[10月2日11:00.天候:曇 宮城県遠田郡美里町某所 愛原公一の家]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
仙台市内からレンタカーで、同じ宮城県内にある私の伯父の家に向かった。
だが、その途中……。
愛原:「ん!?」
パンパンバンバンと銃声の音が遠くから聞こえた。
銃声からして、マシンピストルの音のようである。
愛原:「今、銃声がしたよな!?」
高橋:「しましたね!」
愛原:「ここから先は危険かもしれんから、警戒して行くぞ」
高橋:「はい!」
私達の車は、林道のような狭い町道に入り、そこから伯父さんの家に向かう。
と!
リサ:「人間の血の匂いがする」
リサは風に乗って漂って来る人間の血の匂いを感じ取った。
垂れて来る涎を抑えようと必死である。
愛原:「そこだ!」
車は元公民館だった伯父さんの家の敷地に入った。
愛原:「あっ!」
玄関の前で、誰かが血だらけで死んでいた。
しかも、その死体に食い付くモノがいる。
ジョン(ティンダロス):「ガゥゥゥ……!!」
伯父さんが飼っている柴犬のジョンが、3つ首のティンダロスに変化していた。
大きさも普通の柴犬から、馬くらいのサイズになっている。
愛原:「BOWだ!」
リサ:「ジョン!?どうして!?」
車を止めて、私達は銃を構えて車から降りる。
リサも第1形態に変化した。
よく見ると、死体のそばには銃が落ちている。
先ほどの銃声は、そこから発せられたものだろう。
高橋:「先生。やはり、黒幕はあの教授……」
愛原:「まさか伯父さんが……」
ジョン:「ガァァァッ!!」
ジョンは次の獲物を私達に定めると、飛び掛かって来た。
首が3つもあってバランスが悪そうなのに、動きは俊敏だ。
愛原:「何て奴だ!狙いが定められない!」
高橋:「ショットガンが必要でしたか!?」
愛原:「都合良くあるわけないだろ!」
私達が持っているのは、ハンドガンとマグナムである。
リサ:「はーっ!」
リサは両手の爪を長く鋭く尖らせており、それでジョンに向かって行った。
リサもBOWの中では動きは素早い方だが、やはり獣のジョンの方が上手である。
リサの爪は空振りに終わっている。
当たれば、大きなダメージが与えられると思うのだが……。
と、それは高橋のマグナムも同じか。
私達が苦戦している時だった。
ジョン:「ギャアッ!」
どこからともなく、何かが飛んで来た。
そして、それはジョンに突き刺さる。
愛原:「ボウガンか!?」
しかも、ただのボウガンではない。
ピッピッという電子音がしており、その後、爆発した。
つまり、爆矢である。
もちろん、それだけで倒せる化け物ではないが、少しダメージを与えたのは事実だ。
リサ:「今だ!」
リサは怯んだジョンに対して、鋭い爪で引っ掻き攻撃をした。
引っ掻かれた所から、大量の血が噴き出す。
愛原:「高橋、撃て!」
高橋:「うス!」
高橋がマグナムを撃ち込む。
私のハンドガンはパンパンという音だが、大型拳銃たるマグナムの銃声がドゴンドゴンという音だ。
当然、その威力はハンドガンの比ではない。
何しろ、あのタイラントに大ダメージを与えることができるくらいだ。
……ということは、それすらあまり効かないリサは、本当の化け物なのだろう。
敵に回さなくて良かった。
ジョン:「ギャアアアアアッ!!」
そして、ついにジョンは断末魔を上げて倒れたのである。
致命傷を受けたジョンは、3つ首のティンダロスから普通の柴犬に戻った。
もちろん、死んでいたが。
リサ:「ジョン……。ゴメンね……」
私は人間の死体の方に駆け寄った。
うつ伏せで死んでいたので、仰向けにしてみる。
幸い、顔はそんなに食い荒らされていなかった。
愛原:「秋葉さん!?」
それは先日、新宿で会った同業の秋葉氏であった。
秋葉氏もここを嗅ぎ付け、訪れたのか。
そして、ティンダロス化したジョンに襲われたか。
私はスマホを取り出して、善場主任に連絡した。
愛原:「……というわけです」
私は状況を説明した。
善場:「分かりました。すぐにBSAAに出動要請を行います。警察にはこちらから通報しますので、愛原所長は探索を続けてください」
愛原:「分かりました」
善場:「愛原公一名誉教授の姿は無いのですね?」
愛原:「今のところは……」
これだけの騒ぎで、家の中から出てくる様子は無い。
家にはいないのかもしれない。
愛原:「善場主任から、探索を続けるように指示があった」
私は電話を切ってから高橋達に言った。
高橋:「この死体は?」
愛原:「このままにしておけ。後で警察が来る」
高橋:「分かりました」
愛原:「もちろん、BSAAも後で来るそうだ」
高橋:「それなのに、俺達は先へ進むんですか」
愛原:「この家のことは、BSAAよりもまだ俺達の方が詳しいからな。露払いシクヨロってところだろう」
高橋:「了解です」
私達がそうしている間、リサはジョンの死体から何かを見つけた。
リサ:「先生、これ……」
第1形態のままなので、爪はまだ長くて尖っている状態である。
だが、常識的な長さだ。
場合によっては、“エルム街の悪夢”のフレディのような爪みたいになる。
そんなリサが、私に鍵を渡した。
リサ:「ジョンの腹の中から出て来た」
愛原:「おー、ありがとう。これは、玄関の鍵だと思う」
私はこれで玄関のドアを開錠した。
愛原:「やっぱりだ。防犯の為、玄関の鍵はジョンの犬小屋の中に隠してあるって、前に伯父さんが言ってたからな」
それをティンダロス化したジョンが飲み込んだのかもしれない。
愛原:「いきなりの中ボス戦だった。家の中にも、化け物がいるかもしれない。油断しないで行くぞ」
高橋:「はい」
リサ:「うん」
私と高橋は銃を構えながら、リサは爪を立てながら薄暗い家の中に入った。
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
仙台市内からレンタカーで、同じ宮城県内にある私の伯父の家に向かった。
だが、その途中……。
愛原:「ん!?」
パンパンバンバンと銃声の音が遠くから聞こえた。
銃声からして、マシンピストルの音のようである。
愛原:「今、銃声がしたよな!?」
高橋:「しましたね!」
愛原:「ここから先は危険かもしれんから、警戒して行くぞ」
高橋:「はい!」
私達の車は、林道のような狭い町道に入り、そこから伯父さんの家に向かう。
と!
リサ:「人間の血の匂いがする」
リサは風に乗って漂って来る人間の血の匂いを感じ取った。
垂れて来る涎を抑えようと必死である。
愛原:「そこだ!」
車は元公民館だった伯父さんの家の敷地に入った。
愛原:「あっ!」
玄関の前で、誰かが血だらけで死んでいた。
しかも、その死体に食い付くモノがいる。
ジョン(ティンダロス):「ガゥゥゥ……!!」
伯父さんが飼っている柴犬のジョンが、3つ首のティンダロスに変化していた。
大きさも普通の柴犬から、馬くらいのサイズになっている。
愛原:「BOWだ!」
リサ:「ジョン!?どうして!?」
車を止めて、私達は銃を構えて車から降りる。
リサも第1形態に変化した。
よく見ると、死体のそばには銃が落ちている。
先ほどの銃声は、そこから発せられたものだろう。
高橋:「先生。やはり、黒幕はあの教授……」
愛原:「まさか伯父さんが……」
ジョン:「ガァァァッ!!」
ジョンは次の獲物を私達に定めると、飛び掛かって来た。
首が3つもあってバランスが悪そうなのに、動きは俊敏だ。
愛原:「何て奴だ!狙いが定められない!」
高橋:「ショットガンが必要でしたか!?」
愛原:「都合良くあるわけないだろ!」
私達が持っているのは、ハンドガンとマグナムである。
リサ:「はーっ!」
リサは両手の爪を長く鋭く尖らせており、それでジョンに向かって行った。
リサもBOWの中では動きは素早い方だが、やはり獣のジョンの方が上手である。
リサの爪は空振りに終わっている。
当たれば、大きなダメージが与えられると思うのだが……。
と、それは高橋のマグナムも同じか。
私達が苦戦している時だった。
ジョン:「ギャアッ!」
どこからともなく、何かが飛んで来た。
そして、それはジョンに突き刺さる。
愛原:「ボウガンか!?」
しかも、ただのボウガンではない。
ピッピッという電子音がしており、その後、爆発した。
つまり、爆矢である。
もちろん、それだけで倒せる化け物ではないが、少しダメージを与えたのは事実だ。
リサ:「今だ!」
リサは怯んだジョンに対して、鋭い爪で引っ掻き攻撃をした。
引っ掻かれた所から、大量の血が噴き出す。
愛原:「高橋、撃て!」
高橋:「うス!」
高橋がマグナムを撃ち込む。
私のハンドガンはパンパンという音だが、大型拳銃たるマグナムの銃声がドゴンドゴンという音だ。
当然、その威力はハンドガンの比ではない。
何しろ、あのタイラントに大ダメージを与えることができるくらいだ。
……ということは、それすらあまり効かないリサは、本当の化け物なのだろう。
敵に回さなくて良かった。
ジョン:「ギャアアアアアッ!!」
そして、ついにジョンは断末魔を上げて倒れたのである。
致命傷を受けたジョンは、3つ首のティンダロスから普通の柴犬に戻った。
もちろん、死んでいたが。
リサ:「ジョン……。ゴメンね……」
私は人間の死体の方に駆け寄った。
うつ伏せで死んでいたので、仰向けにしてみる。
幸い、顔はそんなに食い荒らされていなかった。
愛原:「秋葉さん!?」
それは先日、新宿で会った同業の秋葉氏であった。
秋葉氏もここを嗅ぎ付け、訪れたのか。
そして、ティンダロス化したジョンに襲われたか。
私はスマホを取り出して、善場主任に連絡した。
愛原:「……というわけです」
私は状況を説明した。
善場:「分かりました。すぐにBSAAに出動要請を行います。警察にはこちらから通報しますので、愛原所長は探索を続けてください」
愛原:「分かりました」
善場:「愛原公一名誉教授の姿は無いのですね?」
愛原:「今のところは……」
これだけの騒ぎで、家の中から出てくる様子は無い。
家にはいないのかもしれない。
愛原:「善場主任から、探索を続けるように指示があった」
私は電話を切ってから高橋達に言った。
高橋:「この死体は?」
愛原:「このままにしておけ。後で警察が来る」
高橋:「分かりました」
愛原:「もちろん、BSAAも後で来るそうだ」
高橋:「それなのに、俺達は先へ進むんですか」
愛原:「この家のことは、BSAAよりもまだ俺達の方が詳しいからな。露払いシクヨロってところだろう」
高橋:「了解です」
私達がそうしている間、リサはジョンの死体から何かを見つけた。
リサ:「先生、これ……」
第1形態のままなので、爪はまだ長くて尖っている状態である。
だが、常識的な長さだ。
場合によっては、“エルム街の悪夢”のフレディのような爪みたいになる。
そんなリサが、私に鍵を渡した。
リサ:「ジョンの腹の中から出て来た」
愛原:「おー、ありがとう。これは、玄関の鍵だと思う」
私はこれで玄関のドアを開錠した。
愛原:「やっぱりだ。防犯の為、玄関の鍵はジョンの犬小屋の中に隠してあるって、前に伯父さんが言ってたからな」
それをティンダロス化したジョンが飲み込んだのかもしれない。
愛原:「いきなりの中ボス戦だった。家の中にも、化け物がいるかもしれない。油断しないで行くぞ」
高橋:「はい」
リサ:「うん」
私と高橋は銃を構えながら、リサは爪を立てながら薄暗い家の中に入った。
今、大石寺にいます。
今年最後の御登山が終わって、帰りのバスの中です。
遊園地もディズニーリゾートみたいな強い所と、そうでない所で二極化してきましたね。
もっとも、遊園地の凋落は私のような独り者が増えたからというのもあるでしょう。
ああいう所は、1人ではなかなか行きませんからね。
僕の街も唯一の遊園地が大晦日に閉園します。
どんどん昭和が遠のいていく様で哀しい・・・。