[1月24日16:00.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
ブルマーはリサが先日、中等部の購買で購入したエメラルドグリーンと違い、モスグリーンの色であった。
これは高等部の体操服の色である。
高等部では体操服は購買では売っておらず、制服販売店などで購入する必要がある。
リサはわざわざそこまで買い付けに行き、倉庫の奥で眠っていて処分されなかった物をわざわざ購入してきたというのだ。
そこまでするリサの執念深さも去ることながら、不用品を処分していなかった販売店の杜撰さにも驚いた。
で、斉藤絵恋さんとお揃いで購入したのだという。
しょうがないので、その精神に敬意を表し、正面を向いた姿、後ろを向いた姿、斜め向きの姿で写真を撮り、それぞれ3000円ずつお小遣いをあげたのだった。
リサ:「いや、これじゃ研究所での撮影と同じだよ!体育座りでポーズするから、あと1000円ちょうだい!」
愛原:「どこかで見たことある撮り方だなと思ってたら、受刑者の写真だわ、これ」
絵恋:「うぅぅ……。本当に昔の人は、こんな格好で体育やってたんですかぁ……?」
というやり取りがあった後、再び制服に着替えてもらった。
愛原:「本当だよ。俺が中学生の頃までは、女子の全員がブルマーだった」
リサ:「高校は?」
愛原:「高校からは、女子も短パンになったよ。恐らく東京中央学園も、そのタイミング(1990年代後半)で短パンに切り替えたんじゃないかな?」
しかし、当時の卒業アルバムを見ると、ブルマーから短パンへの切り替えが一斉にはできなかったらしく、体育祭の写真を見ると、ブルマーと短パンが混在していた時期もあったようである。
まあ、鉄道車両と同じ。
いくら新型車両が導入されたとしても、完全に置き換わるまでは旧型車両も共通で運用される。
それと同じことだ。
絵恋:「生まれたタイミングが良くて良かったですぅ……」
愛原:「御両親に感謝するんだね」
男子から見れば御褒美という話は置いといて、デザイン性としては短パンよりも良いと思うのだが、そこは考慮されなかったか、或いはあっても踏み潰されたかしたか。
実際、女子陸上競技のユニフォームとしては、今でもポピュラーなのだから。
バレーボールでは全廃されたようだが。
愛原:「それで、来月の代替修学旅行の話なんだけど……。斉藤社長の依頼で、私と高橋がPTA会長代理で同行させてもらうことになったから」
リサ:「! 先生も一緒に来てくれるの!?おー!」
愛原:「あくまでも、PTA会長の代役として、だけどな」
絵恋:「父のサボりの後始末を引き受けて下さったのですね。うちの父が申し訳ありません」
愛原:「いやいや。お父さんは俺と違って忙しいし、こんな年度末も押し迫る時期というのだからしょうがないよ。お父さんも、人事異動の時期だし」
リサ:「わたしは先生達が来てくれるのが嬉しい。一緒のホテル泊まるの?」
愛原:「宿泊施設は同じだろうが、もちろん部屋は違うぞ」
リサ:「えー?」
愛原:「えーじゃない」
リサ:「だって……」
愛原:「だってじゃない」
リサ:「でもぉ……」
愛原:「でもじゃない」
私は資料を出した。
愛原:「結局、行き先は福島県というだけで、別に近場ではないんだよね」
絵恋:「そうですね」
愛原:「しかし、スキーじゃ、修学旅行というよりスキー合宿だな」
絵恋:「中2の時のスキー合宿も中止になったので、その埋め合わせもあるんだと思います」
愛原:「そうなのか!そうだそうだ。ガーラ湯沢の時は1年生だったもんな。年月が経つのは早いな」
中1の時はスキー合宿、中2の時は野外活動だったのだがコロナで中止。
その埋め合わせで再びスキー合宿を行なおうとしたが、コロナは収束せずにやっぱり中止になってしまった。
愛原:「で、使わなかった分の予算が溜まりに溜まってるもんで、来月はその放出デーってか」
リサ:「まあ、そういうこと」
それでも使い切れるんだろうか?
もちろん、スキーだけではない。
2泊3日(もっとも、初日は前夜に出発)のうち、最初の1日はスキーで、2日目と3日は福島県の会津地方を観光して帰るというものだ。
関西地方ではないのは、コロナ禍のせいで、なるべく感染者数の少ない場所を選んだということだ。
絵恋:「私、夜行列車って初めて乗るの」
リサ:「そうなんだ。私は何回かある」
愛原:「えっ!?」
絵恋:「そうなの!?」
リサ:「霧生市にいた時、霧生電鉄の終電が終わった後、荷物電車に乗せられて移動したことが何回かある」
愛原:「確かに、それもある意味夜行列車!」
夜行列車が下火になったのは旅客列車であって、貨物列車は今でも元気に走っている。
愛原:「そういうことだから、来月はよろしく頼むよ」
リサ:「分かった!」
絵恋:「分かりました。具体的に、会長代行って何をやるんですか?」
愛原:「雑用係だろ、どうせ。聞いた話、最初の仕事は集合場所の確保だそうだ。ほら、東武浅草駅に集合するだろ?『集合場所』って書かれた旗を持って立っているだけの仕事さ」
絵恋:「それ、旅行会社の人がやるんじゃ?」
愛原:「パックツアーの場合でしょ?修学旅行はパックツアーじゃないから、そういう係の人いないよ」
もっとも、旅行会社の人も同行はするだろうが……。
中学校のクラスだから、高校よりは少ないが、それでも2班(1組~3組と4組~6組のような感じ)に日程を分けるという。
3年3組にいたリサと絵恋さんは、最初の1班という形になる。
リサ:「わたしも手伝う!」
絵恋:「リサさんがやるなら、私も手伝います!」
愛原:「ありがとう。だけど、旗持って立つだけだから、大したことしなくていいよ。ただ、早めに駅に行くというだけでね」
リサ:「それでもいい。楽しみになってきた」
絵恋:「私もよ!」
愛原:「それは良かった。夜も遅いから、当日は皆でタクシーに乗って行こう」
絵恋:「分かりました!」
高校3年生の時にも修学旅行はあるが、この時は無事に行けるといいな。
愛原:「話は終わった。あとは帰っていいよ」
絵恋:「こ、ここで、リサさんと宿題やらせてもらってもいいですか!?」
愛原:「遅くならないようにするんだよ?18時には事務所を閉めるからね」
絵恋:「分かりました!」
リサ:「それじゃサイトー、給湯室でやろう」
絵恋:「はーい!」
リサ:「……あ」
そこでリサが思い出したかのように言った。
リサ:「先生、制服ブルマも撮る?半額にするよ」
リサはスカートを少しだけ捲り上げた。
ブルマはまだ穿いたままのようで、それがチラッと見えた。
愛原:「いいからさっさと宿題やれ!」
リサ:「……はーい」
私に見せて小遣いをせびるのが目的だったようだが、実は本人も気に入って穿いている説が急浮上してきた。
ブルマーはリサが先日、中等部の購買で購入したエメラルドグリーンと違い、モスグリーンの色であった。
これは高等部の体操服の色である。
高等部では体操服は購買では売っておらず、制服販売店などで購入する必要がある。
リサはわざわざそこまで買い付けに行き、倉庫の奥で眠っていて処分されなかった物をわざわざ購入してきたというのだ。
そこまでするリサの執念深さも去ることながら、不用品を処分していなかった販売店の杜撰さにも驚いた。
で、斉藤絵恋さんとお揃いで購入したのだという。
しょうがないので、その精神に敬意を表し、正面を向いた姿、後ろを向いた姿、斜め向きの姿で写真を撮り、それぞれ3000円ずつお小遣いをあげたのだった。
リサ:「いや、これじゃ研究所での撮影と同じだよ!体育座りでポーズするから、あと1000円ちょうだい!」
愛原:「どこかで見たことある撮り方だなと思ってたら、受刑者の写真だわ、これ」
絵恋:「うぅぅ……。本当に昔の人は、こんな格好で体育やってたんですかぁ……?」
というやり取りがあった後、再び制服に着替えてもらった。
愛原:「本当だよ。俺が中学生の頃までは、女子の全員がブルマーだった」
リサ:「高校は?」
愛原:「高校からは、女子も短パンになったよ。恐らく東京中央学園も、そのタイミング(1990年代後半)で短パンに切り替えたんじゃないかな?」
しかし、当時の卒業アルバムを見ると、ブルマーから短パンへの切り替えが一斉にはできなかったらしく、体育祭の写真を見ると、ブルマーと短パンが混在していた時期もあったようである。
まあ、鉄道車両と同じ。
いくら新型車両が導入されたとしても、完全に置き換わるまでは旧型車両も共通で運用される。
それと同じことだ。
絵恋:「生まれたタイミングが良くて良かったですぅ……」
愛原:「御両親に感謝するんだね」
男子から見れば御褒美という話は置いといて、デザイン性としては短パンよりも良いと思うのだが、そこは考慮されなかったか、或いはあっても踏み潰されたかしたか。
実際、女子陸上競技のユニフォームとしては、今でもポピュラーなのだから。
バレーボールでは全廃されたようだが。
愛原:「それで、来月の代替修学旅行の話なんだけど……。斉藤社長の依頼で、私と高橋がPTA会長代理で同行させてもらうことになったから」
リサ:「! 先生も一緒に来てくれるの!?おー!」
愛原:「あくまでも、PTA会長の代役として、だけどな」
絵恋:「父のサボりの後始末を引き受けて下さったのですね。うちの父が申し訳ありません」
愛原:「いやいや。お父さんは俺と違って忙しいし、こんな年度末も押し迫る時期というのだからしょうがないよ。お父さんも、人事異動の時期だし」
リサ:「わたしは先生達が来てくれるのが嬉しい。一緒のホテル泊まるの?」
愛原:「宿泊施設は同じだろうが、もちろん部屋は違うぞ」
リサ:「えー?」
愛原:「えーじゃない」
リサ:「だって……」
愛原:「だってじゃない」
リサ:「でもぉ……」
愛原:「でもじゃない」
私は資料を出した。
愛原:「結局、行き先は福島県というだけで、別に近場ではないんだよね」
絵恋:「そうですね」
愛原:「しかし、スキーじゃ、修学旅行というよりスキー合宿だな」
絵恋:「中2の時のスキー合宿も中止になったので、その埋め合わせもあるんだと思います」
愛原:「そうなのか!そうだそうだ。ガーラ湯沢の時は1年生だったもんな。年月が経つのは早いな」
中1の時はスキー合宿、中2の時は野外活動だったのだがコロナで中止。
その埋め合わせで再びスキー合宿を行なおうとしたが、コロナは収束せずにやっぱり中止になってしまった。
愛原:「で、使わなかった分の予算が溜まりに溜まってるもんで、来月はその放出デーってか」
リサ:「まあ、そういうこと」
それでも使い切れるんだろうか?
もちろん、スキーだけではない。
2泊3日(もっとも、初日は前夜に出発)のうち、最初の1日はスキーで、2日目と3日は福島県の会津地方を観光して帰るというものだ。
関西地方ではないのは、コロナ禍のせいで、なるべく感染者数の少ない場所を選んだということだ。
絵恋:「私、夜行列車って初めて乗るの」
リサ:「そうなんだ。私は何回かある」
愛原:「えっ!?」
絵恋:「そうなの!?」
リサ:「霧生市にいた時、霧生電鉄の終電が終わった後、荷物電車に乗せられて移動したことが何回かある」
愛原:「確かに、それもある意味夜行列車!」
夜行列車が下火になったのは旅客列車であって、貨物列車は今でも元気に走っている。
愛原:「そういうことだから、来月はよろしく頼むよ」
リサ:「分かった!」
絵恋:「分かりました。具体的に、会長代行って何をやるんですか?」
愛原:「雑用係だろ、どうせ。聞いた話、最初の仕事は集合場所の確保だそうだ。ほら、東武浅草駅に集合するだろ?『集合場所』って書かれた旗を持って立っているだけの仕事さ」
絵恋:「それ、旅行会社の人がやるんじゃ?」
愛原:「パックツアーの場合でしょ?修学旅行はパックツアーじゃないから、そういう係の人いないよ」
もっとも、旅行会社の人も同行はするだろうが……。
中学校のクラスだから、高校よりは少ないが、それでも2班(1組~3組と4組~6組のような感じ)に日程を分けるという。
3年3組にいたリサと絵恋さんは、最初の1班という形になる。
リサ:「わたしも手伝う!」
絵恋:「リサさんがやるなら、私も手伝います!」
愛原:「ありがとう。だけど、旗持って立つだけだから、大したことしなくていいよ。ただ、早めに駅に行くというだけでね」
リサ:「それでもいい。楽しみになってきた」
絵恋:「私もよ!」
愛原:「それは良かった。夜も遅いから、当日は皆でタクシーに乗って行こう」
絵恋:「分かりました!」
高校3年生の時にも修学旅行はあるが、この時は無事に行けるといいな。
愛原:「話は終わった。あとは帰っていいよ」
絵恋:「こ、ここで、リサさんと宿題やらせてもらってもいいですか!?」
愛原:「遅くならないようにするんだよ?18時には事務所を閉めるからね」
絵恋:「分かりました!」
リサ:「それじゃサイトー、給湯室でやろう」
絵恋:「はーい!」
リサ:「……あ」
そこでリサが思い出したかのように言った。
リサ:「先生、制服ブルマも撮る?半額にするよ」
リサはスカートを少しだけ捲り上げた。
ブルマはまだ穿いたままのようで、それがチラッと見えた。
愛原:「いいからさっさと宿題やれ!」
リサ:「……はーい」
私に見せて小遣いをせびるのが目的だったようだが、実は本人も気に入って穿いている説が急浮上してきた。
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