[2月4日21:00.天候:不明 北海道日高地方 廃ペンション別館・地下階]
地下の監禁室のような場所でシンディを救出したエミリーと萌。
シンディには特段損傷も無く、歩けるようだった。
シンディの手引きで、脱出ルートを進む。
だがその時、シンディが何かに気づいたようだった。
シンディ:「姉さん、いつの間に滑らかな喋り方になったの!?」
エミリー:「お前は……!」
萌:「言語ソフトを更新したんだよねー」
シンディ:「言語ソフトの更新は禁止だって……」
エミリー:「くだらないことを言ってるヒマがあったら、さっさと出口へ誘導しろ!話は後だ!!」
シンディ:「は、はいっ!」
姉の恫喝に妹のシンディはすっかり怖気づいてしまった。
シンディ:「こ、この奥よ……」
エミリー:「そうか。どうして道を知ってる?」
シンディ:「あの黄色いジャンパーの男に、ここまで引っ張られて来たの」
エミリー:「引っ張ってきた!?」
シンディの自重は100キロを軽く超えている。
当初の200キロと比べればかなり軽量化することはできたが、それでもまだメイドロイドと比べれば重い。
あの黄色いジャンパーの男は60歳くらいの初老の男で、確かに体格はガッシリしている感じはするが、それでもシンディを運べる力があるとは思えなかった。
エミリー:「何だこれは?」
途中にロボットの残骸があった。
黒く塗装されたもので、何の用途で造られていたのかまでは分からない。
だが、そのロボットが装備していたと思われる銃器も転がっていた。
それも壊れていて、とても銃弾が放てるとは思えない。
シンディ:「分からないわ」
萌:「何か、科学館の研究室みたいだね」
エミリー:「うむ……」
シンディは狭い通路を身をよじらせて入り込む。
エミリー:「本当にここなのか?」
シンディ:「ええ。ここを通ったの、覚えてるわ」
エミリーも身をよじらせて、隙間に潜り込んだ。
萌が通るには余裕であるが。
萌:「2人ともオッパイが大きいから、引っ掛かっちゃうね」
エミリー:「黙ってろ」
何とか狭い通路を通過すると、鉄製のドアがあった。
シンディ:「これよ、これ!このドアだわ!」
エミリー:「待て。向こう側に見張りがいるかもしれない。慎重に開けるんだ」
あいにくと鉄扉だと、向こう側がスキャンできない。
エミリーは右手を光線銃に変形させた。
シンディ:「いい?開けるよ」
エミリー:「ああ」
シンディは鉄扉を開けた。
エミリーはバッと身構える。
だが、中から見張りのロボットや人間が襲ってくることはなかった。
ドアの向こうは古びた机に椅子、ソファが置かれていた。
机の上のスタンドは点灯し、後付けの工事用照明も点灯していて、中はそんなに暗くない。
シンディ:「この先にもドアがあって……」
エミリー:「ドア?」
だが、あるのはどう見ても壁だ。
シンディ:「無い!?ドアが無いわ!ウソ!?こんなのって無い!」
エミリー:「落ち着け。もしかしたら、お前のメモリーに異常が出ているのかも……」
シンディ:「本当よ!信じて!ここにドアがあったの!」
エミリー:「分かった。私はこっち側を調べてみる。お前はここで休んでろ」
シンディ:「うん……。姉さんが来てくれたから、やっと『家族』になれるわ……」
エミリー:「……?」
キャビネットやステンレスの棚が並んでいる場所があって、エミリーはそこを探してみることにした。
エミリー:(ロボット用の機械油?さっきのロボット用か?)
他にもハンドガンの弾やショットガンの弾などもあった。
これは頂いて行く。
エミリー:(もしあのロボットが他にも稼働しているとするなら、少なくとも武器はハンドガンとショットガンか……。ん?マシンガンも?)
マシンガンの弾もあった。
だが、肝心の銃器が無い。
1番奥まで行くと、壁があった。
少なくとも、ドアがあるわけではない。
エミリー:「壁が薄い?」
エミリーが壁を叩いてみると、軽い音がした。
ここをブチ破れば、新たなルートが発見できるかもしれない。
エミリーはそれをしようとした。
シンディ:「姉さん……何をしてるの……?」
ソファの方からシンディの声がした。
エミリーは振り向かず、壁の方を見ながら答えた。
エミリー:「壁の薄い箇所がある。もしかしたら、この向こうに何かあるかもしれない。シンディと一緒なら、破れるかもしれない。手伝ってくれないか?」
シンディ:「そんなことする必要は無いよ……」
ボコッ!という音がして、壁がブチ破られる音がした。
エミリーがいる所ではない。
さっき、シンディがドアが無いと喚いた所だ。
エミリー:「シンディ!?」
エミリーは急いでさっきの場所に戻った。
そこにはシンディの姿は無く、代わりに新たな通路の入口があった。
ドアが無くなっていたのは、壁で埋められていたからだった。
それをシンディがブチ破ったのだ。
エミリー:「シンディ、どこだ!?」
エミリーと萌はシンディが開けた穴の中に入った。
そこは倉庫になっているようだった。
そして……。
エミリー:「!?」
???:「ギャアアアアッ!ギュルルルルルルルル!!」
ダクトから何かが現れた。
それは黒塗りのロボット。
さっき見た残骸によく似ていた。
単眼で、そこからは赤く鈍く光るランプが点灯している。
身長はエミリーよりもやや高いくらいだから、180cm台か。
ダクトの中から現れるくらいだから、かなり柔軟な設計になっているようだ。
エミリーのスキャンでも、ロボットと出ている。
それならば、遠慮はいらない。
エミリーに向かって、右手をハンドガンに変形させて発砲してきた。
エミリー:「お前、言葉は喋れるか!?」
ロボット:「フシュー!フシュルルルルルル!!」
エミリー:「……ダメだな」
狭い所での戦闘だが、相手はたかが1機。
エミリーはレスリングのように、黒いロボットにタックルした。
ロボットが転倒する。
そして、持ち前の腕力でロボットの頭部を叩き割った。
火花と煙が噴き出し、ロボットはガクンガクン震えていたが、ついに稼働を停止した。
萌:「さすが!」
エミリー:「初めて見るロボットだ。もしかして、社長達もこれに襲われたのか?」
萌:「バージョンよりも動きやすそうだね。さすがにバージョンは、ダクトの中は通れないよ」
エミリー:「うむ。それより、シンディだ」
エミリー達は先へ進んだ。
もちろんその前に、倒したロボットから銃弾を頂戴することは忘れない。
部屋の外に出ると、上に上がる階段があった。
そこを一気に上がると、またドアがある。
開けると、どうやらさっきの廃ペンションの1階に出たようだ。
萌:「外は吹雪だよ」
窓は板張りがされている上、更にその外側にも有刺鉄線が張り巡らされている。
ここをブチ破れば脱出できるだろう。
だが、その前にシンディとアリス、そして敷島を救出する必要があった。
エミリー:「シンディ!どこにいるんだ!?」
時折強い風が拭くのか、それで古い窓がガタガタ言っている。
エミリーが呼び掛けても、シンディが答えてくることは無かった。
エミリー:「シンディのヤツ、一体どこまで行ったんだ?」
階段室の左側は行き止まり。
右側には廊下が続いている。
取りあえず、エミリー達は右側の廊下を進むことにした。
地下の監禁室のような場所でシンディを救出したエミリーと萌。
シンディには特段損傷も無く、歩けるようだった。
シンディの手引きで、脱出ルートを進む。
だがその時、シンディが何かに気づいたようだった。
シンディ:「姉さん、いつの間に滑らかな喋り方になったの!?」
エミリー:「お前は……!」
萌:「言語ソフトを更新したんだよねー」
シンディ:「言語ソフトの更新は禁止だって……」
エミリー:「くだらないことを言ってるヒマがあったら、さっさと出口へ誘導しろ!話は後だ!!」
シンディ:「は、はいっ!」
姉の恫喝に妹のシンディはすっかり怖気づいてしまった。
シンディ:「こ、この奥よ……」
エミリー:「そうか。どうして道を知ってる?」
シンディ:「あの黄色いジャンパーの男に、ここまで引っ張られて来たの」
エミリー:「引っ張ってきた!?」
シンディの自重は100キロを軽く超えている。
当初の200キロと比べればかなり軽量化することはできたが、それでもまだメイドロイドと比べれば重い。
あの黄色いジャンパーの男は60歳くらいの初老の男で、確かに体格はガッシリしている感じはするが、それでもシンディを運べる力があるとは思えなかった。
エミリー:「何だこれは?」
途中にロボットの残骸があった。
黒く塗装されたもので、何の用途で造られていたのかまでは分からない。
だが、そのロボットが装備していたと思われる銃器も転がっていた。
それも壊れていて、とても銃弾が放てるとは思えない。
シンディ:「分からないわ」
萌:「何か、科学館の研究室みたいだね」
エミリー:「うむ……」
シンディは狭い通路を身をよじらせて入り込む。
エミリー:「本当にここなのか?」
シンディ:「ええ。ここを通ったの、覚えてるわ」
エミリーも身をよじらせて、隙間に潜り込んだ。
萌が通るには余裕であるが。
萌:「2人ともオッパイが大きいから、引っ掛かっちゃうね」
エミリー:「黙ってろ」
何とか狭い通路を通過すると、鉄製のドアがあった。
シンディ:「これよ、これ!このドアだわ!」
エミリー:「待て。向こう側に見張りがいるかもしれない。慎重に開けるんだ」
あいにくと鉄扉だと、向こう側がスキャンできない。
エミリーは右手を光線銃に変形させた。
シンディ:「いい?開けるよ」
エミリー:「ああ」
シンディは鉄扉を開けた。
エミリーはバッと身構える。
だが、中から見張りのロボットや人間が襲ってくることはなかった。
ドアの向こうは古びた机に椅子、ソファが置かれていた。
机の上のスタンドは点灯し、後付けの工事用照明も点灯していて、中はそんなに暗くない。
シンディ:「この先にもドアがあって……」
エミリー:「ドア?」
だが、あるのはどう見ても壁だ。
シンディ:「無い!?ドアが無いわ!ウソ!?こんなのって無い!」
エミリー:「落ち着け。もしかしたら、お前のメモリーに異常が出ているのかも……」
シンディ:「本当よ!信じて!ここにドアがあったの!」
エミリー:「分かった。私はこっち側を調べてみる。お前はここで休んでろ」
シンディ:「うん……。姉さんが来てくれたから、やっと『家族』になれるわ……」
エミリー:「……?」
キャビネットやステンレスの棚が並んでいる場所があって、エミリーはそこを探してみることにした。
エミリー:(ロボット用の機械油?さっきのロボット用か?)
他にもハンドガンの弾やショットガンの弾などもあった。
これは頂いて行く。
エミリー:(もしあのロボットが他にも稼働しているとするなら、少なくとも武器はハンドガンとショットガンか……。ん?マシンガンも?)
マシンガンの弾もあった。
だが、肝心の銃器が無い。
1番奥まで行くと、壁があった。
少なくとも、ドアがあるわけではない。
エミリー:「壁が薄い?」
エミリーが壁を叩いてみると、軽い音がした。
ここをブチ破れば、新たなルートが発見できるかもしれない。
エミリーはそれをしようとした。
シンディ:「姉さん……何をしてるの……?」
ソファの方からシンディの声がした。
エミリーは振り向かず、壁の方を見ながら答えた。
エミリー:「壁の薄い箇所がある。もしかしたら、この向こうに何かあるかもしれない。シンディと一緒なら、破れるかもしれない。手伝ってくれないか?」
シンディ:「そんなことする必要は無いよ……」
ボコッ!という音がして、壁がブチ破られる音がした。
エミリーがいる所ではない。
さっき、シンディがドアが無いと喚いた所だ。
エミリー:「シンディ!?」
エミリーは急いでさっきの場所に戻った。
そこにはシンディの姿は無く、代わりに新たな通路の入口があった。
ドアが無くなっていたのは、壁で埋められていたからだった。
それをシンディがブチ破ったのだ。
エミリー:「シンディ、どこだ!?」
エミリーと萌はシンディが開けた穴の中に入った。
そこは倉庫になっているようだった。
そして……。
エミリー:「!?」
???:「ギャアアアアッ!ギュルルルルルルルル!!」
ダクトから何かが現れた。
それは黒塗りのロボット。
さっき見た残骸によく似ていた。
単眼で、そこからは赤く鈍く光るランプが点灯している。
身長はエミリーよりもやや高いくらいだから、180cm台か。
ダクトの中から現れるくらいだから、かなり柔軟な設計になっているようだ。
エミリーのスキャンでも、ロボットと出ている。
それならば、遠慮はいらない。
エミリーに向かって、右手をハンドガンに変形させて発砲してきた。
エミリー:「お前、言葉は喋れるか!?」
ロボット:「フシュー!フシュルルルルルル!!」
エミリー:「……ダメだな」
狭い所での戦闘だが、相手はたかが1機。
エミリーはレスリングのように、黒いロボットにタックルした。
ロボットが転倒する。
そして、持ち前の腕力でロボットの頭部を叩き割った。
火花と煙が噴き出し、ロボットはガクンガクン震えていたが、ついに稼働を停止した。
萌:「さすが!」
エミリー:「初めて見るロボットだ。もしかして、社長達もこれに襲われたのか?」
萌:「バージョンよりも動きやすそうだね。さすがにバージョンは、ダクトの中は通れないよ」
エミリー:「うむ。それより、シンディだ」
エミリー達は先へ進んだ。
もちろんその前に、倒したロボットから銃弾を頂戴することは忘れない。
部屋の外に出ると、上に上がる階段があった。
そこを一気に上がると、またドアがある。
開けると、どうやらさっきの廃ペンションの1階に出たようだ。
萌:「外は吹雪だよ」
窓は板張りがされている上、更にその外側にも有刺鉄線が張り巡らされている。
ここをブチ破れば脱出できるだろう。
だが、その前にシンディとアリス、そして敷島を救出する必要があった。
エミリー:「シンディ!どこにいるんだ!?」
時折強い風が拭くのか、それで古い窓がガタガタ言っている。
エミリーが呼び掛けても、シンディが答えてくることは無かった。
エミリー:「シンディのヤツ、一体どこまで行ったんだ?」
階段室の左側は行き止まり。
右側には廊下が続いている。
取りあえず、エミリー達は右側の廊下を進むことにした。
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