[11月7日12:30.天候:曇 某県霧生市西部郊外 新日蓮宗大本山大山寺境内]
私達は大山寺の南側に移動した。
そこは壱之坊と弐之坊という宿坊のある所で、どちらも同じ構造をしている。
そのうち、1つの宿坊で化け物と化した主管僧侶と戦闘になったんだっけ。
広い広場にはBSAAの大型トラックや装甲車が何台も止まっており、天幕も張られていた。
私達はそのうちの1つの天幕に入った。
まずはそこで昼食。
BSAAは本来は独立した国連組織なのだが、一般的には国連軍の一派として知られている。
なので職員達も軍人同然である。
だからというわけではないだろう。
出された昼食がカレーだというのは。
今でこそカレーは金曜日に出るが、昔は土曜日だった。
今日が土曜日だからだろうか。
食事が不味くなるからだろうか、食事中は一切市街地の様子は教えられなかった。
後で聞いたところ、戦況は悪いらしい。
リサ・トレヴァー達は体内に宿したウィルスを相手に送り込み、感染させることができる。
感染させても活性化させるかどうかは、リサ・トレヴァーが決める。
つまり、感染させられた者は生殺与奪の権を奪われ、リサ・トレヴァーに従うしか無くなるのである。
BSAA隊長:「感染させられた隊員達はゾンビ化したり、銃を乱射して同士討ちを始めるといった有り様です」
善場:「それはいけませんね。やはりここは、『2番』と『退魔士』に行ってもらいましょう」
愛原:「市街地にいるリサ・トレヴァーというのは何番ですか?」
善場:「分かりません。ですが、2人と聞いています」
愛原:「2人か……。そのうちのどちらかが『1番』かな」
隊長:「もう既に何人も隊員が食い殺されています。これほどまでに手強いBOWは初めてです。どうか頼みます」
愛原:「分かりました」
BSAAからの報酬は高い。
私はHQから休憩所に戻った。
愛原:「リサと蓮華さん、市街地に行きますよ。リサ・トレヴァーが2人暴れているそうです」
蓮華:「分かりました」
『2番』:「2人……」
リサは考え込んだ。
愛原:「どうした、リサ?何か心当たりがあるのか?」
『2番』:「もしかして、アクアとミリアかな」
愛原:「知ってるのか?」
『2番』:「リサ・トレヴァーの中で、唯一人間だった頃の名前を覚えてるコ達。双子の姉妹なんだって」
愛原:「なに?てことは、『1番』じゃないか」
善場:「それは何番ですか?」
『2番』:「『8番』と『9番』。本名は遠藤天空海(あくあ)と遠藤美里愛(みりあ)」
愛原:「DQNネームかい!」
善場:「しかも姉の方は大相撲の力士に同じ名前のがいますね……」
『2番』:「でも手強いよ。あいつら、私と初めて会った時点で人間を70~80人は食べてるから」
愛原:「はあ!?」
善場:「海外からの輸入組でしょうか。それだと海外で大勢食べて来た可能性もあります」
『2番』:「そして、今もね」
リサ・トレヴァー達は体臭がキツい。
それは人食いをしているからだ。
人食いでなくても、肉食が好きな人は体臭が強くなる傾向がある。
それと同じだ。
人を食べたことがないリサが1番体臭が弱いのだ。
さっきの『7番』ですら、それが分かるほどだった。
善場:「これ以上被害がヒドくならないうちに現地に向かいましょう」
私達は今度は装甲車に乗り込んだ。
これなら外から攻撃されても、ビクともしない。
愛原:「『8番』と『9番』はリサより年上?」
『2番』:「いや、私と同じくらい。区別を付ける為に、アクアは黒い服、ミリアは白い服を着てる。アクアは髪が長くて、ミリアは髪が短い」
双子が外から区別してもらう為に違う服を着るのと、髪形を変えるのと同じことだ。
ところで学生時代、学校に一組は双子がいるわけだが、何故だか全員もれなく髪形まで同じにするものだから区別が付かなかったな。
