[8月28日11:04.天候:晴 宮城県仙台市宮城野区 仙台市営バス鶴巻バス停→仙台市営バス15系統車内]
リサと斉藤絵恋さんの散髪終了を待って、私達は出発した。
リサは望み通り、ショートボブへと髪形を変更している。
絵恋さんはセミロングからショートへ長さを変えたというだけで、全体的な形までは変わっていない。
愛原:「あー、なるほど。確かにリサと出会った時、こういう髪形だったなぁ……」
高橋:「あの時ゃ、そんな髪形を観察する余裕なんか無かったはずですよ」
愛原:「パンツは白かった記憶ならあるのだが……」
高橋:「は?」
絵恋:「えっ!?」
愛原:「あ、いや何でもない」
リサ:「うん、確かに白かった。今もそうだよ。見る?」
リサは自分の黒いスカートを捲り上げようとした。
愛原:「やめなさい!こういう所で!」
絵恋:「はわわ……!り、リサさん……!」
そんなことを話しているうちにバスがやってきた。
特段ラッピングをしているわけでもなく、緑と青の仙台市交通局オリジナルの塗装だ。
〔15系統、東部工場団地、若林体育館前経由、荒井駅行きでございます〕
私達はノンステップバスに乗り込んだ。
車内はガラガラで、1番後ろの席に並んで座った。
〔発車致します。ご注意ください〕
私達が乗り込むと中扉が閉まるが、なかなか走り出さない。
時間調整でもしているのかと思ったが、むしろ少し遅れているので、そういうわけでもない。
冒頭の写真では分かりにくいが、このバス停は片側3車線の道路にありながら、バス停車帯が無い。
それだけでなく、バス停を出てすぐ次の交差点を右折しなければならない為、走り出してすぐに左車線から右車線へと入る為、交通量が多いタイミングだとヘタに動けないのである。
手前の信号が赤になり、後ろから来る車が途切れたところで発車する。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ 次は岡田西町、岡田西町でございます〕
バスの外観は仙台市交通局だが、車内を見るに、どうも横浜市営バスの中古車のようだ。
何故なら座席モケットを見るに、横浜ベイブリッジだの、横浜中華街入口の門だの、女の子の靴だの、洋風なお墓の絵だのが描いてあったからである。
高橋:「先生、地下鉄はまだ止まっているみたいです」
高橋はスマホを見ながら言った。
愛原:「そうか。駅に着いたら運転再開していたという仄かな望みはダメか」
首都圏ならよくある話なのだが。
もちろん、その逆もある。
高橋:「午前中は全面運休みたいですね」
愛原:「マジか」
高橋:「一応、仙石線への振り替え輸送と、代行バスが運転されるみたいです」
愛原:「代行バスか……」
それに乗って行ったとしても、だいぶ時間が掛かるだろうなぁ……。
[同日11:15.天候:晴 仙台市若林区荒井 地下鉄荒井駅→仙台市営バス40系統車内]
バスは私達の他、2~3人の乗客を乗せて荒井駅に到着した。
愛原:「あー、何かいるわ」
ロータリーには他のバスが停車していた。
どうやらあれが代行バスらしい。
地下鉄が市営である為、代行バスも市営だった。
高橋:「あれに乗るんですか?」
愛原:「ふーむ……」
私達のバスが降車場に停車する。
私は自分のスマホを見た。
時間帯的に、そろそろ善場主任が現場に到着した頃だ。
愛原:「いや、別のバスに乗ろう。確かこの駅から、あの現場の近くを通るバスが出ているはずだ」
高橋:「やはり先生、現場に行かれますか?」
愛原:「やっぱり気になるじゃないか。善場主任もそろそろ到着した頃だし、話が聞けるかもしれない。あと、斉藤社長からの話も情報提供できる」
高橋:「さすが先生です」
私達はバスを降りた。
案の定、私達以外の乗客達は代行バスの方へ向かって行った。
元々荒井駅は現時点でそんなに乗客の多い駅ではないのと、ラッシュの時間ではない為か、代行バスは満席状態ではなかった。
もっとも、この駅周辺もマンション開発が進められている。
それができれば、この駅ももう少し賑わうようになるだろう。
係員:「地下鉄代行バスが発車しまーす!ご利用のお客様、お急ぎください!」
代行バスは私達が乗らないと分かると、ドアを閉めて発車していった。
途中の駅に止まりながら走ろうとすると、仙台駅に着くまでどのくらい掛かるのだろう?
愛原:「あった。次の薬師堂駅方面、あと10分くらいで来るぞ」
高橋:「先生のお仕事だ。文句は言わせねーぞ」
リサ:「うん、分かった」
絵恋:「わ、私はリサさんと一緒にいられれば、別にいいです」
高橋の説明、雑過ぎ!
