[6月22日22:00.天候:曇 埼玉県さいたま市大宮区 敷島家]
アリス:「ただいまァ……」
シンディ:「ただいま帰りました」
敷島:「おう、アリス。遅かったな?」
アリス:「プログラムにエラーが出まくって、収拾に当たってたんだな、これが……」
敷島:「SEみたいな言い方するなァ……」
シンディ:「お風呂入りますか、博士?」
アリス:「うん、そうする」
シンディ:「かしこまりました。すぐ追い焚き致します」
敷島:「追い焚きならしといたよ。エミリーがお前達の帰りを予測したからな」
シンディ:「さすがですねぇ……」
敷島:「あ、そうそう。アリス、今度の土日付き合ってもらうぞ」
アリス:「Huh?」
敷島:「デイジーの潜伏場所が分かりそうなんだ。エミリーとシンディに出撃してもらうから、お前も来てもらうぞ」
アリス:「任せてよ!久しぶりに腕が鳴るわ!」
ダダダダダダダダ!
敷島:「こらこら!マシンガンぶっ放すな!トニーが起きちゃうだろ!」
もちろん、まだよちよち歩きの一人息子のおもちゃである。
敷島:「言っとくけど、探索には行かせないからな?」
アリス:「What’s!?」
敷島:「当たり前だろ。相手はあのデイジーだぞ?俺は司令役、お前はシンディの修理係だ」
アリス:「エミリーはどうするの?」
敷島:「もちろん平賀博士にも来てもらうから、平賀博士にエミリーの修理役をやってもらう」
アリス:「行くのは平賀教授とアタシ達だけ?」
敷島:「いや……」
敷島はニヤッと笑った。
敷島:「陽動役としてリンとレンにも来てもらうことにする。それと……どうやら、村上教授とロイも来るみたいだぞ?」
アリス:「何ですって!?」
シンディ:「何ですって!?」
アリスとシンディが同時に口を開いた。
アリス:「リンとレンを囮に使うの!?」
シンディ:「何でロイが来るんですか!」
敷島:「同時に質問するな。まず、アリスの質問に答える。リンとレンは昔、お前や暴走したエミリーを上手く陽動して翻弄しただろ?それをまたやってもらおうと思うんだ。もちろん、別にまたお前やエミリーに対してやってもらうわけじゃない。あくまで、デイジーにやってもらうんだ」
アリス:「効かなくて破壊されたらどうするのよ?会社が大損するわよ?」
敷島:「ああ見えて、ボーカロイドは意外と頑丈だ。それに、あいつらだけでやってもらうわけじゃない。メインはあくまで、エミリーとシンディだよ。一番理想的なのは、リンやレンの陽動作戦など必要無く、エミリーとシンディが難無くデイジーを捕獲してくれればベストなんだがな」
エミリー:「必ずや、ご期待に添えてみせます」
シンディ:「同じく……と言いたいところだけど、私の質問の回答は?」
敷島:「『仕方無いだろう』かな。週末の旅行の目的は、村上教授が手掛ける研究チームの先行調査団の捜索だ。いや、行方不明にはなっていないんだが、どうも様子がおかしい。恐らく俺達が向かう頃にはデイジーの居場所は掴んでいるだろうし、そこまでではなくても、大方の目星さえ付けていてくれれば、あとは俺達で捜索すればいい。そこで、村上教授が調査団の責任者として行くんだそうだ。その護衛役も兼ねているロイが同行するのは当然だろう?」
シンディ:「それはそうですけど……」