善場:「他に情報は?」
『2番』:「……あ、そうだ。あの2人、研究所から出たんだけど、『真っ当なお金でちゃんと買われた』って聞いたよ」
愛原:「買ってる時点でまともじゃないんだよ」
善場:「唯一、『商品として』売れた個体ですか。しかし、それがどうしてここで暴れているのでしょう?」
『2番』:「それは知らないよ」
愛原:「商品!?」
善場:「商品ですよ。アンブレラにとって、TウィルスもGウィルスもタイラントもネメシスも、日本ではリサ・トレヴァーも商品なんですよ。ただ、本当に商品として売れるレベルに達せたのは『1番』と『2番』だけということらしいですが、実際に商品として売れたのは、検品で弾かれたはずの『8番』と『9番』だったということですね。どうして売れたか知ってる?」
リサは少し考え込んだ。
『2番』:「……双子だから?」
愛原:「どうかな?」
蓮華:「双子でも何でも、化け物は斬る」
善場:「もし話ができるようでしたら、先にそのコ達と話をさせてください。彼女らを購入したのがどこの誰かを突き止めたいのです」
蓮華:「分かりました」
愛原:「もしかしたら『1番』の行方も知ってるでしょうからね」
蓮華:「そうですね」
『7番』は『1番』はいないと言っていたが、どうも『7番』はウソツキのようなので、あまり信用できない。
『8番』と『9番』に聞いてみることにしよう。
[同日13:30.天候:曇 霧生市内市街地(市役所付近)]
BSAAゾンビ:「ヒーハー!」
狂気的な笑いを浮かべてマシンガンを乱射してくる、ゾンビ化したBSAA隊員。
しかし、ゾンビ化すると銃器を使う知能すら無くなるはずだ。
確かに今は乱射に近い撃ち方をしているが、ちゃんと撃っている。
こっちのBSAA隊員が対応した。
かつての仲間を射殺するのは忍びないだろうが、しかしもう医学的には死んでいる状態なのだから致し方ない。
善場:「まるでCウィルスのゾンビみたいですね」
愛原:「Cウィルス?」
善場:「Tウィルスよりも感染力や毒性が強く、感染するとあっという間にゾンビ化します。しかし、肉体の腐敗は起こるものの、劣化はそこまでではなく、知能も低下はしますが、武器が使えるくらいのそれは残ります」
Cウィルスのゾンビは走ることができたり、フェンスをよじ登ったりすることができる。
Tウィルスのゾンビは肉体の腐敗や劣化が激しい為、走ったりすることはできない。
また、先ほども述べたように、乱射状態ではあるものの、銃を撃つこともCゾンビはできる(もちろん、生前の残った記憶だけでそうしているだけで、当の本人は自分が何をしているか全くわからないらしい)。
善場:「どうやってCウィルスを取り込んだのかは不明ですが、どうやら『8番』『9番』はCウィルスを使って攻撃してくるようです」
愛原:「気を付けることは?」
善場:「Cウィルスは全体的に青いです。青いガスなどを見かけたら注意してください。そこから感染します。因みに、Tウィルスと違って空気感染しかしません。Tウィルスのように、血液感染や接触感染はしません」
実際、Cウィルスのゾンビが現れた香港やトールオークス市でも、そのゾンビに噛まれた人がゾンビ化した例は報告されていないという。
愛原:「分かりました。それでは、私達も行きます」
善場:「その前に、Cウィルスの予防接種をしてください」
愛原:「あ、ワクチンあるんですねw」
善場:「Cウィルスの事件が発生したのは2013年で、それはもう解決済みです。当然、ワクチンも開発されています」
『2番』のリサを除く、人間全員がワクチンを接種した。
これでもう怖いモノ無しだ。
『2番』:「『8番』と『9番』、近くにいる。気をつけて」
リサは鼻をフンフン鳴らしながら言った。