私はバスを待っている間、善場主任にメールを送った。
もちろん、メールだ。
すぐに返信が来るとは限らない。
返信が来たのは、乗り換えのバスに乗り込んだ時であった。
そのバスも中古車で、今度は都営バスであった。
モケットに、マスコットキャラの『みんくる』の絵が描いてある。
まさか、仙台に来てまで都営バスに乗ることになろうとは……。
またもや1番後ろの席に座る。
愛原:「うん。やっぱり俺達に来てほしいみたいだ。特に、リサにだな」
高橋:「リサ、御指名だぞ。良かったな。指名料、善場の姉ちゃんからもらえよ?で、会ったらこう言うんだ。『御指名ありがとうございまぁす。リサでぇす』ってな」
愛原:「キャバクラか、このどアホ!」
高橋:「じゃあ、どうするんですか?」
愛原:「『ワタシ、サイキンコッチキタヨー!シャチョサン、アソンデカナイ!ヤスクスルヨー!』かな?」
高橋:「それ昔のフィリピンパブっす!」
絵恋:「ねぇ、リサさん?先生達、何の話をしているんたろう?」
リサ:「大人の仕事の話。私達は気にしたら負け」
絵恋:「そ、そうね。リサさんがそう言うなら……」
バスにエンジンが掛かる。
〔「11時26分発、X40系統、霞の目営業所前行き、発車します」〕
少し前まで、中扉の閉扉合図はブザーだったが、今は電車みたいにドアチャイムが主流になった。
あれも車種によって個性があって面白かったのだが。
やたら音色が低かったり、逆に甲高かったり。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ 毎度、市営バスをご利用くださいまして、ありがとうございます。このバスはX40系統、蒲町(かばのまち)、薬師堂駅、若林区役所前経由、市営バス霞の目営業所前行きです。次は荒井六丁目、荒井六丁目でございます〕
リサ:「お昼はちゃんと食べれる?」
愛原:「ああ、心配すんな。ただ、ちょっと時間はズレるかもしれないな。申し訳ないけど」
リサ:「むー……」
高橋:「一食くらい抜いても暴走しないようにする修行だと思え」
愛原:「おっ、高橋。いいこと言うな」
高橋:「えへへ……!あざーす!」
絵恋:「本当に昼食抜きってわけじゃないですよね?」
愛原:「それは無い。ちょっと遅れるだけだよ」
リサにはそれでいいかもしれないが、絵恋さんのお守りの仕事も継続中なのに、絵恋さんまで巻き込んで昼食抜きにさせるわけにはいかない。
善場主任には、現場に着いたらちゃんと説明しないとな。
リサと斉藤絵恋さんの散髪終了を待って、私達は出発した。
リサは望み通り、ショートボブへと髪形を変更している。
絵恋さんはセミロングからショートへ長さを変えたというだけで、全体的な形までは変わっていない。
愛原:「あー、なるほど。確かにリサと出会った時、こういう髪形だったなぁ……」
高橋:「あの時ゃ、そんな髪形を観察する余裕なんか無かったはずですよ」
愛原:「パンツは白かった記憶ならあるのだが……」
高橋:「は?」
絵恋:「えっ!?」
愛原:「あ、いや何でもない」
リサ:「うん、確かに白かった。今もそうだよ。見る?」
リサは自分の黒いスカートを捲り上げようとした。
愛原:「やめなさい!こういう所で!」
絵恋:「はわわ……!り、リサさん……!」
そんなことを話しているうちにバスがやってきた。
特段ラッピングをしているわけでもなく、緑と青の仙台市交通局オリジナルの塗装だ。
〔15系統、東部工場団地、若林体育館前経由、荒井駅行きでございます〕
私達はノンステップバスに乗り込んだ。
車内はガラガラで、1番後ろの席に並んで座った。
〔発車致します。ご注意ください〕
私達が乗り込むと中扉が閉まるが、なかなか走り出さない。
時間調整でもしているのかと思ったが、むしろ少し遅れているので、そういうわけでもない。
冒頭の写真では分かりにくいが、このバス停は片側3車線の道路にありながら、バス停車帯が無い。
それだけでなく、バス停を出てすぐ次の交差点を右折しなければならない為、走り出してすぐに左車線から右車線へと入る為、交通量が多いタイミングだとヘタに動けないのである。
手前の信号が赤になり、後ろから来る車が途切れたところで発車する。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ 次は岡田西町、岡田西町でございます〕
バスの外観は仙台市交通局だが、車内を見るに、どうも横浜市営バスの中古車のようだ。
何故なら座席モケットを見るに、横浜ベイブリッジだの、横浜中華街入口の門だの、女の子の靴だの、洋風なお墓の絵だのが描いてあったからである。
高橋:「先生、地下鉄はまだ止まっているみたいです」
高橋はスマホを見ながら言った。
愛原:「そうか。駅に着いたら運転再開していたという仄かな望みはダメか」
首都圏ならよくある話なのだが。
もちろん、その逆もある。
高橋:「午前中は全面運休みたいですね」
愛原:「マジか」
