことだと思っていた。
だが、隊長は別の意味で言っていたのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます