[1月2日13:30.天候:曇 栃木県那須塩原市某所 ホテル天長園1Fレストラン]
レストランで昼食を取っていると、上野凛さんがやってきた。
上野凛:「こんにちは。お久しぶりです」
リサ:「おー、リン!久しぶりー!」
凛さんはショートボブのリサよりも、更に髪を短くしたボーイッシュな髪形をしている。
但し、もっと短くベリーショートにしたパール(霧崎真珠)とはまた違う。
パールは顔立ちのせいか、ベリーショートにしても男と間違えることはない(後ろ姿はどうだか分からないが)。
凛さんもそうなのだが、こちらは如何にも体育会系のスポーツ少女といった感じだ(斉藤絵恋さんも空手黒帯だが、あまり体育会系という感じはしない)。
愛原:「こんにちは。受験勉強、頑張ってるみたいだな?」
凛:「3年生は、ほぼ強制参加なんです」
随分と教育に熱心な学校だ。
確か凛さん、市立中学だということだが、地域や学校によるのだろうか。
中高一貫校にいたリサは、中学3年生の時、特に受験勉強はしなかった。
愛原:「こっちに来て、何か食べるか?」
凛:「いえ、昼食はもう食べたので」
愛原:「そうか。もしかして、また勉強するのか?」
凛:「取りあえず15時から20時までは、ここのバイトがあるので」
仲居のバイトである。
但し、あくまでも表向きは『家業の手伝い』ということになっている。
愛原:「そうなのか。まあ、ジュースでも飲みなよ」
リサ:「リン、先生の御厚意」
凛:「分かりました。ありがとうございます」
凛はコートを脱いで、椅子に掛けた。
コートの下は中学校の制服であるセーラー服を着ていた。
リサ:「う……セーラー服なんだ」
凛:「はい」
凛さんは鞄の中から、白い仮面を取り出すと、それを顔に当てた。
あの、リサ・トレヴァーの仮面そのものである。
本来は、『最も危険な巫女』が、儀式の際に着用する仮面であるという。
儀式の最中、『最も危険な巫女』が鬼の顔に変化する。
それを周りの人間に見られないように、という謂われがあるのだとか。
しかし、天長会の宗教上はそうなのかもしれないが、それを本当に具現化したのが白井伝三郎である。
凛:「愛原……さんは、ブレザーなんですね」
リサ:「リサでいいよ。この制服、東京中央学園の高等部のヤツ」
凛:「カッコいいですね!私も着てみたいです!」
リサ:「うん。合格すれば着られる。頑張って」
凛:「はい!」
愛原:「中等部のは、ブレザーがシングルなんだ。で、高等部になるとダブルになる。これは男子と同じ。ただ、右前か左前かの違いはあるな」
凛:「そうなんですね」
リサ:「ジャージも持って来た。後で見せてあげる」
凛:「はい!ありがとうございます!」
愛原:「中学校では陸上部なんだよな?」
凛:「そうです。高校でも陸上部に入りたいです」
どうやらスプリンターらしい。
BOWがスポーツ競技に出て大丈夫なのかという心配があるが、BOWの特性が現れてしまうもの以外なら大丈夫だという。
例えば、同じ陸上競技であっても、走り幅跳びや高跳びなどである。
BOWが本気を出せば、棒高跳びでなくても10メートルジャンプは普通にできてしまうので、これはできない。
しかし、走る速度は人間と大して変わらない。
第1形態に変化してしまうと人間離れしたスピードになってしまうが、第0形態でいる間は、人間と大して変わらないという。
そこで凛さんは、走る方の競技をすることにしたという。
愛原:「それはいい。リサも入ったら?オマエ、帰宅部だろ?」
特にリサが部活に入ることは、制限されていないはずだが……。
リサ:「うーん……特にやりたいことが無いから。まあ、生徒会くらいは入ってもいいかも……」
愛原:「逆に凛さんは、運動好きなんだね?」
凛:「この体のせいか、とにかく体力を使いたくてしょうがないんです。それで、運動部に入ることにしましたね。小学校の頃は色々やりましたけど、走る方が後でスッキリすることが分かったので、それで陸上部にしました」
愛原:「そうなんだな」
リサ:「部活中の写真とか無いの?」
凛:「ありますよ」
凛さんは自分のスマホを出した。
そこの写真には、他の部員と一緒にトレーニングしているシーンとか、競技会に出ている写真とかあった。
競技会のユニホームは、セパレートタイプ。
スポブラの上にナンバーカード(ゼッケン)を着け、下はショートパンツである。
リサ:「フム。うちの中等部の陸上部のユニフォームもこんな感じだった。でも高等部になると、少しえっちぃよ」
凛:「ああ。多分、ブルマタイプになるんですよね?知ってます。あの方が風の抵抗が少なくなるので、私もあれの方が良かったんですけど」
中学校によっては、ブルマタイプの所がある。
愛原:「そんなに違うのかい?」
凛:「違いますね。明らかに、風が当たる感覚が違いますよ」
愛原:「そうなのか」
このように、人間のスプリンターはパンツの形状1つにも神経を使っているというのに、某ウマ娘ときたら……。
でもまあ、鬼のようなBOWでも、人間と同じ条件で競える競技があるものだ。
確かに、洋の東西を問わず、鬼が人間以上の速さで走るなんて伝説、あまり聞かないからな。
え?韋駄天?あれって、鬼かい?……あー、話によっては鬼の一種として語られることもあるか?
しかし作者は『天』と付くから、諸天善神の仲間だと思っていたらしいぞ。
とにかく、人工的に鬼の姿に近い化け物にさせられたリサと、その女性から生まれた凛さんは、韋駄天のような足の速さは持ち合わせていないらしい。
[同日14:00.天候:曇 同ホテル8F客室]
女将さんの計らいで、特別に早めにチェックインさせてもらった。
部屋は普通の和室だったが、二間に分かれていた。
8畳間と3畳間である。
愛原:「なるほど。それじゃ、そっちの3畳間にリサが寝ればいいな。俺と高橋は、こっちの8畳間で寝るから」
リサ:「えー?3人、川の字で寝ようよ?」
愛原:「いや、それはダメだ。リサは、そっちの部屋だ」
リサ:「ぶー……」
愛原:「ぶーたれんなよ。同じ部屋で寝れるだけマシじゃないか」
高橋:「先生、温泉入っちゃいます?」
愛原:「そうだそうだ。そうしよう。そうなると、浴衣に着替えないとな」
リサ:「わたしも」
愛原:「Sサイズがあるな。これがリサ用だ。俺はMサイズで、高橋はLサイズかな」
高橋:「背が高いと、なかなかサイズ合わないんスよね」
愛原:「低身長の人達にケンカを売るセリフだな。……って、リサはここで着替えるな!向こうで着替えろ!」
リサ:「えー?『家族』なんだからいいじゃない」
愛原:「歳を考えろ!もう16歳の女の子なんだから!」
やっぱりBOWの感覚はズレている。
愛原:「まさか、学校でもそういう着替えをしてるんじゃないだろうな?」
リサ:「ううん。ちゃんと更衣室で着替えてるよ」
愛原:「なんだ」
リサ:「JKの着替えなんて、先生にしか見せるわけないじゃん」
愛原:「オマエなー……」
高橋:「俺は?」
リサ:「お兄ちゃんは、『お兄ちゃん』なんだからいいの」
これは、どう捉えて良いものなのやら……。
とにかく、リサは3畳間に行って着替えさせた。
レストランで昼食を取っていると、上野凛さんがやってきた。
上野凛:「こんにちは。お久しぶりです」
リサ:「おー、リン!久しぶりー!」
凛さんはショートボブのリサよりも、更に髪を短くしたボーイッシュな髪形をしている。
但し、もっと短くベリーショートにしたパール(霧崎真珠)とはまた違う。
パールは顔立ちのせいか、ベリーショートにしても男と間違えることはない(後ろ姿はどうだか分からないが)。
凛さんもそうなのだが、こちらは如何にも体育会系のスポーツ少女といった感じだ(斉藤絵恋さんも空手黒帯だが、あまり体育会系という感じはしない)。
愛原:「こんにちは。受験勉強、頑張ってるみたいだな?」
凛:「3年生は、ほぼ強制参加なんです」
随分と教育に熱心な学校だ。
確か凛さん、市立中学だということだが、地域や学校によるのだろうか。
中高一貫校にいたリサは、中学3年生の時、特に受験勉強はしなかった。
愛原:「こっちに来て、何か食べるか?」
凛:「いえ、昼食はもう食べたので」
愛原:「そうか。もしかして、また勉強するのか?」
凛:「取りあえず15時から20時までは、ここのバイトがあるので」
仲居のバイトである。
但し、あくまでも表向きは『家業の手伝い』ということになっている。
愛原:「そうなのか。まあ、ジュースでも飲みなよ」
リサ:「リン、先生の御厚意」
凛:「分かりました。ありがとうございます」
凛はコートを脱いで、椅子に掛けた。
コートの下は中学校の制服であるセーラー服を着ていた。
リサ:「う……セーラー服なんだ」
凛:「はい」
凛さんは鞄の中から、白い仮面を取り出すと、それを顔に当てた。
あの、リサ・トレヴァーの仮面そのものである。
本来は、『最も危険な巫女』が、儀式の際に着用する仮面であるという。
儀式の最中、『最も危険な巫女』が鬼の顔に変化する。
それを周りの人間に見られないように、という謂われがあるのだとか。
しかし、天長会の宗教上はそうなのかもしれないが、それを本当に具現化したのが白井伝三郎である。
凛:「愛原……さんは、ブレザーなんですね」
リサ:「リサでいいよ。この制服、東京中央学園の高等部のヤツ」
凛:「カッコいいですね!私も着てみたいです!」
リサ:「うん。合格すれば着られる。頑張って」
凛:「はい!」
愛原:「中等部のは、ブレザーがシングルなんだ。で、高等部になるとダブルになる。これは男子と同じ。ただ、右前か左前かの違いはあるな」
凛:「そうなんですね」
リサ:「ジャージも持って来た。後で見せてあげる」
凛:「はい!ありがとうございます!」
愛原:「中学校では陸上部なんだよな?」
凛:「そうです。高校でも陸上部に入りたいです」
どうやらスプリンターらしい。
BOWがスポーツ競技に出て大丈夫なのかという心配があるが、BOWの特性が現れてしまうもの以外なら大丈夫だという。
例えば、同じ陸上競技であっても、走り幅跳びや高跳びなどである。
BOWが本気を出せば、棒高跳びでなくても10メートルジャンプは普通にできてしまうので、これはできない。
しかし、走る速度は人間と大して変わらない。
第1形態に変化してしまうと人間離れしたスピードになってしまうが、第0形態でいる間は、人間と大して変わらないという。
そこで凛さんは、走る方の競技をすることにしたという。
愛原:「それはいい。リサも入ったら?オマエ、帰宅部だろ?」
特にリサが部活に入ることは、制限されていないはずだが……。
リサ:「うーん……特にやりたいことが無いから。まあ、生徒会くらいは入ってもいいかも……」
愛原:「逆に凛さんは、運動好きなんだね?」
凛:「この体のせいか、とにかく体力を使いたくてしょうがないんです。それで、運動部に入ることにしましたね。小学校の頃は色々やりましたけど、走る方が後でスッキリすることが分かったので、それで陸上部にしました」
愛原:「そうなんだな」
リサ:「部活中の写真とか無いの?」
凛:「ありますよ」
凛さんは自分のスマホを出した。
そこの写真には、他の部員と一緒にトレーニングしているシーンとか、競技会に出ている写真とかあった。
競技会のユニホームは、セパレートタイプ。
スポブラの上にナンバーカード(ゼッケン)を着け、下はショートパンツである。
リサ:「フム。うちの中等部の陸上部のユニフォームもこんな感じだった。でも高等部になると、少しえっちぃよ」
凛:「ああ。多分、ブルマタイプになるんですよね?知ってます。あの方が風の抵抗が少なくなるので、私もあれの方が良かったんですけど」
中学校によっては、ブルマタイプの所がある。
愛原:「そんなに違うのかい?」
凛:「違いますね。明らかに、風が当たる感覚が違いますよ」
愛原:「そうなのか」
このように、人間のスプリンターはパンツの形状1つにも神経を使っているというのに、某ウマ娘ときたら……。
でもまあ、鬼のようなBOWでも、人間と同じ条件で競える競技があるものだ。
確かに、洋の東西を問わず、鬼が人間以上の速さで走るなんて伝説、あまり聞かないからな。
え?韋駄天?あれって、鬼かい?……あー、話によっては鬼の一種として語られることもあるか?
しかし作者は『天』と付くから、諸天善神の仲間だと思っていたらしいぞ。
とにかく、人工的に鬼の姿に近い化け物にさせられたリサと、その女性から生まれた凛さんは、韋駄天のような足の速さは持ち合わせていないらしい。
[同日14:00.天候:曇 同ホテル8F客室]
女将さんの計らいで、特別に早めにチェックインさせてもらった。
部屋は普通の和室だったが、二間に分かれていた。
8畳間と3畳間である。
愛原:「なるほど。それじゃ、そっちの3畳間にリサが寝ればいいな。俺と高橋は、こっちの8畳間で寝るから」
リサ:「えー?3人、川の字で寝ようよ?」
愛原:「いや、それはダメだ。リサは、そっちの部屋だ」
リサ:「ぶー……」
愛原:「ぶーたれんなよ。同じ部屋で寝れるだけマシじゃないか」
高橋:「先生、温泉入っちゃいます?」
愛原:「そうだそうだ。そうしよう。そうなると、浴衣に着替えないとな」
リサ:「わたしも」
愛原:「Sサイズがあるな。これがリサ用だ。俺はMサイズで、高橋はLサイズかな」
高橋:「背が高いと、なかなかサイズ合わないんスよね」
愛原:「低身長の人達にケンカを売るセリフだな。……って、リサはここで着替えるな!向こうで着替えろ!」
リサ:「えー?『家族』なんだからいいじゃない」
愛原:「歳を考えろ!もう16歳の女の子なんだから!」
やっぱりBOWの感覚はズレている。
愛原:「まさか、学校でもそういう着替えをしてるんじゃないだろうな?」
リサ:「ううん。ちゃんと更衣室で着替えてるよ」
愛原:「なんだ」
リサ:「JKの着替えなんて、先生にしか見せるわけないじゃん」
愛原:「オマエなー……」
高橋:「俺は?」
リサ:「お兄ちゃんは、『お兄ちゃん』なんだからいいの」
これは、どう捉えて良いものなのやら……。
とにかく、リサは3畳間に行って着替えさせた。
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