高橋:「一応、仙石線への振り替え輸送と、代行バスが運転されるみたいです」
愛原:「代行バスか……」
それに乗って行ったとしても、だいぶ時間が掛かるだろうなぁ……。
[同日11:15.天候:晴 仙台市若林区荒井 地下鉄荒井駅→仙台市営バス40系統車内]
バスは私達の他、2~3人の乗客を乗せて荒井駅に到着した。
愛原:「あー、何かいるわ」
ロータリーには他のバスが停車していた。
どうやらあれが代行バスらしい。
地下鉄が市営である為、代行バスも市営だった。
高橋:「あれに乗るんですか?」
愛原:「ふーむ……」
私達のバスが降車場に停車する。
私は自分のスマホを見た。
時間帯的に、そろそろ善場主任が現場に到着した頃だ。
愛原:「いや、別のバスに乗ろう。確かこの駅から、あの現場の近くを通るバスが出ているはずだ」
高橋:「やはり先生、現場に行かれますか?」
愛原:「やっぱり気になるじゃないか。善場主任もそろそろ到着した頃だし、話が聞けるかもしれない。あと、斉藤社長からの話も情報提供できる」
高橋:「さすが先生です」
私達はバスを降りた。
案の定、私達以外の乗客達は代行バスの方へ向かって行った。
元々荒井駅は現時点でそんなに乗客の多い駅ではないのと、ラッシュの時間ではない為か、代行バスは満席状態ではなかった。
もっとも、この駅周辺もマンション開発が進められている。
それができれば、この駅ももう少し賑わうようになるだろう。
係員:「地下鉄代行バスが発車しまーす!ご利用のお客様、お急ぎください!」
代行バスは私達が乗らないと分かると、ドアを閉めて発車していった。
途中の駅に止まりながら走ろうとすると、仙台駅に着くまでどのくらい掛かるのだろう?
愛原:「あった。次の薬師堂駅方面、あと10分くらいで来るぞ」
高橋:「先生のお仕事だ。文句は言わせねーぞ」
リサ:「うん、分かった」
絵恋:「わ、私はリサさんと一緒にいられれば、別にいいです」
高橋の説明、雑過ぎ!
私はバスを待っている間、善場主任にメールを送った。
もちろん、メールだ。
すぐに返信が来るとは限らない。
返信が来たのは、乗り換えのバスに乗り込んだ時であった。
そのバスも中古車で、今度は都営バスであった。
モケットに、マスコットキャラの『みんくる』の絵が描いてある。
まさか、仙台に来てまで都営バスに乗ることになろうとは……。
またもや1番後ろの席に座る。
愛原:「うん。やっぱり俺達に来てほしいみたいだ。特に、リサにだな」
高橋:「リサ、御指名だぞ。良かったな。指名料、善場の姉ちゃんからもらえよ?で、会ったらこう言うんだ。『御指名ありがとうございまぁす。リサでぇす』ってな」
愛原:「キャバクラか、このどアホ!」
高橋:「じゃあ、どうするんですか?」
愛原:「『ワタシ、サイキンコッチキタヨー!シャチョサン、アソンデカナイ!ヤスクスルヨー!』かな?」
高橋:「それ昔のフィリピンパブっす!」
絵恋:「ねぇ、リサさん?先生達、何の話をしているんたろう?」
リサ:「大人の仕事の話。私達は気にしたら負け」
絵恋:「そ、そうね。リサさんがそう言うなら……」
バスにエンジンが掛かる。
〔「11時26分発、X40系統、霞の目営業所前行き、発車します」〕
少し前まで、中扉の閉扉合図はブザーだったが、今は電車みたいにドアチャイムが主流になった。
あれも車種によって個性があって面白かったのだが。
やたら音色が低かったり、逆に甲高かったり。
〔ピン♪ポン♪パーン♪ 毎度、市営バスをご利用くださいまして、ありがとうございます。このバスはX40系統、蒲町(かばのまち)、薬師堂駅、若林区役所前経由、市営バス霞の目営業所前行きです。次は荒井六丁目、荒井六丁目でございます〕
リサ:「お昼はちゃんと食べれる?」
愛原:「ああ、心配すんな。ただ、ちょっと時間はズレるかもしれないな。申し訳ないけど」
リサ:「むー……」
高橋:「一食くらい抜いても暴走しないようにする修行だと思え」
愛原:「おっ、高橋。いいこと言うな」
高橋:「えへへ……!あざーす!」
絵恋:「本当に昼食抜きってわけじゃないですよね?」
愛原:「それは無い。ちょっと遅れるだけだよ」
リサにはそれでいいかもしれないが、絵恋さんのお守りの仕事も継続中なのに、絵恋さんまで巻き込んで昼食抜きにさせるわけにはいかない。
善場主任には、現場に着いたらちゃんと説明しないとな。
アメリカのオリジナル版リサ・トレヴァーの研究を受け継いだ日本アンブレラにより、完全体として造られたわけだが……。
そもそも、オリジナル版とは何ぞや?という方の為に、こちらの動画をどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=GtM0DrUM3aQ
元々Twitterはやっていないが、こりゃやらなくて正解だったな。
ブログの閲覧者数は減っているけど。
数字を気にしないといけない人達は大変だ。
私は傍観勢として気軽にやらせてもらおう。