エミリー:「シンディと2人で力を合わせれば、お安い御用です。私達にお任せください」
敷島:「そうか。さすがは頼もしいことを言ってくれるな。因みにだな……デイジー相手に、何の武器も無いというのは些か不安だろう。今回に限っては、銃火器の使用許可を申請した。当たり前のことだが、素手では戦わせんよ」
シンディ:「それは助かります。デイジーのヤツ、しっかり武器を仕込んでましたからね」
敷島:「そうだろう、そうだろう。俺もそう思っていたんだ。それじゃあ、早速準備だ」
敷島は奥の部屋に行くと、大きなスーツケースを持って来た。
敷島:「準備は万全に備えて、デイジー捕獲に乗り出そう!」
ところが、その中身は……。
敷島:「ありったけのRデコイや手榴弾を用意した。平賀先生はこれらの他にリモコン爆弾や電撃グレネード、パルスグレネードも持って来てくれるらしい」
エミリー:「分かりました」
シンディ:「あ、あの……。ライフルとかショットガンとかは……?」
敷島:「鷲田警視に、『またロボットテロを起こす気か?この野郎!』と言われて却下された」
シンディ「あのハゲオヤジ……!」
エミリー:「御命令頂ければ、警視庁を襲撃致しますが?」
敷島:「せんでいい。ただ……『いいか?銃の装備は一切厳禁だ。発覚次第、使用者責任で逮捕する』と言っていたんだ」
アリス:「Oh……それって?」
敷島:「鷲田警視は、『銃は禁止』と言っていた。だから……」
敷島はデコイや手榴弾を収納したケースをバンと叩いた。
敷島:「それ以外のサブウェポンはOKということだ!因みに、大型ナイフも可!」
シンディ:「おお〜!」
エミリー:「さすがは社長!」
アリス:「これなら陪審員も言いくるめられるわね!」
無茶苦茶の理論であることを、誰も突っ込まないのであった。
敷島:「出発は明日の朝6時。だからもう早く風呂入って寝ようぜ」
アリス:「……えっ?何でそんなに早いの?」
敷島:「早く行って早く帰る為だ。それでいいだろう?」
アリス:「起きられるかしら……?」
敷島:「だから早く寝るんだろ。早く風呂入ってこい」
アリス:「タカオは?」
敷島:「俺はもう入ったよ。トニーも風呂に入れたし、あとはアリスだけなんだよ」
シンディ:「マスター。5時半には私がお起こし致しますから」
アリス:「朝早いのニガテなんだなー、これが……」
敷島:「車が無いと始発の川越線で通勤してるの、どこのどいつだよ?」
出発前であっても、敷島家は暢気なものだった。
アリス:「ただいまァ……」
シンディ:「ただいま帰りました」
敷島:「おう、アリス。遅かったな?」
アリス:「プログラムにエラーが出まくって、収拾に当たってたんだな、これが……」
敷島:「SEみたいな言い方するなァ……」
シンディ:「お風呂入りますか、博士?」
アリス:「うん、そうする」
シンディ:「かしこまりました。すぐ追い焚き致します」
敷島:「追い焚きならしといたよ。エミリーがお前達の帰りを予測したからな」
シンディ:「さすがですねぇ……」
敷島:「あ、そうそう。アリス、今度の土日付き合ってもらうぞ」
アリス:「Huh?」
敷島:「デイジーの潜伏場所が分かりそうなんだ。エミリーとシンディに出撃してもらうから、お前も来てもらうぞ」
アリス:「任せてよ!久しぶりに腕が鳴るわ!」
ダダダダダダダダ!
敷島:「こらこら!マシンガンぶっ放すな!トニーが起きちゃうだろ!」
もちろん、まだよちよち歩きの一人息子のおもちゃである。
敷島:「言っとくけど、探索には行かせないからな?」
アリス:「What’s!?」
敷島:「当たり前だろ。相手はあのデイジーだぞ?俺は司令役、お前はシンディの修理係だ」
アリス:「エミリーはどうするの?」
敷島:「もちろん平賀博士にも来てもらうから、平賀博士にエミリーの修理役をやってもらう」
アリス:「行くのは平賀教授とアタシ達だけ?」
敷島:「いや……」
敷島はニヤッと笑った。
敷島:「陽動役としてリンとレンにも来てもらうことにする。それと……どうやら、村上教授とロイも来るみたいだぞ?」
アリス:「何ですって!?」
シンディ:「何ですって!?」
アリスとシンディが同時に口を開いた。
アリス:「リンとレンを囮に使うの!?」
シンディ:「何でロイが来るんですか!」
敷島:「同時に質問するな。まず、アリスの質問に答える。リンとレンは昔、お前や暴走したエミリーを上手く陽動して翻弄しただろ?それをまたやってもらおうと思うんだ。もちろん、別にまたお前やエミリーに対してやってもらうわけじゃない。あくまで、デイジーにやってもらうんだ」
アリス:「効かなくて破壊されたらどうするのよ?会社が大損するわよ?」
敷島:「ああ見えて、ボーカロイドは意外と頑丈だ。それに、あいつらだけでやってもらうわけじゃない。メインはあくまで、エミリーとシンディだよ。一番理想的なのは、リンやレンの陽動作戦など必要無く、エミリーとシンディが難無くデイジーを捕獲してくれればベストなんだがな」
エミリー:「必ずや、ご期待に添えてみせます」
シンディ:「同じく……と言いたいところだけど、私の質問の回答は?」
敷島:「『仕方無いだろう』かな。週末の旅行の目的は、村上教授が手掛ける研究チームの先行調査団の捜索だ。いや、行方不明にはなっていないんだが、どうも様子がおかしい。恐らく俺達が向かう頃にはデイジーの居場所は掴んでいるだろうし、そこまでではなくても、大方の目星さえ付けていてくれれば、あとは俺達で捜索すればいい。そこで、村上教授が調査団の責任者として行くんだそうだ。その護衛役も兼ねているロイが同行するのは当然だろう?」
シンディ:「それはそうですけど……」
エミリー:「シンディと2人で力を合わせれば、お安い御用です。私達にお任せください」
敷島:「そうか。さすがは頼もしいことを言ってくれるな。因みにだな……デイジー相手に、何の武器も無いというのは些か不安だろう。今回に限っては、銃火器の使用許可を申請した。当たり前のことだが、素手では戦わせんよ」
シンディ:「それは助かります。デイジーのヤツ、しっかり武器を仕込んでましたからね」
敷島:「そうだろう、そうだろう。俺もそう思っていたんだ。それじゃあ、早速準備だ」
敷島は奥の部屋に行くと、大きなスーツケースを持って来た。
敷島:「準備は万全に備えて、デイジー捕獲に乗り出そう!」
ところが、その中身は……。
敷島:「ありったけのRデコイや手榴弾を用意した。平賀先生はこれらの他にリモコン爆弾や電撃グレネード、パルスグレネードも持って来てくれるらしい」
エミリー:「分かりました」
シンディ:「あ、あの……。ライフルとかショットガンとかは……?」
敷島:「鷲田警視に、『またロボットテロを起こす気か?この野郎!』と言われて却下された」
シンディ「あのハゲオヤジ……!」
エミリー:「御命令頂ければ、警視庁を襲撃致しますが?」
敷島:「せんでいい。ただ……『いいか?銃の装備は一切厳禁だ。発覚次第、使用者責任で逮捕する』と言っていたんだ」
アリス:「Oh……それって?」
敷島:「鷲田警視は、『銃は禁止』と言っていた。だから……」
敷島はデコイや手榴弾を収納したケースをバンと叩いた。
敷島:「それ以外のサブウェポンはOKということだ!因みに、大型ナイフも可!」
シンディ:「おお〜!」
エミリー:「さすがは社長!」
アリス:「これなら陪審員も言いくるめられるわね!」
無茶苦茶の理論であることを、誰も突っ込まないのであった。
敷島:「出発は明日の朝6時。だからもう早く風呂入って寝ようぜ」
アリス:「……えっ?何でそんなに早いの?」
敷島:「早く行って早く帰る為だ。それでいいだろう?」
アリス:「起きられるかしら……?」
敷島:「だから早く寝るんだろ。早く風呂入ってこい」
アリス:「タカオは?」
敷島:「俺はもう入ったよ。トニーも風呂に入れたし、あとはアリスだけなんだよ」
シンディ:「マスター。5時半には私がお起こし致しますから」
アリス:「朝早いのニガテなんだなー、これが……」
敷島:「車が無いと始発の川越線で通勤してるの、どこのどいつだよ?」
出発前であっても、敷島家は暢気なものだった。
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