私達は大山寺の南側に移動した。
そこは壱之坊と弐之坊という宿坊のある所で、どちらも同じ構造をしている。
そのうち、1つの宿坊で化け物と化した主管僧侶と戦闘になったんだっけ。
広い広場にはBSAAの大型トラックや装甲車が何台も止まっており、天幕も張られていた。
私達はそのうちの1つの天幕に入った。
まずはそこで昼食。
BSAAは本来は独立した国連組織なのだが、一般的には国連軍の一派として知られている。
なので職員達も軍人同然である。
だからというわけではないだろう。
出された昼食がカレーだというのは。
今でこそカレーは金曜日に出るが、昔は土曜日だった。
今日が土曜日だからだろうか。
食事が不味くなるからだろうか、食事中は一切市街地の様子は教えられなかった。
後で聞いたところ、戦況は悪いらしい。
リサ・トレヴァー達は体内に宿したウィルスを相手に送り込み、感染させることができる。
感染させても活性化させるかどうかは、リサ・トレヴァーが決める。
つまり、感染させられた者は生殺与奪の権を奪われ、リサ・トレヴァーに従うしか無くなるのである。
BSAA隊長:「感染させられた隊員達はゾンビ化したり、銃を乱射して同士討ちを始めるといった有り様です」
善場:「それはいけませんね。やはりここは、『2番』と『退魔士』に行ってもらいましょう」
愛原:「市街地にいるリサ・トレヴァーというのは何番ですか?」
善場:「分かりません。ですが、2人と聞いています」
愛原:「2人か……。そのうちのどちらかが『1番』かな」
隊長:「もう既に何人も隊員が食い殺されています。これほどまでに手強いBOWは初めてです。どうか頼みます」
愛原:「分かりました」
BSAAからの報酬は高い。
私はHQから休憩所に戻った。
愛原:「リサと蓮華さん、市街地に行きますよ。リサ・トレヴァーが2人暴れているそうです」
蓮華:「分かりました」
『2番』:「2人……」
リサは考え込んだ。
愛原:「どうした、リサ?何か心当たりがあるのか?」
『2番』:「もしかして、アクアとミリアかな」
愛原:「知ってるのか?」
『2番』:「リサ・トレヴァーの中で、唯一人間だった頃の名前を覚えてるコ達。双子の姉妹なんだって」
愛原:「なに?てことは、『1番』じゃないか」
善場:「それは何番ですか?」
『2番』:「『8番』と『9番』。本名は遠藤天空海(あくあ)と遠藤美里愛(みりあ)」
愛原:「DQNネームかい!」
善場:「しかも姉の方は大相撲の力士に同じ名前のがいますね……」
『2番』:「でも手強いよ。あいつら、私と初めて会った時点で人間を70~80人は食べてるから」
愛原:「はあ!?」
善場:「海外からの輸入組でしょうか。それだと海外で大勢食べて来た可能性もあります」
『2番』:「そして、今もね」
リサ・トレヴァー達は体臭がキツい。
それは人食いをしているからだ。
人食いでなくても、肉食が好きな人は体臭が強くなる傾向がある。
それと同じだ。
人を食べたことがないリサが1番体臭が弱いのだ。
さっきの『7番』ですら、それが分かるほどだった。
善場:「これ以上被害がヒドくならないうちに現地に向かいましょう」
私達は今度は装甲車に乗り込んだ。
これなら外から攻撃されても、ビクともしない。
愛原:「『8番』と『9番』はリサより年上?」
『2番』:「いや、私と同じくらい。区別を付ける為に、アクアは黒い服、ミリアは白い服を着てる。アクアは髪が長くて、ミリアは髪が短い」
双子が外から区別してもらう為に違う服を着るのと、髪形を変えるのと同じことだ。
ところで学生時代、学校に一組は双子がいるわけだが、何故だか全員もれなく髪形まで同じにするものだから区別が付かなかったな。
善場:「他に情報は?」
『2番』:「……あ、そうだ。あの2人、研究所から出たんだけど、『真っ当なお金でちゃんと買われた』って聞いたよ」
愛原:「買ってる時点でまともじゃないんだよ」
善場:「唯一、『商品として』売れた個体ですか。しかし、それがどうしてここで暴れているのでしょう?」
『2番』:「それは知らないよ」
愛原:「商品!?」
善場:「商品ですよ。アンブレラにとって、TウィルスもGウィルスもタイラントもネメシスも、日本ではリサ・トレヴァーも商品なんですよ。ただ、本当に商品として売れるレベルに達せたのは『1番』と『2番』だけということらしいですが、実際に商品として売れたのは、検品で弾かれたはずの『8番』と『9番』だったということですね。どうして売れたか知ってる?」
リサは少し考え込んだ。
『2番』:「……双子だから?」
愛原:「どうかな?」
蓮華:「双子でも何でも、化け物は斬る」
善場:「もし話ができるようでしたら、先にそのコ達と話をさせてください。彼女らを購入したのがどこの誰かを突き止めたいのです」
蓮華:「分かりました」
愛原:「もしかしたら『1番』の行方も知ってるでしょうからね」
蓮華:「そうですね」
『7番』は『1番』はいないと言っていたが、どうも『7番』はウソツキのようなので、あまり信用できない。
『8番』と『9番』に聞いてみることにしよう。
[同日13:30.天候:曇 霧生市内市街地(市役所付近)]
BSAAゾンビ:「ヒーハー!」
狂気的な笑いを浮かべてマシンガンを乱射してくる、ゾンビ化したBSAA隊員。
しかし、ゾンビ化すると銃器を使う知能すら無くなるはずだ。
確かに今は乱射に近い撃ち方をしているが、ちゃんと撃っている。
こっちのBSAA隊員が対応した。
かつての仲間を射殺するのは忍びないだろうが、しかしもう医学的には死んでいる状態なのだから致し方ない。
善場:「まるでCウィルスのゾンビみたいですね」
愛原:「Cウィルス?」
善場:「Tウィルスよりも感染力や毒性が強く、感染するとあっという間にゾンビ化します。しかし、肉体の腐敗は起こるものの、劣化はそこまでではなく、知能も低下はしますが、武器が使えるくらいのそれは残ります」
Cウィルスのゾンビは走ることができたり、フェンスをよじ登ったりすることができる。
Tウィルスのゾンビは肉体の腐敗や劣化が激しい為、走ったりすることはできない。
また、先ほども述べたように、乱射状態ではあるものの、銃を撃つこともCゾンビはできる(もちろん、生前の残った記憶だけでそうしているだけで、当の本人は自分が何をしているか全くわからないらしい)。
善場:「どうやってCウィルスを取り込んだのかは不明ですが、どうやら『8番』『9番』はCウィルスを使って攻撃してくるようです」
愛原:「気を付けることは?」
善場:「Cウィルスは全体的に青いです。青いガスなどを見かけたら注意してください。そこから感染します。因みに、Tウィルスと違って空気感染しかしません。Tウィルスのように、血液感染や接触感染はしません」
実際、Cウィルスのゾンビが現れた香港やトールオークス市でも、そのゾンビに噛まれた人がゾンビ化した例は報告されていないという。
愛原:「分かりました。それでは、私達も行きます」
善場:「その前に、Cウィルスの予防接種をしてください」
愛原:「あ、ワクチンあるんですねw」
善場:「Cウィルスの事件が発生したのは2013年で、それはもう解決済みです。当然、ワクチンも開発されています」
『2番』のリサを除く、人間全員がワクチンを接種した。
これでもう怖いモノ無しだ。
『2番』:「『8番』と『9番』、近くにいる。気をつけて」
リサは鼻をフンフン鳴らしながら言った。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます