[5月1日23:00.天候:雨 栃木県那須塩原市 ホテル天長園7F・721号室→大浴場]
高橋:「まだBSAAいるんですねー」
愛原:「俺達はもう用済みみたいだから、さっさと寝ることにしよう」
高橋:「はい。善場の姉ちゃんから連絡は?」
愛原:「いや、まだ無い。一応、メッセージとメールは送ってるんだが……」
高橋:「何やってんスかね……」
愛原:「そもそも今はゴールデンウィークだし、善場主任もすぐには出られないのかもしれない」
リサ:「ねぇ、先生。あれって何の建物?」
リサが窓の外を指さした。
宿泊客は私達しかいないので、ホテル客室の照明の殆どが点いていない。
点いているのは、BSAAがそこを検索しているのだろう。
建物の向こう側に、薄暗い本館と比べて一際明るい建物があった。
見た目は体育館っぽい建物だが……。
愛原:「もしかしたら、あれが『聖堂』なのかもしれないな」
こんなこともあろうかと、私は探偵の七つ道具、小型の双眼鏡を持って来ていた。
外は雨なので視界が悪いが、雨のピークは過ぎたようで、先ほどの雷雨や大雨ではなく、だいぶ小雨になってきている。
愛原:「あそこにBSAAの車が何台も止まっているから、今はあそこを集中的に検索するつもりか」
宗教施設はタブー視されることが多々あるが、BSAAには関係無いらしい。
特に、外国の異教は。
ましてや天長会はキリスト教からも異端扱いされる上、怪しい新興宗教の団体とあらば、BSAAも遠慮はしないか。
愛原:「本当に白井はいるのか?」
リサ:「いるような……気がする」
愛原:「だとしたら、さっさとBSAAがパクッてくれるのを期待するしかないな」
高橋:「先生。これじゃ暢気に露天風呂入れないっスねー」
愛原:「しょうがない。明日の朝風呂に期待しよう。明日は晴れるみたいだからな」
高橋:「はい」
私達は寝る準備に入った。
リサ:「ねぇ、先生」
愛原:「何だ?」
リサ:「あの、『巫女』の凛ね、名字を上野って言ったでしょ?」
愛原:「そうだな」
リサ:「上野って……私の人間だった頃の名前の名字と同じだよね」
愛原:「! そうだな!」
私は今思い出した。
そして、手帳を取り出して確認すると、リサの人間だった頃の名前は上野暢子。
上野凛の母親があの女将さんなら、女将さんの名字も上野ということになる。
これは何かの偶然か?
明日、聞いてみよう。
ていうか、ここのBSAA隊長が私に聞いて来た、『「2番」の関係者がいる』というのは、そのことだったのか?
愛原:「ここに来てから、新たな発見が多いなぁ……。何にしろ、あとは明日だな」
リサ:「先生、明日はどこ行くの?」
愛原:「明日は那須ハイランドパークに行くさ。遊園地だよ。ここに来る時に乗ったバスの行き先にあっただろ?あれだよ」
リサ:「おー、なるほど」
こちらにはこちらの予定がある。
BSAAが干渉して来なければ、こちらは予定通りのことを行うまでだ。
[5月2日07:00.天候:晴 同ホテル7F・721号室]
枕元のスマホが鳴る。
ちょうど7時にアラームをセットしたのだ。
愛原:「うーむ……」
それで起き上がる私。
高橋も起きた。
高橋:「おはようございます……」
愛原:「ああ、おはよう」
私は起き上がると、室内を見渡した。
特に何も無い。
寝ている間に何かあるんじゃないかと思って枕元にハンドガンを置いておいたのだが、杞憂に終わったようだ。
尚、寝てる最中に間違って触って暴発させたら危険なので、一応安全装置は付けたままにしている。
高橋:「何も無かったみたいっスね」
愛原:「BSAAは去ったのか?」
私は起き上がって、カーテンを開けて外を見た。
『聖堂』前に集結していたBSAAの車は、まだ停車している。
どうやらBSAAはまだ残っているようだ。
愛原:「……まだいるな」
正直、朝風呂に行って良いものかどうか迷ったが、取りあえず行って見ることにした。
リサ:「おはよ……」
私達が準備をしていると、リサが寝惚け眼で起きて来た。
愛原:「おう、おはよう。リサはまだ寝てていいよ」
リサ:「どこ行くの……?」
愛原:「朝風呂。昨夜、雨が強くて露天風呂に入れなかったから。今は晴れたから入れるだろうと思うんだが……」
リサ:「私も行く」
愛原:「そうか?じゃあ……」
しかし、そんなリサの足をガシッと掴む者がいた。
絵恋さんである。
絵恋:「リサさん、行っちゃヤダ……」
リサ:「這いずりゾンビみたいな掴み方するな!」
愛原:「た、確かに……」
這いずりゾンビとは、ゾンビウィルスに感染した者が末期症状に陥り、立って歩けず、這いずりでしか移動できなくなったゾンビのことである。
または、立って歩くことのできていたゾンビが、足に銃撃を受けるなどして立てなくなり、這いずり状態になることも含めて呼ぶ場合もある。
リサ:「私は朝風呂に行くの!放せ!」
絵恋:「私も行く……」
リサ:「だったら放せ!」
高橋:「オマエら、よく昨夜は眠れたな」
愛原:「確かに……」
部屋から出て、まずは1階に下りる。
フロント係:「おはようございます」
愛原:「おはよう。今、大浴場って入れます?」
フロント係:「はい、大丈夫ですよ」
よし。
やっと露天風呂に入れそうだ。
東側通路を通って行くと、途中に従業員専用のドアがある。
昨日は鍵が掛かっていたが、今日はどうなのだろう?
愛原:「……うん。やっぱり掛かってる」
当たり前だな。
リサ:「私がこじ開けようか?」
リサが右手だけでバキッと骨を鳴らした。
愛原:「いや、いいよ。さっさと風呂行こう」
もしかすると、スタッフの人達が寝泊まりしている所があるのかもしれない。
高橋:「先生、今日の出発はいつ頃ですか?」
愛原:「午前中の那須ハイランドパーク行きのバスに合わせてだから……」
今日は何が起こるのだろうか?
高橋:「まだBSAAいるんですねー」
愛原:「俺達はもう用済みみたいだから、さっさと寝ることにしよう」
高橋:「はい。善場の姉ちゃんから連絡は?」
愛原:「いや、まだ無い。一応、メッセージとメールは送ってるんだが……」
高橋:「何やってんスかね……」
愛原:「そもそも今はゴールデンウィークだし、善場主任もすぐには出られないのかもしれない」
リサ:「ねぇ、先生。あれって何の建物?」
リサが窓の外を指さした。
宿泊客は私達しかいないので、ホテル客室の照明の殆どが点いていない。
点いているのは、BSAAがそこを検索しているのだろう。
建物の向こう側に、薄暗い本館と比べて一際明るい建物があった。
見た目は体育館っぽい建物だが……。
愛原:「もしかしたら、あれが『聖堂』なのかもしれないな」
こんなこともあろうかと、私は探偵の七つ道具、小型の双眼鏡を持って来ていた。
外は雨なので視界が悪いが、雨のピークは過ぎたようで、先ほどの雷雨や大雨ではなく、だいぶ小雨になってきている。
愛原:「あそこにBSAAの車が何台も止まっているから、今はあそこを集中的に検索するつもりか」
宗教施設はタブー視されることが多々あるが、BSAAには関係無いらしい。
特に、外国の異教は。
ましてや天長会はキリスト教からも異端扱いされる上、怪しい新興宗教の団体とあらば、BSAAも遠慮はしないか。
愛原:「本当に白井はいるのか?」
リサ:「いるような……気がする」
愛原:「だとしたら、さっさとBSAAがパクッてくれるのを期待するしかないな」
高橋:「先生。これじゃ暢気に露天風呂入れないっスねー」
愛原:「しょうがない。明日の朝風呂に期待しよう。明日は晴れるみたいだからな」
高橋:「はい」
私達は寝る準備に入った。
リサ:「ねぇ、先生」
愛原:「何だ?」
リサ:「あの、『巫女』の凛ね、名字を上野って言ったでしょ?」
愛原:「そうだな」
リサ:「上野って……私の人間だった頃の名前の名字と同じだよね」
愛原:「! そうだな!」
私は今思い出した。
そして、手帳を取り出して確認すると、リサの人間だった頃の名前は上野暢子。
上野凛の母親があの女将さんなら、女将さんの名字も上野ということになる。
これは何かの偶然か?
明日、聞いてみよう。
ていうか、ここのBSAA隊長が私に聞いて来た、『「2番」の関係者がいる』というのは、そのことだったのか?
愛原:「ここに来てから、新たな発見が多いなぁ……。何にしろ、あとは明日だな」
リサ:「先生、明日はどこ行くの?」
愛原:「明日は那須ハイランドパークに行くさ。遊園地だよ。ここに来る時に乗ったバスの行き先にあっただろ?あれだよ」
リサ:「おー、なるほど」
こちらにはこちらの予定がある。
BSAAが干渉して来なければ、こちらは予定通りのことを行うまでだ。
[5月2日07:00.天候:晴 同ホテル7F・721号室]
枕元のスマホが鳴る。
ちょうど7時にアラームをセットしたのだ。
愛原:「うーむ……」
それで起き上がる私。
高橋も起きた。
高橋:「おはようございます……」
愛原:「ああ、おはよう」
私は起き上がると、室内を見渡した。
特に何も無い。
寝ている間に何かあるんじゃないかと思って枕元にハンドガンを置いておいたのだが、杞憂に終わったようだ。
尚、寝てる最中に間違って触って暴発させたら危険なので、一応安全装置は付けたままにしている。
高橋:「何も無かったみたいっスね」
愛原:「BSAAは去ったのか?」
私は起き上がって、カーテンを開けて外を見た。
『聖堂』前に集結していたBSAAの車は、まだ停車している。
どうやらBSAAはまだ残っているようだ。
愛原:「……まだいるな」
正直、朝風呂に行って良いものかどうか迷ったが、取りあえず行って見ることにした。
リサ:「おはよ……」
私達が準備をしていると、リサが寝惚け眼で起きて来た。
愛原:「おう、おはよう。リサはまだ寝てていいよ」
リサ:「どこ行くの……?」
愛原:「朝風呂。昨夜、雨が強くて露天風呂に入れなかったから。今は晴れたから入れるだろうと思うんだが……」
リサ:「私も行く」
愛原:「そうか?じゃあ……」
しかし、そんなリサの足をガシッと掴む者がいた。
絵恋さんである。
絵恋:「リサさん、行っちゃヤダ……」
リサ:「這いずりゾンビみたいな掴み方するな!」
愛原:「た、確かに……」
這いずりゾンビとは、ゾンビウィルスに感染した者が末期症状に陥り、立って歩けず、這いずりでしか移動できなくなったゾンビのことである。
または、立って歩くことのできていたゾンビが、足に銃撃を受けるなどして立てなくなり、這いずり状態になることも含めて呼ぶ場合もある。
リサ:「私は朝風呂に行くの!放せ!」
絵恋:「私も行く……」
リサ:「だったら放せ!」
高橋:「オマエら、よく昨夜は眠れたな」
愛原:「確かに……」
部屋から出て、まずは1階に下りる。
フロント係:「おはようございます」
愛原:「おはよう。今、大浴場って入れます?」
フロント係:「はい、大丈夫ですよ」
よし。
やっと露天風呂に入れそうだ。
東側通路を通って行くと、途中に従業員専用のドアがある。
昨日は鍵が掛かっていたが、今日はどうなのだろう?
愛原:「……うん。やっぱり掛かってる」
当たり前だな。
リサ:「私がこじ開けようか?」
リサが右手だけでバキッと骨を鳴らした。
愛原:「いや、いいよ。さっさと風呂行こう」
もしかすると、スタッフの人達が寝泊まりしている所があるのかもしれない。
高橋:「先生、今日の出発はいつ頃ですか?」
愛原:「午前中の那須ハイランドパーク行きのバスに合わせてだから……」
今日は何が起こるのだろうか?
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